異世界の女騎士と女奴隷が俺の家に住むことになったがポンコツだった件

コペルニクス

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レベル52.女奴隷と友達

2.女騎士と女奴隷とハロウィン(後編)

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「未來ちゃん、敵発見」

 横転したトラックの陰から覗きながら、クローラは手に持ったトランシーバーに向かって報告した。
 するとそこからノイズ混じりに通話相手の声が聞こえてくる。
 
「位置は?」
「前方の、横転したトラックのそばに二名。その左後ろの、横転しているトラックの荷台に二名。最後に数メートル後ろにある、横転しているトラックの上に一名。全員武装してる。どうぞー」
「OK。じゃあ作戦通りに」
「了解」

 クローラは通信を切ると、肩に下げたホルスターからそっとモデルガンを抜く。
 そして銃口を、一番奥にいるヤンキー風の男に向け……。
 
水く屍アビス・サイレンス

 引き金を、引いた。
 銃声も無く、一筋の硝煙も上がらなかった。なのに標的はバタリと、断末魔を上げることもなくその場に倒れた。
 あっけなく、是非もなく、容赦もない。そんな一撃。
  
「一名ダウン」
「ビューティフォー。じゃ次の段階の準備、急いで」
 
 トランシーバーからまた未來の指示が飛んでくると、クローラがリファに目配せした。
 それを受けて、待ってましたと言わんばかりに女騎士は100均ソードを引き抜く。そして懐からペットボトル大のガラス容器のようなものを取り出した。両端にはそれぞれ金銀の装飾が施されたキャップが付いており、内部には真っ赤に燃える炎が火種もないのに激しく渦巻いている。
 元素封入器エレメント。異世界の魔法道具のようなものだ。
 
元素付与エンチャント

 リファがそう静かに唱えると、片側のキャップがパカっと開き、中の炎が飛び出てくる。まるで生き物のように紅蓮は蠢き、リファの剣に纏わりついて覆ってしまった。
 すっぽり炎に包まれたその剣を、彼女は鼻息荒く掲げてドヤ顔。準備OKっぽい。

「おい、こっちで一人倒れてるぞ!」
「どうした? 誰かにやられたのか?」

 そうしていると、さっきクローラが倒したヤンキーの仲間達が異変を嗅ぎつけたらしい。ぞろぞろと倒れている一人の元に集まり始めた。

「今だっ!」
 
 その機を逃さず、リファは炎の剣を携えて飛び出すと大きく振りかぶり、叫んだ。
 
燃えろ燃えるゴミダーティーバーニン!」

 瞬間。薙ぎ払われた剣の先から業火が吹き出す。
 灼熱の光線は、固まっていたヤンキー達を的確に撃ち抜いた。
 
「ほぎゃあああああああああああ!!」

 大爆発。情けない悲鳴を上げて、ヤンキー達は横転したトラック共々盛大に吹っ飛んだ。
 ハリウッドのスタントシーンでも見ているかのような光景。ド派手にやってくれちゃってまぁ。

「ふふん、見たか私の必殺技」
「未來ちゃん、全ターゲットの無力化を確認」

 全身黒焦げでピクリとも動かない連中を見て嘲笑うリファさん。
 全く興味がなさそうに淡々と結果を無線機で伝えるクローラさん。
 二人は各々の武器を携えながら、ゆっくりと戦闘不能になった屍の山に歩み寄っていく。
 
「う、うう……いてて」
「なにが、起きたんだ……?」
「くそ、まさか敵襲か!? どこにいやがる?」

 致命傷ではなかったらしく、ヤンキーどもは苦悶の表情を浮かべながら目を覚ました。意外としぶといのか、それともリファ達が手加減したのだろうか。
 彼らは自分らがまだ生きていることに気がつくと、すぐに襲撃者を探そうとした。
 だが、その必要は無かった。


「ここにいるが?」 
「ここにいますけど?」

 そこにいたからだ。 
 目の前に。


 一人は燃え盛る剣を持った猫耳コス女。もう一人は大口径の銃を構えた魔女っ子コス少女。
 どちらもそれらを冷ややかな表情で、あろうことか自分達に向けていた。
 口に出すまでもない、「動けば殺す」の構図。
 もう異様としか言えない光景。ヤンキーの顔から一瞬にして血の気が引き、青ざめていく。付いた尻もちを上げることすらできずに、ただ口をパクパクさせるだけ。

