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それからというもの、仕事での会食や出張などがない限り、アレンは陽菜の家に来ては夕食を食べ、そしてキスをするのが日課のようになった。
(これじゃ恋人みたいじゃない?)
若干の疑問は覚えつつも、なんとかやっている二人。
最近の出来事としては……
「澤永さんからヒナの英語力が上がらないって伊澄に連絡あったそうだから、僕が直々に教えてあげる」
との事で、本場発音などの手ほどきを受けている。
「えっ?英語はもちろんだけど、伊、仏、独、くらいは簡単でしょ?」
などと軽く言われてしまった。とにかく陽菜は会社で必要なスキル習得に必死ではあった。
もしアレンに出会わなければこんな事せずに、のんびりと毎日を過ごしていただろうが、それも後の祭りだ。今は自分にとってプラスになる事として受け入れる事にした。
そうして日々を過ごしていたある日の事だった。
「はぁ、遅くなった……今日は豚が安くて家にじゃがいもあるし、豚汁でも作ろうかな?」
メインはポークステーキにでもしてと、夕飯のあれこれを考えている時だった。
「えっ?えっ?」
突然目の前に外国人男性が立ち塞がった。ちょうど色々考えて下を向いていたので気がつかなかったが、男性は陽菜をジッと見つめていた。身長はアレンより少し低いくらいだが、目鼻立ちはさすが外国人というべきか、はっきりとしている。アレンが紳士的イケメンとしたら、こちらは可愛い男の子と言った方が早い。
「えっと……何か?」
習いたての英語力を発揮した陽菜だったが、それを聞いた男性がクスリと笑う。
「酷い発音……」
日本語でそう返された陽菜は、目を丸くして男性を見た。
「ねぇ、アンタがアレンの女?」
「えっ……いや……あの……」
突然何を言い出すのかと思ったが、アレンの名が出たという事はアレンの知り合いなのだろう。
だが男性は陽菜をキッと睨むと捨てセリフを吐いてその場を去って行った。
「お前みたいなブスにアレンは渡さないからな!」
「えっ?えっ?どういう事?」
この際、顔の造形について言われた事はさほど気にしてはいない。それよりも後半の言葉のパンチ力の方が強かった。
「アレンを渡さないって……えぇ?」
まさかアレンはどちらもいける人なのか?このご時世、珍しくもないし、陽菜自身に偏見もない。だがその手のタイプに初めて出会った。
「そもそもどういう関係?」
もうよくわからないでいた陽菜は、しばらく呆然とした後、自宅へ帰った。
「ヒナ!今日は遅かったね」
「あっ、まぁ……いろいろあって」
なんと言えばいいやら。困っていたが、陽菜は気持ちを変えて夕食作りに入る事にした。
「さて、ご飯作りますか!」
料理に入ろうとした時、突然家のインターホンが鳴った。
「はい」
モニターから訪問者を見ると、なんとそこにいたのはあの男性だった。
「えっ?あなたは……」
「開けろ!そこにアレンいるだろ?」
そう捲し立てる男性。すると騒ぎに気づいたアレンがモニターを見た。
「誰?……て、アンリ?」
「えっ?知り合い?」
「知り合いもなにも、弟だよ」
「弟!」
(これじゃ恋人みたいじゃない?)
若干の疑問は覚えつつも、なんとかやっている二人。
最近の出来事としては……
「澤永さんからヒナの英語力が上がらないって伊澄に連絡あったそうだから、僕が直々に教えてあげる」
との事で、本場発音などの手ほどきを受けている。
「えっ?英語はもちろんだけど、伊、仏、独、くらいは簡単でしょ?」
などと軽く言われてしまった。とにかく陽菜は会社で必要なスキル習得に必死ではあった。
もしアレンに出会わなければこんな事せずに、のんびりと毎日を過ごしていただろうが、それも後の祭りだ。今は自分にとってプラスになる事として受け入れる事にした。
そうして日々を過ごしていたある日の事だった。
「はぁ、遅くなった……今日は豚が安くて家にじゃがいもあるし、豚汁でも作ろうかな?」
メインはポークステーキにでもしてと、夕飯のあれこれを考えている時だった。
「えっ?えっ?」
突然目の前に外国人男性が立ち塞がった。ちょうど色々考えて下を向いていたので気がつかなかったが、男性は陽菜をジッと見つめていた。身長はアレンより少し低いくらいだが、目鼻立ちはさすが外国人というべきか、はっきりとしている。アレンが紳士的イケメンとしたら、こちらは可愛い男の子と言った方が早い。
「えっと……何か?」
習いたての英語力を発揮した陽菜だったが、それを聞いた男性がクスリと笑う。
「酷い発音……」
日本語でそう返された陽菜は、目を丸くして男性を見た。
「ねぇ、アンタがアレンの女?」
「えっ……いや……あの……」
突然何を言い出すのかと思ったが、アレンの名が出たという事はアレンの知り合いなのだろう。
だが男性は陽菜をキッと睨むと捨てセリフを吐いてその場を去って行った。
「お前みたいなブスにアレンは渡さないからな!」
「えっ?えっ?どういう事?」
この際、顔の造形について言われた事はさほど気にしてはいない。それよりも後半の言葉のパンチ力の方が強かった。
「アレンを渡さないって……えぇ?」
まさかアレンはどちらもいける人なのか?このご時世、珍しくもないし、陽菜自身に偏見もない。だがその手のタイプに初めて出会った。
「そもそもどういう関係?」
もうよくわからないでいた陽菜は、しばらく呆然とした後、自宅へ帰った。
「ヒナ!今日は遅かったね」
「あっ、まぁ……いろいろあって」
なんと言えばいいやら。困っていたが、陽菜は気持ちを変えて夕食作りに入る事にした。
「さて、ご飯作りますか!」
料理に入ろうとした時、突然家のインターホンが鳴った。
「はい」
モニターから訪問者を見ると、なんとそこにいたのはあの男性だった。
「えっ?あなたは……」
「開けろ!そこにアレンいるだろ?」
そう捲し立てる男性。すると騒ぎに気づいたアレンがモニターを見た。
「誰?……て、アンリ?」
「えっ?知り合い?」
「知り合いもなにも、弟だよ」
「弟!」
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