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予想以上にかわいく化けた川田が独身の男子社員達のいい玩具となる様を見ていた明人は、ニヤニヤしていたが、川田はそんな勝ち誇った明人をずっと睨んでいた。
つい数日前までは見知らぬ他人だったのに、加奈という媒体を通し犬猿の仲となり今に至る。
「そういえばあんた、かなりうちの会社の女子社員もあんたの会社からの女子社員からも狙われてるのに、よく逃げ切れたわね」
「何だ?やきもちでも妬いてるのか?」
「妬いていない!むしろ話を逸らさないで!」
「可愛げがないな。まぁ、女どもは俺でなくても会社の名前というブランドに弱いからな。俺がチョイスした野郎を差し出したらあっさりだ」
「酷い事するわねぇ……」
「何やつらもその気だったんだ。別に責められる事でもない」
何においても抜かりのない男だ。だがそれだけで逃げ切れるのかとも思ったが、この男なら意図も簡単にやりそうだ。
「さて、せっかくの旅行だ。俺達も楽しむか?」
「はぁ?」
「何嫌そうな顔してるんだ?男と女がホテルの一室にいたら、する事は一つしかないだろう」
さも当たり前かのようにセクハラ発言を言われた加奈は顔を赤くしながら抵抗する。
「馬鹿言わないでよ!それにちゃんと恋人になってからってあんたが言ったんじゃない!もしかしてそれを覆くつがえそうっての?男の風上にもおけないわね!」
「何言ってる。もう俺とお前は恋人だろう?」
「勝手に決めるなぁ!」
これではマンションにいる時となんら変わらない会話だ。呆れた加奈が立ち上がって部屋に戻ろうとすると、明人は背後から加奈の背を抱きとめた。
「ちょっと!お互い社員旅行中なんだからこういうの禁止!」
「バーカ!する時は社員旅行だってするんだよ。ほら、隣の部屋に聞き耳立てて見ろよ」
何を言ってるのだ?そう思いながらも怪訝な表情の加奈はいけないと思いながらも壁に耳を当てた。すると何やら怪しい声が……そんな事あるはずない!そう思っていたのだが、隣の部屋からそれらしい声が聞こえてくる。
「ちょっとマジ?」
「マジだな。ちなみに隣は小峰がいる部屋だ。あいつ、用意周到に同室のやつら退けてたからな」
と言う事は相手は詩織。これは聞いてはいけないと思い、バッと壁から耳を放した加奈。むしろ隣に聞こえるほどの声なのか、壁が薄いのか……いろいろと考えてしまったが、それよりまず聞きたいのはよくわかったなと言う事だ。
「さっきからお前が叫んでいたから気が付かなかっただけだ。俺は気が付いてたぞ」
などと、しれっとして答える明人に加奈は大きなため息を漏らした。
「あのねぇ。こういうのはお互いの心が大切でしょ?私はその気ないし、まだあんたとは恋人じゃないし」
「これだから処女は……それにお前の答え待ってたら爺さんになるぞ。身体から始まる仲ってのも世の中にはあるもんだ」
「上手い事まとめないでよ!とにかく私はもう戻るから」
この男はどうしてこうも恥かし気もなく……だがその答えなど「お前よりは経験値あるからな」で片づけられてしまうだろう。部屋のドアに手をかけた加奈。
「本当に戻るのか?」
「戻ります!てか旅行中くらい自由にさせてよ!」
ドアを開けバタン閉めた加奈。明人は止める事も追いかける事もなかった。ちらりと小峰がいる部屋を見つめた加奈は、顔を真っ赤にしてそのまま自分の部屋に向かった。
つい数日前までは見知らぬ他人だったのに、加奈という媒体を通し犬猿の仲となり今に至る。
「そういえばあんた、かなりうちの会社の女子社員もあんたの会社からの女子社員からも狙われてるのに、よく逃げ切れたわね」
「何だ?やきもちでも妬いてるのか?」
「妬いていない!むしろ話を逸らさないで!」
「可愛げがないな。まぁ、女どもは俺でなくても会社の名前というブランドに弱いからな。俺がチョイスした野郎を差し出したらあっさりだ」
「酷い事するわねぇ……」
「何やつらもその気だったんだ。別に責められる事でもない」
何においても抜かりのない男だ。だがそれだけで逃げ切れるのかとも思ったが、この男なら意図も簡単にやりそうだ。
「さて、せっかくの旅行だ。俺達も楽しむか?」
「はぁ?」
「何嫌そうな顔してるんだ?男と女がホテルの一室にいたら、する事は一つしかないだろう」
さも当たり前かのようにセクハラ発言を言われた加奈は顔を赤くしながら抵抗する。
「馬鹿言わないでよ!それにちゃんと恋人になってからってあんたが言ったんじゃない!もしかしてそれを覆くつがえそうっての?男の風上にもおけないわね!」
「何言ってる。もう俺とお前は恋人だろう?」
「勝手に決めるなぁ!」
これではマンションにいる時となんら変わらない会話だ。呆れた加奈が立ち上がって部屋に戻ろうとすると、明人は背後から加奈の背を抱きとめた。
「ちょっと!お互い社員旅行中なんだからこういうの禁止!」
「バーカ!する時は社員旅行だってするんだよ。ほら、隣の部屋に聞き耳立てて見ろよ」
何を言ってるのだ?そう思いながらも怪訝な表情の加奈はいけないと思いながらも壁に耳を当てた。すると何やら怪しい声が……そんな事あるはずない!そう思っていたのだが、隣の部屋からそれらしい声が聞こえてくる。
「ちょっとマジ?」
「マジだな。ちなみに隣は小峰がいる部屋だ。あいつ、用意周到に同室のやつら退けてたからな」
と言う事は相手は詩織。これは聞いてはいけないと思い、バッと壁から耳を放した加奈。むしろ隣に聞こえるほどの声なのか、壁が薄いのか……いろいろと考えてしまったが、それよりまず聞きたいのはよくわかったなと言う事だ。
「さっきからお前が叫んでいたから気が付かなかっただけだ。俺は気が付いてたぞ」
などと、しれっとして答える明人に加奈は大きなため息を漏らした。
「あのねぇ。こういうのはお互いの心が大切でしょ?私はその気ないし、まだあんたとは恋人じゃないし」
「これだから処女は……それにお前の答え待ってたら爺さんになるぞ。身体から始まる仲ってのも世の中にはあるもんだ」
「上手い事まとめないでよ!とにかく私はもう戻るから」
この男はどうしてこうも恥かし気もなく……だがその答えなど「お前よりは経験値あるからな」で片づけられてしまうだろう。部屋のドアに手をかけた加奈。
「本当に戻るのか?」
「戻ります!てか旅行中くらい自由にさせてよ!」
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