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1章〜復讐へ〜
絶望への始まり
しおりを挟む今は夜中、静まり返った街は新鮮な気持ちになる。普段賑わっているこの辺りでも店が閉まっていて、電気が消えて真っ暗であることながら静けさが漂う。
灯りは日本の街とは比べものにないほど美しい、転々と等間隔に並ぶ電柱はどこか自然豊かな田舎のように思わす。
夜風がすごく気持ちが良く、ずっと当たっていたいほど涼しい。
俺は抱きしめてくるエリシアとアリシャが寝ているベットから抜け出し、荷物を肩に背負いながら宿屋の前まで来ていた。
二人とも俺に抱きついてきていたので抜け出すには少し苦労した。
俺はティシフォネが言う娘を助けるために1人洞窟を目指そうと決めた。
リアはなるべく早く助ける。なぜか分からないが早く助けないともう無理な気がして気が気ではない。
ティシフォネはティシフォネの娘を救えば願いを叶えてくれると言った、だから俺は過去へ戻る力を手に入れる。そしてリアを救い出して、また、エリシアとアリシャ、リアと4人で冒険したい。
そのために俺は行く、一人で、エリシアとアリシャは巻き込めない、だから一人で行く。
サーラス洞窟は南の最果てにあるらしいのでこの街からは少し時間がかかるかもしれない。
次の街では馬車があるらしいのでそこまでは歩いて行く。
「エリシア、アリシャ元気で。また会おう」
俺は宿屋に向かって小さな声で別れの挨拶をし、歩き出そうとした、その刹那、後ろから声がかかった。
「竜二、一人でどこ行くの?」
振り返り見たその先に写ったのは黒いローブに包まれた双葉明日香こと殺人鬼だった。フードの中に顔を沈める殺人鬼の不気味さに少し恐怖を覚える。
殺人鬼はフードを下ろし、満面の笑みで、そして恋している乙女のような表情で俺に話しかけてきた。
「なんで、なんでお前がいるんだよ!!」
俺は怒りをあらわにして怒鳴りつけたが、殺人鬼は不敵な笑みを浮かべ答える。
「なんでって竜二が一人なんだもん。話しかけるチャンスじゃない?だから私は竜二に会いに来たんだよ」
「殺す!」
ただその一言を口にする。本音の言葉を投げかけたが、殺人鬼は俺のことを何もかもわかっているかのように流す。
「竜二は殺せない、それは分かっているよ」
「俺は昨日の俺とは違う!」
「まぁ少しは成長したみたいね。でもまだ竜二には躊躇を感じるよ」
殺人鬼は俺の目を見つめ、奥深いところを見据えている感じでとても気味が悪い。
シャークとの一戦で少しは成長した。だが、それはダークテールリフレクションが発動している時で、発動していない時はまだ、躊躇してしまう自分がいる。発動しているときは自分が自分でない感じで、まるで別人にでもなったかのような感覚があった。
臆病な俺でもこの力が発動さえすれば殺人鬼を殺せるに違いない。シャークを殺そうとした時みたいに。
「もしかしてサーラス洞窟に行くの?」
どこか俺をみて、何かを察したのか、殺人鬼は俺が隠そうとしていたその確信をついてきた。
「なぜお前がそれを知っている。もしかしてお前もティシフォネに言われたのか?」
「言われたわ、助けたら一つ願いを叶えてくれるって」
ティシフォネも俺とは別に保険として殺人鬼まで助けを求めていたのか!そう思うと少し腹が立ってきて、暗い感情が込み上げてくる。
「そうか...だがお前はくるな!これは俺の事なんだ、だからお前は邪魔だ」
これは俺の問題でそれの邪魔は決してして欲しくない。リアを助ける、それだけが俺の唯一の望みだから。
「私も連れてってよっ、私を連れて行ったら竜二にはメリットになると思うけどな~」
図々しく、勿体ぶるように殺人鬼は言うが、そんなことは関係ない。俺は殺気をさらけ出しながら殺人鬼を見つめ、言う。
「俺はお前が憎い、今すぐにでも殺したくてしょうがない。だから無理だ!お前を殺せる時に俺はまたお前を殺しに行く!」
「だったら私が勝手に竜二についていくから!なんて言っても私はついていくから!それに私は強いんだから」
子供が親に何か物をねだるがごとく、今の殺人鬼はそれとなんら変わらない。
「しつこい!俺はお前が隣にいるだけで気が狂いそうなんだ。だからこれ以上俺に付きまとわないでくれ!」
彼女を殺した恨みは絶対に消えないだから今にでも狂ってしまうほど憎くてしょうがない。
「無理ーっ!私は竜二が大好きだから離れたくない、今でもきついのにこれ以上離れるのは私狂っちゃうよ」
今でも大分狂っているのにこれ以上に狂うというのか。
「竜二?」
突然、聞き覚えのある声が聞こえ、驚きつつも振り返る。予想通りの姿が宿屋から二人現れた。
「エリシア、アリシャ!なんで起きてるんだ!?」
エリシアとアリシャは目をこすりながら目が半開きな状態で頭の上にハテナが浮かんでいるみたいにとぼけ顔だ。
俺は絶望感にひれ伏し、感情を表に出す。
この二人だけは巻き込みたくなかった、秘密にしておきたかった、大事な大事な仲間だから...。
「だってバレバレだよ、私たちの間から気付かずに抜けるだなんてまだ、10年はかかるよ」
「そんなにかかるのかよっ!ってそれより俺は少し散歩して行くだけだ、だから部屋に戻って寝ておけ」
ツッコミを入れつつも俺はとても焦っていたが、平然とポーカーフェイスで真実を隠す。
「あれ?竜二はサーラス洞窟に行くんじゃなかったの?」
俺とエリシアの会話に殺人鬼が横から口を出す。
「お前っっ!」
殺人鬼に本当のことを言われ怒りが込み上げてくる。殺人鬼、言うなよ!
