この世界で生きていく

Emi 松原

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突然の通達

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                                  突然の通達


「ロキ、おはようございます。起きる時間ですよ」
「う……ん。おはよう、チィ」
 いつものように、チィの声に、起こされた僕は、眠い目をこすって、ベッドから起きると、朝の支度を始める。
「ロキ、今日の予定に、急遽変更がありました。朝の支度が、全て終わった後、王国からの使者が、ロキとルカに、会いに来るそうです。内容は、極秘事項とのことで、知らされていません。朝の支度が終わった後、応接室に行きましょう」
「えっ……王国からの使者……?」
 僕は手を止めて、チィを見た。
 僕とルカに用事……。一体、何なんだ?
「心配しなくても、大丈夫だと思われます。少なくとも、ロキが、何か、犯罪的行為を犯したり、思想を持ったわけでは、ありませんから」
「そっか。分かった。支度するね」
 僕は、チィに向かって頷くと、支度を終えて、朝ご飯を食べに、食堂へと向かう。
「ロキ、おはよう。王国から使者が来るって、聞いた?」
 先に食堂について、待っていてくれたルカが、少し、不安そうに、聞いてきた。
「うん。なんだろうね……」
「二人とも、不安にならなくても、大丈夫ですよ」
 心なしか、いつもより、チィの口数が、少ない気がする。と言っても、チィは、ロボットだから、心も感情もないのだけれど。
 いつもより、少ない口数で、朝ご飯を食べ終えた僕たちは、応接室へ入って、王国からの使者を待った。
「お着きになられたようです。二人とも、立って、挨拶の準備を、してください」
 チィの言葉に、僕とルカは、立って、挨拶の準備をする。
 それと同時に、王国からの使者と、そのサポートロボットが、部屋に入ってきて、僕は緊張しながら、挨拶をした。
 座るように促されて、座ると、王国からの使者は、サポートロボットを見た。使者のサポートロボットが、お腹の部分を開いて、モニターを起動させると、僕達に向かって、話し始めた。
「今日は、王国からの命を、伝えにやってきました。担当直入に言います。あなた達二人は、王国の、国王が求める基準を、クリアしました。なんの基準かと言いますと、外交員です」
「外交員……?」
 ルカが、目を細めるのが分かった。
「はい。国王は長年、ギア王国と、ヴィーヴル王国の架け橋になれる、外交員を求めていましたが、なかなか、基準をクリアできる者が、現れませんでした。ですが今回、お二人は、基準を、見事にクリアしたのです。お二人には、十六歳になった時、外交員として、ヴィーヴル王国に、向かって頂きます」
「へっ……?」
 突然のことに、僕は、何がなんだか分からず、変な声が出た。
「……。外交員とは、どんな仕事ですか? ヴィーヴル王国に行って、どんなことを、行うのですか?」
 ルカが、目を細めたまま、使者のサポートロボットに聞いた。使者は、挨拶の後、一言も喋っていない。
「外交員とは、職業上の名目で、実際は、ギア王国から、ヴィーヴル王国へ送る、留学生だと考えて下さい。ギア王国の人間が、ヴィーヴル王国を理解し、又、ヴィーヴル王国の方々にも、私たち、ギア王国を理解して貰う。その為に、ヴィーヴル王国で、しばらく生活して頂きます」
「具体的には、何を?」
 ルカが話を進める中、僕は、黙って聞くことしかできない。
「相互理解の為に、行って頂くので、これをしろ、というものはありません。しかし、ギア王国の人間として、恥じぬよう、務めて下さい」
「期間は、いつまでですか?」
「はっきりとは、決められていません。王国からの命は、全て、チィさんを使って、行います。又、そちらから、重要事項の報告があるときも、チィさんを、使って下さい。重要事項とは、全知全能と言われる、宝玉についてです。それ以外のことは、報告しなくて構いません。全て、チィさんに、記録されますから」
「宝玉……? あの、絵本に出てくる……?」
 僕は驚いて、かすれた声が出た。
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