聖女陥落〜この恋は罪ですか?〜

まぁ

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 エリサがいなくなった。その言葉は奥にいたマルディアスにも届いたようで、マルディアスも玄関に姿を見せた。
「えっ?マルディアス氏?」
「エリサ様がいなくなったとはどういう事ですか?」
「あの……二人は……?」
 困惑するセリカにフリークは大きくため息を漏らした。
「とりあえずこんな所で話をするな。中に入れ」
 そう言ってセリカを中に入れた。
「あの、まずはお二人の関係について教えてもらいたいのですが?」
「ただのビジネスだ。それ以外は何もない。それで?何故ここを?それにエリサがいなくなったとはどういう事だ?」
「えっと……ここについては知り合い筋から聞きました。エリサがいなくなった事で、もしかして知っているのかと思って来たのです」
 聞けばエリサは昨日の朝、突然姿を消したのだと言う。いつもの朝食の時間になっても姿を見せず、侍女がエリサの部屋へと向かったが、その時にはいなくなっていたのだ。
「エリサからの手紙一つありませんでした。ただ、フリーク氏からの手紙と、離縁の申告書だけはあったので、もしかしてと思ったのですが……」
「残念だが私はエリサに会っていない。可能性があるとしたらこの男の方じゃないのか?」
 フリークは側にいたマルディアスを顎で指す。セリカもマルディアスの方を見たが、マルディアスは首を横に振った。
「残念ですが私も……」
「そうですか……一体どこに。あの子は今、自由に動ける体ではないのに……」
「どういう事だ?」
「そ、それは……」
 エリサの事について、セリカはもちろん知っていたが、エリサから言わないで欲しいと言われていた。だが変に言葉を止めてしまった為に、フリークやマルディアスはセリカの言葉に疑問を持った。
(これ以上隠し通せないわね……)
 エリサの意思をそむいてしまう事には謝罪しかないが、黙っていられないと思ったセリカは二人にエリサの事を話す事にした。


 エデンワース家を飛び出したエリサは、一人公園にいた。
「これからどうしよう……」
 持って来た荷物はわずかだ。少ないお金と衣類のみ。何故逃げ出すかのようにして家を飛び出したのかエリサ自身も自分の行動がわかっていなかった。ただ、このままエデンワースにいれないと思ったのだ。しかし出た所で自分はどこに行けばいいのかわからない。フリークと過ごしたあの屋敷はもうなく、フリークの子を抱えてマルディアスの元へ行く程の図々しさはない。
「でもこの子だけは守らないと……」
 この子には罪はない。罪があるとしたら自分だ。だからこの子を守り産むのだと決意した。
「私にまだ少しでも聖女としての力があるなら、この子をお守り下さい」
 今は子の無事を祈るしかない。だがこれからどうするべきか。箱入り娘で世間の事に疎いエリサ。やはり家に戻った方がいいのかもしれない。そう思っていた時だった。
「あなたはいつかの……」
「えっ?」
「おはようございます。早朝に何をしているのですか?」
 そこにいたのは子の手を握り公園にやって来たディアナだった。
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