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第一章 五歳になりました
第十五話 不思議な兄弟の縁
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俺はバンザス男爵領のギルドマスターだ。
今、俺は王都のギルド本部にいる。
関係者以外入れない部屋の中で、俺の目の前にいるのはギルドの統括マスターと軍務卿だけだ。
勿論、議題は朝クロノが持ってきた強力な毒消しポーションの事だ。
「ふむ、効能は確認結果と同じだね。作成者もクロノとドリーと出ている」
「統括、あの二人にこんな高等なポーションの作り方を教えましたか?」
「いや、基本的な事だけだ。ここまで作ったのは、あの二人の努力の結果だろう」
一年前、クロノとドリーにポーションの作り方を教えたのは何を隠そう目の前にいる統括だ。
殿下の命を受けて、統括がクロノの様子を確認しにきたのだ。
その時に、クロノとドリーに錬金術師の才能がある事を見抜いたのだ。
統括の鑑定能力によってだ。
嬉しそうに笑う統括を見るに、ここまでの成果を出せるとは思っていなかった様だ。
「しかし、丁度四本あるのは都合が良い。殿下に一本ずつ持ってもらおう」
「弟が丹精込めて作ったとなれば、肌身離さず大事に持っていそうですね」
軍務卿の言う事に、俺も賛成だ。
というのも、殿下の身の安全を脅かす事件が起きていて、殿下の付き人に毒が盛られる事件が立て続けに起きたからだ。
たまたまというか、クロノの作った毒消しポーションを俺が持っていたので事なきを得たが、もし王都の毒消しポーションなら命は助からなかっただろう。
実は王都の薬師ギルドも幹部が不正を行っていて、ポーションの質が落ちてしまっているのだ。
その為に、最近は俺も王都のポーションは全く使わなくなった。
そして、殿下についてはどんな毒が使われるか全く分からない。
王妃と宰相は、その位人の命を軽視している。
殿下には念の為に現状の毒消しポーションを殿下にも渡しているが、この強力な毒消しポーションも渡しておいた方が良いだろう。
警備を強化しても、全ての陰謀を防げる訳ではない。
言わば保険の様な物だ。
「しかし、兄弟の縁とは不思議ですな。互いに知らない所で助け合っている」
「本当ですね。殿下にクロノを会わせてやりたいですが、どうも中々上手くいきませんな」
「それももうすぐだ。一週間後に貴族を集めて、どちらが即位するか宣言する手筈になっている」
俺達は、何とかしてあの兄弟を引き合わせたいと思っている。
あと一週間、しかし一週間もあるのだ。
あの腹黒王妃と能無し宰相の周辺が、殿下が宣誓すると発表してから騒がしいのだ。
うーん、帰ったらクロノにポーションと毒消しポーションの増産を少し急がせた方がよさそうだ。
念には念を入れておいた方がよさそうだな。
と、ここで至急を知らせる出来事が起きてしまった。
かなり焦った様子の兵が、部屋の中に入ってきた。
「軍務卿閣下、一大事でございます。アレク殿下に強力な毒が盛られました」
「なに! 殿下の容体は?」
「手元にクロノ様お手製の毒消しポーションがありましたので、何とか小康状態を保っております」
「そうか、普通の毒消しポーションでは無理か。早速、強力な毒消しポーションの出番となってしまったか」
「まるで、クロノはこういう事になるのを見通していたとしか思えないな」
「これが兄弟の縁、という事でしょうね」
早速クロノが作成した強力な毒消しポーションの出番となってしまった。
これは思った以上に事態は深刻だな。
そして、更に追加情報が入ってしまった。
「軍務卿閣下、カーター殿下とスカーレット殿下とリリアン殿下にも強力な毒が使われました」
「くそ、あの二人は手段を選ばなくなってきたか」
「これは急がないといけませんな。私も向かおう」
「俺も行く。こういう時は分担して動こう」
俺達三人は、急いで動き出した。
