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第一章 五歳になりました
第三十一話 誰と一緒に寝る?
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孤児院に荷物を取りに行ったアンナお姉ちゃん達が屋敷に戻ってきたのは、夕方になってからだった。
因みに、アンナお姉ちゃん達と一緒に孤児院に行ったギルドマスターは旧男爵領にいるそうです。
「ただいま。荷物を運ぶのを手伝って」
「はーい」
馬車に荷物が乗っているので、アンナお姉ちゃんが皆に声をかけてそれぞれ自分の物を持っていきます。
うーん、服もあんまりないし、僕とドリーお姉ちゃんのポーションを作る道具と台所用品が一番嵩張っているな。
「あら、皆の荷物はこれしかないの?」
「そうなの。服もお下がりが多いし、一回も買ったことがないんだ」
「服も満足に買えんとは。何とも不憫じゃのう」
僕達の荷物の少なさに、おじいちゃんとおばあちゃんはビックリしている。
おじいちゃんは、僕の頭を撫でながら随分と悲しんだ顔をしている。
孫がこんな状況下で暮らしていたなんて、夢にも思わなかったんだろうな。
荷物を玄関に置いておくと邪魔なので、各自部屋に置いて夕食にします。
今日も沢山の料理が食堂のテーブルに並んでいて、僕達孤児院のメンバーは目を輝かせています。
「にーに、今日もお肉がある!」
「そうだね、ライラちゃん美味しい?」
「うん!」
僕は、お肉を口いっぱいに頬張るライラちゃんの口を拭いてあげます。
ライラちゃんは、昨日に引き続き大好きなお肉が食べられてとってもご機嫌です。
そんな僕達の様子を見ていた姉様が、僕に孤児院での食事について質問してきたんだ。
「ねえ、クロノ。孤児院ではお肉は食べられなかったの?」
「誰かの誕生日とかのイベントとかある時だけだったよ。そもそも、もっと小さい頃は一日一食って時もあったし」
「ええ! 一日一食しか食べられなかったの?」
「うん、森も動物が狩れなくて野菜も不作の時があったからね。確かライラちゃんが孤児院に来た時だったよ」
今思うと、あの頃は冒険者からの差し入れが無かったら餓死していたかも。
それくらい天候不順で、野菜も採れなかったんだよね。
そんな事を僕が思っていたら、姉様達が黙り込んでいたのに気が付いた。
「姉様、ここ二年はポーション作りで稼いだお金もあったからそこまで酷い状況じゃなかったんだよ」
「クロノが食事にも困るほど苦しんでいたのもあるんだけど」
「私達は、不自由なく着るものを着て美味しいものを食べていたなんて」
そっか、姉様は王族だしあの捕まった宰相の孫だから、僕達の様に本当に苦しい人の生活を知ってショックだったんだ。
そんな僕達の様子を見ていたお母さんが、僕達に助け舟を出してくれた。
「ほら、先ずは折角作ってくれた料理を食べましょう。作ってくれた料理人に申し訳ないわ」
「「うん……」」
「それに、本で読んだ事と実際に感じた事ではこんなに受け止め方が違うでしょう。二人とも貴重な経験をしたと、今は思いましょうね」
「「はい!」」
おお、流石はお母さん。
瞬時に先生モードに切り替えて、二人を諭して落ち着けたよ。
姉様も何だか良い顔になったよ。
「にーに、お肉美味しいね」
「そうだね。いっぱい食べな」
「うん!」
相変わらずマイペースなライラちゃんのお口を拭きながら、この国の貴族が少しでも貧困対策をしてくれればなあって思った。
夕食後はお風呂に入ってお休みなのだが、ここでちょっとした問題が発生。
皆が、ゴードンお兄ちゃんと一緒に寝たいというのだ。
ゴードンお兄ちゃんと一緒に寝ると、もふもふで気持ち良いんだよね。
でも流石に揉めるのは良くないと、お母さんがとある提案をしてきた。
「じゃあ、今日はお母さんがゴードンちゃんと一緒に寝るわ」
「「「「えー!」」」」
「ほっ」
お母さんの提案に双子コンビは不満を言うけど、ゴードンお兄ちゃんは明らかにホッとした顔をしていた。
やっぱり日中にもふもふされまくったのがちょっとトラウマになっている様だ。
「「「「じゃあ……」」」」
「ライラは、にーにと一緒!」
「「「「えー!」」」」
そして双子コンビの次なるターゲットが僕に向いた時には、僕は既にライラちゃんを抱っこしている状態だった。
「ほらほら、皆も疲れているのだから」
