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1.入学準備編
第3話:入学前日、予習をしよう
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俺は今日も母さんに言われてポストに新聞を取りに行く。今日はいつもよりワクワクしている。何故かって? それは明日が入学式だからだ! ようやくファンタジーなものを学べる、そう思うだけでワクワクする。
「あ、そうだ。教科書もこの前ハーグさんが届けてくれたし、予習をしよう!」
予習をするだなんて自分でも驚きだ。こっちに来てからいろいろ変わった気がする。
まずは起床。朝に強くなった。5時30分くらいに起きて母さんが素振りの練習を見てくれる。なんでも、魔法学校では剣術の授業もあるらしい。
次に食事。珍しいものが多くて、ついついたくさん食べてしまう。その分、体は動かすようになったから問題はない。
次にゲーム。一切しなくなった。ゲーム機を忘れたせいなのだが、それよりも魔法の練習に熱中している。今はようやく、魔力が少しだけ集まった状態を維持できるようになった。だが、まだ父さんや母さんのようには上手くできない。
「まずは……『新・魔法基礎テキスト』を見てみよう。基礎テキストって言うだけあって最初は魔力を集めるところから始めるのか」
最初のページは魔力についての説明とその集め方について記されていた。テキストによると、『魔力とはこの世界に充満し、全ての源となりえる万能元素を魔力と呼ぶ。全てのものは魔力で構成され、少しずつ元の魔力に還元される。』のだそう。
つまり、魔力を使えば何でもできるということのようだ。よし、魔力を使って無双するぞ!
「ん? 魔法とは……なになに『魔力を操作、変質させること。また魔力を操作、変質させるための法則』だって? 要はその法則を学べば魔法が使えるようになる。このテキストには沢山の法則が載っている……! このテキスト覚えれば無双出来るじゃん!」
魔法についてのある程度の知識を得たところで、俺は魔力を集める練習をする。
「ルリンク・ルリンク・カルセーレ!」
この呪文は基本呪文と呼ばれ、魔力操作の補助に用いられるのだそうだ。ずっと気になっていた『ルリンク』というのは、世界を創造したとされる女神の名前の一部らしい。
「上手くいかない。もう、すっ飛ばして次のページに進もう。次からは四大元素か。取り敢えず唱えてみよう。『ルリンク・ルリンク・フレイミーゼ』!」
俺が唱えるとパチッと小さな火の粉がたつ。それがカーペットに燃え広がって……。
「ヤバイ、どうしよう!」
俺は焦り、あたふたする。そのうちに煙を吸って俺は動けなくなる。
「もう……。折角入学出来る……のに」
「『ルリンク・ルリンク・コマイーソ』!『ルリンク・ルリンク・アクエリーゼ』!」
誰かの声が聞こえる。そこで俺の意識は途絶えた。
目が覚めたのは9時間後だった。
「……俺、生きてる?」
「バカ! 剛平さんにこの前屋内で魔法を使うなって怒ったばっかりでエイトがまさか魔法を使うだなんて思ってなかったわ!」
母さんは怒っていた。当然だ。俺、バカだなぁ、魔法を使いたいって思って安全のことなんか考えてなかったんだもんな。
「魔法学校では魔法の制御を学ぶ。ただ使うのではなく、だ。だから国には義務教育という制度がある……」
何故かいたハーグさんからのお説教。後で聞いた話だがハーグさんが俺を助けてくれたらしい。俺はハーグさんを格好いいと思った。俺に説教をしていたときには髪の毛が焼けてツルツルに戻っていたのだが。
「そんなに練習したいなら、もう遅い時間だが少しくらいなら見てやろう。まずは基本魔法を見せてくれ」
ハーグさんがそう言ってくれる。俺はその言葉に甘えることにした。
「はい。『ルリンク・ルリンク・カルセーレ』!」
円を描きながら唱える。すると、魔力がどんどん集まって、魔法陣を展開した。いつもと比べ物にならないくらいに上手くできた。
「おお、上手いじゃないか。そしたらそのまま氷魔法を使え。詠唱は『ルリンク・ルリンク・カチコール』だ」
「『ルリンク・ルリンク・カチコール』!」
俺が言われた通りに唱えると、部屋中にまるでエアコンでも付けたかのように冷気が漂った。四大元素の魔法の中には氷魔法なんてなかったと思うんだけど。
「氷魔法は1年生の2学期で習う魔法だ。これなら危なくはないだろう」
確かにこれなら安全だ。明日から魔法の練習はこれにしよう。
「ハーグさん、ありがとうございます。明日から魔法学校で頑張ります!」
魔力の制御が少しできるようになって嬉しくなった俺は、ひたすら氷魔法を使った。
「『ルリンク・ルリンク・カチコール』!『ルリンク・ルリンク・カチコール』!」
「ここまで上出来だ。次は応用をやってみるぞ。『ルリンク・ルリンク・コールド・ザ・ウォール』と唱えてみろ」
俺は精神を研ぎ澄まし、魔力を集める。
「『ルリンク・ルリンク・コールド・ザ・ウォール』!」
俺がそう唱えると、目の前に氷の壁が現れる。それはまだ白く、荒い氷の壁だったが俺ははじめて成功した応用の魔法に喜んだ。
明日は入学式。さらなるワクワクが待ち構えているとは、このときの俺はまだ知らない。
「あ、そうだ。教科書もこの前ハーグさんが届けてくれたし、予習をしよう!」
予習をするだなんて自分でも驚きだ。こっちに来てからいろいろ変わった気がする。
まずは起床。朝に強くなった。5時30分くらいに起きて母さんが素振りの練習を見てくれる。なんでも、魔法学校では剣術の授業もあるらしい。
次に食事。珍しいものが多くて、ついついたくさん食べてしまう。その分、体は動かすようになったから問題はない。
次にゲーム。一切しなくなった。ゲーム機を忘れたせいなのだが、それよりも魔法の練習に熱中している。今はようやく、魔力が少しだけ集まった状態を維持できるようになった。だが、まだ父さんや母さんのようには上手くできない。
「まずは……『新・魔法基礎テキスト』を見てみよう。基礎テキストって言うだけあって最初は魔力を集めるところから始めるのか」
最初のページは魔力についての説明とその集め方について記されていた。テキストによると、『魔力とはこの世界に充満し、全ての源となりえる万能元素を魔力と呼ぶ。全てのものは魔力で構成され、少しずつ元の魔力に還元される。』のだそう。
つまり、魔力を使えば何でもできるということのようだ。よし、魔力を使って無双するぞ!