「竜二、それは本当?」
エリシアはどこか見据えている目でこちらを伺ってくる。
「ち、違うってこいつが変なこと言っているだけだよ」
無理に嘘をつき冷や汗が止まらない。
「エリシアちゃん、アリシャちゃん、私アスカって言うんだ、これからよろしくね、竜二ってばー嘘は良くないよ!彼女の私でもさすがに少しだけ許せないよっ!」
「なんで、私たちの名前を知って...それより竜二ー!彼女ってなに?もしかして私たちに黙っていたんじゃないよねー?」
「だから違うって!嘘なんだって!こいつが嘘を言ってるだけで俺に彼女なんていないし、どこにも行かないんだよ!」
「竜二、嘘をついてる。彼女じゃないのは本当っぽいけど、どこにも行かないだなんて、それは嘘...竜二、お願いだから本当のことを言ってくれない?」
エリシアの魔眼の前には嘘は通用しないことを今俺は改めて気づいた。だから本当のことを言うしかない。
「本当は...エリシアやアリシャを巻き込みたくないんだ...だから言えない」
「竜二は最低ですね!そんなに私たちは不要ですか!私はもう仲間だと思っていたのに竜二は違ったんですね!そんな人だったとは思わなかったです!」
それまで俺たちを見守っていたアリシャが怒っている様子で言う。それもそうだろう大切な仲間に嘘をつかれ、裏切られたのだから。
「竜二ー、私はどんなことがあっても味方だし、共に助け合える仲間だと思っていたのだが、竜二は違うのか?」
エリシアも少し怒っていて、悲しさを隠しているようにも見えた。
「あーーーーー、わかったよ!言えばいんだろ言えば!俺はこれからサーラス洞窟に行く、神様の娘を助けにな」
これ以上の嘘は何も生み出さないと思うのと仲間に最低と言われれば正直に話すしかない。
「やっぱりサーラス洞窟に行くんですね、それも私たちを置いて...だけど私は竜二について行きます!あの時にそう決めたんです。どんな時でも勇者様について行くって」
「私も行くわ、竜二は大切な仲間だもん。竜二を一人で行かせるわけには行かない」
「お前たちは巻き込みたくなかったんだけど、もう無理そうだ。だからついて来い!これからサーラス洞窟に」
もうバレてしまってはしょうがない、絶対にエリシアとアリシャは死なせない。何としても、何を犠牲にしても、たとえ俺が死のうとも決して死なせない!