「ひぃ……何者だお前ら……何が目的なんだよ!」
「何が目的……? ははっ、この期に及んで何を言い出すかと思えば……」
「今日というこの日に、『あれ』以外の目的のためにこんな事する人がいるとでも?」

 二人は揃って白い歯を覗かせ、口元を歪めた。

「さて、それでは本題に入りましょうかリファさん」
「ああ、そうだな」

 それはまさに、天使のような悪魔の笑顔。
 恐怖に怯える獲物を前に、その悪魔達は爽やかな声でこう言うのだった。


「「お菓子をくれないといたずらするぞぉ~」」


 今日はハロウィン。
 お化けなどの格好をした子ども達が、いろんな人からお菓子を貰う、微笑ましいイベント。
 街の人間は仮装ではなく武装しているけど。
 怪我人は出てるし、街は破壊されるし、トラックは横転してるけど。
 誰がなんと言おうと、今日はハロウィンである。
 ハロウィンなのである。


 ○
 

「よし、これだけあれば十分でしょう」
 
 あれから数時間後。
 店長に言われた通り、これでもかってくらいのお菓子が集まった。
 いや、強奪したという表現が妥当だろう。ていうかその表現以外ありえない。
 このお菓子の山は、これまで俺達が幾多もの市民をぶちのめし、脅した上で手に入れたものなのだから。

「なんかもう、俺達取り返しの付かないことをしている気がする……」
「何言ってるんですか主くん。戦争に後戻りなどという選択肢は最初からないのですよ」

 あ、もう戦争ってことで定着なんだね君らのハロウィン。
 もとからホラー要素を取り入れているイベントだけど、怖さのベクトルが完全に斜め上にぶっ飛んでんだよ。
 俺が考えることをそろそろやめようか迷っていると、荒れ果てた街並みの向こうから何かがやってきた。
 ブオンブオン!
と音を立てて現れたのは、白い小型のトラック。猛スピードで走り迫ってくるそれは、俺達の手前でドリフトをかけながら止まった。

「どうも先輩。迎えに来ました」

 運転席のドアが荒々しく開け放たれ、ドライバーが顔を出す。
 四角いメガネが特徴的な、ヴァンパイアコスの女の子。
 未來だった。
 なんかもう色々ツッコみどころしかないけれど、とりあえずなんだそのトラックは。

「ああこれですか。そのへんで横転してたんで拝借してきました」
「要するに泥棒じゃねぇーか」
「これまでに大勢の人達からお菓子を奪ってきたんですよ? 今更トラック一台くらいなんだって言うんですか」
「重罪だよ」
「いいえ、運命さだめです」
「やかましいわ」

 でもその一言で許される。そう、ハロウィンならね。
 ここまで来ると、渋谷のどんちゃん騒ぎなんざガキの遊びみたいなもんだな。
 
「それに、これがあればお菓子運びも楽になりますし。ほら、みんな急いで荷台に詰めて」
「へいへい」
 
 おとなしく未來隊長の指示に従い、かき集めたお菓子の数々を荷台に放り投げていく俺達下っ端戦闘員。
 全てを片付け終えた頃には、これまでの戦闘も相まってへとへとになっていた。ハロウィンってこんな疲れるイベントだったっけか?
 
「で、これからどーすんの?」
「一旦、カフェアジトに帰投します。このお菓子をちゃんと安全な場所に保管しておく必要がありますので」

 荷台に乗りながら訊く俺に、エンジンをかけながら未來は答えた。
 喫茶店……そういや店長大丈夫かな? ガキどもの相手を任せたはいいけど、到底無事で済むわけ無いと思うし。

「店長? 今頃ボロ負けして大人気もなく大泣きしてるんじゃないですか?」
「それで『犬になってなんでも言うこと聞くから命だけはお助けー』とか言ってたりして」
「でも私達には偉そうに『賢い選択をしたまでだ』とか言ってきたりしてな」

 キャッキャッと嬉しそうにはしゃぐ女の子トリオ。散々な言われようだ。ほんっとに人望ないなあの人……いや俺も別に尊敬してねぇけど。でも何かあったら今月分の給料どうなるんだよって話だから心配しないわけにもいかないっていう。

