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レベル2.女騎士と日常
8.女騎士とアルバイト(後編)
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スタッフルーム内にて。
「じゃじゃーん、どうよ!」
渚がそう楽しげに言いながら、衣装スペースからリファを引っ張ってきた。
制服姿に着替えていたリファを目にして俺は軽く口笛を吹いた。
「ど、どうだろうか……」
腰のエプロンを両手でしわになるくらい強く抑えて、リファは恥ずかしそうに感想を求めてきた。
基本的には渚のものと大差ない。
フリルのあしらわれた白い半袖シャツと、黒のスカート。そしてその上にチェックのエプロン……。
至ってどこにでもありそうなふつーのカフェ店員の姿。
それだったら俺も「似合ってるじゃん」と普通に返していただろう。
だが、素直にそう言わせてくれない点が一つ。
「何、その猫耳としっぽ」
そう、彼女の頭には渚のベレー帽とは違い、立派なケモノの耳が、そしてスカート部分にはふさふさのしっぽが取り付けられていたのである。
「もーセンパイったらよく見てよ。猫じゃなくて犬!」
リファの頭をぽんぽこ叩きながら渚が訂正してくる。どっちにしろ俺が知りたいのはそこじゃないから流す。
「ほんとはあたしがつけるはずだったんだけど、やっぱりリファっちのほうが似合ってるよ、うんうん」
「で、なんで帽子じゃなくて犬耳なのさ」
「それは僕から説明するよ」
突然背後から声がかかったので、振り返ってみるとそこにはニヤケ顔の箱根さんが立っていた。
スタッフ全員バックヤードにこもっちゃったよ。店番どうなっとんねん。
「ナギちゃんとバイト君はもうわかってると思うけど……この店は閑古鳥の巣が作られてるんじゃないかと思うほど人入りが悪い」
いきなりわざとらしくこめかみを押さえながら店長は語りだした。
「固定客アップのためにこれまで色々試してきた。豆を変えたり、メニューを増やしたり、ナギちゃんのスカートを勝手に数センチ短くしてみたり」
「おい」
「だが、どれも結果は及ばず。売上は落ちるばかり。この状況を打開するためには、もっとドカンとでかく、よりぶっ飛んだアイデアを取り入れなきゃいけないと僕は考えた」
スカート短くするあたりから既にぶっ飛んでます。頭が。
「ちょっと店長~。それってぇ、あたしのオミアシの魅力がないって言いたいんですかぁ?」
「だってよ、どう思うバイト君?」
「こっちに振るな」
「どうなんすかセンパイ」
「誘導されんな」
コホン、と箱根さんは咳払いして、話の路線を軌道修正。
「時にバイト君、この店の名前はなんだね?」
「は? HOT DOGですが」
「そう、DOGだ。英語で犬。だがこの店のどこに犬要素がある?」
「メニューにホットドッグがありますよ」
「それは料理の名前でしょ。僕が言ってるのはそうじゃなくてわんこちゃんのこと! わかる? 実際にワンワン鳴いてちんちんしたりする方」
女子いるんだからせめてお手とかおまわりって言えや……。
で、モノホンの犬ねぇ。
俺はそこで、さっきから落ち着かない感じでこちらの様子を伺っているリファの姿を見た。
三角形型の可愛らしい耳、今にも振り出しそうな尻尾。
なるほどそういうことか。
「犬耳喫茶にしようって魂胆っすか」
「んー、まぁそれもあるんだけどね。でも本命は別にあるんだ」
「本命?」
「見せたげるよ。ついてきて」
俺が聞き返すと、箱根さんは店内へと戻っていった。
俺と渚とリファは同時に顔を見合わせると、怪訝に思いながら彼の後を追った。
相変わらずガラガラの店内に戻ると、箱根さんはカウンターの内側に座り込んで何やらガサゴソとやっていた。
「なにやってんすか?」
「いやー、さっきまでずーっと寝てたんだけど……そろそろ起きても大丈夫かなーと思って」
寝てる? 起きる? 何のことだ?
不思議に思い、カウンターから身を乗り出して奥を覗いてみようとすると……。
「きゅう!」
という謎の甲高い鳴き声が。
「ほーら、いい子だ」
そう言いながら箱根さんは立ち上がって、俺達に「それ」を見せてきた。
白くてフサフサの塊。
時折もぞもぞと動く、謎の毛玉。
ただし、そこには耳と目と鼻と、足があった。
そして、
「きゅう」
また鳴いた。
まごうことなき、子犬であった。
「きゃー!! なんすか店長それ! メチャカワイイ!!」
それを見るなり子どもみたいに隣の渚がはしゃぎだした。
「しーっ、あんまり刺激しないように。臆病だからさ、この子」
腕の中で暴れる犬を優しく抱きかかえながら、箱根さんはこちらのほうへやってきた。
渚はシュバババとエプロンのポケットからスマホを取り出すとここぞとばかりに激写開始。
「ポメラニアンだよ。実家で4ヶ月ほど前に生まれたんだ。で、今回帰省した時に、無理言って貰い受けてきた」
「はわぁ~、ちょっと抱かして抱かして! ……うわ柔らかいしふわふわぁ~♡」
ポメラニアンを店長から受け渡された渚は、うりうりとそいつの背中に頬ずりをしまくる。
そんな様子を横目で見ながら、俺は箱根さんに質問した。
「これが本命ですか」
「そゆこと。近頃猫カフェとか流行ってるだろ? だからこれを機に犬を全面に押し出したカフェにリニューアルしてみようってわけさ」
「一匹だけなのに?」
「うん」
「HOT DOGなのに?」
「うん」
「……」
「何よ?」
「別に」
この店が繁盛しない理由がなんとなくわかった気がする。
