小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十二章 再びの帝国との紛争

第七百九十七話 火魔法使いを無効化します

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「「「うおおおおお!」」」

 お昼過ぎになり、やはりというか帝国兵が事前予告なしに奇襲を仕掛けてきた。
 でも、王国側も十分に準備をしていたので、直ぐに迎撃に入った。
 シロちゃん、ピーちゃん、ムギちゃんもそれぞれの配置につき、僕も防壁に隠れて魔力探査を行なっていた。
 すると、直ぐに大きな魔力反応が現れた。

「くそ、休んでいる最中に起こしやがって。お前ら全員焼き殺してやる!」

 赤い髪のツンツンヘアで、なぜか上半身裸の若者が大声で叫んでいました。
 確かに、あの悪人面は盗賊って言われてもおかしくないね。
 火魔法使いはかなり不機嫌なのか、かなり物騒なことを行っているね。
 でも、僕は火魔法使いに物騒なことをさせないよ。

「おらあー、ぶっ殺してやる!」

 シュイン、シュイン。

 火魔法使いが両手を高く上げて魔力を練っているけど、怒っているからなのか魔力が上手く練られていないね。
 じゃあ、最初は長距離のマジックキャンセル魔法で魔法を打ち消しちゃおう。

 シュン。

「うらー、死ねや!」

 スカ、スカ。

「はあ!? なんじゃこりゃー!」

 火魔法使いが二つのファイアーボールを投げようとして思いっきり失敗したので、とっても滑稽な光景を見ることができました。
 僕は防壁に隠れてくすくすとしていて、他の兵は豪快に大笑いしていました。
 その後も火魔法使いは何回もファイアーボールを発動させ、その度に僕が打ち消していきます。
 火魔法使いの滑稽な姿に、防壁で控えている兵は笑いが止まりません。
 では、次の魔法を使いましょう。
 今度は、長距離マジックドレインで火魔法使いの魔力を奪います。

 シュイン、もわーん。

「な、なんだなんだ!? 魔力が抜けるぞ?」

 火魔法使いは、驚愕の表情のまま自分の両手をマジマジと見ていますね。
 元々火魔法使いは魔力量がそんなになかったみたいで、あっという間に殆どの魔力を奪っちゃいました。
 うーん、予想以上に火魔法使いは弱かったのかも。
 今度は、次の魔法を使いましょう。

 シュイン、バシッ。
 ふわーん。

「な、なんだなんだ!?」

 バインド魔法で火魔法使いを拘束し、念動で王国の陣地に引き寄せます。
 火魔法使いは宙を漂いながら、なんとか逃れようと足をバタバタとしています。
 でも火魔法使いの願いも叶わずに、僕たちの陣地に到着しました。

「あーははは。馬鹿みたいに、ジタバタしている姿は滑稽だったぞ」
「直ぐに拘束してやるぞ。いーひひひ、悪が捕まる時は呆気ないな」

 直ぐに兵が縄で火魔法使いを拘束するけど、みんな大笑いしていますね。
 魔法使い用の拘束魔導具も使い、火魔法使いへの拘束は完了です。

「おい、今すぐこの拘束を外せ! お前らをぶっ殺してやる!」

 火魔法使いは、地面に転がりながらもなんとかもがこうと暴れています。
 土まみれになっちゃうから、無駄な抵抗は辞めた方がいい気がするよ。
 そして、ハーデスさんも僕たちのところにやってきました。

「よし、これでいいだろう。しかし、我々に多数の負傷者を出した火魔法使いも、こうなってしまえば形無しだな」
「離せ、離しやがれ!」

 うーん、火魔法使いはハーデスさんが話している間もずっと暴れていますね。
 しかし、ハーデスさんが次に放った一言で火魔法使いは動きを止めることになりました。

「なんにせよ、お前は王国の国家指名手配犯だ。帝国が捕虜交換の手続きをしたところで、お前を解放することはない。このまま、王都に運んで裁判を受けてもらう。最も、罪状は決まっているようなものだがな」
「はあ?」

 火魔法使いはかなりびっくりした表情のまま固まっちゃいました。
 でも罪は償わないといけないし、大きな犯罪を犯しているなら尚更だね。
 念の為に、帝国との戦いが終わって捕虜交換が行われるまで裁判は行われないそうです。
 では、早速護送の準備を始めちゃいましょう。
 ジタバタすると護送が大変なので、大人しくなってもらいましょうね。

 シュイン、もわーん。

「お前、何を……ぐう」
「ようやく大人しくなったな。ディフェンダーズ伯爵には連絡をしてある、護送を開始せよ」
「「「はっ」」」

 睡眠魔法で火魔法使いを眠らせ、すかさずハーデスさんの命を受けた兵が火魔法使いを担架に乗せて運び始めました。
 戦闘はまだ続いているけど、帝国にとってはとっても大きな損失ですね。
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