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出会い
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しおりを挟む「じゃあ、ライキ、エミリィ、ギルドの中を、みんなに、案内してあげて。その後、みんなが、生活する家に、連れて行ってくれるかい?」
「……強制のくせに」
キラさんを睨みながら、エミリィさんが言った。でも、キラさんは、全く動じず、輝くように笑ったまま、エミリィさんを見ていた。
「うん。よく分かっているね。良いじゃないか。僕が、それだけ、君を信頼しているってことだよ。なんなら、今日はここに泊まりに来ても……」
キラさんの話の途中で、ライキさんが、咳払いをした。
「あー、ライキは、ノルの味方だっけ」
「どちらでもないです。エミリィの意志を、尊重しているだけですよ。それに、仕事中にエミリィを口説くのは、やめてください。あなた、ギルドマスターでしょう」
「ごめんごめん。でも、本気なんだけどなぁ……。おっと、見苦しい所を、見せてしまったね。ロキさん、ルカさん、チィさん、僕は普段、ここで仕事をしているから、何かあったら、いつでも来てね」
キラさんの、輝く笑顔に圧倒されて、僕たちは、何も言えずに、頷いた。
僕たちは、ギルドを、一通り見てまわり、ギルドと繋がっている、建物に向かっていた。
「ここは、ギルドメンバーが主に使う、酒場だ。食事をしたり、情報交換なども行われている。君たちが住むところには、台所があるけれど、ここの酒場は、料理が美味しいと、評判も良いから、どんどん使ってくれ」
ライキさんが、そう説明してくれながら、扉を開いた。
とても賑やかで、沢山の人の、楽しそうな声が、聞こえてくる。
ライキさんは、そのまま、僕たちを、カウンター席へと連れて行ってくれた。
カウンターでは、黄緑色の髪をした男の人が、けだるそうに、煙の出る何かをくわえている。
「お、エミリィ。今日は早かったな」
「違う。仕事」
カウンターの男の人に向かって、エミリィさんが返した。男の人が、僕たちを見る。
「あぁ、人族の子たちだな。座れよ。腹減ってるだろ?」
男の人は、笑顔で僕たちに声をかけると、何やら作業を始めた。
ライキさんが、座るように、促してくれて、僕とルカは、隣同士に座る。チィは、僕の斜め後ろに立った。
エミリィさんは、数席離れた、カウンター席へと座った。その椅子だけ、色が違う。他の椅子は全て、木でできていて、木の色のままなのに、その椅子は、薄いピンクに染まっている。そして、ライキさんが、その隣に座った。
「さっきの男の人は、ノルさん。精霊族だ。マスターの友人で、ここの酒場の店主をしている。情報を多く持っている人でもあるし、気さくな人だな。ちなみに、このピンクの椅子は、エミリィ専用。ノルさんは、葉巻を吸っているけれど、あれは、ほぼ薬草だから害はないぞ」
ライキさんに、説明をしてもらって、僕は、ノルさんを見た。
けだるそうな顔をしているけれど、その優しそうな顔は、誰かに似ている気がする。精霊族の人は、優しそうな人が多いから、そう思うのかもしれない。
ルカは、楽しそうに、店内を見渡している。
「はいよ。ちゃちゃっと作ったものだけど」
そう言って、ノルさんは、僕たちの前に、料理と飲み物を並べていく。それは、見たこともない料理の数々で、その、色とりどりの光景に、僕も、ルカも、目を奪われた。
「凄い……!! これ、お花ですよね……!! とても良い香りです!! こっちは、薬草……?」
ルカが、興奮して、ノルさんに、色々と聞いている。
「これは、食用にできる花で、花龍から採れるんだ。こっちは、薬にもできるし、普段の料理にも使える、万能食だな。ちょっと癖があるが、食べ慣れるとやみつきになるぞ。健康にも、美容にも良い」
ノルさんは、ルカに説明しながら、ライキさんの前にも、料理と飲み物を置いて、エミリィさんの前に、カラフルな色の飲み物が入ったグラスに、見たことのない、果物を置いた。
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