「……? まぁいいや。とにかくこいつと、犬耳ウェイトレスリファちゃんのダブルキューティパワーで、一気に集客を図る。今度こそ大成功間違いなしだ」
ぐっ、とガッツポーズを決め、店長は自信満々なご様子。
成功するかしないかは置いておいて、今までの試みに比べれば随分面白そうではある。
「ほらほらぁ、リファっちも抱いてみなよ~。すっごくかわいいよ~」
わしゃわしゃと犬の腹をなでさすりながら、渚はリファも誘おうとしたのだが。
気がつくと、彼女はその場から消えていた。
「あれ? リファっち? どこ行ったの? おーい」
呼びかけてみるも返事がない。物音一つたてずにどっか行っちまった。
しばらくキョロキョロと店内を見渡してみていると、隅っこにある支柱の陰からブルブルと震える金髪が覗いているのに気がついた。
「何してんだよ、そんなとこで」
「ぴっ!?」
俺が彼女に近づいて声をかけると、ビョクッとリファは痙攣した。
その目は限りなく何かに怯えており、体の震えに連動して装着した犬耳と尻尾もピクピク揺れている。
「どうしたんだよ突然」
「どうしたも何も……何で魔獣がこんな店の中にいるのだ!」
「「「まじゅう!?」」」
リファの突然の訴えに俺らはあんぐりと口を開けた。
「ちょっと何言ってんのリファっちったらー。こんなカワイイ子が魔獣って……」
「どこからどう見ても魔獣だ! 見た目的に幼体のようだが……どちらにせよ、猛毒は持ってるかもだし凶暴そうだし……こんな室内で檻にも閉じ込めず放置しておくなんて狂気の沙汰だ!」
毒も持ってないし凶暴でもないです。むしろ真逆です。
まさかワイヤードには犬がいないのか? というか何かペットを飼うというような習慣がないのだろうか。
「とにかく一刻も早く逃げないとまずいぞマスター! 下手したらここにいる全員が死ぬかもしれんのだぞ!」
俺にしがみつくと、リファは切羽詰った表情で必死にポメラニアンの対処と避難を要請してくる。
情緒不安定な奴だな。何とかして気を落ち着けさせないと。
「はっはーん、さてはリファっち……犬とか苦手なタイプだったり?」
すると突如キラリと渚の瞳が怪しく光った。
そして犬を抱いたままリファの方へ素早く駆け寄り、彼女の前へ突き出した。
「大丈夫だってー。怖くないよ。ほれほれ~」
「ちょ、ばか近づけるなぁ!」
「もう、逃げないでよ~」
「やめろ~っ」
悲鳴を上げて逃げ惑うリファとそれを追いかける渚。
きゃいきゃいと女子二人の声がやかましく響く店内。
あーもうめちゃくちゃだよ。これじゃ犬カフェどころじゃねぇじゃん。
そんな様子を眺めながら箱根さんは唸った。
「うーん、これは想定外。まさかリファちゃんが犬嫌いだったとは」
「どうします?」
俺が指示を仰ぐと彼は肩をすくめて、
「心苦しいけど両立は無理そうだ。今日は折角リファちゃんが働いてくれるから、ニアはスタッフルームに隔離しとこう」
「ニア?」
「あの子の名前さ。ポメラニアンだからニア。安直だけどいいだろ?」
「悪くはないんじゃないすか? で、隔離するっつっても、目を離しておいて大丈夫なんですか? 生後間もないなら、一応見てる人がいたほうがいいかと」
「だよねぇー餌やりとかトイレとかの問題もあるからなぁ。まぁ4人もいる必要もないし、1人くらい抜けても問題ないか。というわけでバイト君――」
ぽん、と店長は俺の肩に手を置いて、気持ちの悪い笑みを投げかけながら一言。
「や ら な い か?」
ウホッ! やな男……。
飼い主ならあんたがやれやとマジで言いたいが、店長が奥に引っ込んでるのは営業的にまずい。
それにもう一つの問題はリファだ。保護者である俺がついてないと何しでかすかわからん。
だとすれば必然的に渚が適任じゃないかと思うのだが、あいつもあいつでガサツに扱いそうだから怖い。
どうしたもんか……うーん。
リファもニアも、要監視対象。でも同時に面倒は見られない。だったらどういう措置が適切かというと……。
そう俺が頭を悩ませていると、ふと名案が浮かんだ。
これなら、両立できるかもしれないぞ……。
「箱根さん。ちょっといいですか」
○
それからしばらくして。
店の前を近所の高校生らしき男子2人組が通りかかった。
「なんか腹減らねー?」
「どこかで軽く食ってくか?」
「だな。ここらへんでどっかいいとこないかなぁ……お?」
そこで片方の少年が店前のあるものに気づき、足を止めた。
「何だあれ、犬か?」
「あ、ホントだ。ポメラニアンじゃね?」
設置された小さめのケージの中でよちよちと歩き回るその白い子犬に、少年コンビは興味をそそられて寄ってきた。
「きゅう~」
可愛らしく鳴き声を上げるそれに、二人共思わず顔がほころぶ。
「何これすげぇかわいい」
「ちょっと見ていこうぜ」
しゃがみこんで上から頭をなでてみたり、写真に収めてみたり、少しの間戯れる少年たち。
「ていうかこいつ、なんでこんな外にいるんだろ?」
「この店で飼ってんのかな……。えっと」
そこで二人は同時に立ち上がって、同時に店の窓から内部を覗き込んだ。
瞬間。彼は目にする。
店内でテーブルをせっせせっせと拭く、金髪碧眼の美少女のけなげな姿を。
可愛らしい犬耳に、フサフサのしっぽを生やした、犬耳ウェイトレスの愛くるしい姿を。
時折手を休め、そっと手で横髪をかき上げるセクシーな姿を。
ポッと彼らは頬を赤く染め、呟く。
「何あれすげぇかわいい……」
「ちょっと見ていこうぜ……」
犬を見た時と全く同じリアクション。
そしてフラフラと誘い込まれるように、店のドアを、開けた。
「「「いらっしゃいませ~」」」
そこで出迎える俺&渚&箱根さん。
はい二名様捕獲完了~!
