元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!

藤なごみ

文字の大きさ
101 / 125
第一章 五歳になりました

第百一話 出陣決定

しおりを挟む
 そして遂に公爵領へ出撃する準備が整い、王都から兵が出発する事になりました。
 僕とお母さんは宮殿に向かって、会議に参加します。
 そこで、様々な報告がされています

「公爵領では、兵の離散が続いています。広場での襲撃が阻止されて、士気が低下しているようです」
「代わりに傭兵や冒険者を雇っているそうです。しかし、離脱した兵を全て補充するまでには至っておりません」

 公爵領の周りを包囲しているので、公爵領内の疲弊もかなり進んでいるそうです。
 住民の事がかなり心配ですけど、そこは対策を取るそうです。

「公爵領へは、カーターを大将にして現地に向かわせる。そして、ある程度統治をしてから代わりの代官に引き継ぐ予定だ」
「え、カーター兄様が現地に向かうんですか?」
「ああ。これは王家に対する反乱だから、王家としても、それなりの立場を立てないとならない」
「流石に兄上は即位したばっかりだし、ここは私が現地に向かわないとならないのだ」

 僕もとても心配しているけど、アルス兄様とカーター兄様の決意は固かった。
 二人が決めた事なので、僕も余計な事は言いませんでした。
 お母さんも表情は変えていないけど、内心はとても心配なんだろうなあ。

「今回は正規兵に加えて獣人部隊も参加する。正直な所物量で押せると思うが、念には念を入れる」
「魔法兵も投入する。出来る限りの事をするのだが、ここでクロノにお願いがある」
「僕に、ですか?」

 急に話を振られたのでびっくりしたけど、カーター兄様から僕に何のお願いだろうか?

「一つは市内の巡回を強化したいので、暫くの間またクロノの所の手を借りたい。兵が少なくなるので、犯罪者が増える可能性がある」
「分かりました。巡回は大丈夫です。皆、喜んで協力してくれると思います」
「そうか、それは助かる」

 カーター兄様からの一つ目のお願いは、前もやっていたので全く問題ありません。
 ゴレスお兄ちゃんもアンナお姉ちゃんも、勿論ララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんもきっと張り切ってやってくれるでしょう。

「二つ目は、私が不在の間ティナの様子を見てやって欲しい。母上にも頼んであるが、クロノにもこの件を頼みたい」
「勿論です。ティナさんは将来の義姉さんになりますし」

 やっぱりカーター兄様も、ティナさんの事が心配なんだろうな。
 優しいカーター兄様だから、自分が不在の間ティナさんができるだけさみしい思いをしないように手を打っているんだ。
 僕も全力でティナさんがさみしい思いをしないように頑張ります。

「まあ、ティナの事はステラにも様子を気にかける様に頼んである。私にとっても将来の義妹だ。私も気を付ける様にしよう」
「私もティナさんが悲しい思いをしないように気を付けます」
「家族皆で様子を見ますね」
「私にとっても義理の娘になるのだから、気にかけるのは当然よ。だから、カーターは自分の事に集中しなさいね」
「はい、分かりました」

 アルス兄様とスカーレット姉さまもリリアン姉さまもお母さんも、ティナさんの様子を見るのは当たり前だと言っています。
 カーター兄様にとって、皆の思いはとても心強い事ですね。
 これから戦術面の話になるので、僕とスカーレット姉様とリリアン姉様は会議室から退場します。
 そして、お母さんが戻ってくるまで自室があるエリアに移動します。

「どれくらいで戦闘が終わるのかな?」
「現地に移動する時間もあるから、最低三か月はかかるんだって」
「戦闘よりも準備に時間かかるからって言っていたよ。戦闘は一瞬で終わるかもって」

 自室にある応接室に向かいながら、スカーレット姉様とリリアン姉様と話します。
 既に王族のエリアなので、不審な人は誰もいません。
 今は時が時なだけに、僕も人が複数いる所では余計な事を喋りません。
 そして、僕達は応接室に入りました。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ
ファンタジー
 前世は空手部主将の「ゴリラ」男。転生先は……筋力Eのひ弱な少年治癒士!?  「資質がなんだ!俺の拳は魔法を超える!……と、思うけど……汗」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  俺は五里羅門(ごり・らもん) 35歳独身男だ。硬派すぎて女が寄り付かず。強すぎる空手愛と鍛え抜かれた肉体のせいで不本意ながら通称「ゴリラ」と呼ばれていた。  仕事帰りにダンプに跳ねられた俺が目覚めると、そこは異世界だった。だが転生した姿は前世とは真逆。  病弱で華奢。戦闘力最低と言われる職業の「治癒士」(ヒーラー)適正の10歳の少年・ノエル。  「俺は戦闘狂だぞ!このひ弱な体じゃ、戦えねぇ!  「華奢でひ弱な体では、空手技を繰り出すのは夢のまた夢……」  魔力と資質が全てのこの世界。努力では超えられない「資質の壁」が立ちふさがる。  だが、空手馬鹿の俺の魂は諦めることを知らなかった。  「魔法が使えなきゃ、技で制す!治癒士が最強になっちゃいけないなんて誰が決めた?」  これは魔法の常識を「空手の技」で叩き壊す、一人の少年の異世界武勇伝。    伝説の騎士、美少女魔術師、そして謎の切り株(?)を巻き込み、ノエルの規格外の挑戦が今始まる!    

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

処理中です...