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真実を求めて
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双子のノーム
暗黒の森は,冷え冷えとしていて薄暗く,不気味な雰囲気がただよっていた。
「ケント,憎しみはどの方面から感じる?」
エリヤが言った。
「ここから北の方角。だんだん憎しみに近づいていっている。」
ケントが答える。
五人は北の方角へと向けて歩き続けた。
五人が歩いていると,突然【シュッ】と音が聞こえたと思った瞬間,ヒロトの腕に切り傷ができていた。
「なんなんだ!?」
ケントが言った。
五人の周りを素早いスピードで動き囲む何か。
五人はその場から動けなくなった。
「ノームだ!!」
エイキが言った。そして腰にかけている短剣を手に取る。
【シュッ】
エイキが動いた。
【カキン】
剣と剣とが重なり合う音がして動きが止まった。
四人が見てみると,エイキが両手で二人のノームの片手剣を止めていた。
「さすが親衛隊隊長。このくらい簡単に止められましたか。」
一人のノームが言った。二人とも女のノームだ。
「私たちは双子のノーム,ユリとユナ。この場所で見張り番をしております。隊長達が私たちと同じ目的をおもちなら,この道を進んでいただきます。しかし,違う目的であれば引き返していただくか,私たちと戦っていただきます。」
「目的とは?」
エイキが言った。
「我らが憎き人間族を,我らがオウキ様を筆頭に滅ぼす目的でございます。」
ユリが言った。
「人間族を滅ぼす!?」
ヒロトが言った。
「隊長,見たところあなたは人間族と共に居ます。ということは,私たちと同じ目的をもっていないということでよろしいですね?」
ユナがエイキに言った。
「この人間族は俺達の仲間でオウキの弟だ。オウキを探し,真実を求める旅をしている。どうやらまた一歩真実に近づいたようだな。」
エイキが言った。
「なんのために人間族を!?オウキはそんな酷いことしない!!」
ヒロトが叫んだ。
「私たちは憎しみ,苦しみ,そして悲しみを背負いオウキ様に使える者。隊長,そして姫様,ドワーフと魔術師の方,あなた方も背負っているはずです。迫害戦争の,あの苦しみを。」
ユナが言った。
五人は黙り込んだ。
「私たちは人間族を決して許さない。オウキ様と共に人間族を滅ぼし,私たちと同じ痛みを分からせる。それが目的でございます。」
ユリが言った。
五人は黙っている。
「隊長,姫様,ドワーフと魔術師の方,本当は私たちと同じ目的を心のどこかにもっているのではありませんか?」
ユリが続ける。
「そんな目的・・・・・もってはいない・・・・・・・。」
少し間をおいた後,ジュライが力強く言った。
「・・・もうあの惨劇は繰り返してはいけない・・・俺は迫害戦争で,自分を守るため人間族の命を奪った・・・・だがその人間族にも・・・・・家族が,そして友達が居たはずだ・・・・。・・・争いからは憎しみしか生まれない・・・。そんな惨劇をまた繰り返そうというのか・・・・・!!」
ジュライの言葉に,目が覚めたようにエイキとエリヤ,そしてケントがうなずいた。
ヒロトは黙り込んでいる。
「では,私たちと戦うということでよろしいですか?」
ユナが言った。
「そのようだな。」
エイキが答える。
スイコの時と同様に,いつのまにか周りには魔物が取り囲んでいた。
「ヒロト,ユリとユナは俺に任せて,魔物を倒すことに専念してくれ。ヒロトの目と剣じゃ,ノームのスピードにはついてこれない。」
エイキの言葉に,ヒロトは黙ってうなずいた。
「それでは,皆様の命,奪わせていただきます。」
ユリとユナが動いた。同時にエイキも動く。
【カキン・カキン】
剣の重なり合う音が何度も聞こえるが,スピードが速すぎて四人には目でとらえることができない。
「ぐああうあああああああ」
魔物が襲ってきた。
エリヤが何本もの矢を放つ。
ヒロトは思いっ切り剣を振りかざし,魔物へと向かっていく。
倒しても倒しても次から次に襲ってくる魔物。
ヒロトはエイキの方を見ることもできずに,魔物と戦っていた。
【ごおおおおおおおおおおおおお】
ケントの火の魔法で,周りが開けた。
ヒロトは魔物に向けて一気に走っていって切り込んだ。
そして最後の魔物が倒れた。
ヒロト,そしてケントとジュライ,エリヤは息を切らしていた。
そしてやっとエイキの方を見ることができた。
エイキ達はまだ戦っていた。
素早いスピードで攻撃してくる二人を,エイキはかわしなんとか攻撃しようとしている。
目でとらえることのできない四人は,音で判断するしかなかった。
【シュッ・ザクッ】
音と共に,ユリが膝をついた。
三人の動きが止まった。
「隊長。私たちは迫害戦争で多くの友人を亡くしました。それは皆様も同じはず。それに,なぜ,人間族を滅ぼす気がないのに進もうとするのですか?この先にあるのは,貴方達にとって絶望だけです。大勢の魔物とオウキ様に使えるものたちが居ます。たった五人で何ができるというのです?」
ユリが息を切らしながら言った。
「何ができるか,それは今はわからない。でも俺達は進むと決めた。真実を求めて,過去と向き合い,仲間と共に進むと決めたんだ!」
エイキが言った。
「・・・・・・わかりました。では,ご自分の目で確かめてください。止められることのない,絶望を。」