俺達は満面の笑みで呆けた表情をしている彼らを誘導し、席につかせる。
バッチリ成功。
名付けて、「ポメラニアンで街行く人々を店前におびき寄せ、そこから覗けるリファの姿で店内に誘い込もうぜ作戦」
「そのまんまじゃん」
「黙れ」
渚のツッコミを一蹴すると、少年達におしぼりとお冷を配る。
「ご注文お決まりでしたら、そちらの呼び鈴を鳴らしてくださいー。ではではごゆっくり~」
恭しくお辞儀をして俺は素早く退散。
カウンターに戻ると、箱根さんが顎髭をさすりながらケタケタと笑って出迎えた。
「なるほど、たしかに店先にニアをおいておけば、僕らが仕事中でも様子は見られるからねぇ。それに加えて、そこからうまく見える場所にリファちゃんを配置しておくと……こりゃうまい手法を思いついたもんだ。将来アコギな商売人になれるよバイト君」
「そりゃどうも」
褒められてんだか馬鹿にされてんだかわからない彼の言葉を軽くあしらうと、リファもテーブルを拭き終えて戻ってきた。
「言われたとおり、人が来るまでずっと窓の側で掃除をしておいたぞ……」
「はいご苦労。んじゃ次は、あの兄ちゃん達の注文を聞いて俺達に伝えに来ること。できる?」
「ん。やってみる……」
そう言いながら、リファはまたそわそわと落ち着かない様子で俺の方を上目遣いで見てくる。
「どうした?」
「その、この衣装、どうだ? さっき感想を聞きそびれたから気になって」
「ああ、カワイイと思うぞ。耳も尻尾も」
「耳と尻尾……だけ?」
「あ?」
「~っ、だから……」
ちりん、ちりーん。
と、そこで注文用のベルが鳴る音がした。
「さーゃせーん。ちゅーもんいーすかぁ?」
少年がリファを気持ち悪い声で呼んだ。
「おっと、注文入ったぞ。見ててやっから行って来い」
「あ……」
俺に背中を叩かれたリファは、まだ何か言いたげな顔をしていたが、諦めてボードとペンを手に彼らのもとへ駆けていった。
「えっと、ちゅ、注文を聞こうか……」
ぎこちない動きで、オーダーを伺うリファの口調はまだ完全に店員のそれにはシフトしていなかった。だがさして問題はない。
俺の作戦にハマってここを訪れた奴らは皆リファの虜になってるはずだ。多少のことなら気にも留めないだろう。これも計算のうちだ。
予想通り少年らは完全に彼女に魅入っており、今の店員らしからぬ口上など意に介してないようだ。
「えっと、はぷてぃーのふてゃつとふぉっほへぇーきふてゃつおなしゃす」
「ふぇ!? はぷ……?」
見惚れるがあまり、少年のろれつの回ってない注文内容に少なからずリファは戸惑う。
「あ、こいちゅかちゅぜちゅわるいんしゅ。いまのま、はぷちーのとふぉっふぉへーきふてゃふふふっていいたかったんしゅ」
すかさずもう片方の少年がフォローのつもりで喋りだしたが、補足どころかかえってリファの頭を混んがらせるだけだった。
俺はカウンターを拳でコツコツと叩いて厨房の渚と箱根さんに呼びかける。
「カプチーノとホットケーキ2つずつ」
「ほいよ」
注文を伝えた後、俺はこちらに助けを求める視線を向けてきたリファにアイコンタクト。
『リファもういい、もどれ』
指示を受け取り、こちらに来ようとした彼女に俺は念押しする。
『あれ、忘れんなよ』
「うっ」
リファは下唇を噛んだが、やがて観念したようにため息を吐き、少年たちの方に向き直った。
「えっと、注文は以上か? では……えっと……その………」
ブツブツと小声で言った後、軽く握った右手を胸の前に持ってきて、一言。
「しばらく待ってて欲しい……わん」
「「ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」
少年コンビ、悩殺され卒倒。
リファ、顔を真赤にして撤収。
「く、屈辱……男の前であんな恥ずかしい真似を……」
「いやリファっち可愛かったよー。ちょっち悔しいけど、あたしがやるより断然効果あるわこれ」
ボウルで生卵とケーキミックスをかき混ぜながら渚が言った。
「こ、こんなはずじゃ……私が知ってるカフェの仕事ってこんなものじゃ……」
「まぁこの世界ならではカフェ文化ってのがあるんだよ。これも勉強だと思ってさ、な?」
リファは頚椎が折れたようにうなだれると、ボソッと言った。
「この世界、頭おかしい……」
俺もそう思う。
○
その少年達の来店を皮切りに、カフェには続々と客(野郎限定)が訪れた。
店内の席は常に満席という状態。外では軽い列ができていて待ち客がニアと戯れ、中に見えるリファにお目にかかれるのを心待ちにしている。
さぁ俺達も大忙し。あくせくと注文取ったり料理を運んだり……。
リファも短時間でかなりの場数を踏まされたせいか、数時間後には客との壁もそんなに感じられないような接客ができるようになっていた。
「えっと、ミネストローネと……エスプレッソで」
「うむ、心得た。注文は以上でいいか……わん?」
「あ、あと……そうだな……スマイル、とかお願いしていいっすか」
「スマイル? えっと……こ、こうか?(ニコッ」
「うひょー!」
「あ、あの店員さん、オムライスにケチャップでLOVEって書いてー!」
「ケチャップで? わ、わかった……わん。あんまりうまくできないかもしれないが……わん」
「うわやったー!」
「あのあの、一緒に写真とか撮ってもらっていいっすか?」
「え? あぁ、そういうのはちょっと……困る……わん」
「うぉ~! その困り顔見られただけで満足ぅ!」
大盛況である。
いつの間にか秋葉のメイド喫茶みたいな雰囲気になっていた。
俺は一息入れようと、厨房で水をコップ一杯汲み、一気に飲み干した。
「これ、歴代最高売上行くんじゃないっすか?」
「もうとっくに超えてるよ。開店当日ですらこんなに集まんなかったし」
鍋のミネストローネをかき混ぜながら自虐気味に箱根さんはそう言う。
