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樹神奉寧団編
68 樹神奉寧団編 新教主
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アイツの遺体は市立病院の方へ運ばれてゆきました。またいろいろ細工されるのかもしれません。『教主が教団本部で腹上死』は問題ありでしょうからね。
そして、就任したばかりの教主の死ですからね。またまたこれは、大変なことになってしまいました。
仰々しい教団葬には私も出なければなりませんでした。一応、私の婚約者ってことでしたからね。
私も悲しいフリは、しておきました。ホントは、全然悲しくないんだけど……。
大問題は、次の教主をどうするかというコトです。
教主は鬼頭の血を引いたものでなければなりません。今の幹部内には、鬼頭の血を引くものはいません。
ヤツの前の教主は、教主をしていた夫の死で斎巫でありながら教主職を継ぎました。それなら今回も・・・って、それ、私?!
いや、私、婚約者であって、まだ結婚してませんから!!
斎巫ってのだけでも、私なんかがナンダカナアって感じなのに、更に教主だなんて、それ、教団の表の代表者でしょ。そんなの、マッピラゴメンです。冗談じゃありません。
鬼頭の血縁者で、誰か適当なのを探してください!!
しかし・・・。
斎巫代替わりから今回のことで、鬼頭の親族で3人も死んでしまっています。すでに親族扱いされていなかった木藤姉妹も含めると5人。これが知れると、みんなビビってしまって、誰も名乗りを上げないみたい。
本部で幹部会議が招集され、私も出席することに・・・。
終結した幹部20数名。みんな、暗い顔。教団のこの後を考えますと、そうでしょうね。トップ不在は困ります。
口火を切ったのは祭儀部長。
「私は、斎巫様に兼任頂きたいと考えます。斎巫様はお若いですが、全ての儀式を全くの滞りなく立派にこなされています。その上、私共本部詰めにも常に優しく接してくださります。このような御方に是非とも教主になっていただきたい。これは私のみでなく、祭儀部全体の意見でもあります」
「ちょ、ちょっと、私、嫌だってば!」
「本部秘書課も全く同意見です。斎巫様が最もふさわしいと考えます。是非とも斎巫様に!」
「内務部も同じです。慈悲深くもあり、仕事も適格にこなされる斎巫様にお願いしたいです!」
「本部警備部も同意見です。斎巫様は誠に素晴らしいお方。是非、教主を兼任していただきたい」
は、はああ~?!
議事の進行役をしていた調達部長(市立病院院長)、周りを見渡しながら口を開きます。
「近くでお仕えしている者たちが全く同意見というコトは、斎巫様はそれだけ慕われ、カリスマ性をお持ちの方というコトではないでしょうか。それは教主に相応しい。調達部としても、全く意義はございません。
では、決をとってよろしいですか? 斎巫様の教主兼任に賛成の方は挙手を」
う、うそ、みんな手を挙げてる・・・。
「全会一致で、幹部会は斎巫様の教主兼任を求めます」
「う、嘘でしょう?! 私みたいな小娘に務まるわけないじゃないですか!」
「大丈夫ですよ。私ども幹部が全力でお支えします」
とは祭儀部長。
私の近くに控えていた若手の秘書さん(…と言っても、私よりもずっとずっと年上。)が私の耳元に囁きました。
「何も心配いりませんよ。前教主が何かしていたように見えましたか?」
あ・・・。
そうです。アイツ、セックスしていただけ・・・。
実際の仕事は、優秀な部下が全部やってくれる。任せちゃえばいいんですね。
それの認証をし、あとは踏ん反り返ってれば良いってことか……。
いや、そうは言っても、教団トップとして表向きの儀式を行ったり、挨拶したりッてことはあるはずです。
でもまあ、挨拶ってのも、原稿読めばよいだろうし・・・何とかなるのかな? アイツに務まったくらいだし……。
これ・・・、私がウンと言わないと収まらないよね・・・。
「わ、分かりましたよ。私なんかでよければ、精一杯務めさせていただきます」
ふてくされ気味での私の言葉に、盛大なる拍手と歓声を頂戴しちゃいました。
なんか、また大変なことになって来ちゃったよ・・・。
そして、就任したばかりの教主の死ですからね。またまたこれは、大変なことになってしまいました。
仰々しい教団葬には私も出なければなりませんでした。一応、私の婚約者ってことでしたからね。
私も悲しいフリは、しておきました。ホントは、全然悲しくないんだけど……。
大問題は、次の教主をどうするかというコトです。
教主は鬼頭の血を引いたものでなければなりません。今の幹部内には、鬼頭の血を引くものはいません。
ヤツの前の教主は、教主をしていた夫の死で斎巫でありながら教主職を継ぎました。それなら今回も・・・って、それ、私?!
