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1.入学準備編
プロローグ:転校したら魔法学校だった件!?
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小学六年の春休み。それは何にも縛られることのない天国のような時間。俺、結城瑛人は今日もだらだらとゲームをしていた。
「よし、エクスプロージョン! これで勝ち確……ってカウンター!? そんなのアリかよ」
俺が今やっているのは、数ヵ月前に発売された『マジックワールド・ウルトラソレイユ』だ。マジックワールドは魔法を使って戦うRPGだ。マジックワールド二十周年記念作品であるウルトラソレイユは、レジェンドマジックの種類が歴代最多! そしてウルトラルミナスと同時発売されたのだ! 俺はレジェンドマジックの『エクスプロージョン』に魅せられてウルトラソレイユを購入した。
「エイト、そんなにだらだらしているならポストから新聞取ってきてくれない?」
母さんが俺に言った。
「俺、今ちょうどいいところなの! 母さん行ってよ」
「私も忙しいのよ! ほら見て、この前の荷物についていたプチプチがあと少しで終わりそうなの。代わりに行ってきてよぉ」
はぁ? なんであのプチプチのために俺が取りに行かなきゃ行けないの? めんどくせぇ。
俺のそんな態度を察したのか、母さんは何か閃いたあと、言った。
「あら? 行ってきてくれたら良いものあげようかなぁ」
「仕方ねぇな、行くよ」
長引きそうだったから仕方なく俺はポストへ新聞を取りに行った。別に良いものが欲しかったわけではない。仕方なく行っているのだ。本当だ。
俺は久々に出た外の光に苛立ちを少し覚えながらポストを開けた。中には新聞……と一通の手紙だった。
「結城剛平って父さん宛じゃん! 何おしゃれな封筒貰ってさぁ……もしかして浮気?」
これは母さんに見せないと。俺はプチプチを潰している母さんのところへ急いだ。
「母さーん! 父さんの浮気相手から手紙来たよー」
「今二枚目やってるから……んあ“ぁ? 浮気だぁ? あいつ帰ってきたらシメたるわ」
俺は母さんのナニかに触れてしまったらしい。
父さんが帰ってきたら、大変なことになるだろうなぁ。まぁ、春休みの暇潰しにはなるかな。
そして数時間後、父さんが帰ってきた。
「ただいま……ってロゼちゃん何で金属バットなんか持って威嚇してるの? ちょ、ちょっとやめ、やめて」
「この手紙はなんだあ“ぁ? 浮気とか許さんぞゴルルァ!」
母さんの回りに何か黒いものが見える気がする。これはちょっとやり過ぎたかも。
「ちょ、ちょっと待って。これ、ハーグからだよ。多分例のアレが届いたのではないかな? ね、だからそのバットをはやく、降ろしてくれないかな」
母さんは一瞬固まった。そしてゆっくりとバットを降ろした。黒い何かは引っ込んでいく。
ハーグって、外国人だろうか。母さんも外国出身らしいし、恐らくそうだろう。
「ハーグから? うふふっ、勘違いだったみたい。ごめんなさい。あ、そっちの鍋は毒入りだから食べないで?」
母さんに逆らうと、恐ろしいことになる。それを知っていたから俺は新聞を取りに行ったのだ。
家族団欒の夕飯、父さんが急に目が飛び出るようなことを言った。
「突然だが、父さんは転勤することになった。アクセリアという場所だ」
「私の故郷なのよ」
母さんの故郷!? 外国じゃん、言葉とかわからないよ?
「あ、言語は心配しなくていいからな」
「え? 日本人学校ってこと?」
安心した。いつかは言葉を覚えないといけないけど、取り敢えずは平気そうだ。
「それは違うわ。公用語が日本語なのよ。しばらく友達と会えなくなるけれどごめんなさいね」
は? 公用語が日本語ってどういうこと?
俺の頭はポカンとしている。俺の常識が間違っているのだろうか?