「やっぱ、忠誠心が強いから犬キャラがはまり役だったんだろうね」
「はい?」
「なんでもないよ。ほい、ミネストローネお待ち」
俺は小首をかしげながらも、自分の持ち場に戻るのだった。
○
そして17時。
オーダーを締め切り、客が全員捌けたところで営業終了。
「うわぁ、つっっかれたー!!」
ベレー帽をテーブルに放り投げて渚はそこに身を投げ出す。
リファもさすがにグロッキー状態で、椅子に腰掛けたままぐったりしていた。
「みんなお疲れ様。おかげで大繁盛だったよ」
そんな俺達に満足気にねぎらいの言葉をかけてくる箱根さん。
腕には、必死に外で客寄せに貢献してくれたニアが抱かれていた。
「お前もよく頑張ってくれたなぁ。よしよし」
「きゅ~」
「リファちゃんも今日はありがとうね。ほんと助かったよ」
「あ、いや……こちらこそ。貴重な体験ができた。礼を言う」
確かに貴重だったね、色んな意味で。
「ところで、ここまで重労働させておいて言うのも気がひけるんだけどさ、リファちゃん」
「?」
箱根さんは近くのテーブルに腰掛けて、ニアの頭を撫でながら提案。
「ここでのバイトさ、もうちょっと続けてみないかい?」
「!?」
突然の申し出にリファも俺も目を大きく見開いた。
「だってさ、今日の盛況ぶりも結局はリファちゃんの活躍あってこそじゃん? もし君がいなくなっちゃったら、明日からはきっとまたいつも通りガラガラの店に戻っちゃうだろう」
「……それは」
「別にそんな頻繁にじゃなくていいんだ。週3回、いや、2回でもいい。お願いできないかな?」
「それいいかも~」
ぐでっとテーブルに突っ伏しながら渚が低い声で言った。
「あたしもここで散々ウェイトレスの役やってたけど、さすがにあそこまでの人気集める自信ないわ~。ここいらでおとなしく調理仕事に専念して、看板娘役はリファっちにやってもらった方がいいと思う」
「な、渚殿まで……」
「もちろん無理にとは言わないよ。でも、君も見たろ。あのお客さん達の様子。きっとまた君に会いたいって思ってるよ。せっかく出来たファンのためにもさ……考えてみてくれないか」
「ファン……?」
そこでリファは片眉を上げ、目を伏せた。
「私はただ……マスターに可愛いって言ってもらいたかっただけなのに……褒められたかっただけなのに……」
ぶつぶつと聞こえないような声で言った後、彼女は頭の犬耳バンドを外した。
「申し訳ないが、辞退させて頂く」
「え?」
「私には、もう既に職業がある。それを放棄して勝手に別の任に就くわけにはいかない」
自宅警備隊のくせに留守番嫌がる奴がよくそんなセリフ吐けるもんだな。
俺は反論したい気でいっぱいだったが、そうした場合リファにここでのバイトを強制させることになるのと同じだ。
別に金は死者処理事務局からの出資で十分やっていける。それに今日はなんとかなっても、リファがここでずっとこの仕事を続けていけるとは思えない。
残念だけど、この話はなしってことでひとつ。
「きゅう!」
すると、ニアが甲高く鳴き、箱根さんの腕からすり抜けると、とことことリファの方へ歩いてきた。
「ぴぃ!」
当然リファはまた飛び上がって逃げ出し、隅っこの支柱に緊急退避。
そこに追い詰めた彼女に向かってニアは吠え続ける。
「きゅ~きゅ~」
「ばかばかばかぁ! あっちいけぇ!」
涙目で必死に子犬を追い払おうとするリファ。箱根さんもその様子に困り果てている。
「おいおいどうしたんだニア、いきなり……」
「きっと、リファっちとまた一緒に働きたいって思ってるんじゃないっすか?」
何気ない渚の一言に、俺もリファも箱根さんも耳を疑った。
ニアが、別れを惜しんでるだって?
「だってそうでもなきゃ、自分を嫌う人間にここまで擦り寄ったりしないよ」
「まぁたしかにそうだね」
「きゅ~!」
その通り、とでもいいたげにニアはまたリファに向けて一鳴き。
箱根さんはその傍にしゃがみ込むと、ニアの頭をそっと撫でる。
「リファちゃん。この際バイト続けるかどうかは置いといてさ、せめてニアとは仲良くしてあげてほしいな。今日は君と、こいつがいたからこそ、いっぱいお客さんが来たんだから」
「……うぅ」
「怖くないよ、ほら」
彼がそう促すと、恐る恐るリファは支柱から顔を覗かせた。
つぶらなニアの瞳と目が合う。
ごくり、と彼女は唾を飲み下し、ニアの前に立つとそっと腰をかがめた。
「……」
ビクビクしながらも、女騎士は手を伸ばして子犬に近づける。
握手、のつもりだろうか。
「きゅ!」
ニアはすぐにそれに応えるように、前足を上げて彼女の手の上に置いた。
「わぁすごい、お手してる~! かしこーい!」
「芸を仕込んでもいないのに……相当なついてるんだね」
「……」
てっきり触れた瞬間にまた騒ぎ立てるかと思っていたのだが、意外にもリファはそのまま反対の手を動かし、今度は子犬の首筋をそっと撫でた。
気持ちよさそうに首を傾げるニアの反応に段々とリファの表情が緩やかになっていくのが見て取れた。
「きゅう……」
「……よしよし」
とうとうリファは口元に笑みを浮かべると、両手を伸ばしてニアを優しく抱き上げた。
「ふふ、こらやめろ……くすぐったいぞ」
ペロペロと顔をなめられて、更にリファに笑顔が戻ってくる。
それを見た俺達も自然と顔から笑いが溢れてきた。
「すまなかったな、魔獣だなんて言ったりして」
「きゅ」
「実を言うと、ちょっと怖かったんだ。初めて見る生き物だったから。でも……こうして近くで見て実際に触れてみると……」
一旦彼女は言葉を切り、俺達の方に向き直ると、はにかみながら言った。
「やっぱり、可愛いな」
「……そりゃ、可愛いでしょ(俺)」
「ちゃんと言えたじゃねぇか(店長)」
「……聞けてよかった(ギャル)」
3人でそう言ったところで、リファはニアを抱きかかえたまま立ち上がった。
