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足りなさその23、 『あるコト』
しおりを挟む――ピンポーンっ、……ガチャリ、
「――あっ、やまっちこんばんは~…って、さっきまで大学でずっと一緒だったから、なんか変な感じだねっ」
「っ、そ…そうだな……えと…いらっしゃい頼人、あがってくれ」
「………うんっ、じゃあお邪魔しま~す♡♡」
オレがめでたく20歳の誕生日を迎え、やまっちとバースデーパーティーをして人生初のお酒を口にしたあの土曜日から数日後の水曜、午後の6時45分。
オレは再び、やまっちのアパートにて2回目の宅飲みをオレとやまっちの二人で開催する約束を事前に取り付け、そうして意を決してやまっちのアパートへと足を踏み入れていたのだった。
……え? 何でお酒を3本飲んで酔っ払って朝まで眠りこけちゃって、そのことさえもまったく覚えてもいないクセしてこんなに早く2回目の宅飲みなんて開催しようとしてるのか、だって?
そんなの、やまっちとの宅飲みで、オレが『あるコト』を確かめたかったからに他ならないよ――…
「………やっぱり、さっきのって……っ、せ、精液のついた跡にそっくり…だったよね……」
ちゃぷん、と音を立てながらオレは湯舟から左腕を出して、すっかりスベスベになったほんの少し前にボディーソープで洗い落とすまでしっかりとついていた謎の汚れの跡部分をジッと見つめつつ、戸惑いの声を漏らしていた。
あの後、一人暮らし記念に何冊か買ってみたえっちな漫画のうちの一冊、絵が好みだったから衝動買いしたのちに読んで内容のマニアックさに驚いた『時間操作系セックス漫画』――といいつつ、実はけっこうメジャー? なんだね
時間操作系って、ビックリしちゃった…――に載っていた女の子の太ももの精液の跡の絵と、オレの左腕についていた跡をじっくり何度も何度も見比べてみたんだけど……けれどやっぱり、どこからどう見てもその2つはそっくりで。
え、待ってどういうことっ…!? 何でオレの腕にいつのまにかそんなモノが付いてるの!!? オレもしかしてやまっちの家で寝てる時に気づかないうちに夢精でもしちゃってたの!? ……いやっ夢精してたとしてどうして股間じゃなくてオレの左腕になんてこびりついてるのさっ!!? よだれが飛んじゃうよりありえなさすぎることだよっ…!!! ほんともうっ、一体全体オレの左腕のこの跡はっ、
「なんなのさ……いやマジのマジになんなのか謎すぎるよぉ…っ」
ぐるぐるぐるぐる、しばらく本棚の前で全裸で正座しながら頭の中をいっぱい掻きまわして……でも答えなんて全然でなくて、代わりに出たのは「…ふぇっ、くしゅんっ!!」オレのくしゃみと鼻水。
とりあえずこのままじゃ風邪引いちゃうと、再びお風呂場へと戻ってきたわけ
だけれども。
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