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自分にできること
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しおりを挟む「わぁ、スモ爺、ルカは凄いね。自分のできることを、一生懸命やってる……ねぇ、スモ爺。僕には、この国で、何ができるのかな」
スモ爺は、黙って、僕を見ている。
「僕はね、ルカのように、選択肢が増えるとか、よく分からない。だけどね、ルカが、自分にできることを、一生懸命やっているのを見ていたら、凄いと思うし、僕も、このまま……なんていうんだろう。お客さんじゃなくて、何か、自分にできることを、したいと思ったんだ」
「だったら、日常依頼でもしてみたら? そのくらいなら、あんたにも、できるんじゃない」
突然、エミリィさんの声が聞こえて、僕は、驚いた。
気がついたら、エミリィさんが、隣に立っていた。
「日常依頼は、ヴィーヴル王国の国民と、直接関わるし。宝玉を、探さないといけないんでしょ。知ってる人が、いるかもよ」
素っ気なく、エミリィさんは、言ったけれど、そこに恐怖は感じなかった。
「ありがとうございます!」
僕は、エミリィさんに、笑顔で言った。エミリィさんは、軽く頷いただけだった。
※※※
「エミリィ、どういうつもりで、ロキに、あんなことを?」
夜中の酒場で、ライキが、エミリィに聞いた。
「どういうつもりって、言われても。だって、あいつが、何か、自分にできることはないかって、言ってたんだし。それに、この国で、宝玉のことを知っているのは、私たちと、長の二人だけでしょ。何も分からなければ、諦めるしかないじゃない」
「だけど、いずれ、知ることになると思うよ?」
エミリィに向かって、キラが言った。
「確かにそうだが、それを知るときは、最悪の時だ。早々に何か知って、ギア王国に、情報が漏れるのが、一番まずいだろ」
ノルが、キラに言う。
「……あの二人が、自分の出生のこと、それに、リィノのことを知ったとき、どうなってしまうんだろうね」
キラが、遠くを見ながら、静かに、言った。誰も、何も言わない。
「僕はね、あの二人に会えて、嬉しかったし、二人が選ぶのであれば、保護だってする。だけれど、大切な人の子供が、苦しむ姿は、見たくないな。もちろん、エミリィが、これ以上、苦しむ姿も」
「ギア王国で、何も知らずに暮らすことと、この国に来て、色々知ってしまうこと、どちらが良いんだろうな」
キラの言葉に、ノルが、葉巻の煙を、吐き出しながら、言った。
「……そんなの、決めるのは、あいつら自身じゃない。まぁ、せいぜい、生き延びられたら、分かるでしょ」
エミリィの言葉に、全員が頷いた。
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