「みんな、今日は本当にありがとう。私……やっぱり」
「………」
「私、ポン太郎のこと好きだ!」
「……名前、違ぇでしょ(俺)」
「ちゃんと言えてねーじゃねぇか(店長)」
「……聞きたくなかった(ギャル)」
リファは今までの恐怖心はどこへやら、ニアに頬ずりしながら幸せそうな表情を浮かべている。
「だから、私決めた!」
おっ、とそこで渚が期待するような反応を示す。
箱根さんも意思を汲み取ったのか、大きく頷いた。
覚悟を決めたらしいリファはぎゅぅ、とニアを抱きしめて、最大級の笑顔を皆に振りまき、決意を口にした。
「この子、家で飼うぞ!」
女騎士 性根は畜生 犬だけに
――マスター 心の俳句
それでは皆さん聞いてください。
エンディングテーマ
「今回はご縁がなかったということで」
「じゃじゃーん、どうよ!」
渚がそう楽しげに言いながら、衣装スペースからリファを引っ張ってきた。
制服姿に着替えていたリファを目にして俺は軽く口笛を吹いた。
「ど、どうだろうか……」
腰のエプロンを両手でしわになるくらい強く抑えて、リファは恥ずかしそうに感想を求めてきた。
基本的には渚のものと大差ない。
フリルのあしらわれた白い半袖シャツと、黒のスカート。そしてその上にチェックのエプロン……。
至ってどこにでもありそうなふつーのカフェ店員の姿。
それだったら俺も「似合ってるじゃん」と普通に返していただろう。
だが、素直にそう言わせてくれない点が一つ。
「何、その猫耳としっぽ」
そう、彼女の頭には渚のベレー帽とは違い、立派なケモノの耳が、そしてスカート部分にはふさふさのしっぽが取り付けられていたのである。
「もーセンパイったらよく見てよ。猫じゃなくて犬!」
リファの頭をぽんぽこ叩きながら渚が訂正してくる。どっちにしろ俺が知りたいのはそこじゃないから流す。
「ほんとはあたしがつけるはずだったんだけど、やっぱりリファっちのほうが似合ってるよ、うんうん」
「で、なんで帽子じゃなくて犬耳なのさ」
「それは僕から説明するよ」
突然背後から声がかかったので、振り返ってみるとそこにはニヤケ顔の箱根さんが立っていた。
スタッフ全員バックヤードにこもっちゃったよ。店番どうなっとんねん。
「ナギちゃんとバイト君はもうわかってると思うけど……この店は閑古鳥の巣が作られてるんじゃないかと思うほど人入りが悪い」
いきなりわざとらしくこめかみを押さえながら店長は語りだした。
「固定客アップのためにこれまで色々試してきた。豆を変えたり、メニューを増やしたり、ナギちゃんのスカートを勝手に数センチ短くしてみたり」
「おい」
「だが、どれも結果は及ばず。売上は落ちるばかり。この状況を打開するためには、もっとドカンとでかく、よりぶっ飛んだアイデアを取り入れなきゃいけないと僕は考えた」
スカート短くするあたりから既にぶっ飛んでます。頭が。
「ちょっと店長~。それってぇ、あたしのオミアシの魅力がないって言いたいんですかぁ?」
「だってよ、どう思うバイト君?」
「こっちに振るな」
「どうなんすかセンパイ」
「誘導されんな」
コホン、と箱根さんは咳払いして、話の路線を軌道修正。
「時にバイト君、この店の名前はなんだね?」
「は? HOT DOGですが」
「そう、DOGだ。英語で犬。だがこの店のどこに犬要素がある?」
「メニューにホットドッグがありますよ」
「それは料理の名前でしょ。僕が言ってるのはそうじゃなくてわんこちゃんのこと! わかる? 実際にワンワン鳴いてちんちんしたりする方」
女子いるんだからせめてお手とかおまわりって言えや……。
で、モノホンの犬ねぇ。
俺はそこで、さっきから落ち着かない感じでこちらの様子を伺っているリファの姿を見た。
三角形型の可愛らしい耳、今にも振り出しそうな尻尾。
なるほどそういうことか。
「犬耳喫茶にしようって魂胆っすか」
「んー、まぁそれもあるんだけどね。でも本命は別にあるんだ」
「本命?」
「見せたげるよ。ついてきて」
俺が聞き返すと、箱根さんは店内へと戻っていった。
俺と渚とリファは同時に顔を見合わせると、怪訝に思いながら彼の後を追った。
相変わらずガラガラの店内に戻ると、箱根さんはカウンターの内側に座り込んで何やらガサゴソとやっていた。
「なにやってんすか?」
「いやー、さっきまでずーっと寝てたんだけど……そろそろ起きても大丈夫かなーと思って」
寝てる? 起きる? 何のことだ?
不思議に思い、カウンターから身を乗り出して奥を覗いてみようとすると……。
「きゅう!」
という謎の甲高い鳴き声が。
「ほーら、いい子だ」
そう言いながら箱根さんは立ち上がって、俺達に「それ」を見せてきた。
白くてフサフサの塊。
時折もぞもぞと動く、謎の毛玉。
ただし、そこには耳と目と鼻と、足があった。
そして、
「きゅう」
また鳴いた。
まごうことなき、子犬であった。
「きゃー!! なんすか店長それ! メチャカワイイ!!」
それを見るなり子どもみたいに隣の渚がはしゃぎだした。
「しーっ、あんまり刺激しないように。臆病だからさ、この子」
腕の中で暴れる犬を優しく抱きかかえながら、箱根さんはこちらのほうへやってきた。
渚はシュバババとエプロンのポケットからスマホを取り出すとここぞとばかりに激写開始。
「ポメラニアンだよ。実家で4ヶ月ほど前に生まれたんだ。で、今回帰省した時に、無理言って貰い受けてきた」
「はわぁ~、ちょっと抱かして抱かして! ……うわ柔らかいしふわふわぁ~♡」
ポメラニアンを店長から受け渡された渚は、うりうりとそいつの背中に頬ずりをしまくる。
そんな様子を横目で見ながら、俺は箱根さんに質問した。
「これが本命ですか」
「そゆこと。近頃猫カフェとか流行ってるだろ? だからこれを機に犬を全面に押し出したカフェにリニューアルしてみようってわけさ」
「一匹だけなのに?」
