「??…クラスメイトのイケメンが、何故かオレの部活のジャージでオナニーしてるんだが…???」

そらも

文字の大きさ
12 / 50

12 -9

しおりを挟む



「――よっと。ははっ、ここ来んのなんか久々な感じだな~」
「…そうだな」


昼休み。
一緒に飯を食いたがっていた三人娘を適当に蹴散らして、
俺と遼太郎の二人は、誰もこないからと前はよく使っていた、
立ち入り禁止の屋上に続く階段上の踊り場へと集合していた。

……それにしても、ここ来たのほんとに久々だな。
最近色々ありすぎたせいか、全然来れてなかったし……っ、イロイロ、

「それで? わざわざここに来てまで聞きたかった秘密の質問ってなんだ、疾風?」
「っ…!!」

『色々』について思いを巡らしていたところでの遼太郎からの問いかけに、またも身体をビクつかせる俺。
そうして、グッと手汗が滲む拳を握りながら、

「っ、これは俺のダチの話なんだが――」



「えっ疾風、女子ならいざ知らずっ男のダチなんておれ以外にいたのか…!?」とかいう、
遼太郎の、基本イイ奴だがたまに飛ばしてくる天然さにぶん殴りたくなった気持ちをどうにか抑えつつも。

流石に『オナニー』をしてしまったことは言えないながら、
俺はここ最近の出来事……藤枝いつぐを見ると浮かんでくる不可思議な気持ちの数々について
「ダチがとある女のことを考えると……」と、搔い摘んでポツポツと話していった。

すると、そんな俺の例え話を聞いたのち、遼太郎から返ってきたのは、

「――いやそれ、その疾風の友達……ただ単に相手の女の子に百二十パー『恋』してるだけじゃないのか?」
「………は? …こ、い…?」

という、謎の単語であった。


「そう、恋」
「……魚」
「それは鯉」
「……色の」
「それは濃い」
「……わざと」
「それは故意」
「……こ、い」
「恋っ、相手のこと大好きだって想うあの『恋』だろ?」
「恋、って…――はあっ恋ぃぃっ!!?」
「うおっうるさっ!? …だから、さっきからそう言ってるじゃんかよぅ」

はっ、はあっ!? こ、恋っ……恋って、お、俺がっ……俺が『藤枝いつぐ』に、恋って、

「ばっ…!? ち、違ぇよっんなワケっ……!!?」
「ん? 何でお前がそんなに必死に否定するんだ? 友達の話じゃなかったのか?」
「っ……いや、そう…だけどよ」

ドっドっドっドっ……
心臓が飛び出すんじゃないかってほどに、激しく振動し続ける。
遼太郎から返ってきたまさかの答え――『恋』という聞きなれない単語に、
俺の脳内、胃の中までもがぐるぐると回りだす感覚に陥っていく。
なんだこれ……何が一体、どうなって。
そんな俺の状況なぞ露知らず。

「でもその友達の気持ちもわかるなぁ。好きになると、相手が周りと違って見えるしなっ」
「!!」

うんうんと、頷くようにして続けた遼太郎の台詞に、俺は驚きの表情を見せる。
その口ぶりは、どう考えても――

「……オマエも、そう…なのか?」
「ん? ああっそうだな、おれもその友達と一緒だ。それに朝の話に戻るけどさ」
「? …朝って」
「おれも好きなコのこと想いながらしょっちゅうオナニーしているぞっははっ!」
「なぁっ!!? ぐっゴホっゴホっ…!! ……っ、ゴホ、おまっ…何の、カミングアウトだよっ…」
「大丈夫か疾風っ……にしても、そんなに驚くことか? 好きなコが出来たら、そういうコトしたくなるのは別におかしなことじゃないだろう?」
「!! ……そう…なのか…」
「そうそうっ、おれたち高校生男子には普通のことだって。好きなコでするオナニーは、最高に気持ちいいからなぁ…!」
「っ……」

そう言って、
『好きな相手を想いながらオナニーをする』ことを恥ずかしげもなく、
いつもの楽しそうな笑い声と共に告げる遼太郎を、俺はジッと見つめ続けた。


……そう、なのか? 俺は……俺のずっと抱えてきたこの気持ちは――


しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...