「じゃ、飛ばしますんで振り落とされないでくださいよ」

 未來はエンジンを吹かし、アクセルを踏み込んで猛スピードでそのトラックを疾走らせた。
 グラグラと揺られながら、俺達は目まぐるしい勢いで流れていく街の風景を眺める。
 だが見えるのは、終始暴れまわる市民と破壊された建物と横転したトラックだけ。
 諦めた俺はすぐに目を伏せた。
 
 
 ○

 数十分後。
 俺達はようやく下町にあるシャッター商店街に帰還した。
 程なくしてHot Dogの看板が見え、未來はその店先にトラックを停車させる。
 全員で積荷を下ろし、均等に分けた袋を抱えながら店の扉を開けた。

「只今戻りましたー。店長ー、お菓子集めてきましたよー」

 大声で言いながら入っても、返事は一切なくてスッ……と静まり返ってる。
 カーテンは閉まってるのに、電気はついてない。おかげで真っ暗闇だ。
 照明のスイッチを入れると、やはりひどい有様だった。派手に飾り付けがされていた先ほどとは似ても似つかない、まるで強盗でも押し入ったかのようだ。いや、実際に押し入られたんだよな、そういや。
 店長どこ行ったのかな? あのガキどもに攫われでもしたのかなー、なんて思いながら周囲を見渡してみると……。
 
 いました。
 
 隅っこの壁にもたれかかって腕を組み、天を仰いでいる。
 アンニュイな面持ちで、一言も発さずにじっとその場を動かない。見た感じ怪我はなさそうだけど、明らかに様子が変だ。ちなみに頭はいつも変だ。

「店長! 何やってんすかそんなとこで」
「……やぁおかえり」

 彼は俺達に目も向けずに小さく返事を返した。
 疲弊してるような口調だが……やはりさっきの戦闘で体力を相当消耗したのだろうか。

「大丈夫ですか。てっきりクソガキどもにやられちまったのかと……」
「いや、僕は大事ないよ。大丈夫だ。それより、言った通りお菓子を集めてきたみたいだね」
「ええ、これくらいで問題ないっすか?」

 俺が袋に詰めた戦利品を見せると、店長はやさぐれた笑みを口元に浮かべた。あれだけハロウィンについて熱く語ってた割にはすげぇ冷めた反応。まさかもうこの茶番に飽きたとか? だったら怒るぞマジで。

「いや、上出来だよ。ご苦労様。やはり君達に頼んで正解だった」
「……そっすか。じゃあ俺達これ店の倉庫にしまってきますんで」
「ああいや、いいよいいよ。その必要はないから」
「? どういうことです」

 俺の問いに彼は答えず、ただそっと片腕を肩の位置まで掲げた。
 そして。
 パチン、と指を軽く鳴らす。
 それが合図だったらしい。

 ゴスッ!
 と、俺の側頭部に鋭い衝撃が走り、鈍い痛みがゆっくりと襲ってきた。
 気が付いた時には俺の身体は真横に吹っ飛んでおり、盛大に床を転がっていた。
 
「は……?」

 本当であれば激痛に悶えるところだが、何をされたのかという疑問がそれを上回っていた。
 え? 何? 攻撃を受けた? 誰に?
 疑問符ばかりが脳内を埋め尽くしていたその時、解答が姿を現した。

「ひゃーーっはっはっは! 隙だらけなんだよバァァァァカ!!」

 そんな高笑いとともに。
 俺のそばに颯爽と降り立ったのは、小学生くらいの男の子。
 間違いなく、数時間前お菓子をねだりに……じゃない、強奪しにきた奴の一人だ。
 それを皮切りに、さっきのメンツがぞろぞろと店の奥から湧いて出てきた。
  