「ん? 魔法とは……なになに『魔力を操作、変質させること。また魔力を操作、変質させるための法則』だって? 要はその法則を学べば魔法が使えるようになる。このテキストには沢山の法則が載っている……! このテキスト覚えれば無双出来るじゃん!」
魔法についてのある程度の知識を得たところで、俺は魔力を集める練習をする。
「ルリンク・ルリンク・カルセーレ!」
この呪文は基本呪文と呼ばれ、魔力操作の補助に用いられるのだそうだ。ずっと気になっていた『ルリンク』というのは、世界を創造したとされる女神の名前の一部らしい。
「上手くいかない。もう、すっ飛ばして次のページに進もう。次からは四大元素か。取り敢えず唱えてみよう。『ルリンク・ルリンク・フレイミーゼ』!」
俺が唱えるとパチッと小さな火の粉がたつ。それがカーペットに燃え広がって……。
「ヤバイ、どうしよう!」
俺は焦り、あたふたする。そのうちに煙を吸って俺は動けなくなる。
「もう……。折角入学出来る……のに」
「『ルリンク・ルリンク・コマイーソ』!『ルリンク・ルリンク・アクエリーゼ』!」
誰かの声が聞こえる。そこで俺の意識は途絶えた。
目が覚めたのは9時間後だった。
「……俺、生きてる?」
「バカ! 剛平さんにこの前屋内で魔法を使うなって怒ったばっかりでエイトがまさか魔法を使うだなんて思ってなかったわ!」
母さんは怒っていた。当然だ。俺、バカだなぁ、魔法を使いたいって思って安全のことなんか考えてなかったんだもんな。
「魔法学校では魔法の制御を学ぶ。ただ使うのではなく、だ。だから国には義務教育という制度がある……」
何故かいたハーグさんからのお説教。後で聞いた話だがハーグさんが俺を助けてくれたらしい。俺はハーグさんを格好いいと思った。俺に説教をしていたときには髪の毛が焼けてツルツルに戻っていたのだが。
「そんなに練習したいなら、もう遅い時間だが少しくらいなら見てやろう。まずは基本魔法を見せてくれ」
ハーグさんがそう言ってくれる。俺はその言葉に甘えることにした。
「はい。『ルリンク・ルリンク・カルセーレ』!」
円を描きながら唱える。すると、魔力がどんどん集まって、魔法陣を展開した。いつもと比べ物にならないくらいに上手くできた。
「おお、上手いじゃないか。そしたらそのまま氷魔法を使え。詠唱は『ルリンク・ルリンク・カチコール』だ」
「『ルリンク・ルリンク・カチコール』!」
俺が言われた通りに唱えると、部屋中にまるでエアコンでも付けたかのように冷気が漂った。四大元素の魔法の中には氷魔法なんてなかったと思うんだけど。
「氷魔法は1年生の2学期で習う魔法だ。これなら危なくはないだろう」
確かにこれなら安全だ。明日から魔法の練習はこれにしよう。
「ハーグさん、ありがとうございます。明日から魔法学校で頑張ります!」
魔力の制御が少しできるようになって嬉しくなった俺は、ひたすら氷魔法を使った。
「『ルリンク・ルリンク・カチコール』!『ルリンク・ルリンク・カチコール』!」
「ここまで上出来だ。次は応用をやってみるぞ。『ルリンク・ルリンク・コールド・ザ・ウォール』と唱えてみろ」
俺は精神を研ぎ澄まし、魔力を集める。
「『ルリンク・ルリンク・コールド・ザ・ウォール』!」
俺がそう唱えると、目の前に氷の壁が現れる。それはまだ白く、荒い氷の壁だったが俺ははじめて成功した応用の魔法に喜んだ。
明日は入学式。さらなるワクワクが待ち構えているとは、このときの俺はまだ知らない。
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