この世界で生きていく

Emi 松原

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スモ爺のぬくもり

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                                スモ爺のぬくもり


「じゃあ、私は、エミリィさんと、行ってくるわね」
 ノルさんの、酒場で、朝食をとった後、ルカが、笑顔で言った。
「うん、頑張ってね」
 僕は、頷き返すと、ライキさんを見た。
「じゃあ、俺たちは、龍のところに行くか」
 ライキさんに言われて、僕は、ライキさんに頷く。
 エミリィさんは、朝だからか、とても不機嫌そうに、ルカと歩いて行った。

「龍は、基本的に、雑食。花龍は、植物を好んで食べることが、多い傾向だが、あくまで、傾向で、なんでも食べる。好みが、個体によって、様々でな」
 そう言うと、ライキさんは、龍の首輪の中に入っている、手紙のようなものを、手に取った。
「ここにはな、龍が、お店で欲しがって、お店の人が与えてくれたものと、その代金が書かれているんだ」
「えっ、龍が、自分で、お店に行くんですか?」
「露店だけれどな。龍人族は、意思疎通ができるし、常連になれば、精霊族も、ある程度分かるらしいから。森に行って、勝手に食うやつもいる。だから、餌は、あまり、与えることがない。糞の掃除や、体の手入れも、日常依頼を、受けた奴が、ほとんど、してくれている。だから、毎日行うのは、この手紙をチェックして、店に行くことと、健康をチェックすることだ」
「日常依頼?」
 ライキさんと一緒に、手紙をとって、内容を確認しながら、僕は聞く。
「あぁ、ギルドメンバー以外でも、誰でも受けられるのが、日常依頼。買い出しとか、店の手伝いとか、国の中で、相互で回していける機能だな。うちのギルドが仲介して、依頼を張り出しているんだ。内容によっては、子供が、小遣い稼ぎにすることもある」
「へぇ……」
 僕は、手紙を、ライキさんに渡しながら、頷いた。龍たちは、みんな、おとなしくしてくれて、僕が、手紙を取りやすいように、体をおろしてくれる。
「爺、昨日も、何も食べなかったのか」
 最後に、スモ爺の側に来たとき、ライキさんが、ため息をついた。
 スモ爺は、そんなライキさんを無視して、僕に、頭を、こすりつけてくる。
「おはよう、スモ爺。……ご飯、食べてないの?」
 ライキさんの言葉が気になって、スモ爺に、問いかけてみるけれど、スモ爺は、僕の隣に頭を置いて、僕を見ている。
 撫でてほしいのかな? そう思って、頭を撫でると、気持ちよさそうに、目を細めてくれた。
「爺、今から、商業地区に出るから、欲しいものがあれば、買ってくるけど」
 ライキさんの言葉に、スモ爺は、何か低い声で鳴く。ライキさんが、ため息をついた。
「しょうがない。行くか」
「あ、はい。じゃあ、スモ爺、またね」
 ライキさんと、スモ爺が、どんな言葉を交わしたのかは、分からなかったけれど、ライキさんの様子を見るに、スモ爺は、何も頼まなかったのだろう。
「スモ爺、大丈夫なんですか?」
「野生の龍は、数日食わないことも、多いからな」
 ライキさんの言葉に、僕は、黙って、頷いた。
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