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1.入学準備編
第1話:いざ、アクセリアへ
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歪みを抜けるとそこは何処かのテーマパークのように整備されたファンタジックな街並みが間近に現れた。
「すげぇ、マジかよ……。あれ? さっき出てきた歪みが無くなってる!」
驚いた。先ほどまで確かにあったはずのものが無くなっていて驚かないはずがない。
そんな様子を見て父さんは言った。
「空間を司るリーン様は世界の均衡を保つためにこちらの世界と繋がるゲートをすぐに閉ざしてしまう。だからしばらくは向こうの友達とは会えないんだ」
そっか。俺は何かの冗談かと思って考えていなかったけれど、本当に友達と会えないのか。ゲーム友達のよっしーとめろとももう対戦できないのか。ふと熱いものが目に浮かぶ。それをぎゅっと堪えて父さんと母さんの行く方へ付いていく。
母さんの故郷、そしてこれから俺たち家族が暮らす街アクセリアにはそこから列車で2時間程で着いた。
列車の中では駅弁を買って食べた。中身は白米の上に梅干しのようなものが乗った幕の内弁当だった。海外だと食文化が違うって何かの本に書いてあった気がするけれど、ここでは気にする必要もなさそうだ。
「懐かしいわ。エイト、あれを見て! あれがプルスロット魔法学校、私たちの母校であなたが通う学校よ」
駅から徒歩7、8分の場所だ。よくこんな駅の近くに広い敷地が取れたなぁ。そう思って父さんに聞くと「駅の方があとに出来たんだよ。魔法学校があるから駅が出来たんだ」とのことだ。
「ねぇ父さん。父さんって何者なの? こっちの人なの?」
俺は思いきって聞くことにした。
「言っていなかったな。父さんは日本生まれ日本育ちだ。だが、ひょんなことでこっちに飛ばされてきてしまってな。そこでロゼちゃんに会ったわけだ。初めて会ったときのロゼちゃんはヤンk……」
「ちょっと黙ってもらえる? 教育上! 教育上よろしくない」
父さんの言葉を遮り、母さんが父さんのことを睨み付ける。取り敢えず、父さんはこちらの世界に転移した日本人だと言うことだけは理解した。
「まさに運命! きっとこれは運命を司りし英雄ディニー様の導きだったに違いない! そう父さんは思っている。だから、その短剣を降ろしてくれ」
気がつくと母さんは短剣を父さんに突きつけていた。あれ、さっき教育上良くないみたいなこと言ってなかった?
それと運命を司りし英雄ディニーとか如何にもな名前と設定。女神リーンのこともあるからこの世界にはまだまだいろいろな神様とか英雄がいるんだろうなぁ。
そんなことを考えていると、住宅街に入る。そして、父さんと母さんは一軒の新築の家の前で止まる。
「ここが今日から暮らす家だ。4LDKだからエイトがさんざん欲しがっていた一人部屋も持てるぞ」
なん、だと。これで念願の一人部屋だぁぁあ!
俺は今まで勉強もゲームもリビングでやって来た。それをようやく自分の部屋で出来る……あっ。
「ゲーム機持ってくるの忘れたぁぁぁぁあ!」
もう、生きて、行け、ない……。
「いや、大丈夫だろ。そもそもここ、剣と魔法の世界だぞ?」
はっ! 俺は息を飲んだ。そうだった、ここはゲームのような世界。ゲーム機がなくても全くもって問題ないじゃないか!
「と、いうことで入学まで一週間だが父さんと母さんがエイトに魔法の特訓をすることにする。異存は?」
「ないです」
当たり前だよなぁ。こんないい話他にない。俺は、引っ越しの荷物がある程度片付いてから魔法を教えてもらうことにした。
「あれ? 母さんのバッグ、すごく大きいけど何が入ってるの?」
母さんがバッグを開けると中には大量のプチプチ。マグカップや皿なんかの割れ物が入っているのだろう。
「あぁ、これ? 驚かないでよ。じゃじゃーん! プチプチを大量に入れてきたの! これでこっちでもたくさん潰せる……。そうだった、良いものあげるって言ってたわよね、はい。ハート型のプチプチ。どう? 嬉しいでしょ」
違った。プチプチそのものを持ってきていた。これが良いものかよ。良いものを貰えるとかすっかり忘れていたけれど。
「父さーん。荷物片付けたから魔法教えてよ!」
お茶を飲んで一息ついている父さんに話しかける。母さんはというと、プチプチを潰している。
「よし、最初は魔力を集める練習をする。まずは見ていてくれ。『ルリンク・ルリンク・カルセーレ』!」
父さんが指で空中に円を描きながらなにやら呪文のようなものを唱える。すると、辺りからキラキラと光るものが円に集まり、魔法陣を作り出した。本当に魔法が使えるんだ!!!