「あ、友達? うん、それは平気」
友達どころではない。
「そうそう、手紙の中身やっぱり学生証だったよ。ほら、これがエイトの学生証だ」
父さんがどこか高級感のある素材で出来た学生証を渡す。渡された学生証にはこう書かれていた。
「プルスロット魔法学校中等部 エイト・ユーキ!? どういうこと?」
魔法学校って何かの冗談だよね? ってことは転勤するっていうのも嘘で……
「書いてある通り、転校先はプルスロット魔法学校だ。エイト、確か魔法のゲームやってたよな? それみたいな感じだと思えば平気だ」
平気ではないのですが。魔法とか本気で言ってます? 母さんも頷いているし。
「急で申し訳ないが明日の夕方出発するから、準備を済ませておいてくれ」
本当に急だな。取り敢えず荷物まとめないと。
次の日、俺は仲の良かった友達に別れの挨拶をして回った。みんな「そんな急に言われても……」って言っていたけれど、こっちも同じだ。
「よし、出発するぞ」
とうとう出発の時だ。内心まだ信じられない。
「開け! ゴーマ・プ・リーン!」
父さんが空中に指で円を描きながら唱える。今、ゴマプリンって言わなかった? やっぱりネタ……じゃなかった! 父さんの描いた円は、次第に魔法陣へと姿を変え、その空間が歪んだ。説明しようにも、普段見ている光景が曲がってぐじゃぐじゃになったようになっているとしか言えない。後に聞いた話だが、ゴーマ・プ・リーンとは、秩序と空間を司る女神の名前だそうだ。
「この中を通れば入国できる。忘れ物はないか? 行くぞ」
父さんと母さんに手を引かれ、俺は歪みの中へと入っていった。
この時、俺はさらなる驚きが待ち構えていようとは思いもしなかったのである。
「よし、エクスプロージョン! これで勝ち確……ってカウンター!? そんなのアリかよ」
俺が今やっているのは、数ヵ月前に発売された『マジックワールド・ウルトラソレイユ』だ。マジックワールドは魔法を使って戦うRPGだ。マジックワールド二十周年記念作品であるウルトラソレイユは、レジェンドマジックの種類が歴代最多! そしてウルトラルミナスと同時発売されたのだ! 俺はレジェンドマジックの『エクスプロージョン』に魅せられてウルトラソレイユを購入した。
「エイト、そんなにだらだらしているならポストから新聞取ってきてくれない?」
母さんが俺に言った。
「俺、今ちょうどいいところなの! 母さん行ってよ」
「私も忙しいのよ! ほら見て、この前の荷物についていたプチプチがあと少しで終わりそうなの。代わりに行ってきてよぉ」
はぁ? なんであのプチプチのために俺が取りに行かなきゃ行けないの? めんどくせぇ。
俺のそんな態度を察したのか、母さんは何か閃いたあと、言った。
「あら? 行ってきてくれたら良いものあげようかなぁ」
「仕方ねぇな、行くよ」
長引きそうだったから仕方なく俺はポストへ新聞を取りに行った。別に良いものが欲しかったわけではない。仕方なく行っているのだ。本当だ。
俺は久々に出た外の光に苛立ちを少し覚えながらポストを開けた。中には新聞……と一通の手紙だった。
「結城剛平って父さん宛じゃん! 何おしゃれな封筒貰ってさぁ……もしかして浮気?」
これは母さんに見せないと。俺はプチプチを潰している母さんのところへ急いだ。
「母さーん! 父さんの浮気相手から手紙来たよー」
「今二枚目やってるから……んあ“ぁ? 浮気だぁ? あいつ帰ってきたらシメたるわ」
俺は母さんのナニかに触れてしまったらしい。
父さんが帰ってきたら、大変なことになるだろうなぁ。まぁ、春休みの暇潰しにはなるかな。
そして数時間後、父さんが帰ってきた。
「ただいま……ってロゼちゃん何で金属バットなんか持って威嚇してるの? ちょ、ちょっとやめ、やめて」
「この手紙はなんだあ“ぁ? 浮気とか許さんぞゴルルァ!」
母さんの回りに何か黒いものが見える気がする。これはちょっとやり過ぎたかも。
「ちょ、ちょっと待って。これ、ハーグからだよ。多分例のアレが届いたのではないかな? ね、だからそのバットをはやく、降ろしてくれないかな」
母さんは一瞬固まった。そしてゆっくりとバットを降ろした。黒い何かは引っ込んでいく。
ハーグって、外国人だろうか。母さんも外国出身らしいし、恐らくそうだろう。
「ハーグから? うふふっ、勘違いだったみたい。ごめんなさい。あ、そっちの鍋は毒入りだから食べないで?」
母さんに逆らうと、恐ろしいことになる。それを知っていたから俺は新聞を取りに行ったのだ。
家族団欒の夕飯、父さんが急に目が飛び出るようなことを言った。
「突然だが、父さんは転勤することになった。アクセリアという場所だ」
「私の故郷なのよ」
母さんの故郷!? 外国じゃん、言葉とかわからないよ?
「あ、言語は心配しなくていいからな」
「え? 日本人学校ってこと?」
安心した。いつかは言葉を覚えないといけないけど、取り敢えずは平気そうだ。
「それは違うわ。公用語が日本語なのよ。しばらく友達と会えなくなるけれどごめんなさいね」
は? 公用語が日本語ってどういうこと?
俺の頭はポカンとしている。俺の常識が間違っているのだろうか?
「あ、友達? うん、それは平気」
友達どころではない。
「そうそう、手紙の中身やっぱり学生証だったよ。ほら、これがエイトの学生証だ」
父さんがどこか高級感のある素材で出来た学生証を渡す。渡された学生証にはこう書かれていた。
「プルスロット魔法学校中等部 エイト・ユーキ!? どういうこと?」
魔法学校って何かの冗談だよね? ってことは転勤するっていうのも嘘で……
「書いてある通り、転校先はプルスロット魔法学校だ。エイト、確か魔法のゲームやってたよな? それみたいな感じだと思えば平気だ」
平気ではないのですが。魔法とか本気で言ってます? 母さんも頷いているし。
「急で申し訳ないが明日の夕方出発するから、準備を済ませておいてくれ」
本当に急だな。取り敢えず荷物まとめないと。
次の日、俺は仲の良かった友達に別れの挨拶をして回った。みんな「そんな急に言われても……」って言っていたけれど、こっちも同じだ。
「よし、出発するぞ」
とうとう出発の時だ。内心まだ信じられない。
「開け! ゴーマ・プ・リーン!」
父さんが空中に指で円を描きながら唱える。今、ゴマプリンって言わなかった? やっぱりネタ……じゃなかった! 父さんの描いた円は、次第に魔法陣へと姿を変え、その空間が歪んだ。説明しようにも、普段見ている光景が曲がってぐじゃぐじゃになったようになっているとしか言えない。後に聞いた話だが、ゴーマ・プ・リーンとは、秩序と空間を司る女神の名前だそうだ。
「この中を通れば入国できる。忘れ物はないか? 行くぞ」
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