「うん」
「HOT DOGなのに?」
「うん」
「……」
「何よ?」
「別に」
この店が繁盛しない理由がなんとなくわかった気がする。
「……? まぁいいや。とにかくこいつと、犬耳ウェイトレスリファちゃんのダブルキューティパワーで、一気に集客を図る。今度こそ大成功間違いなしだ」
ぐっ、とガッツポーズを決め、店長は自信満々なご様子。
成功するかしないかは置いておいて、今までの試みに比べれば随分面白そうではある。
「ほらほらぁ、リファっちも抱いてみなよ~。すっごくかわいいよ~」
わしゃわしゃと犬の腹をなでさすりながら、渚はリファも誘おうとしたのだが。
気がつくと、彼女はその場から消えていた。
「あれ? リファっち? どこ行ったの? おーい」
呼びかけてみるも返事がない。物音一つたてずにどっか行っちまった。
しばらくキョロキョロと店内を見渡してみていると、隅っこにある支柱の陰からブルブルと震える金髪が覗いているのに気がついた。
「何してんだよ、そんなとこで」
「ぴっ!?」
俺が彼女に近づいて声をかけると、ビョクッとリファは痙攣した。
その目は限りなく何かに怯えており、体の震えに連動して装着した犬耳と尻尾もピクピク揺れている。
「どうしたんだよ突然」
「どうしたも何も……何で魔獣がこんな店の中にいるのだ!」
「「「まじゅう!?」」」
リファの突然の訴えに俺らはあんぐりと口を開けた。
「ちょっと何言ってんのリファっちったらー。こんなカワイイ子が魔獣って……」
「どこからどう見ても魔獣だ! 見た目的に幼体のようだが……どちらにせよ、猛毒は持ってるかもだし凶暴そうだし……こんな室内で檻にも閉じ込めず放置しておくなんて狂気の沙汰だ!」
毒も持ってないし凶暴でもないです。むしろ真逆です。
まさかワイヤードには犬がいないのか? というか何かペットを飼うというような習慣がないのだろうか。
「とにかく一刻も早く逃げないとまずいぞマスター! 下手したらここにいる全員が死ぬかもしれんのだぞ!」
俺にしがみつくと、リファは切羽詰った表情で必死にポメラニアンの対処と避難を要請してくる。
情緒不安定な奴だな。何とかして気を落ち着けさせないと。
「はっはーん、さてはリファっち……犬とか苦手なタイプだったり?」
すると突如キラリと渚の瞳が怪しく光った。
そして犬を抱いたままリファの方へ素早く駆け寄り、彼女の前へ突き出した。
「大丈夫だってー。怖くないよ。ほれほれ~」
「ちょ、ばか近づけるなぁ!」
「もう、逃げないでよ~」
「やめろ~っ」
悲鳴を上げて逃げ惑うリファとそれを追いかける渚。
きゃいきゃいと女子二人の声がやかましく響く店内。
あーもうめちゃくちゃだよ。これじゃ犬カフェどころじゃねぇじゃん。
そんな様子を眺めながら箱根さんは唸った。
「うーん、これは想定外。まさかリファちゃんが犬嫌いだったとは」
「どうします?」
俺が指示を仰ぐと彼は肩をすくめて、
「心苦しいけど両立は無理そうだ。今日は折角リファちゃんが働いてくれるから、ニアはスタッフルームに隔離しとこう」
「ニア?」
「あの子の名前さ。ポメラニアンだからニア。安直だけどいいだろ?」
「悪くはないんじゃないすか? で、隔離するっつっても、目を離しておいて大丈夫なんですか? 生後間もないなら、一応見てる人がいたほうがいいかと」
「だよねぇー餌やりとかトイレとかの問題もあるからなぁ。まぁ4人もいる必要もないし、1人くらい抜けても問題ないか。というわけでバイト君――」
ぽん、と店長は俺の肩に手を置いて、気持ちの悪い笑みを投げかけながら一言。
「や ら な い か?」
ウホッ! やな男……。
飼い主ならあんたがやれやとマジで言いたいが、店長が奥に引っ込んでるのは営業的にまずい。
それにもう一つの問題はリファだ。保護者である俺がついてないと何しでかすかわからん。
だとすれば必然的に渚が適任じゃないかと思うのだが、あいつもあいつでガサツに扱いそうだから怖い。
どうしたもんか……うーん。
リファもニアも、要監視対象。でも同時に面倒は見られない。だったらどういう措置が適切かというと……。
そう俺が頭を悩ませていると、ふと名案が浮かんだ。
これなら、両立できるかもしれないぞ……。
「箱根さん。ちょっといいですか」
○
それからしばらくして。
店の前を近所の高校生らしき男子2人組が通りかかった。
「なんか腹減らねー?」
「どこかで軽く食ってくか?」
「だな。ここらへんでどっかいいとこないかなぁ……お?」
そこで片方の少年が店前のあるものに気づき、足を止めた。
「何だあれ、犬か?」
「あ、ホントだ。ポメラニアンじゃね?」
設置された小さめのケージの中でよちよちと歩き回るその白い子犬に、少年コンビは興味をそそられて寄ってきた。
「きゅう~」
可愛らしく鳴き声を上げるそれに、二人共思わず顔がほころぶ。
「何これすげぇかわいい」
「ちょっと見ていこうぜ」
しゃがみこんで上から頭をなでてみたり、写真に収めてみたり、少しの間戯れる少年たち。
「ていうかこいつ、なんでこんな外にいるんだろ?」
「この店で飼ってんのかな……。えっと」
そこで二人は同時に立ち上がって、同時に店の窓から内部を覗き込んだ。
瞬間。彼は目にする。
店内でテーブルをせっせせっせと拭く、金髪碧眼の美少女のけなげな姿を。
可愛らしい犬耳に、フサフサのしっぽを生やした、犬耳ウェイトレスの愛くるしい姿を。
時折手を休め、そっと手で横髪をかき上げるセクシーな姿を。
ポッと彼らは頬を赤く染め、呟く。
「何あれすげぇかわいい……」
「ちょっと見ていこうぜ……」
犬を見た時と全く同じリアクション。
そしてフラフラと誘い込まれるように、店のドアを、開けた。
「「「いらっしゃいませ~」」」
そこで出迎える俺&渚&箱根さん。
はい二名様捕獲完了~!