「お前ら……まだいやがったのかよ」
「たりめーだろ。お菓子をたんまり持って帰ってくるって聞いて、みすみす見逃すわけないだろぉがよ」
 
 黄色い歯をむき出しにして、俺の頭を少年が容赦なく踏みつける。
 それを見て黙っちゃいなかったのが、我が家のメイドことクローラさんであった。
 
「主くんっ!」
「おおっと、待ちな。こいつがどうなってもいいのかよ?」

 肩のホルスターからモデルガンを引き抜こうとしたところを、ガキが手で制して止めた。
 まさかこの年で子ども相手に人質にされるとは、俺も焼きが回ったもんだ。

「先輩に怪我させた……殺さなきゃ」
「ガキが……舐めてると潰すぞ」

 後ろのメガネと金髪も静かに牙を剥いてくる。両者ともまさに一触即発の状態。
 まずい、こんな狭い中で暴動起こされたら大変なことになるぞ……何とかしないと。
 
「店長! さっきから何でぼーっと突っ立ってんですか! こんな大変なことになってんのに!」

 俺はただ一人、なおも壁際で遠い目をしている箱根さんに大声で助けを求めた。
 が、彼は微動だにせず、ただ先ほどと同じ不気味な笑みを浮かべるだけ。

「悪いねぇバイト君。僕が君らに加勢するわけにはいかないんだわ」
「は? なんで!? ここの店長でしょ!?」
「いや、店長じゃないよ。今はもうね」
「はいぃ?」

 ますます疑問符の数が増える俺の頭。
 今はもう……って、どういうこっちゃ。まるで意味がわからん、店長じゃないなら何だっていうんだよ。
 そう目で訴えると、彼は肩をすくめて自らの首元を指差した。
 薄暗くてよくわからなかったので、目を凝らしてみると……。
 なんかあった。
 革製で、中央に穴がいくつか空いている。ベルトのようなものだ。そこからは丈夫そうな縄が伸びていて、近くの柱にしっかり金具で留められていた。
 首輪。まごうことなき首輪であった。
 絶句するしかない俺。さっきから動けないのはガキに拘束されていたせいか。早い話、彼も人質ってわけだ。
 
「人質ぃ? まさか、君と一緒にしないでもらいたいね」
「あ? どう考えたって人質でしょーが」
「違うね、今の僕は……」

 そこでキラリと鈍く箱根さんのメガネが光る。
 何故か自信満々な彼は、これ以上ないくらいのドヤ顔で答えた。

「犬だよ」

 ……は? なんつった今?
 俺の耳が正常なら「犬」と聞こえたんだが。それも自分のことを指して。
 するってぇとまさか……。

「おう、何犬が立って日本語喋ってんだよ。ヨツンヴァインになってわんわん鳴けって言ったろーがくそオヤジ!」
「ワン! すんませんしたワン!」

 箱根さん、ヨツンヴァインになってわんわん鳴き出した。目の前のガキに向かって。
 本日何度目になるかわからない絶句ポイント。
 こいつ……寝返りやがった!

「悪いねぇバイト君、僕も最初はちゃんと戦おうとしたんだよ? でも多勢に無勢、やっぱりボロ負けして年甲斐もなく大泣きしちゃってさ」
「……で?」
「そして『犬になってなんでも言うこと聞くから命だけはお助けー』と言ったら、快くOKしてもらえてね。今じゃれっきとしたこの子達の忠実な犬ってわけさ」
「……」
「ああ、別にかっこ悪いなんて思ってないよ? 生き残るために賢い選択をしたまでさ」
 
 ……。
 プライドねぇーのかオメーは。
 さっきクローラ達が言ってた陰口予想まんまじゃんかよ。未来予知能力かと思うくらいドンピシャだよ。ちょっとでも不憫に思ったさっきの俺に土下座して詫びろ。

「ま、そういうこったな。こいつの命が惜しけりゃとっととおめーらの持ってるお菓子全部よこしな」
「よこすワン」
 
 子ども達はケラケラとあくどい笑みを浮かべてそう脅してくる。どこまでも姑息な奴らだ。あと店長がウザい。
 だからといって、せっかく苦労して集めたお菓子、そう簡単に渡すわけにはいかない。それはみんなとて同じなはずだ。
 
「店長じゃないというのなら、気にすることなくぶっ倒せますね。ひとまず先輩を嵌めた報いは受けてもらいます」
「……お菓子は絶対渡さんもん。全部私のものだもん」

 未來とリファはすでにその気。
 クローラも抜いた銃を捨てる素振りは見せなかった。

「主くん……待っててください。すぐ助けますから」
 
 なんという勇ましい顔つき。どっかの犬に成り下がった元店長とは大違いだわな。
 
「へぇ~ここでおいら達と戦争ろうってか?」
「マジウケるわ。勝ち目あると思ってんの?」
「あるわけ無いワン」

 だがビビることなく、ガキは舐めた態度で挑発を続行。その底なしの自信はいったいどこから湧いて出てんだか。あと店長がウザい。
 
「そっくりそのまま返します。あなた達に、クローラ達が倒せるとでも思っているんですか?」
「もちろんさ。おいら達には有能な親分がいるんだよ、てめーらと違ってな」
「親分?」

