刻限

都丸譲二

文字の大きさ
5 / 22

第5話 家族

しおりを挟む
月曜の午後。
国木署の合同捜査本部では、爆破予告メールの分析が続いていた。
だが会議が一段落すると、九重誠治郎は静かに席を立った。

「すみません、私用で少し抜けさせていただきます」

桜井警部が眉をひそめた。
「今は一刻を争う状況だぞ」

「承知しています。ただ……どうしても外せない用事で」

短く頭を下げると、それ以上は追及されなかった。
署を出ると、冬の冷気が頬を刺した。
七日後に迫る刻限を思えば、プライベートな時間など許されない。
それでも、どうしても会っておきたい相手がいた。



車を走らせながら、九重はポケットに仕舞った一枚の紙を思い出していた。
離婚届の控え。
三年前、三十二歳のときに妻と別れた。

刑事という仕事は、家庭に安らぎをもたらさない。
夜勤、長時間の張り込み、突発的な呼び出し。
当初は理解してくれていた妻も、次第に疲弊していった。

「あなたにとって家族はいつも二番目なのね」

別れ際に告げられた言葉は、今も胸に刺さっている。
娘の結衣は妻のもとに引き取られ、九重に残されたのは数ヶ月に一度の面会だけ。
それでも彼にとって結衣は唯一の救いだった。

(会いたい……。だが、もし結衣の頭上にも数字が浮かんでいたら……)

想像するだけで背中を冷たい汗が伝った。



夕暮れの住宅街。
二階建ての集合住宅の前に立ち、インターホンを押す。
しばらくしてドアが開き、元妻の美咲が現れた。

「……誠治郎」

エプロン姿で髪を束ねた彼女は、落ち着いた表情ながら、どこか距離を取るような声音だった。

「急に悪い。少しだけ、彩音に会わせてくれ」
「ええ。彩音は中にいるわ」

九重は頷き、玄関をくぐった。



居間に入ると、そこに彩音がいた。
小学二年生。
床に座って絵本を広げていた少女は、父親の姿を見つけると顔を輝かせて立ち上がった。

「パパ!」

元気な声とともに、勢いよく抱きついてくる。
九重は思わず笑みを浮かべ、その小さな体を抱きしめた。
温かさが胸に沁みる。
だが同時に、視線は自然と頭上へと吸い寄せられた。

〈6d xx:xx:xx〉

赤い数字が冷酷に浮かんでいた。

(彩音まで……!)

心臓を握りつぶされたような衝撃に、呼吸が止まる。
笑顔でしがみつく娘に、数字を告げることなどできなかった。



「久しぶりね。……三ヶ月ぶりかしら」
美咲がソファに腰を下ろしながら言った。

「もっと会いに来ればいいのに。彩音はあなたを楽しみにしてるのよ」

九重は娘の髪を撫で、ぎこちなく答えた。
「すまない。仕事が立て込んでいて」

「仕事、ね」
美咲の声には皮肉が滲んでいた。
家庭を壊した言葉そのものだからだ。

彩音は父を見上げ、無邪気に笑う。
「ねえパパ、今度一緒に動物園行こうね!」

「……ああ。必ず」

喉が締めつけられる。
数字が示す未来では、その約束は六日後に絶たれる。



数十分の面会が過ぎ、九重は立ち上がった。
「また来る」
「ええ」

美咲は淡々と答えた。
玄関先で、彩音が小さな手を振る。
その頭上には、やはり赤い数字が燃えていた。

九重は振り返らずに住宅街を歩き出した。
夜風が頬を刺し、娘の声が遠ざかる。

(結衣まで……。絶対に、この刻限を止めなければならない)

拳を握りしめた。
刑事としてではない。
父としての決意が、胸に深く刻まれた。

住宅街を離れ、九重誠治郎は夜道を歩いていた。
冬の冷たい風が頬を刺す。
わずか十分ほどの滞在だったが、娘の笑顔と声が胸に焼きついて離れなかった。
小さな体を抱きしめたときの温もりはまだ腕に残っている。
だが、その頭上に浮かんでいた数字の残像がすべてを覆い尽くしていた。

〈6d xx:xx:xx〉

(彩音まで……六日後に死ぬなんて、あってたまるか)

心の中で叫んでも、数字は変わらない。
秒単位で刻まれる冷酷な表示は、父親の願いをあざ笑うかのようだった。
娘は「今度動物園に行こうね」と無邪気に笑っていた。
だが数字が示す未来では、その約束は果たされることなく途絶える。



駐車場に停めた車に乗り込み、ハンドルを握る。
エンジンをかけても、すぐに走り出す気にはなれなかった。
額に手を当て、目を閉じて深く息を吸う。

(最初に見えたのは、交差点で車に轢かれかけた少年……。
 次は居酒屋の乱闘の男。
 駅前の群衆。
 同僚の刑事たち。
 そして、彩音……)