幸いにもこちらの手元には、四本の強力な毒消しポーションがある。
俺は、益々兄弟の縁という物を感じてしまったのだった。
今、俺は王都のギルド本部にいる。
関係者以外入れない部屋の中で、俺の目の前にいるのはギルドの統括マスターと軍務卿だけだ。
勿論、議題は朝クロノが持ってきた強力な毒消しポーションの事だ。
「ふむ、効能は確認結果と同じだね。作成者もクロノとドリーと出ている」
「統括、あの二人にこんな高等なポーションの作り方を教えましたか?」
「いや、基本的な事だけだ。ここまで作ったのは、あの二人の努力の結果だろう」
一年前、クロノとドリーにポーションの作り方を教えたのは何を隠そう目の前にいる統括だ。
殿下の命を受けて、統括がクロノの様子を確認しにきたのだ。
その時に、クロノとドリーに錬金術師の才能がある事を見抜いたのだ。
統括の鑑定能力によってだ。
嬉しそうに笑う統括を見るに、ここまでの成果を出せるとは思っていなかった様だ。
「しかし、丁度四本あるのは都合が良い。殿下に一本ずつ持ってもらおう」
「弟が丹精込めて作ったとなれば、肌身離さず大事に持っていそうですね」
軍務卿の言う事に、俺も賛成だ。
というのも、殿下の身の安全を脅かす事件が起きていて、殿下の付き人に毒が盛られる事件が立て続けに起きたからだ。
たまたまというか、クロノの作った毒消しポーションを俺が持っていたので事なきを得たが、もし王都の毒消しポーションなら命は助からなかっただろう。
実は王都の薬師ギルドも幹部が不正を行っていて、ポーションの質が落ちてしまっているのだ。
その為に、最近は俺も王都のポーションは全く使わなくなった。
そして、殿下についてはどんな毒が使われるか全く分からない。
王妃と宰相は、その位人の命を軽視している。
殿下には念の為に現状の毒消しポーションを殿下にも渡しているが、この強力な毒消しポーションも渡しておいた方が良いだろう。
警備を強化しても、全ての陰謀を防げる訳ではない。
言わば保険の様な物だ。
「しかし、兄弟の縁とは不思議ですな。互いに知らない所で助け合っている」
「本当ですね。殿下にクロノを会わせてやりたいですが、どうも中々上手くいきませんな」
「それももうすぐだ。一週間後に貴族を集めて、どちらが即位するか宣言する手筈になっている」
俺達は、何とかしてあの兄弟を引き合わせたいと思っている。
あと一週間、しかし一週間もあるのだ。
あの腹黒王妃と能無し宰相の周辺が、殿下が宣誓すると発表してから騒がしいのだ。
うーん、帰ったらクロノにポーションと毒消しポーションの増産を少し急がせた方がよさそうだ。
念には念を入れておいた方がよさそうだな。
と、ここで至急を知らせる出来事が起きてしまった。
かなり焦った様子の兵が、部屋の中に入ってきた。
「軍務卿閣下、一大事でございます。アレク殿下に強力な毒が盛られました」
「なに! 殿下の容体は?」
「手元にクロノ様お手製の毒消しポーションがありましたので、何とか小康状態を保っております」
「そうか、普通の毒消しポーションでは無理か。早速、強力な毒消しポーションの出番となってしまったか」
「まるで、クロノはこういう事になるのを見通していたとしか思えないな」
「これが兄弟の縁、という事でしょうね」
早速クロノが作成した強力な毒消しポーションの出番となってしまった。
これは思った以上に事態は深刻だな。
そして、更に追加情報が入ってしまった。
「軍務卿閣下、カーター殿下とスカーレット殿下とリリアン殿下にも強力な毒が使われました」
「くそ、あの二人は手段を選ばなくなってきたか」
「これは急がないといけませんな。私も向かおう」
「俺も行く。こういう時は分担して動こう」
俺達三人は、急いで動き出した。
幸いにもこちらの手元には、四本の強力な毒消しポーションがある。
俺は、益々兄弟の縁という物を感じてしまったのだった。
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