いや、私、婚約者であって、まだ結婚してませんから!!
斎巫ってのだけでも、私なんかがナンダカナアって感じなのに、更に教主だなんて、それ、教団の表の代表者でしょ。そんなの、マッピラゴメンです。冗談じゃありません。
鬼頭の血縁者で、誰か適当なのを探してください!!
しかし・・・。
斎巫代替わりから今回のことで、鬼頭の親族で3人も死んでしまっています。すでに親族扱いされていなかった木藤姉妹も含めると5人。これが知れると、みんなビビってしまって、誰も名乗りを上げないみたい。
本部で幹部会議が招集され、私も出席することに・・・。
終結した幹部20数名。みんな、暗い顔。教団のこの後を考えますと、そうでしょうね。トップ不在は困ります。
口火を切ったのは祭儀部長。
「私は、斎巫様に兼任頂きたいと考えます。斎巫様はお若いですが、全ての儀式を全くの滞りなく立派にこなされています。その上、私共本部詰めにも常に優しく接してくださります。このような御方に是非とも教主になっていただきたい。これは私のみでなく、祭儀部全体の意見でもあります」
「ちょ、ちょっと、私、嫌だってば!」
「本部秘書課も全く同意見です。斎巫様が最もふさわしいと考えます。是非とも斎巫様に!」
「内務部も同じです。慈悲深くもあり、仕事も適格にこなされる斎巫様にお願いしたいです!」
「本部警備部も同意見です。斎巫様は誠に素晴らしいお方。是非、教主を兼任していただきたい」
は、はああ~?!
議事の進行役をしていた調達部長(市立病院院長)、周りを見渡しながら口を開きます。
「近くでお仕えしている者たちが全く同意見というコトは、斎巫様はそれだけ慕われ、カリスマ性をお持ちの方というコトではないでしょうか。それは教主に相応しい。調達部としても、全く意義はございません。
では、決をとってよろしいですか? 斎巫様の教主兼任に賛成の方は挙手を」
う、うそ、みんな手を挙げてる・・・。
「全会一致で、幹部会は斎巫様の教主兼任を求めます」
「う、嘘でしょう?! 私みたいな小娘に務まるわけないじゃないですか!」
「大丈夫ですよ。私ども幹部が全力でお支えします」
とは祭儀部長。
私の近くに控えていた若手の秘書さん(…と言っても、私よりもずっとずっと年上。)が私の耳元に囁きました。
「何も心配いりませんよ。前教主が何かしていたように見えましたか?」
あ・・・。
そうです。アイツ、セックスしていただけ・・・。
実際の仕事は、優秀な部下が全部やってくれる。任せちゃえばいいんですね。
それの認証をし、あとは踏ん反り返ってれば良いってことか……。
いや、そうは言っても、教団トップとして表向きの儀式を行ったり、挨拶したりッてことはあるはずです。
でもまあ、挨拶ってのも、原稿読めばよいだろうし・・・何とかなるのかな? アイツに務まったくらいだし……。
これ・・・、私がウンと言わないと収まらないよね・・・。
「わ、分かりましたよ。私なんかでよければ、精一杯務めさせていただきます」
ふてくされ気味での私の言葉に、盛大なる拍手と歓声を頂戴しちゃいました。
なんか、また大変なことになって来ちゃったよ・・・。
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