と俺は改めて心に誓う。
「うん!」「あぁ、死んでもついて行く」
「待って待って私もいるんだけど!ほっとかないでよ!私も竜二について行く!」
「アスカといったな、貴様は竜二とはどうゆう関係なんだ?」
「私と竜二は彼氏彼女の関係だよ」
平然と虚言を吐く殺人鬼にエリシアは少し驚いた様子だったが何か面白いと思ったのか変な提案をしてきた。
「だから違う、こいつはただの付きまとっているストーカーだ!」
「竜二の言っていることが本当そうね、でも私は仲良くなりたいな」
「私もです!アスカさんからは多大なるオーラを感じます!」
「こいつの本性を知らないから言えるんだ、もう知らない!殺人鬼!二人に何かしたらただじゃおかないからな!それが付いてくる条件だ」
決して殺人鬼を許した訳ではない理沙を殺した奴を許せるわけがない。俺は昨日殺人鬼から多大なるマナの量を感じられた、それに瞬間移動、やはり殺人鬼は強い、だから利用してやる。俺が過去に戻れる力を手に入れるまで、利用して、利用し尽くしてやる!そう心に決め熱い闘志をみなぎらせるのだった。
だが、昨日のことを思い出すとどこかシャークのマナに似ていたような...気のせいだろう。
「もちろん何もしないわ、エリシアちゃんとアリシャちゃんともっと仲良くなりたいもん。二人ともこれからよろしくね!それと私は気軽にアスカと呼んで欲しいな」
「わかった、これからよろしくアスカ」「よろしくです。アスカ殿!」
エリシアとアリシャは殺人鬼から出された手を交互に交わし、今後を共にする約束をした。
「それと竜二一つ聞いていいか?」
エリシアが不意に俺に質問を投げかけた。
「なんだ?」
「さっきティシフォネの娘といったな?」
「あぁ言ったよ」
「私は竜二になんの事情があってティシフォネ様の娘を助けるかわからない、だけどティシフォネ様の娘を助けるのはおススメしないぞ」
「ティシフォネの娘を助ければ一つ願いを叶えてくれるとティシフォネは言った。だから行かなければいけない」
「復讐神ティシフォネ様は悪い印象しかない。それもその娘だなんて、だけど竜二の事情はわかった。全力でサポートする」
背中を押してくれて、心配してくれる仲間に少しながら涙が出そうなる。
「ありがとうエリシア」
満面の笑みで最大の感謝を心を込めて言葉にした。
「それと、竜二の願いってなんだ?」
「過去に戻る。過去に戻って助けなければ行けない人が居るんだ」
夜空を見ながらどこか懐かしむように感慨深く話す竜二を見てエリシアは少し胸の奥が痛む感覚を覚えた。なんだろうこの気持ちは...
「か、過去に戻るっ!神って言うのはなんでも出来るのだな。もし、過去に戻ってもまた再開出来るか?」
「絶対に再開する。その時は初めましてだけどな」
「そうだな、絶対だぞ!そしてまたパーティを組んで冒険に行こう!」
「あぁ、俺は必ず迎えに行くからそれまで待っていてくれよ!」
俺とエリシアは拳と拳で熱く交わした。
「竜二、サーラス洞窟は四大洞窟だから、とても危険です。なのでみんなで協力して突破しましょう」
「おう!」
「それじゃ、ひとまず次の街まで行くぞ」
「ち、ちょっと待って部屋から荷物取ってくる、行こうアリシャ」
「はい!」
二人はドタバタと急いで部屋に戻っていった。
その間、残された二人はしばらくの間、静けさに浸っていたがその空間を殺人鬼が破ってきた。
「竜二、エリシアちゃんとアリシャちゃんやっぱり可愛いね」
「何かしたら殺すからな!」
「はいはい、わかってる何もしないって。エリシアちゃんとアリシャちゃんを殺して竜二を私だけのものにしたいって思ったこともあるけど、それじゃダメだって分かったの」
「やっぱり異常だな殺人鬼!」
「ちょっと殺人鬼ってやめない?少しは傷ついているんだよ?私たち仲間になったんだしこれからアスカって呼んでよ!」
「まぁそれも分からなくもない、ってか仲間じゃないから一時的な協力関係だから!エリシアとアリシャの前では殺人鬼って呼んでたら不思議に思うもんな。分かったよアスカ」
「キャーーーー嬉しい!嬉しすぎる!私大好きな竜二に名前呼ばれるの夢だったんだー、こんな簡単に夢が叶えられたなんてもう死んでもいいー、好き好き好きー竜二大好きだよー」
赤ている顔に手を当て、体を震わせ、嬉しさを表現する。
「じゃあ早く死ね!死んで地獄に落ちろ!」
「ひっどいなー、でもこれからはもっともーと竜二と一緒に居られるから竜二の心を掴んでみせるからー期待しててよね!」
「一生アスカには振り向かない自信がある」
とアスカと話をしていた時にエリシアとアリシャが準備を出来たようで二人とも肩に荷物を背負っている。
「待たせたな」
「では改めて出発するか!」
「はい!」「行きましょ」「冒険楽しみです!」
竜二を先頭に後の三人が後を追った。
不意に最後尾にいたアリシャが誰にも聞こえないほど小さな声で呟いた。
「ふと思ったのですがなんでさっきアスカは私たちの名前を知っていたんだろう?」
「アリシャちゃんなんか言った?」
聞こえないほど小さな声だったのにアスカは地獄耳とでも言うかのように鋭く確認してきた。
「い、いや何も言ってないですぞ」
アリシャは少し驚き、心の中で気にしすぎなのは良くないと前向きに捉えるのであった。
竜二たちはまだ知らないこの選択が間違っていたということを。
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