おれの大好きなイケメン幼なじみは、何故だか毎回必ず彼女にフラれてしまうんです。

そらも

文字の大きさ
14 / 16

6話

しおりを挟む


「――ってわけでさ、もう何を質問してもなんの話題を振ってもどっかしらに必ず例のあの子の存在絡めてくるわけよっあのクソ恵一郎はっ!! わたし当時小六よ!? 何で二人っきりの時も、好きだった括弧開き括弧閉じ男から別の男の話延々と聞かなきゃなんないわけ!? 新手の拷問マジやめてっ!!」
「ああ~わかる~わかりすぎる~先週までのあたしがそこにいるうぅぅ…」
「新手の拷問納得です……聞いてる時、私前世で何か悪いことでもしたんでしょうか……と、何度思ったことか…」
「例のあの子のことだと、ケイくんほんとバグってるのってくらい同じ話しまくるもんね~。りん覚えたくないのに
例のあの子のプロフィールとか大体言えちゃうもんっほんと笑えな~い」
「ねっアタシ物覚えるの超苦手なのに、例のあの子の好きな食べ物とかマジビックリするくらいスラスラ言えるしっ! そりゃあいちごみるくといい、ああいうのばっか食べてたら虫歯になるっての……って、うぐぅっ…む、虫歯っ…」
「大変っ、ななおちゃんが自分の言った台詞で自爆をっ…大丈夫? しっかり気をもって…!」
「だ、だいじょーぶ…アタシ、身体だけはじょーぶだからっ…ぐふっ…!」
「全然大丈夫そうじゃないっ!? ななお先輩一体どうしたんですか…!?」
「…その、実を言うと…ななおさんは…」
「待ってこころっち! …っ平気……あのね、りょうかっち…」
「先輩…?」
「アタシがね、けいいちろーと別れた理由は…」


 ♪~♪♪~
『あっけいいちろーからじゃん♡ 土曜のデート…アタシの誕生日のことについてかなぁ♡ ふふっ、ハイッもっしーけいいちろー? うんっ、ねねっ明後日のデートさぁ…――――はっ? えっちょっと待って行けなくなったって…!? はっ? りょうが虫歯になったから、土曜に歯医者の予約入れて付き添うことになった…って……ハァっ!!? 何言ってくれちゃってんのさ!? 幼なじみクンの歯医者なんてけいいちろーが付いていく必要……はっ? 無理…りょうの奴歯医者の音怖くて一人で行けないって怯えてっから、俺が一緒に行って傍で見守ってやんなくちゃ……って、いやいやいやっ何さソレっ!? ちょっと待って、だって明後日はアタシの誕生日でっ――――ああはいソウデスカっ!! じゃあもういいっ!! どうせ前からわかってたことだしもうアタシも超限界キてたからっ、いいよアンタなんてこっちからお断りっ!! けいいちろーのぶぁぁぁぁぁぁあっかっ!!! くたばれアホ男っ!!!』


「――…ってね…うげぇ、思い出しただけでさっき食べたチキンナゲットが口から出てきそうっ、うぷっ…」
「ななおさんしっかりっ……こちらお水です、そうゆっくり飲んで…」
「あわわわわわっ…!? おっおぞましいにもほどがある事件なんですけどぉ…!! ななお先輩可哀想すぎるぅ…」
「…本当、りょうかちゃんの言う通り、おぞましい以外のなにものでもないわよね…」
「付き合ってる彼女の誕生日にする特別なデートより例のあの子の歯医者の付き添い選ぶとかさ…ケイくんの頭の中
ほんと一度しっかり覗いてみたいくらいだよね~」
「マジそれね。高校生男子の虫歯確認に付き添ってきたのが母親じゃなくて何故か幼なじみの同年代の男だったとか、歯医者さんだってビックリの案件だっつの」