ユナが言った。
エイキが軽くうなずいて,五人はまた歩きはじめた。
暗黒の森は,冷え冷えとしていて薄暗く,不気味な雰囲気がただよっていた。
「ケント,憎しみはどの方面から感じる?」
エリヤが言った。
「ここから北の方角。だんだん憎しみに近づいていっている。」
ケントが答える。
五人は北の方角へと向けて歩き続けた。
五人が歩いていると,突然【シュッ】と音が聞こえたと思った瞬間,ヒロトの腕に切り傷ができていた。
「なんなんだ!?」
ケントが言った。
五人の周りを素早いスピードで動き囲む何か。
五人はその場から動けなくなった。
「ノームだ!!」
エイキが言った。そして腰にかけている短剣を手に取る。
【シュッ】
エイキが動いた。
【カキン】
剣と剣とが重なり合う音がして動きが止まった。
四人が見てみると,エイキが両手で二人のノームの片手剣を止めていた。
「さすが親衛隊隊長。このくらい簡単に止められましたか。」
一人のノームが言った。二人とも女のノームだ。
「私たちは双子のノーム,ユリとユナ。この場所で見張り番をしております。隊長達が私たちと同じ目的をおもちなら,この道を進んでいただきます。しかし,違う目的であれば引き返していただくか,私たちと戦っていただきます。」
「目的とは?」
エイキが言った。
「我らが憎き人間族を,我らがオウキ様を筆頭に滅ぼす目的でございます。」
ユリが言った。
「人間族を滅ぼす!?」
ヒロトが言った。
「隊長,見たところあなたは人間族と共に居ます。ということは,私たちと同じ目的をもっていないということでよろしいですね?」
ユナがエイキに言った。
「この人間族は俺達の仲間でオウキの弟だ。オウキを探し,真実を求める旅をしている。どうやらまた一歩真実に近づいたようだな。」
エイキが言った。
「なんのために人間族を!?オウキはそんな酷いことしない!!」
ヒロトが叫んだ。
「私たちは憎しみ,苦しみ,そして悲しみを背負いオウキ様に使える者。隊長,そして姫様,ドワーフと魔術師の方,あなた方も背負っているはずです。迫害戦争の,あの苦しみを。」
ユナが言った。
五人は黙り込んだ。
「私たちは人間族を決して許さない。オウキ様と共に人間族を滅ぼし,私たちと同じ痛みを分からせる。それが目的でございます。」
ユリが言った。
五人は黙っている。
「隊長,姫様,ドワーフと魔術師の方,本当は私たちと同じ目的を心のどこかにもっているのではありませんか?」
ユリが続ける。
「そんな目的・・・・・もってはいない・・・・・・・。」
少し間をおいた後,ジュライが力強く言った。
「・・・もうあの惨劇は繰り返してはいけない・・・俺は迫害戦争で,自分を守るため人間族の命を奪った・・・・だがその人間族にも・・・・・家族が,そして友達が居たはずだ・・・・。・・・争いからは憎しみしか生まれない・・・。そんな惨劇をまた繰り返そうというのか・・・・・!!」
ジュライの言葉に,目が覚めたようにエイキとエリヤ,そしてケントがうなずいた。
ヒロトは黙り込んでいる。
「では,私たちと戦うということでよろしいですか?」
ユナが言った。
「そのようだな。」
エイキが答える。
スイコの時と同様に,いつのまにか周りには魔物が取り囲んでいた。
「ヒロト,ユリとユナは俺に任せて,魔物を倒すことに専念してくれ。ヒロトの目と剣じゃ,ノームのスピードにはついてこれない。」
エイキの言葉に,ヒロトは黙ってうなずいた。
「それでは,皆様の命,奪わせていただきます。」
ユリとユナが動いた。同時にエイキも動く。
【カキン・カキン】
剣の重なり合う音が何度も聞こえるが,スピードが速すぎて四人には目でとらえることができない。
「ぐああうあああああああ」
魔物が襲ってきた。
エリヤが何本もの矢を放つ。
ヒロトは思いっ切り剣を振りかざし,魔物へと向かっていく。
倒しても倒しても次から次に襲ってくる魔物。
ヒロトはエイキの方を見ることもできずに,魔物と戦っていた。
【ごおおおおおおおおおおおおお】
ケントの火の魔法で,周りが開けた。
ヒロトは魔物に向けて一気に走っていって切り込んだ。
そして最後の魔物が倒れた。
ヒロト,そしてケントとジュライ,エリヤは息を切らしていた。
そしてやっとエイキの方を見ることができた。
エイキ達はまだ戦っていた。
素早いスピードで攻撃してくる二人を,エイキはかわしなんとか攻撃しようとしている。
目でとらえることのできない四人は,音で判断するしかなかった。
【シュッ・ザクッ】
音と共に,ユリが膝をついた。
三人の動きが止まった。
「隊長。私たちは迫害戦争で多くの友人を亡くしました。それは皆様も同じはず。それに,なぜ,人間族を滅ぼす気がないのに進もうとするのですか?この先にあるのは,貴方達にとって絶望だけです。大勢の魔物とオウキ様に使えるものたちが居ます。たった五人で何ができるというのです?」
ユリが息を切らしながら言った。
「何ができるか,それは今はわからない。でも俺達は進むと決めた。真実を求めて,過去と向き合い,仲間と共に進むと決めたんだ!」
エイキが言った。
「・・・・・・わかりました。では,ご自分の目で確かめてください。止められることのない,絶望を。」
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