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出会い
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しおりを挟む「さ、冷めないうちにどうぞ」
ノルさんに促されて、僕とルカは、料理を口に運ぶ。
「わぁ……凄く、あたたかい味……!!」
ルカが、感動したように、声をあげた。
「ロキ、少し苦そうですね。ロキは、苦みが嫌いですから、その薬草は、ロキには、美味しく感じませんよ」
チィが、僕に向けて言った。
確かに、苦い。ギア王国では、僕たちの好みが、食事にも反映されるから、こんなに苦いものは、食べたことがない。でも……苦いのだけれど……。
口の中で、噛んでいるときに、ふわっと感じる甘みが、美味しく感じて、もっと食べたいという気持ちになる。
「苦いけれど、僕、これ、好きだ。凄く美味しい……!」
僕は、笑顔で言ったけれど、チィは、何も返してこない。なんでだろう……。まぁ、チィは、返す必要がないと判断した時には、返事をくれないから、いつものことだ。
「デザートには、ヴィーヴル王国の側にある森で採れた、果物をどうぞ。これ、美容に良いから、エミリィも好きなんだよ」
そう言って、ノルさんは、僕たちの前に、エミリィさんの前に置いたものと、同じ果物を、置いてくれた。
「森に、果物を採りに行くんですね」
ルカが、食べる手を止めずに、目を輝かせて、ノルさんに聞く。
物心ついたときから、ずっとルカと一緒にいるけれど、こんなに、楽しそうにしているルカを見るのは、初めてで、何故か、僕も嬉しくなる。
「そうだよ。森には、野生の龍や、攻撃的な動物たちもいるから、ギルドメンバーが、パーティーを組んで、採りに行くことが、多いな。それを、色んなお店におろすことで、その収入が入るんだ。動物の肉も、その時に、狩るんだよ」
ノルさんは、僕たちに説明してくれながら、エミリィさんの前に行った。
「エミリィ、今日の夜は、何が食べたい?」
「別に、なんでも良い」
エミリィさんが、ノルさんに、素っ気なく返したけれど、何故か、エミリィさんのまとう空気が、柔らかい。
「ノルさんに対して、エミリィさんは、ライキさんや、キラさんに対しての態度と、全く違って、とても穏やかですね。お二人の関係性が良いことが分かりますが、どういう関係なのでしょうか」
突然のチィの言葉に、僕もルカも、驚いて、一瞬、固まってしまった。
「んー? イケナイ関係?」
ノルさんが、少しふざけたように笑って、エミリィさんが、それを睨み付けたけれど、僕たちを睨む目とは、全く違う。
「変なこと言わないで」
「じゃあ、どんな関係?」
ノルさんが、エミリィさんに、いたずらっぽく笑う。
下を向いて、無言で食べ始めた、エミリィさんを見て、ライキさんが、ため息をついた。
「ノルさん、いじめすぎですよ。普通に、恋人同士だって言えば良いじゃないですか」
恋人同士……。言葉の意味は分かるけれど、ギア王国では、あまり聞かない単語に、僕は、どう反応して良いのか分からなかった。
「そんなことしてると、キラさんに、とられますよ。さっきも、エミリィのことを、誘ってましたし」
ライキさんが、食べながら放った一言に、ノルさんの眉が、ピクリと動く。
「エミリィ? ライキは何を言ってるのかな? ちょっと一緒に、別室へ行こうか」
ノルさんが、笑顔で言ったけれど、なんだか怖い……。
「ノル、おかわり」
そんなノルさんをよそに、エミリィさんは、ノルさんに、空になった、グラスを渡した。
「はいはい」
ノルさんが、それに対して、笑顔で準備をする。
「ノルさんと、エミリィさんが、恋人同士なのは理解しました。ノルさんと、ギルドマスターのキラさんは、友人だと聞きましたが、恋敵なのでしょうか。それに、人間関係に関して、ライキさんは、詳しいんですね。ライキさんは、やはり、この国の、重要人物なのですね」
チィの言葉に、ライキさんが、苦笑した。
「俺は、エミリィの親友ってだけ。それに、ノルさんと、マスターは、敵なんかじゃないよ。ちょっと、ノルさんの、エミリィへの愛が、重いだけだ」
「ですが、キラさんが、エミリィさんを誘っていたのは、事実です」
「……この複雑な感情的なものは、チィには、どう説明したら良いんだろうな」
ライキさんが、難しそうな顔をする。
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