「基本呪文は、こんな感じだ。これを少し弄って『ルリンク・ルリンク・アクエリーゼ』!」
集まった光は液体へと姿を変え、バケツ一杯程の水が床にこぼれる。すごい、俺もはやく使えるようになりたい。
突然扉が開く音がする。母さんだ。
「あら、誰です? 新築の家の中で水をこぼした人は……」
マズい、母さんがご立腹だ。
母さんは空中に円を書き、一瞬ピカッと光ったかと思うと、その光は消えた。そして、父さんは縛られていた。
「剛平さん、これからは外でやってくださいね?」
「は、はい」
母さんはにっこり笑うと、その束縛は解けた。こんな魔法もあるのか。覚えておこう。
「魔力を集められるようになったら魔法を教える。精進しろよ?」
「はい!」
「すげぇ、マジかよ……。あれ? さっき出てきた歪みが無くなってる!」
驚いた。先ほどまで確かにあったはずのものが無くなっていて驚かないはずがない。
そんな様子を見て父さんは言った。
「空間を司るリーン様は世界の均衡を保つためにこちらの世界と繋がるゲートをすぐに閉ざしてしまう。だからしばらくは向こうの友達とは会えないんだ」
そっか。俺は何かの冗談かと思って考えていなかったけれど、本当に友達と会えないのか。ゲーム友達のよっしーとめろとももう対戦できないのか。ふと熱いものが目に浮かぶ。それをぎゅっと堪えて父さんと母さんの行く方へ付いていく。
母さんの故郷、そしてこれから俺たち家族が暮らす街アクセリアにはそこから列車で2時間程で着いた。
列車の中では駅弁を買って食べた。中身は白米の上に梅干しのようなものが乗った幕の内弁当だった。海外だと食文化が違うって何かの本に書いてあった気がするけれど、ここでは気にする必要もなさそうだ。
「懐かしいわ。エイト、あれを見て! あれがプルスロット魔法学校、私たちの母校であなたが通う学校よ」
駅から徒歩7、8分の場所だ。よくこんな駅の近くに広い敷地が取れたなぁ。そう思って父さんに聞くと「駅の方があとに出来たんだよ。魔法学校があるから駅が出来たんだ」とのことだ。
「ねぇ父さん。父さんって何者なの? こっちの人なの?」
俺は思いきって聞くことにした。
「言っていなかったな。父さんは日本生まれ日本育ちだ。だが、ひょんなことでこっちに飛ばされてきてしまってな。そこでロゼちゃんに会ったわけだ。初めて会ったときのロゼちゃんはヤンk……」
「ちょっと黙ってもらえる? 教育上! 教育上よろしくない」
父さんの言葉を遮り、母さんが父さんのことを睨み付ける。取り敢えず、父さんはこちらの世界に転移した日本人だと言うことだけは理解した。
「まさに運命! きっとこれは運命を司りし英雄ディニー様の導きだったに違いない! そう父さんは思っている。だから、その短剣を降ろしてくれ」
気がつくと母さんは短剣を父さんに突きつけていた。あれ、さっき教育上良くないみたいなこと言ってなかった?
それと運命を司りし英雄ディニーとか如何にもな名前と設定。女神リーンのこともあるからこの世界にはまだまだいろいろな神様とか英雄がいるんだろうなぁ。
そんなことを考えていると、住宅街に入る。そして、父さんと母さんは一軒の新築の家の前で止まる。
「ここが今日から暮らす家だ。4LDKだからエイトがさんざん欲しがっていた一人部屋も持てるぞ」
なん、だと。これで念願の一人部屋だぁぁあ!
俺は今まで勉強もゲームもリビングでやって来た。それをようやく自分の部屋で出来る……あっ。
「ゲーム機持ってくるの忘れたぁぁぁぁあ!」
もう、生きて、行け、ない……。
「いや、大丈夫だろ。そもそもここ、剣と魔法の世界だぞ?」
はっ! 俺は息を飲んだ。そうだった、ここはゲームのような世界。ゲーム機がなくても全くもって問題ないじゃないか!
「と、いうことで入学まで一週間だが父さんと母さんがエイトに魔法の特訓をすることにする。異存は?」
「ないです」
当たり前だよなぁ。こんないい話他にない。俺は、引っ越しの荷物がある程度片付いてから魔法を教えてもらうことにした。
「あれ? 母さんのバッグ、すごく大きいけど何が入ってるの?」
母さんがバッグを開けると中には大量のプチプチ。マグカップや皿なんかの割れ物が入っているのだろう。
「あぁ、これ? 驚かないでよ。じゃじゃーん! プチプチを大量に入れてきたの! これでこっちでもたくさん潰せる……。そうだった、良いものあげるって言ってたわよね、はい。ハート型のプチプチ。どう? 嬉しいでしょ」
違った。プチプチそのものを持ってきていた。これが良いものかよ。良いものを貰えるとかすっかり忘れていたけれど。
「父さーん。荷物片付けたから魔法教えてよ!」
お茶を飲んで一息ついている父さんに話しかける。母さんはというと、プチプチを潰している。
「よし、最初は魔力を集める練習をする。まずは見ていてくれ。『ルリンク・ルリンク・カルセーレ』!」
父さんが指で空中に円を描きながらなにやら呪文のようなものを唱える。すると、辺りからキラキラと光るものが円に集まり、魔法陣を作り出した。本当に魔法が使えるんだ!!!
「基本呪文は、こんな感じだ。これを少し弄って『ルリンク・ルリンク・アクエリーゼ』!」
集まった光は液体へと姿を変え、バケツ一杯程の水が床にこぼれる。すごい、俺もはやく使えるようになりたい。
突然扉が開く音がする。母さんだ。
「あら、誰です? 新築の家の中で水をこぼした人は……」
マズい、母さんがご立腹だ。
母さんは空中に円を書き、一瞬ピカッと光ったかと思うと、その光は消えた。そして、父さんは縛られていた。
「剛平さん、これからは外でやってくださいね?」
「は、はい」
母さんはにっこり笑うと、その束縛は解けた。こんな魔法もあるのか。覚えておこう。
「魔力を集められるようになったら魔法を教える。精進しろよ?」
「はい!」
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