見えるのは、身近かどうかに関係なく「一年以内に死ぬ人間」。
それは理解していた。
だが、娘の頭上に数字が現れたことで、その理解が一気に現実味を帯びて襲いかかってきた。

(死ぬのは誰かの父であり、母であり、子供だ。……そして彩音も例外じゃないのか)

胸が軋んだ。
ハンドルを握る手に力がこもり、革が軋む音が夜に響いた。



車を走らせ、国木市から桐ノ宮へ抜ける幹線道路に出る。
繁華街に差しかかると、夜の光と雑踏に飲み込まれた。
居酒屋から吐き出される酔客。
タクシーに手を挙げるサラリーマン。
若者たちの笑い声。

その中に、赤い数字が点々と浮かんでいた。

〈6d 05:12:44〉
〈6d 17:33:09〉

十人に一人ほど。
寿命が迫っている者にだけ現れる数字。
だが今夜、彼らは一様に「六日後」を背負っていた。

数字のない者は、何事もなかったかのように歩き去っていく。
その対比は残酷だった。
「生き延びる者」と「六日後に死ぬ者」が、同じ街を行き交い、笑い、肩を並べている。
だがそれに気づいているのは、九重ただ一人だった。

(これは偶然じゃない。……七日後と宣告された爆破予告が、一日減った今、数字も確実に減った)
(街全体を呑み込む大災厄が来る。それが六日後だ)

背筋を冷たいものが伝った。



署に戻ると、廊下で佐伯警部補が待っていた。
「おい九重、どこ行ってた。顔色が悪いぞ」

「……少し私用で。すみません」

短く答えたが、声はかすれていた。
佐伯は怪訝そうに眉をひそめたが、それ以上は追及しなかった。

自席に戻ると、若林刑事が書類の束をどさりと置いた。
「おいおい、こっちは山のように仕事だぞ。お前まで抜けたらまわらねぇ」

苦笑しながら文句を言う若林。
だが九重の視線は、その頭上にちらつく赤い光から目を逸らせなかった。

〈6d 12:41:27〉

(若林まで……。やっぱり六日後だ)

九重は唇を噛み、視線を机に落とした。



夜遅く、会議室に資料を抱えて入ると、刑事たちの疲弊した声が飛び交っていた。
「予告メールは挑発に過ぎないかもしれない」
「だが、過去の事件と関連を考えると無視できない」
「場所が曖昧すぎる。市全体をどう守れっていうんだ」

彼らにとって「六日後」は、犯人が指定した期限にすぎない。
だが九重にとっては、自分の娘を含む人々の死期を告げる数字そのものだった。
その隔たりが、孤独感をさらに強めていく。

(言えない……。言えるはずがない。
 だが、知っているのは俺だけだ)

重く沈むような孤立感の中で、九重は決意を新たにした。

(六日後、街を救う。……そして結衣を守る。たとえ俺一人でも)

赤い数字の雨が降りしきる世界で、九重の瞳だけが鋭い光を宿していた。

翌朝。
国木署の合同捜査本部には、夜を徹して作られた資料が山のように積み上がっていた。
刑事たちの顔には疲労が濃く刻まれ、紙コップのコーヒーがいくつも転がっている。
電話と無線の声が途切れず飛び交い、空気は張りつめていた。

「桐ノ宮市内の主要駅と大型施設は警戒を強化する。警備部とも連携して監視を強める」
桜井警部が冷ややかに告げる。

「だが爆破予告の文面は抽象的だ。施設を特定できない以上、市全域を守ろうとすれば警備は分散する」
「市民に知らせるべきじゃないか? だがパニックになれば混乱が拡大する」

意見が飛び交い、会議室の空気は重さを増した。
その中で九重誠治郎は黙り込み、資料の字を追いながらも、頭の奥では別のことを考えていた。



(数字は寿命なんかじゃない。
 大規模な事件の刻限そのものだ)

七日後と宣告したメールが届いたその日、街に見えた数字も〈7d〉だった。
そして一夜が明けると、全員が〈6d〉に変わった。
娘の結衣の頭上にまで、同じ数字が浮かんでいた。

(六日後、街は炎に包まれる。結衣も、仲間も、巻き込まれる)

机の端を握りしめ、拳に力がこもった。
木目が皮膚に食い込み、白く跡が残る。



休憩時間。
若林刑事が肩を叩いてきた。
「おい九重、昨日どこ行ってた? お前が抜けると倍忙しいんだぞ」

「悪かった」

声を絞り出したが、目を合わせられなかった。
若林の頭上にも確かに〈6d〉があった。
気安く文句を言ってくる同僚が、六日後に死ぬ――その事実を知っているのは自分だけ。
胃の奥に重い石を押し込まれたような感覚に、言葉が続かなかった。

(言えるわけがない。信じてもらえるはずがない)