俺達は満面の笑みで呆けた表情をしている彼らを誘導し、席につかせる。
バッチリ成功。
名付けて、「ポメラニアンで街行く人々を店前におびき寄せ、そこから覗けるリファの姿で店内に誘い込もうぜ作戦」
「そのまんまじゃん」
「黙れ」
渚のツッコミを一蹴すると、少年達におしぼりとお冷を配る。
「ご注文お決まりでしたら、そちらの呼び鈴を鳴らしてくださいー。ではではごゆっくり~」
恭しくお辞儀をして俺は素早く退散。
カウンターに戻ると、箱根さんが顎髭をさすりながらケタケタと笑って出迎えた。
「なるほど、たしかに店先にニアをおいておけば、僕らが仕事中でも様子は見られるからねぇ。それに加えて、そこからうまく見える場所にリファちゃんを配置しておくと……こりゃうまい手法を思いついたもんだ。将来アコギな商売人になれるよバイト君」
「そりゃどうも」
褒められてんだか馬鹿にされてんだかわからない彼の言葉を軽くあしらうと、リファもテーブルを拭き終えて戻ってきた。
「言われたとおり、人が来るまでずっと窓の側で掃除をしておいたぞ……」
「はいご苦労。んじゃ次は、あの兄ちゃん達の注文を聞いて俺達に伝えに来ること。できる?」
「ん。やってみる……」
そう言いながら、リファはまたそわそわと落ち着かない様子で俺の方を上目遣いで見てくる。
「どうした?」
「その、この衣装、どうだ? さっき感想を聞きそびれたから気になって」
「ああ、カワイイと思うぞ。耳も尻尾も」
「耳と尻尾……だけ?」
「あ?」
「~っ、だから……」
ちりん、ちりーん。
と、そこで注文用のベルが鳴る音がした。
「さーゃせーん。ちゅーもんいーすかぁ?」
少年がリファを気持ち悪い声で呼んだ。
「おっと、注文入ったぞ。見ててやっから行って来い」
「あ……」
俺に背中を叩かれたリファは、まだ何か言いたげな顔をしていたが、諦めてボードとペンを手に彼らのもとへ駆けていった。
「えっと、ちゅ、注文を聞こうか……」
ぎこちない動きで、オーダーを伺うリファの口調はまだ完全に店員のそれにはシフトしていなかった。だがさして問題はない。
俺の作戦にハマってここを訪れた奴らは皆リファの虜になってるはずだ。多少のことなら気にも留めないだろう。これも計算のうちだ。
予想通り少年らは完全に彼女に魅入っており、今の店員らしからぬ口上など意に介してないようだ。
「えっと、はぷてぃーのふてゃつとふぉっほへぇーきふてゃつおなしゃす」
「ふぇ!? はぷ……?」
見惚れるがあまり、少年のろれつの回ってない注文内容に少なからずリファは戸惑う。
「あ、こいちゅかちゅぜちゅわるいんしゅ。いまのま、はぷちーのとふぉっふぉへーきふてゃふふふっていいたかったんしゅ」
すかさずもう片方の少年がフォローのつもりで喋りだしたが、補足どころかかえってリファの頭を混んがらせるだけだった。
俺はカウンターを拳でコツコツと叩いて厨房の渚と箱根さんに呼びかける。
「カプチーノとホットケーキ2つずつ」
「ほいよ」
注文を伝えた後、俺はこちらに助けを求める視線を向けてきたリファにアイコンタクト。
『リファもういい、もどれ』
指示を受け取り、こちらに来ようとした彼女に俺は念押しする。
『あれ、忘れんなよ』
「うっ」
リファは下唇を噛んだが、やがて観念したようにため息を吐き、少年たちの方に向き直った。
「えっと、注文は以上か? では……えっと……その………」
ブツブツと小声で言った後、軽く握った右手を胸の前に持ってきて、一言。
「しばらく待ってて欲しい……わん」
「「ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」
少年コンビ、悩殺され卒倒。
リファ、顔を真赤にして撤収。
「く、屈辱……男の前であんな恥ずかしい真似を……」
「いやリファっち可愛かったよー。ちょっち悔しいけど、あたしがやるより断然効果あるわこれ」
ボウルで生卵とケーキミックスをかき混ぜながら渚が言った。
「こ、こんなはずじゃ……私が知ってるカフェの仕事ってこんなものじゃ……」
「まぁこの世界ならではカフェ文化ってのがあるんだよ。これも勉強だと思ってさ、な?」
リファは頚椎が折れたようにうなだれると、ボソッと言った。
「この世界、頭おかしい……」
俺もそう思う。
○
その少年達の来店を皮切りに、カフェには続々と客(野郎限定)が訪れた。
店内の席は常に満席という状態。外では軽い列ができていて待ち客がニアと戯れ、中に見えるリファにお目にかかれるのを心待ちにしている。
さぁ俺達も大忙し。あくせくと注文取ったり料理を運んだり……。
リファも短時間でかなりの場数を踏まされたせいか、数時間後には客との壁もそんなに感じられないような接客ができるようになっていた。
「えっと、ミネストローネと……エスプレッソで」
「うむ、心得た。注文は以上でいいか……わん?」
「あ、あと……そうだな……スマイル、とかお願いしていいっすか」
「スマイル? えっと……こ、こうか?(ニコッ」
「うひょー!」
「あ、あの店員さん、オムライスにケチャップでLOVEって書いてー!」
「ケチャップで? わ、わかった……わん。あんまりうまくできないかもしれないが……わん」
「うわやったー!」
「あのあの、一緒に写真とか撮ってもらっていいっすか?」
「え? あぁ、そういうのはちょっと……困る……わん」
「うぉ~! その困り顔見られただけで満足ぅ!」
大盛況である。
いつの間にか秋葉のメイド喫茶みたいな雰囲気になっていた。
俺は一息入れようと、厨房で水をコップ一杯汲み、一気に飲み干した。
「これ、歴代最高売上行くんじゃないっすか?」
「もうとっくに超えてるよ。開店当日ですらこんなに集まんなかったし」
鍋のミネストローネをかき混ぜながら自虐気味に箱根さんはそう言う。
「やっぱ、忠誠心が強いから犬キャラがはまり役だったんだろうね」
「はい?」
「なんでもないよ。ほい、ミネストローネお待ち」
俺は小首をかしげながらも、自分の持ち場に戻るのだった。
○
そして17時。
オーダーを締め切り、客が全員捌けたところで営業終了。
「うわぁ、つっっかれたー!!」
ベレー帽をテーブルに放り投げて渚はそこに身を投げ出す。
リファもさすがにグロッキー状態で、椅子に腰掛けたままぐったりしていた。