 突然出てきた言葉に俺らは耳を疑った。
 どうも子どもにしては悪知恵が働きすぎると思ったら、ブレーンみたいなのがいやがったのか。
 一体誰なんだ、その親分ってのは……

「あたしっすよ」

 突如そんな声が薄暗い店内に響いた。
 気怠そうで、垢抜けたような女の声。一瞬誰かと思ったが、一秒後にはすぐとある人物の顔が頭に浮かんだ。
 この声は……まさか。
 額に冷や汗が浮き出るのと同時、その声の主が店の奥から姿を現した。 

「はろー、センパイ」

 予感的中。
 俺のバイト先と大学での後輩にしてアパートの隣人、木村渚がそこにいた。
 だがいつもの彼女とは若干……いや、大分様子が違う。
 茶髪はぼさぼさ、来ていたオフショルダーのシャツとデニムスカートはボロボロ。死んだ魚のような目をして、その下には黒いくまがくっきりと。
 ギャルっぽい風貌というより、大分やつれたアウトローといった印象を受ける。

「ふふ、驚くのも無理はないでしょうね。死んだと思った人間がこうして目の前にいるんですから」

 自虐気味に彼女は笑うと、テーブルに腰掛けて俺を見下ろした。

「そう、あたしは死んだ。三ヶ月前、東南アジアで勢力を張ってるハロウィン亡者達のアジトに一人、囮捜査で潜入して」
「ひょ?」
「そしてアジトで得た情報を本部に伝えた後、あたしは迎えに来たヘリで脱出する……はずだった」
「おい」
「でも迎えに来たのはヘリじゃなくて……爆撃機。そのままあたしはアジトごと爆風に巻き込まれた……」
「ちょっとー」
「運良く生き延びたあたしは、そこで自分最初から使い捨てのコマだったと気づいた……。その時の怒り……あんたならわかるでしょセンパイ。あの作戦を指揮していたあんたなら!?」

 いやわかんねぇよ。
 ちょっと待って。店長のハロウィン今日中に死んだという情報との矛盾と、東南アジアの潜入捜査とかいう映画並のスケールになっている謎の事態と、俺が指揮官とかいう身も蓋もない濡れ衣が三連コンボで襲いかかっててきたせいで脳の処理が追いつかないんですが。
 いつからハロウィンって月またぎのイベントになったの? なんで日本の枠ナチュラルに飛び越えちゃってんの? 何勝手に人の過去捏造してんの?

「違います生ゴミさん! あれは罠だったんです!」
「罠だったんだぞ!」

 なんか急に深刻な顔でクローラとリファも言い返してんだけど、なんで二人も乗っかってんの? 俺一ミリも覚えないんだけど? 

「主くんは事前にあなたがヘリの乗ったという情報を得た上で攻撃命令を出した! でもその情報は敵の流した嘘だったんです!」
「嘘だったんだぞ!」

 うんちょっと待って、俺を引きずったまま会話の車発進させないで? ドライブするなら俺がきちんと乗車してシートベルト締めてからにして?

「うるさいっ! あんた達の言葉なんて信じられるもんですか! そんな情報、どーせあんたらが仕組んだことなんじゃないの? 大方、センパイの恋人であるあたしが目障りだったから始末したかったとかそんな理由でさ!」

 おーいどさくさに紛れて何勝手にオメーの恋人にしてやがる。話が今まですげそれっぽかったのに、そこだけ欲望丸出しで一気に茶番味が増したぞゴラ。

「とにかくあたしはその時決意した。これからは復讐のために生きるってね! それが今日、やっと叶う……」
「そのために、その子ども達と手を組んだってわけですか!」
「わけなんだぞ!」

 リファお前少し黙れ。

「ふん、ガキってのは本当使いやすいわ。ちょっとお菓子あげるよって誘えば、ホイホイと言うこと聞くんだから。ちょろいもんよ」
「そーゆーことさ!」
「親分の力、思い知ったか!」

