聖女陥落〜この恋は罪ですか?〜

まぁ

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「子と私に血縁がない以上、ルディアースの跡取りにもなり得ない。それにお前が犯した罪も相当なものだ」
「自分の事は棚に上げるの?妻がいる身で他の女の元に行くなんて……」
「お前に関係ない。これは私自身の問題だ」
「だからって……他の女の所へ行くのを黙って見ていろというの?曲がりなりにも私達は夫婦よ。夫婦としての裏切りは許されないわ」
 やはり話はまとまらない。平行線のまま続いていく。嫌気の差してきたマルディアスは最後通知と言わんばかりに打って出る。
「正直愛もなく我が子と言われ結婚をした事は謝ろう。だがそれも杞憂だったわけだ。本当は私達の間には何もない。ならば一緒にいる事は出来ない。私はお前に離縁を申しつける」
「そ、んな……」
 震える唇。フェリシアはその場から動けず立ち尽くす。
「この事はお前の家にも伝えている。近日中にこの屋敷から出て行け」
 これ以上話す事はないと、マルディアスはフェリシアに背を向けた。そして執事によってフェリシアは書斎から追い出される。
「これで全て終わったな」
 数日後。フェリシアの実家からやって来た従者達によってフェリシアはルディアース家から連れ出された。
 そして法による手続きも済み、正式にマルディアスとフェリシアは他人となった。
 ルディアース家のまたまたのスキャンダルにしばらく貴族界隈は賑わった。中流階級の女に食わされた男。哀れ!子供は血のつながりはない。などと、真実ではあるものの、一部は面白おかしく書かれていた。
 もちろんこのスキャンダルはエリサも知る事となる。
「マルディアス様が離縁?」
「そうみたいね。ほら、この記事……」
 そう言ってセリカから手渡された新聞記事を見たエリサは、目を丸くした。そこに書かれてあった離縁の真実。
「子供がマルディアス様の子ではない?」
「どうやら元々の婚約者との結婚が嫌でルディアース家に嫁入りしたかったからか、本当にマルディアス様に惚れていたかはわからないけど、繋がりをもつ為に元奥さんも必死だったようね」
 その真意がどうあれ、まさか結婚の為に他の男性との子を身ごもり、それを偽って結婚するとは……あの時見せたフェリシアの執着を考えると、あり得ないとも言えなかった。
「まあ行くことはないでしょうが、ルディアース家の周囲には近づかない方がいいわね。もしかしたら過去のスキャンダルと絡めて貴女の元へやって来るかもしれないけど、全部無視しなさい」
「はい……わかりました」
 何かとスキャンダルが絶えないルディアース家。この騒動が落ち着くまではしばらくかかるが、その間にもこの騒動をめがる様々なスキャンダルが出てくる。
 その一つが一週間後。
 とある施設に一人の赤子が預けられた。その赤子とはフェリシアの子だ。預けに来た従者は何も言わなかったが、どこからかその噂はすぐに広まった。

「愛を得る為に成した子。愛を得られず簡単に手放す非情な母親」

 スキャンダルの見出しはどれもこれに似たものだった。
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