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それからエリサの防護壁はさらに厚くなった。あの日以来園を出る時は他の従業員と一緒に出るようにした。そして馬車に乗って帰る。ただこれをする事でマルディアスに会う事はないが、仕事が滞る事は間違いなかった。結局屋敷に持ち帰り、ミリアが眠った後に仕事をする毎日を送っていた。
ただ一つ疑問なのは、あの日以来定期的に届いていた薔薇の花束が届かなくなった事だ。あれだけ定期的にあっただけに、従業員達は何かあったのだろうかと思っていた。それはもちろんエリサもだが、しかしマルディアスの性格だ。来なくなった事でようやくあきらめたとは思えない。
(あきらめてくれたら一番嬉しいんだけど……)
これ以上自分の心をかき乱さないで欲しい。その為にとことん会わないように防護壁を張る事だ。
しかし薔薇の謎は別の所で耳にする事となる。
「知ってました?この間、ルディア―ス家で炎上騒ぎがあったそうですよ」
「それ、私も耳にしましたわ」
この日はセリカの代理で貴族夫人達のお茶会へとやって来た。エリサを含み四人ほど貴族夫人がいるが、どの人物も知らない人ではないので、お茶をしながら話を聞いていた。
「あの、炎上騒ぎって何ですか?」
「あら、エリサさんは知らないの?」
「すみません。今はあまり貴族社会の事に詳しくないので」
「そうでしたわね。エリサさんは起業されてましたわね」
ここにいるご婦人方は皆、貴族の夫を持つ妻である事に誇りを持っている。自分の手で起業しようなどと思う貴族女性の人は少なく、ここにいるご婦人方にとってエリサは好奇な対象なのだ。
「結構大きな火災だったらしく、少し離れたお家からもその火の手が見えたそうですわ」
「それはかなり大きいのじゃ……」
「えぇ。でも燃えたのは庭園だけで、屋敷は無事みたいよ。幸い消火も早くて庭園全てが燃えたわけではないみたいだけど……」
「聞けばそれをやったのはルディア―ス夫人だって言うのよ」
「あらまぁ!さすが中流貴族の娘。やる事がえげつないわ!」
ご婦人方は好き勝手言っていた。だがあの美しかった庭園が燃えたとなれば、薔薇の花束が届かなくなった事に納得はいく。だがそれをしたのがフェリシアだとはエリサには思えなかった。
「それで?ルディア―ス夫人はどうなりましたの?」
「お咎めはなしよ。けどその一件で夫婦仲が一気に冷めたとも聞くわ」
「それはそうでしょう!ルディア―ス家の薔薇はこの国で一番とも聞きますわ。それを燃やされたとなったらねぇ」
薔薇については知らなかったが、同じ品種を生み出す事は難しいのだと聞いた。しかも外聞を気にしてかマルディアスは離縁を申し出なかったとも。しかしマルディアスの性格を知るエリサからしたら、あのマルディアスが外聞を気にするとは思えない。やはり子供がいるから離縁は難しいのか。
(ひ、人様の家の事に何を考えてるのかしら?)
ついマルディアスは離縁してフェリシアとは他人になるものだとも思った。だがそれはマルディアスの考える事だ。エリサの考える事ではない。
ただ一つ疑問なのは、あの日以来定期的に届いていた薔薇の花束が届かなくなった事だ。あれだけ定期的にあっただけに、従業員達は何かあったのだろうかと思っていた。それはもちろんエリサもだが、しかしマルディアスの性格だ。来なくなった事でようやくあきらめたとは思えない。
(あきらめてくれたら一番嬉しいんだけど……)
これ以上自分の心をかき乱さないで欲しい。その為にとことん会わないように防護壁を張る事だ。
しかし薔薇の謎は別の所で耳にする事となる。
「知ってました?この間、ルディア―ス家で炎上騒ぎがあったそうですよ」
「それ、私も耳にしましたわ」
この日はセリカの代理で貴族夫人達のお茶会へとやって来た。エリサを含み四人ほど貴族夫人がいるが、どの人物も知らない人ではないので、お茶をしながら話を聞いていた。
「あの、炎上騒ぎって何ですか?」
「あら、エリサさんは知らないの?」
「すみません。今はあまり貴族社会の事に詳しくないので」
「そうでしたわね。エリサさんは起業されてましたわね」
ここにいるご婦人方は皆、貴族の夫を持つ妻である事に誇りを持っている。自分の手で起業しようなどと思う貴族女性の人は少なく、ここにいるご婦人方にとってエリサは好奇な対象なのだ。
「結構大きな火災だったらしく、少し離れたお家からもその火の手が見えたそうですわ」
「それはかなり大きいのじゃ……」
「えぇ。でも燃えたのは庭園だけで、屋敷は無事みたいよ。幸い消火も早くて庭園全てが燃えたわけではないみたいだけど……」
「聞けばそれをやったのはルディア―ス夫人だって言うのよ」
「あらまぁ!さすが中流貴族の娘。やる事がえげつないわ!」
ご婦人方は好き勝手言っていた。だがあの美しかった庭園が燃えたとなれば、薔薇の花束が届かなくなった事に納得はいく。だがそれをしたのがフェリシアだとはエリサには思えなかった。
「それで?ルディア―ス夫人はどうなりましたの?」
「お咎めはなしよ。けどその一件で夫婦仲が一気に冷めたとも聞くわ」
「それはそうでしょう!ルディア―ス家の薔薇はこの国で一番とも聞きますわ。それを燃やされたとなったらねぇ」
薔薇については知らなかったが、同じ品種を生み出す事は難しいのだと聞いた。しかも外聞を気にしてかマルディアスは離縁を申し出なかったとも。しかしマルディアスの性格を知るエリサからしたら、あのマルディアスが外聞を気にするとは思えない。やはり子供がいるから離縁は難しいのか。
(ひ、人様の家の事に何を考えてるのかしら?)
ついマルディアスは離縁してフェリシアとは他人になるものだとも思った。だがそれはマルディアスの考える事だ。エリサの考える事ではない。
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