 子どもってバカだなぁ。
 
「くっ、もう戦うしかないということですか」
「そうよ。あんたもセンパイを愛しているなら御託ひねってないで、正々堂々戦ってその愛を勝ち取ってみたら? それがハロウィンってもんでしょう?」
「……そうですね。争いは愛故に……それこそがハロウィンの起源であり、それを祝う者達の信条……。であれば、もう言葉は不要」

 さっきからハロウィンの定義コロコロ変えまくってんじゃねぇよ。ウィキペディアの荒らしかテメーら。

「いいでしょう、この勝負……受けて立ちます! 主くんはあなたなんかに渡しません!」
「そうこなくっちゃ。ようチビっこ達! お菓子が欲しかったらこいつら全員ぶっ倒しちゃって!」
「了解だぜ親分!」
「やだもん! お菓子は私のだもん!」
「ワン!」

 だめだもうこれ以上ポンコツどもの魔窟にいたら冗談抜きで頭がぶっ壊れる。とはいえ、逃げるのは難しそうだし、力づくで止めるのは無謀だし、店長はウザいし。
 こうなった原因は、そもそもハロウィンが何であるかをみんなが勘違いしてるからだ。だったら正しい楽しみ方を思い出させればいいだけの話だけど……でもあの頭のレベルの連中相手に説得なんかして意味があるのだろうか……。
 いや待てよ、うまくいく方法が一つだけあるかも。

「かかれぇー!!」


 という渚の号令とともに、戦争が始まった。とうとう恐れていた事態が現実になったのである。
が悲観している暇はない。一刻も早く計画を行動に移さねば。
俺はカオスと化している戦場を突っ走った。
 さて、この一手が吉と出るか凶と出るか……とにかくやるっきゃない。

 ○

 数分後。
 合戦は拮抗勝負という言葉がふさわしく、どちらも激しい深手を負っていた。


「くっ、しぶといなぁもう! 数ではこっちが有利なはずなのに!」
「あんまりなめてもらっちゃ困りますよ……いくら束になってこようと、子どもは子ども。クローラの敵じゃありません」
「お菓子は……私のだもん!」
「親分ー、そろそろ俺達門限がやばいんでお菓子だけもらって帰りたいっす!」
「ワン!」

 各々は疲弊し、戦争開始時程の熱気はなくしていたものの、カオスっぷりはまだ健在だ。
 そんな中、その状況を一変させる出来事が起きた。
 
 チリンチリーン、というけたたましい鈴の音と。

「静粛にー!」
 
 という何者かの大声。
 全員が動きを止め、キョロキョロと周りを見渡す。だがその誰かの姿は見当たらない。なのになおも、その声は続く。

「皆の衆、今すぐに争いをやめるのじゃ」
「あ、誰だよ一体!」
「コソコソしてないで姿を見せろや!」

 当然ムキになって牙を剥く群衆。揃いも揃って血の気の多い奴ばかりだ。

「よかろう……皆の望み通り姿を見せるとしよう……心して見るがいい」

 ドゥルルルルル……というドラムロールが店内に響くと、カウンターの奥から光が溢れ出す。
 そしてドラムが鳴り止むとともに光の奥から何かが飛び出してきた。
 皆が息を呑み、さっそうとカウンターの上に飛び乗ったその人物に目を向ける。
 そいつは詰め襟の洋服を着て、脚に脚絆をまき草鞋をはいて、白鉢巻きをしていた。
 そしてその鉢巻きには点けっぱなしにした棒型の懐中電燈二本、角のように結びつけている。
 胸にはこれまた点けっぱなしにしたナショナル懐中電燈を、まるで丑の刻参りの鏡のようにぶらさげ、洋服のうえから締めた兵児帯には、日本刀をぶちこみ、片手に猟銃をかかえていた。
 その正体に唯一きづいたのは、リファとクローラと渚と未來。彼女達は呆気にとられ、顔を顰めながら名を呼ぶ。

「あ、主くん?」
「マスター?」
「センパイ?」
「何やってんですかクソ先輩……」

 ハイ正解。
 まさかこんな形でハロウィンコスプレを披露することになるとは思ってなかったけどな。 
 だがここで素直に仮装した俺ですなんて言ったら計画がパーだ。俺はわざとらしく咳払いをすると、思いっきり低くした声で切り出した。