「文句言わずに寝ましょうね」
「「「「はーい……」」」」
そしてアンナお姉ちゃんとドリーお姉ちゃんが双子コンビをなだめて、一件落着。
因みにゴレスお兄ちゃんは、我関せずって感じでずっとおじいちゃんと談笑していた。
因みに、アンナお姉ちゃん達と一緒に孤児院に行ったギルドマスターは旧男爵領にいるそうです。
「ただいま。荷物を運ぶのを手伝って」
「はーい」
馬車に荷物が乗っているので、アンナお姉ちゃんが皆に声をかけてそれぞれ自分の物を持っていきます。
うーん、服もあんまりないし、僕とドリーお姉ちゃんのポーションを作る道具と台所用品が一番嵩張っているな。
「あら、皆の荷物はこれしかないの?」
「そうなの。服もお下がりが多いし、一回も買ったことがないんだ」
「服も満足に買えんとは。何とも不憫じゃのう」
僕達の荷物の少なさに、おじいちゃんとおばあちゃんはビックリしている。
おじいちゃんは、僕の頭を撫でながら随分と悲しんだ顔をしている。
孫がこんな状況下で暮らしていたなんて、夢にも思わなかったんだろうな。
荷物を玄関に置いておくと邪魔なので、各自部屋に置いて夕食にします。
今日も沢山の料理が食堂のテーブルに並んでいて、僕達孤児院のメンバーは目を輝かせています。
「にーに、今日もお肉がある!」
「そうだね、ライラちゃん美味しい?」
「うん!」
僕は、お肉を口いっぱいに頬張るライラちゃんの口を拭いてあげます。
ライラちゃんは、昨日に引き続き大好きなお肉が食べられてとってもご機嫌です。
そんな僕達の様子を見ていた姉様が、僕に孤児院での食事について質問してきたんだ。
「ねえ、クロノ。孤児院ではお肉は食べられなかったの?」
「誰かの誕生日とかのイベントとかある時だけだったよ。そもそも、もっと小さい頃は一日一食って時もあったし」
「ええ! 一日一食しか食べられなかったの?」
「うん、森も動物が狩れなくて野菜も不作の時があったからね。確かライラちゃんが孤児院に来た時だったよ」
今思うと、あの頃は冒険者からの差し入れが無かったら餓死していたかも。
それくらい天候不順で、野菜も採れなかったんだよね。
そんな事を僕が思っていたら、姉様達が黙り込んでいたのに気が付いた。
「姉様、ここ二年はポーション作りで稼いだお金もあったからそこまで酷い状況じゃなかったんだよ」
「クロノが食事にも困るほど苦しんでいたのもあるんだけど」
「私達は、不自由なく着るものを着て美味しいものを食べていたなんて」
そっか、姉様は王族だしあの捕まった宰相の孫だから、僕達の様に本当に苦しい人の生活を知ってショックだったんだ。
そんな僕達の様子を見ていたお母さんが、僕達に助け舟を出してくれた。
「ほら、先ずは折角作ってくれた料理を食べましょう。作ってくれた料理人に申し訳ないわ」
「「うん……」」
「それに、本で読んだ事と実際に感じた事ではこんなに受け止め方が違うでしょう。二人とも貴重な経験をしたと、今は思いましょうね」
「「はい!」」
おお、流石はお母さん。
瞬時に先生モードに切り替えて、二人を諭して落ち着けたよ。
姉様も何だか良い顔になったよ。
「にーに、お肉美味しいね」
「そうだね。いっぱい食べな」
「うん!」
相変わらずマイペースなライラちゃんのお口を拭きながら、この国の貴族が少しでも貧困対策をしてくれればなあって思った。
夕食後はお風呂に入ってお休みなのだが、ここでちょっとした問題が発生。
皆が、ゴードンお兄ちゃんと一緒に寝たいというのだ。
ゴードンお兄ちゃんと一緒に寝ると、もふもふで気持ち良いんだよね。
でも流石に揉めるのは良くないと、お母さんがとある提案をしてきた。
「じゃあ、今日はお母さんがゴードンちゃんと一緒に寝るわ」
「「「「えー!」」」」
「ほっ」
お母さんの提案に双子コンビは不満を言うけど、ゴードンお兄ちゃんは明らかにホッとした顔をしていた。
やっぱり日中にもふもふされまくったのがちょっとトラウマになっている様だ。
「「「「じゃあ……」」」」
「ライラは、にーにと一緒!」
「「「「えー!」」」」
そして双子コンビの次なるターゲットが僕に向いた時には、僕は既にライラちゃんを抱っこしている状態だった。
「ほらほら、皆も疲れているのだから」
「文句言わずに寝ましょうね」
「「「「はーい……」」」」
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