私の宇宙人恐怖体験

しんいち

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食用地球人の章

25 肛門封鎖

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 私には、どうにもこうにも理解できないのですが……。パルたちにとっては私の大腸内容物(つまり、ハッキリ言ってしまってウンチ!)は最高の香りと味であって、これが多く詰まっている大腸が上級品として扱われるのだとか。
 その為に、牧場で放牧されている私のクローンは屠殺7日前に肛門封鎖され、肉系の食事を十分に与えて肥育されてから、食肉処理されるのだそうです。
 こうすると、芳醇で濃厚な香りの腸内物でタップリ満たされた、最上級の大腸が得られるんですって。

 天然でこれは在り得ませんが、異星人的にはそんな病的な超便秘状態の大腸が好まれる……。肝臓じゃないけど、なんかこれ、フォアグラっぽくないですか?
 ガチョウにムリヤリ大量の餌を流し込むように食べさせ、人工的に作った脂肪肝がフォアグラ。
 私たちもガチョウにそんなことしてるんですから、文句言えたことじゃぁないですねぇ。

 で、そんなのがパルの星でのスタンダードなんだということですので・・・、当然ながら、私にも、これが要求されたのでした。

 私って、いつも快便で便秘の経験はないんですよ。それが、一週間の完全便秘状態だよぉ。
 苦しくないかなぁ……。


 肛門封鎖。……お尻の穴が封鎖されちゃう。
 なんか、トッテモ響きが怖いですよねぇ。

 でも、特別な手術をして肛門を縫い付けてしまったり…というのではありませんでした。
 お尻の穴にローションを塗り、グニュッと器具を刺し込んで、直腸の中にそれが入れ込まれるだけ。至極簡単です。

 私の直腸内にも、指先程の小さな器具がズブッと挿入されちゃいました。
 これだけで、肛門封鎖完了です。

 これ自体は痛くもないし、挿入時はともかく、中に完全に入ってしまえば何の違和感もありません。
 入れられた器具が直腸内で広がって肛門に蓋をし、ガスは通すけど、便は出ない状態になっているみたい。
 同時に直腸の排便を促す信号を脳に送る部分を麻痺させて、排便したいと感じなくさせるんだとか。
 これ以後、私はウンチしたいという感覚自体が無くなるし、お腹にどれだけ力を入れてもウンチが漏れ出すことはないんですって。

 だけども・・・、麻痺するのは直腸の排便誘発信号送信部分だけなんですよね。
 大腸には普通に健全に働いてもらわないと、美味しい(?)腸内物が生成されませんもんね。

 ですので、活発に大腸は働いているのに、出口封鎖で出せないから、どんどんウンチが内部に溜まってくる。
 当然、お腹が張って苦しいし、痛い・・・。
 それなのに食事は普通に、いや、普通以上に取らなければならない。肉系のモノを多く摂取するようにとの指令です。それも、必ず一日三食キッチリ・・・。
 もう最後は吐きそうで、かなり辛かったですよ!

 今日は肛門封鎖して7日経った、私の消化器摘出日です。
 私のお腹はプックリ張って、妊娠したみたくなっています。きっと大腸の中はウンチで溢れかえった最悪状態になっていますね。
 パルたちにとっては、最高の状態に仕上がっているということみたいですが、私としては、これ、超絶苦しいのよ。

 もう、大腸でも何でもよいから早く摘出しちゃって欲しいです!
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