「ワシは……神。ハロウィンの神である」
「いやどう考えても八つ墓村のアレじゃ――」

 思わずツッコもうとした渚の土手っ腹に、投げつけられた日本刀(レプリカ)がクリーンヒット。それ以上彼女の口からはうめき声しか出なくなった。
 突然の事態に困惑する皆に向き直り、俺は軽く咳払いして言った。

「ワシは神……全てのハロウィンで流通する菓子を束ね、菓子を統治し、ありとあらゆる菓子を極めし者……。人呼んで」
 
 バッ、と彼らの前で両手を広げて俺は文字通り神々しく言い放つ。

「菓子様じゃ」
 
 沈黙。もう息遣いの音すら聞こえない、完全なる沈黙であった。
 そして。

「主くん……頭、大丈夫ですか?」
「まったくクソ先輩は……毎度毎度考えることは不潔と思ってましたが、とうとうそのレベルの知能まで落ちましたか。嘆かわしいですね」
「よくわからんがあれか? お菓子と頭がおかしいをかけてるのか? 面白いな! でもお菓子はやらんからな」
「ワン」

 確かに、確かに一連のセリフは頭がおかしい人のする発言だろう。だが、だがお前らは……今まで散々イカれた真似ばっかしてたお前らだけはそれを言う資格はない。絶対にだ。あと店長はウザい。
 まぁコイツら相手にごまかしきれるとも思ってない。元々の目的は別なところにある。
 チラッ、と俺はクローラ達からちびっこ達に目を向けた。そいつらの反応はどうだったかと言うと……。

「神って……マジでいたのか」

 全員の目が輝いていた。
 そして一斉に飛び跳ね、手を伸ばし、囃し立て始めた。

「菓子様!」
「ハロウィンといえばお菓子……そのお菓子の神様……それが菓子様!」
「マジで存在したのか……」
「なんかかっこいいー」
「菓子様、お菓子くれー!」
「菓子様―!!!」
「ワン」

 いつもは物静かだったカフェがさながらライブ会場。そう、これこそが俺の作戦。
 子ども達を引きつけて争いを収め、暴走を止めさせること。
 こんなバカな妄想にとりつかれた奴らだ。だったらさらにバカっぽい妄想に浸らせて上書きすれば容易に洗脳できる。ほんと、渚の言ってた通りガキってのは本当に扱いやすい。あと店長はウザい。

「静粛に、皆……静粛に」

 こちらに押し寄せてくる彼らをなだめると、俺は改めて説法に戻った。

「皆の衆……ハロウィンは楽しんでおるかね」
「ったりめーよ! 命を賭けて全力でお菓子を奪い合う。こんな楽しいイベントそうそうないぜ!」
「そうだそうだー!」

 やれやれ、血の気の多い奴ってのはこれだから……。
 俺は小さくため息をついてカウンターの上に座し、大勢の子ども達を見下ろす。

「皆の者よく聞くのじゃ……。皆はお菓子を宝石やお金以上に価値のあるものとして扱っておる。しかしよく考えるがよい、お菓子というのは本来なんのために作られたものかな?」
「そんなの決まってるじゃん! 宝石やお金以上に価値のあるものとして扱うためだよ!」

 言うだけ無駄だとわかってるけど、ホントお前らそれ自分で言っててなんかおかしいと思わないの? ツッコみたい欲で早くもキャラ保つのが難しくなってきてんだけど。

「わかった、よぅくわかった。では試しに皆が持っているそのお菓子……なんでもいいから一つ食べてみなさい」
「は!?」

 真摯に聞き入っていた子ども達は、信じられないといったような表情をした。いいか、「お菓子を食べてみろ」と言っただけだぞ? それでこのリアクションだぞ?

