142 / 167
襲撃
142 後始末1
しおりを挟む
…さて、放置されていた環奈。
動くこともできず、素っ裸のまま、暗い館内で一人、首から上だけで藻掻いていた。
「早く来てよ~! 私、いつまで、このままなの~!」
杏奈と思念が繋がったことで、杏奈たちが何をしているかは全て分かる。杏奈にも、何度も早く早くと催促している…。
治療を終えたアマの案内で、慎也たちも神社境内の館まで来て、やっとのことで救出…。
テルによって金縛りも解かれたが、環奈は、すっかり不貞腐れてしまっていた。
それでも舞衣に着物を着せられ、抱き締められると機嫌が直り、安心して泣き出したのだった。
環奈のご機嫌も直った頃。それを見計らったということでもないだろうが、神社拝殿から二人の老鬼が、提灯を持って出てきた。
村長と大婆だ。
ゆっくりと歩いてきて、それぞれ提灯を置き、皆の前に跪く。アマとテルが負けたことは、もう知っている。抵抗するつもりは無い。
「ところでさ~。あなたたち、杏奈ちゃんと環奈ちゃんを攫ってきて~、生贄にするつもりだったんでしょ~」
杏奈と環奈が、ビクッと顔を強張らせた。当然だ。生贄なんて、真っ平ごめん。全くもって、冗談では無い。
「それが果たせなくなって、平気なの?」
「い、いや…。神前での合議には従わなければなりません。従えないのであれば、自ら腹を切るか、村を出るしか…」
「ふ~ん。じゃあ、もう一度決議させれば、取り消すことは可能?」
「無論でございます。再度の決議で前の決議が否定されれば、前の決議は無かったことになります」
村長が答えた。
「じゃあ、これからちょっと、演劇の時間よ~。あなたたちを、あの磔台に縛り付けるね~」
恵美の指差す方角は拝殿横。月光に輝く真新しい磔柱が二つあった。杏奈と環奈を縛り付け、生贄にするために作られたものであった。
予定では、裸に剥いた杏奈と環奈をそこに縛り付け、腹を裂いて臓物を引き出し、滴り出る血を飲み浴びながら男女が交わるということだったらしい。
そんなことをしても、当然のこととして効果は無く、この妖界で普通に子を産めるのは神子たちだけだ。とんだデマを流され、二人にとっては迷惑極まりない。
磔台を見ながら、恵美はニヤニヤしている。
「ただ縛り付けるだけじゃ、詰まんないわね~。よし、裸になりなさい。全裸とは言わないわ~。褌と腰巻くらいは許してあげる~。村長さんは、緊急会議の招集をしてね~」
恵美演出の小芝居が始まることとなった。
動くこともできず、素っ裸のまま、暗い館内で一人、首から上だけで藻掻いていた。
「早く来てよ~! 私、いつまで、このままなの~!」
杏奈と思念が繋がったことで、杏奈たちが何をしているかは全て分かる。杏奈にも、何度も早く早くと催促している…。
治療を終えたアマの案内で、慎也たちも神社境内の館まで来て、やっとのことで救出…。
テルによって金縛りも解かれたが、環奈は、すっかり不貞腐れてしまっていた。
それでも舞衣に着物を着せられ、抱き締められると機嫌が直り、安心して泣き出したのだった。
環奈のご機嫌も直った頃。それを見計らったということでもないだろうが、神社拝殿から二人の老鬼が、提灯を持って出てきた。
村長と大婆だ。
ゆっくりと歩いてきて、それぞれ提灯を置き、皆の前に跪く。アマとテルが負けたことは、もう知っている。抵抗するつもりは無い。
「ところでさ~。あなたたち、杏奈ちゃんと環奈ちゃんを攫ってきて~、生贄にするつもりだったんでしょ~」
杏奈と環奈が、ビクッと顔を強張らせた。当然だ。生贄なんて、真っ平ごめん。全くもって、冗談では無い。
「それが果たせなくなって、平気なの?」
「い、いや…。神前での合議には従わなければなりません。従えないのであれば、自ら腹を切るか、村を出るしか…」
「ふ~ん。じゃあ、もう一度決議させれば、取り消すことは可能?」
「無論でございます。再度の決議で前の決議が否定されれば、前の決議は無かったことになります」
村長が答えた。
「じゃあ、これからちょっと、演劇の時間よ~。あなたたちを、あの磔台に縛り付けるね~」
恵美の指差す方角は拝殿横。月光に輝く真新しい磔柱が二つあった。杏奈と環奈を縛り付け、生贄にするために作られたものであった。
予定では、裸に剥いた杏奈と環奈をそこに縛り付け、腹を裂いて臓物を引き出し、滴り出る血を飲み浴びながら男女が交わるということだったらしい。
そんなことをしても、当然のこととして効果は無く、この妖界で普通に子を産めるのは神子たちだけだ。とんだデマを流され、二人にとっては迷惑極まりない。
磔台を見ながら、恵美はニヤニヤしている。
「ただ縛り付けるだけじゃ、詰まんないわね~。よし、裸になりなさい。全裸とは言わないわ~。褌と腰巻くらいは許してあげる~。村長さんは、緊急会議の招集をしてね~」
恵美演出の小芝居が始まることとなった。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる