龍神様はチョコレートがお好き

Emi 松原

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龍神様はチョコレートがお好き

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会議~自分の場所~

 今日は、休みだ。
 明さん達の、式神は、どうなったのだろう。
 そう思いながら、広間に入った俺は、ビックリして、固まった。
 明さん、幸多さん、絵里さん、志乃さん・・・いつものメンバーが、集まっていたのだ。明さんのおじいさん、師範まで、いる。
「おはようございます。優矢さん。お邪魔しています。」
 絵里さんが、にっこり笑って、言った。
「お・・・おはようございます・・・。あの、俺・・・。」
 俺は、全く、予想していなかったので、しどろもどろになりながら、言った。
「明、優矢さんが、困っているじゃない。だから、ちゃんと情報は、教えてあげなさいって、言ってるでしょ。」
 志乃さんが、いつものように、明さんに言う。
「だって、どうせ、同じ場所に、住んでるんだから、言わなくても、気が付くでしょ。」
 明さんも、いつもと同じように、不機嫌だ。
 良かった。何があったのかと思ったけど、二人が、いつも通りだから、少し安心した。
「驚かせてしまったね。優矢くんも、座っておくれ。」
 師範が、優しく、言ってくれた。
 俺は、うなずくと、机を挟んで、絵里さんの、目の前に座った。いつも、俺が座っている場所は、きちんと空いていた。それが、なんだか、嬉しかった。
「さて、どっちの、結果報告からする?私たちからで、良い?」
 志乃さんが、言った。
 きっと、昨日の、式神のことだ。
 全員が、うなずいた。
「私たちの式神は、攻撃に、特化して作ったの。呪いをかけている相手への、牽制の意味も、込めてね。相手を捕まえることはできなかった。ほとんどの式神も、消されてしまった。だけど、情報も手に入った。相手の攻撃能力と、戦闘態勢の波動が、式神に、しっかり残っているわ。」
 志乃さんが、人型の紙を、机の上に置いた。
「うわー。強い波動だねー。よく、この式神、無事だったねー。」
 成二さんが、笑顔で言った。成二さんの、怖い笑顔にも、慣れてきた気がする。
「そっちは、どうだった?」
 志乃さんが、達成さん、成二さん、美桜さんに、聞いた。
 答えたのは、美桜さんだ。
「私たちは、縁を繋ぐことを、一番に考えたのでぇ。状況に応じて動ける、柔軟性のある式神を、作りましたぁ。こちらも、相手を捕らえることは、できませんでしたが、無事、縁をつなぐことが、できましたぁ。」
 美桜さんが、嬉しそうに言って、志乃さんと同じように、人型の紙を、机の上に置く。
「へー・・・。三人の自由さが現れた、面白い、式神ね。」
 志乃さんが、感心したように、言った。
 皆には、俺には分からない、何かが、見えているようだ。
 ポーが、俺の肩から降りて、不思議そうに、人型の紙の周りを、うろうろしている。
「さて、問題は、ここからだ。」
 明さんのおじいさんが、真剣な声で、言った。
「明、相手の力を、どう見る?」
 明さんのおじいさんが、明さんに、に聞いた。
「思っていたより、とても力の強い、能力者です。呪詛の、プロだけあって、攻撃能力にも長けていて、痕跡も、最小限にしか、残っていませんでした。ですが、私たちがしたような、道具は一切、使いませんでした。一言で言えば、念の能力に、特化していて、呪術師になったんだと、思われます。」
 明さん・・・おじいさんには、物凄く丁寧だ。
 うなずく、明さんのおじいさん。
「美桜、縁はたどれたか?」
 師範が、美桜さんに、聞いた。
「はい。相手は、今、間違いなく、星蘭町にいますぅ。ですがぁ、縁の濃さから見ると、星蘭町には、最近来たように、思いますぅ。」
 美桜さんが、真剣に、言った。
「念に特化していて、最近、星蘭町に来た人物・・・ってことね。」
 志乃さんが、まとめた。
「外から来た人間ってことは、キラ研との関係も、考えられる。」
 達成さんが、腕を組んで言った。
「・・・・・。」
 全員、黙り込んだ。
「明と、志乃の、式神が、牽制を行ったんだ。相手の出方をみるしか、ないだろう。相手の出方次第で、我々も、また、対策を打つ。」
 師範が、言った。
 皆が、うなずいた。

「あー!忘れてましたぁ!」
 美桜さんが、突然叫んだ。
「何、どうしたの?」
 志乃さんが、驚いた様子で、聞いた。
「あのですねぇ。学校でも、神社の参拝客の中でも、噂になっている、最近できた、占い館があるんですぅ。当たるって、評判なんですけどぉ・・・。名前がですねぇ・・・「占い館・MAKOTO」なんですぅ。」
 美桜さんが、名刺のようなものを、出した。
 そこには、確かに、占い館MAKOTO・占い師・MAKOTOと、書いてある。
 ん・・・?MAKOTO・・・?・・・・・・M・・・・・?
 多分、皆、同じことを、思っただろう。
「お前、こんなもの、どこで手に入れたんだよ。」
 達成さんが、呆れ顔で、言った。
「これも、ご縁ですぅ。」
 美桜さんが、笑う。
「この、MAKOTOって人が、呪いをかけた、Mって可能性があるって、ことよね。」
 志乃さんが、皆の言葉を、代弁する。
「詳しくは、分からないのですがぁ・・・・。とにかく、ものすごく当たると、評判なんですぅ。一度に、二人まで、見てもらえるそうですぅ。」
 美桜さんが、首をかしげながら、言う。
「へぇー。興味あるなー。だって、占いって、相手の念を受け取れば、ある程度の、結果は出せるもんねー。念使いに、ぴったりって感じー。」
 成二さんが、名刺を見ながら、言った。
「明さん達が、この方と会えば、波動が、分かるのではないでしょうか?」
 絵里さんが、皆を、見渡した。
「私も、そう思ったんですけどぉ・・・。できたばかりなのに、凄い人気でぇ・・・。一日並んでも、見てもらえるかどうか、分からないらしいのですぅ・・・。」
 美桜さんが、残念そうに、言った。
 師範と、明さんのおじいさんは、黙って、事の成り行きを、見守っている。
「でしたら、白川財閥の、力を使いましょう。」
 絵里さんが、にっこりと笑った。
「さすが、本物の、お金持ちの言うことは、違うねー。」
 成二さんが、クスクスと笑う。
「潜入捜査ってことね。」
 志乃さんが、うなずいた。
「その通りです。礼、手配を、お願いします。」
「承知しました。」
 礼さんが、頭を下げた。
「じゃあ、二人組を、作らないと、いけませんねぇ。私、達成との、恋愛運を、見てほしいと思っているんですぅ。」
「そんなもん、お前、自分で、占えるだろ。縁結びの加護を、受けてるくせに。何が占いだ。俺は、お前とは、入らないぞ。」
「えぇー。なんで、そんなに、冷たいことを、言うんですかぁ。」
 美桜さんが、達成さんに、抱き着こうとしたけれど、達成さんが、片手で、押し返す。
「二人組ですか。私は、白川財閥の名を使う限り、その、大義名分がいります。私と、婚約者の、未来を、見てほしいということに、しましょう。」
 絵里さんが、笑顔で、俺を見た。
「優矢さんと、絵里さんが、二人だけで、二人に呪いをかけた、呪術師かもしれない人の前に、行くってこと?危険すぎるわ。他のペアにしたほうが・・・。」
 志乃さんが、心配そうに言った。
 俺も、同じ意見だ。
 魂取り事件の時、俺は、絵里さんに、守られた。
 俺に、絵里さんを守る、そんな力はない。
「ですが、お相手は、念を、読み取ることが、できるのでしょう?本物の相談者のようにしなければ、すぐに、見抜かれてしまうのでは、ないでしょうか。」
 絵里さんが、真面目な顔で言った。
「明、どう思う?」
 志乃さんが、明さんに聞いた。
「絵里さんの、言う通りかもね。中途半端に偽っても、意味はない。それに、どちらにしろ、私たちも、占い館の中にいる。礼が傍にいれば、ある程度の、安全は保障できる。ちまちまと、呪いをかけていた奴が、突然、襲ってくるのは、考えにくいし。」
 明さんの言葉に、志乃さんが、うなずいた。
「では、私は、優矢さんと、ペアということで。」
 絵里さんが、笑った。
「私は、幸多と組む。私たちは、本物の、恋人同士だし。」
 明さんが、言った。
 幸多さんが、黙って、うなずいた。
「じゃあ、私は、美桜と組むわ。美桜の、恋愛相談ってことにして。」
 志乃さんが、美桜さんを見ながら、言った。
「わかりましたぁ。結果が楽しみですねぇ。」
 美桜さんが、笑う。
「遊びに行くんじゃねーんだぞ。残りは、俺と成二だけど、男二人で、何を、相談しろって言うんだよ。」
 達成さんが、また、腕を組みながら、言った。
「占いって、恋愛だけじゃないでしょー。どうせだったら、金運とか、見てもらおうよー。健康運とかさー。」
 成二さんが、楽しそうに言った。
「お前まで、楽しそうにしてんじゃねーよ。」
 達成さんが、成二さんを睨んだ。
「これで、ペアは決まりましたね。次の休みには、占い館に行けるように、手配しますわ。」
 絵里さんが、にっこりと笑った。
 絵里さん、怖くないのかな・・・。
 自分を、呪っている、相手かもしれないのに・・・。
 心配だったけれど、俺は、何も、言えなかった。
 師範と、明さんのおじいさんは、俺たちを見守るように、黙っていた。

???
暗闇に、男の声が、響く。
「はい。星蘭町を、守護する者たちの実力は、思っていたより、強いようです。・・・えぇ、私が、マインドコントロールを行った、人形が、その力を、確認しました。それと、次の休みに、お殿様とお姫様、それに、守護する者たちが、やってきます。人形は、悟られないように、隠します。これで、相手を、混乱させることが、できるでしょう。・・・えぇ、勿論。そのつもりです。混乱は、多ければ、多いほど良い。・・・はい、では、また。」
 ふぅ・・・と、男が、息をついた。
「さぁ、どうでるかな?お殿様は。」
 男が、不敵な、笑みを浮かべた。

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