孤独感が胸を締めつけ、視界の端が暗くなる。



午後、本部から渡された地図を広げる。
過去の不審火や爆発未遂の現場に赤いマーカーが印されていた。
桐ノ宮市を中心に、円を描くように散らばっている。

(狙いはやはり市の中心……。予告文の“桐ノ宮の街”という曖昧さは、街そのものを標的にしているからだ)

ペン先で地図をなぞる。
仮説にすぎない。
だが数字の一致が背中を押していた。

(六日後、必ずここで何かが起こる)



夜。
自宅に戻った九重は、机に散らばる資料を睨み続けていた。
赤い線で結んだ事件現場は、いびつな円を描きながら中心部に収束していた。

窓の外を歩く人々の頭上に、また数字が浮かぶ。

〈6d 21:04:15〉

無関係に見える通行人も、同じ「六日後」を背負っている。
数字が示す未来は抽象ではない。
一つの巨大な出来事に、人々の寿命が呑み込まれていく。

九重は鏡に目をやった。
映る自分の頭上にも、冷酷な数字が輝いていた。

〈6d 23:11:32〉

背筋に冷たいものが走る。
だが視線を逸らさず、赤い刻限を睨み返した。



(守るんだ。彩音を。街を。仲間を)

胸の奥で熱が渦巻き、喉を焦がす。
父として、刑事として――もう後戻りはできない。

「俺が止める。必ず」

低く呟いた九重は、机に散らかった資料へ手を伸ばした。
震える指先が赤い線をなぞり、未来を読み解こうとする。
秒を刻む数字は冷酷に減り続ける。
だが九重もまた、行動を始めようとしていた。

翌日の午前。
国木署の合同捜査本部は再び慌ただしく動いていた。
県警本部から新たな指示が下り、桐ノ宮市内の警戒体制をさらに強化することになったのだ。
制服警官の増員、公共交通機関への監視カメラ設置、市役所や警備会社との連携。
机の上の電話はひっきりなしに鳴り、刑事たちは受話器を取り合っていた。

九重誠治郎はその喧騒を背に、地図を睨んでいた。
数字は残酷に減り続けている。
昨日〈6d〉だった刻限は、今朝には〈5d〉になっていた。
街のあちこちで、人々の頭上に赤い数字が点々と浮かんでいる。

(残り五日……。もう迷っている暇はない)



九重の胸にあったのは、父としての思いだった。
彩音の笑顔。
「動物園に行こうね」と弾んだ声。
あの約束を破る未来など、あってはならない。

刑事として街を守る責務と、父として娘を守る本能。
その二つが渦を巻き、九重を突き動かしていた。



昼休み。
九重は署の屋上に上がり、携帯を取り出した。
画面に表示された番号を前に、親指がしばらく止まる。
美咲――元妻の番号。

押すか、押さないか。
言うべきか、黙っておくべきか。

(「六日後に死ぬ」なんて言えるわけがない。だが、黙っていれば……彩音は……)

逡巡の末、通話ボタンに触れる直前で指を止めた。
根拠のない言葉で脅かせば、狂人扱いされるだけだ。
信じてもらえず、娘を二度と会わせてもらえなくなるかもしれない。

「……まだだ」
九重は携帯を閉じ、ポケットに押し込んだ。



午後の会議。
桜井警部が淡々と告げた。
「不審者の通報が増えている。市内の警戒は続けるが、現状では爆破予告の信憑性は五分五分だ」

会議室の空気がざわめく。
「五分五分って……これだけの前兆があって?」
「市民の不安を煽るわけにはいかないってことだ」

九重は歯を食いしばった。
数字を見ている自分には、五分五分などあり得なかった。
これは必ず起きる。
六日後ではなく、もう五日後に迫っている。



会議が終わった後、九重は一人、資料を抱えて廊下に立ち尽くしていた。
手のひらに汗がにじむ。
誰にも打ち明けられない。
だが黙っていれば、結衣も、仲間も、街も――全てが炎に呑まれる。

(なら、俺がやるしかない)

独り言のように胸の奥で呟いた。
刑事としての立場を超え、父としての衝動が背中を押す。



夜。
自宅の机に地図を広げ、九重はマーカーで円を描いていた。
これまでの事件現場、不審火、爆発未遂。
点と点を結ぶと、桐ノ宮市の中心に向かって収束していく。

「……中心だ。奴らの狙いは」

赤いペンを握る手が震える。
数字が示す未来と、地図上の収束点。
二つが重なった瞬間、九重の中で確信が芽生えた。

(五日後、必ずここで爆発が起きる。
 それを止められるのは……俺しかいない)

九重は散らかった資料を一枚ずつ拾い上げ、分類を始めた。
眠気も疲労も感じない。
赤い数字が刻む秒針に追われながら、ただ未来を変える手がかりを探し続けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―

MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」 「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」 失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。 46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...