「みんなお疲れ様。おかげで大繁盛だったよ」
そんな俺達に満足気にねぎらいの言葉をかけてくる箱根さん。
腕には、必死に外で客寄せに貢献してくれたニアが抱かれていた。
「お前もよく頑張ってくれたなぁ。よしよし」
「きゅ~」
「リファちゃんも今日はありがとうね。ほんと助かったよ」
「あ、いや……こちらこそ。貴重な体験ができた。礼を言う」
確かに貴重だったね、色んな意味で。
「ところで、ここまで重労働させておいて言うのも気がひけるんだけどさ、リファちゃん」
「?」
箱根さんは近くのテーブルに腰掛けて、ニアの頭を撫でながら提案。
「ここでのバイトさ、もうちょっと続けてみないかい?」
「!?」
突然の申し出にリファも俺も目を大きく見開いた。
「だってさ、今日の盛況ぶりも結局はリファちゃんの活躍あってこそじゃん? もし君がいなくなっちゃったら、明日からはきっとまたいつも通りガラガラの店に戻っちゃうだろう」
「……それは」
「別にそんな頻繁にじゃなくていいんだ。週3回、いや、2回でもいい。お願いできないかな?」
「それいいかも~」
ぐでっとテーブルに突っ伏しながら渚が低い声で言った。
「あたしもここで散々ウェイトレスの役やってたけど、さすがにあそこまでの人気集める自信ないわ~。ここいらでおとなしく調理仕事に専念して、看板娘役はリファっちにやってもらった方がいいと思う」
「な、渚殿まで……」
「もちろん無理にとは言わないよ。でも、君も見たろ。あのお客さん達の様子。きっとまた君に会いたいって思ってるよ。せっかく出来たファンのためにもさ……考えてみてくれないか」
「ファン……?」
そこでリファは片眉を上げ、目を伏せた。
「私はただ……マスターに可愛いって言ってもらいたかっただけなのに……褒められたかっただけなのに……」
ぶつぶつと聞こえないような声で言った後、彼女は頭の犬耳バンドを外した。
「申し訳ないが、辞退させて頂く」
「え?」
「私には、もう既に職業がある。それを放棄して勝手に別の任に就くわけにはいかない」
自宅警備隊のくせに留守番嫌がる奴がよくそんなセリフ吐けるもんだな。
俺は反論したい気でいっぱいだったが、そうした場合リファにここでのバイトを強制させることになるのと同じだ。
別に金は死者処理事務局からの出資で十分やっていける。それに今日はなんとかなっても、リファがここでずっとこの仕事を続けていけるとは思えない。
残念だけど、この話はなしってことでひとつ。
「きゅう!」
すると、ニアが甲高く鳴き、箱根さんの腕からすり抜けると、とことことリファの方へ歩いてきた。
「ぴぃ!」
当然リファはまた飛び上がって逃げ出し、隅っこの支柱に緊急退避。
そこに追い詰めた彼女に向かってニアは吠え続ける。
「きゅ~きゅ~」
「ばかばかばかぁ! あっちいけぇ!」
涙目で必死に子犬を追い払おうとするリファ。箱根さんもその様子に困り果てている。
「おいおいどうしたんだニア、いきなり……」
「きっと、リファっちとまた一緒に働きたいって思ってるんじゃないっすか?」
何気ない渚の一言に、俺もリファも箱根さんも耳を疑った。
ニアが、別れを惜しんでるだって?
「だってそうでもなきゃ、自分を嫌う人間にここまで擦り寄ったりしないよ」
「まぁたしかにそうだね」
「きゅ~!」
その通り、とでもいいたげにニアはまたリファに向けて一鳴き。
箱根さんはその傍にしゃがみ込むと、ニアの頭をそっと撫でる。
「リファちゃん。この際バイト続けるかどうかは置いといてさ、せめてニアとは仲良くしてあげてほしいな。今日は君と、こいつがいたからこそ、いっぱいお客さんが来たんだから」
「……うぅ」
「怖くないよ、ほら」
彼がそう促すと、恐る恐るリファは支柱から顔を覗かせた。
つぶらなニアの瞳と目が合う。
ごくり、と彼女は唾を飲み下し、ニアの前に立つとそっと腰をかがめた。
「……」
ビクビクしながらも、女騎士は手を伸ばして子犬に近づける。
握手、のつもりだろうか。
「きゅ!」
ニアはすぐにそれに応えるように、前足を上げて彼女の手の上に置いた。
「わぁすごい、お手してる~! かしこーい!」
「芸を仕込んでもいないのに……相当なついてるんだね」
「……」
てっきり触れた瞬間にまた騒ぎ立てるかと思っていたのだが、意外にもリファはそのまま反対の手を動かし、今度は子犬の首筋をそっと撫でた。
気持ちよさそうに首を傾げるニアの反応に段々とリファの表情が緩やかになっていくのが見て取れた。
「きゅう……」
「……よしよし」
とうとうリファは口元に笑みを浮かべると、両手を伸ばしてニアを優しく抱き上げた。
「ふふ、こらやめろ……くすぐったいぞ」
ペロペロと顔をなめられて、更にリファに笑顔が戻ってくる。
それを見た俺達も自然と顔から笑いが溢れてきた。
「すまなかったな、魔獣だなんて言ったりして」
「きゅ」
「実を言うと、ちょっと怖かったんだ。初めて見る生き物だったから。でも……こうして近くで見て実際に触れてみると……」
一旦彼女は言葉を切り、俺達の方に向き直ると、はにかみながら言った。
「やっぱり、可愛いな」
「……そりゃ、可愛いでしょ(俺)」
「ちゃんと言えたじゃねぇか(店長)」
「……聞けてよかった(ギャル)」
3人でそう言ったところで、リファはニアを抱きかかえたまま立ち上がった。
「みんな、今日は本当にありがとう。私……やっぱり」
「………」
「私、ポン太郎のこと好きだ!」
「……名前、違ぇでしょ(俺)」
「ちゃんと言えてねーじゃねぇか(店長)」
「……聞きたくなかった(ギャル)」
リファは今までの恐怖心はどこへやら、ニアに頬ずりしながら幸せそうな表情を浮かべている。
「だから、私決めた!」
おっ、とそこで渚が期待するような反応を示す。
箱根さんも意思を汲み取ったのか、大きく頷いた。
覚悟を決めたらしいリファはぎゅぅ、とニアを抱きしめて、最大級の笑顔を皆に振りまき、決意を口にした。
「この子、家で飼うぞ!」
女騎士 性根は畜生 犬だけに
――マスター 心の俳句
それでは皆さん聞いてください。
エンディングテーマ
「今回はご縁がなかったということで」
0
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