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15 『運命の人』見つけちゃいました♡♡♡ (終)
しおりを挟む「んんっ♡♡ …んぁ…ちゅっ♡♡ ぁあん、はふ…まーくん♡♡」
「むちゅ…ん、はぁ…♡♡ ふ、…カナ♡♡」
息つく暇もなく、再び舌と舌を絡ましあった二人には、
『彼女に振られた』『彼氏に振られた』――なんて、ほんのちょっと前の出来事のことなど、もう頭にはなく。
互いの瞳には、目の前の心ときめかせる相手の姿しか見えていなかった。
「…ふふ。ねぇ、オレたちもう何回シたんだろうね」
「ん~、よん…五回目ぐらいかな? あれっもっと多いっけか?」
「どうだろ? なんか、まーくんとのセックス気持ちよすぎて…どんくらいヤってるのかわからなくなってくる…へへ♡♡」
「っ……オレも、オレもカナとのセックスめっちゃ気持ちよくて…もう何回イったのかわかってなかったりしてっ♡♡」
「まーくん♡ ふふ、でもそうだね…オレのお腹の中、今まーくんの濃厚みるくで…もうたっぷんたっぷんだもん♡♡」
「うぐっ……また、カナはそういうえっちぃこと言うっ…」
「え~♡♡ あのねぇ、オレのココに…まーくんのびゅっびゅどっぴゅんしたセ―シがい~っぱいだよっ?」
「っだあぁもうっ!! そんなこと言うイジワルな口はここかぁっ♡♡」
「んんっ♡♡ ……ん、ぷはっ…えへへ、ごめんねつい♡」
「は、…ったく、ほんっと何してもカナが可愛すぎてズルいんですけどっ…」
「っ、ありがと…でも、オレもまーくんの可愛いトコ見つけたよ?」
「へっ? …オレの可愛いとこ?」
「うんっ……ココっ♡」
「ふへっ?」
身体中に飛び散った互いの大量の精液も、びちょびちょの汗もまったく気にせず、
ぎゅううっと隙間なく、ベッドの上でくっつきあう二人。
すると、『可愛いトコ』と、奏多は政峰の鼻の先を指でぷにっと押し。
「知ってる? オレの右手のぐっぱーのクセみたいに…まーくんもね、こうして肌が密着してる時に気持ちよさが高ぶると…必ず鼻のさきっぽ、オレの身体のどこかにスリスリ擦り付けてたんだよ?」
「え……はぁっ!? マジかよっ…!?」
「マジマジっ♡」
「っ鼻、のさきっぽを……え~マジかよぉ…えっ何ソレすっごい恥ずかしいっ…!!」
「ふふっやっぱり気づいてなかったんだぁ…くっついてる時、オレの色んなトコにスリスリしてたんだよ♡ すっごく可愛くて、オレその度キュンキュンしちゃってたんだからっ」
「っ……そっか、オレそんな癖あったのか…今まで、全然気づかなかった」
「へへっ…これで、さっきのオレのぐっぱーとおそろいだね」
「! ……だな。そう、おそろいだ…」
「うん、おそろいっ……んっ♡ …ま、まーくん?」
誰も気づかなかった奏多の右手の癖と同じく、こちらも本人もまったく気づいてなかった政峰の鼻の癖。
そう、今までの恋人たち誰ひとり気づかなかったそんな小さな小さなひとつの癖は――
けれども二人には、とても愛おしいもので。
スリ…。
おそろいだと顔を綻ばせる奏多の首筋に、政峰は愛おしそうに自らの鼻先を擦り付ける。
突然そんな行動を起こした政峰に、奏多は一瞬驚くが……。
「っ! ……ね、まーくん」
「ん? …!」
彼もまた、自身の右手を政峰の閉じていた左手へと重ね、小さくぐっぱーと動かし。
「まーくんはさ、『運命の人』とか…そういうの、信じてる?」
「…うんにゃ、全然。そんなの…まったく信じてこなかったわ」
「「――今日、まではっ」」
――そう。
生まれてから今までの互いの似通った境遇。
セックスが何よりも大好きなこと、長いキスもへっちゃらなところ。
互いの過去の恋人たちに無意識にイラついてしまう『嫉妬深い』一面があることに気づいてしまったのも。
セックスで気持ちよくなってもらえなかったと自信を失ったこと。逆に絶対気持ちよくなると自信満々だったこと。
たくさんの『ハジメテ』の体験も、イイところをピンポイントで当てちゃうのも。
お互いの癖を見抜いちゃうところも。
キュンキュンキュン、ずっとずっと止まなかったのも。
相手に振られてしまうほどのたくさんのセックスをしてきて、
こんなにも、セックスを通して相手に心を掴まされ、何よりも愛おしいと感じたことも。
全部、全部――
「!! …ふふ、ほんっとオレたちって」
「!! …なっ、ほーんとオレたちって」
「ね、たぶんだけどさ…まーくんが」
「ああ、たぶんだけど……カナが」
「「オレの『運命』なのかもしれないっ!!」」
「―ってね♡」
「―ってな♡」
出会って数時間。
したのはセックスのみ。セックス以外の好きなものも、好きな食べ物も、趣味も……
まだ何にも知らない、そんな二人だけども。
それでも、
「んちゅっ…んっ♡ まーくん、もっかいちゅうしよっ♡」
「っは、…♡ もっかいどころか、何回だってキスしてやるよっ♡」
「ふふっさっすがオレの運命の人っ♡♡ まーくん頼もしいっ♡」
「ははっ♡ そっ、オレっカナの運命の人ですから♡♡ ん~♡♡」
「んぁっ♡♡」
「ふはっ……っ、好きだよ。オレの恋人になって、奏多」
「っ……うん、オレも好きっ…大好きだよっ政峰」
――たぶんきっと。
他の誰でもない、政峰が、奏多が。
二人にとって、色んな意味での『運命の人』なのだろう。
「……と、いうことで。もう一ラウンドしますかっ♡♡♡」
「しちゃいますかっ♡♡♡」
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