「ゴクッ…ぷはっ! はぁ、生き返ったぁ…こころっちあんがと…」
「いいえ、お気になさらず」
「はぁ…でもさ、アタシもこんな感じで最低だったけど…こころっちも中々、だったよねほんと…」
「えっ!? もしかしてこころ先輩も、誕生日をよくわかんない理由でドタキャンされたとかそういうっ…!?」
「ああ、いえ私は……そうですね、他のみなさんに比べれば全然大したことないのかもしれませんが……」


『――…ん……っ、』
『はぁ…っと、こころ? どうかしたか顔背けて…』
『あ、いえその……やはりこうして男の方と接吻…キスをするのは、は、恥ずかしくなってしまって…』
『ははっ、こころはほんとウブだな~まっ、そこがいいところなんだけどさっ。俺はこころとこうしてキスできて、
幸せだぞ?』
『っ……あの、恵一郎さん』
『ん?』
『恵一郎さんは、何をしている時が一番幸せ…ですか?』
『えっ、俺が一番幸せな時…?』
『は、はい』
『う~ん、そうだなぁ…』
『…わ、私はその…これまで色々あったり思ったりもしましたが……やはり、あなたとこうして過ごせる時間が一番しあわ…』

『やっぱアレだな! 俺が一番幸せを感じる時は、りょうに頭ヨシヨシしてもらってる時だわ!!』

『―――はい?』
『うんっ絶対そう! って、あ~…こんなこと話してたら、なんかりょうに頭ヨシヨシしてもらいたくなってきたわ。わりぃ、これから俺の家呼ぶって約束してたけど、あれ無しにしてもらっていいか?』
『え……えっあっあのっ、』
『じゃ、こころっまた明日な! ――あっ、もしもしりょうか? 今どこにいる? えっ、ああそうわかった。今からそっち行くからっ』
『………』


「――なんてことが、あったくらいでしょうかね。ふふ、もちろんその後すぐにあの方とは別れさせていただきましたよ…ふふ、ああ、懐かしい…ふふふふふふふ」

「ひぎぃやあぁぁぁぁぁぁっぜんっぜん大したことありすぎるんですけどおぉぉぉぉぉっ!!? そしてこころ先輩どうかコッチに戻ってきてぇぇぇっ!!!」

「ふふふ、ふふふふふ…」


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

息の合うゲーム友達とリア凸した結果プロポーズされました。

ふわりんしず。
BL
“じゃあ会ってみる?今度の日曜日” ゲーム内で1番気の合う相棒に突然誘われた。リアルで会ったことはなく、 ただゲーム中にボイスを付けて遊ぶ仲だった 一瞬の葛藤とほんの少しのワクワク。 結局俺が選んだのは、 “いいね!あそぼーよ”   もし人生の分岐点があるのなら、きっとこと時だったのかもしれないと 後から思うのだった。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

溺愛系とまではいかないけど…過保護系カレシと言った方が 良いじゃねぇ? って親友に言われる僕のカレシさん

315 サイコ
BL
潔癖症で対人恐怖症の汐織は、一目惚れした1つ上の三波 道也に告白する。  が、案の定…  対人恐怖症と潔癖症が、災いして号泣した汐織を心配して手を貸そうとした三波の手を叩いてしまう。  そんな事が、あったのにも関わらず仮の恋人から本当の恋人までなるのだが…  三波もまた、汐織の対応をどうしたらいいのか、戸惑っていた。  そこに汐織の幼馴染みで、隣に住んでいる汐織の姉と付き合っていると言う戸室 久貴が、汐織の頭をポンポンしている場面に遭遇してしまう…   表紙のイラストは、Days AIさんで作らせていただきました。

俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ
BL
☆完結済みです☆ 番外編として短い話を追加しました。 男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ) 中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。 一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ) ……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。 て、お前何考えてんの? 何しようとしてんの? ……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。 美形策士×純情平凡♪

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話

須宮りんこ
BL
【あらすじ】 高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。 二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。 そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。 青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。 けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――? ※本編完結済み。後日談連載中。

処理中です...