「そんな! 勿体ないことできっこないっすよ菓子様!」
「菓子は俺達の命! その命を喰らうということは、自らの人生にピリオドを打つことと同義!」
「神ともあろう御方が、そんな残酷なことをしろと仰るのですか! それが神の慈悲だというのですか!」

 ペラッペラよく舌が回るな。入ってきたときは幼稚園時並の知能しかなそうだったくせに何だその豊富すぎるボキャブラリはよ。
 
「よいか、お前達は今ハロウィンによって正気を失っている。そのせいで大切なことを忘れているのじゃ。だからまずは言うとおりにしてみよ。そうすればわかる。ワシが何を言いたいのかが、そして大切なこととは一体何なのか」
「……」

 最後まで腑に落ちないような面持ちでいた彼らだったが、渋々自分達が力づくで奪い取ったであろうお菓子の封を開け、中身をそっと口に運んだ。
 チョコ、せんべい、飴、クッキー。それぞれをゆっくり咀嚼し、飲み込む。
 途端に、彼らの目の色が変わった。

「う、うまい!」
「何だこれは……甘くて……舌がとろけそうだ!」

 次々と意外そうな顔で、自らが口にした食べ物の味に驚いている。よし、ここまでくれば計画は完遂したも同然だ。

「わかったかね皆の衆。ワシの言おうとしていることが」

 そう呼びかけても明確な返事はなかったが、反論の声も一切なかった。
 それを肯定の意と受け取った俺は、ニッコリと笑って続けた。

「そう、お菓子とは本来食べ物。食べ物とは食べてこそ意味を持つものなのじゃ。なぜなら、今皆が身をもって知った通り、お菓子は美味しいからなのじゃ!」
「おおー!」
「ハロウィンは、美味しいお菓子を味わうためのイベントと言っても過言ではない。なのに、今の皆は食べもせずにただかき集めることだけ考えておる。そのせいで、今や外の世界は荒れ果て、人々は争い、トラックは横転している。それではお菓子を配る者達、ひいてはお菓子を作ってくれた人達にも申し訳がないと思わんかね?」

 静かに諭すと、子ども達は食べかけのお菓子をしみじみと見つめて黙りこくった。どうやら説得は心に届いたみたいだな。苦労した甲斐があったってもんだぜ。

「そうか……そうだったんだ」
「ようやく思い出した。お菓子ってこんなにうまかったんだな」
「こんなに大切なことを忘れていたなんて……バカだな、俺達」

 よっしゃぁ、どうよこの反応。あの淀んだ目をしたクソガキがみるみるピュアに浄化されていってるぜ。
 彼らはやっとハロウィンの幻想から目を醒まし、正気を取り戻したのだ。醜い争いの時代は、今終わりを告げた……この俺様のおかげでな!

「主くんすごいです……
「ま、クソ先輩にしてはファインプレーってとこですかね」
「さすが我がマスター! チョコ一個あげる」

 この平和への多大な貢献に、身内からも賞賛の嵐。いやーそれほどでも……あるかな。
 なにはともあれ、これにて一件落着。
 これからは普通にハロウィンを楽しもう。みんなで仲良く、誰一人傷つくことのない、本当のハロウィンをさ。

「お菓子はこんなにも美味しい……」
「こんなに美味しいものには……それだけできっと多大な価値があるんですね、菓子様!」
「お? おお、そうじゃそうじゃ、だからお菓子は大切にな! 菓子様との約束じゃぞ?」

 無邪気に言ってくる子ども達に、俺は軽くウィンクを飛ばす。

「はい! 菓子は大切に!」
「何よりも、親よりも、命よりも!」
「だって、こんなにも美味しいから」
「こんなにも尊いから!」
「こんなにも価値のあるものだから!」
「だからこそ」
「おいそれと人に渡すわけにはいかない」
「だけど食べてしまったらなくなってしまう」
「なくなってしまったらどうする?」
「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」
「つまり奪い取れ」
「奪い合え」
「力づくで、何度でも」
「それこそが生きる証。生きる意味。生き抜く意義」
「この美味しさを、常に忘れないために」
「さぁ、戦争を始めよう」




 現実は甘くなかった(お菓子だけに)










【リファの日記】

 10月31日
 今日はハロウィンだった。
 ハロウィンというのは、この世界のお祭りの一種で、仮装をしてお菓子を奪い合う日らしい。
 おかげでどこもかしこも戦場で、非常に血が騒ぐ一日だった。
 でも、あとになってマスターにそれは間違いだって教えられた。確かに平和なこの国ではちょっとおかしな慣習だなとは薄々思ってた。
 だけど、テレビでシブヤ? とかいう場所で暴動が起きたり犯罪がいっぱい起きたりしていたというニュースをやっていたのを見て、すごく不思議に思った。
 本来ハロウィンは家を訪ねてきた子ども達にお菓子を配るという微笑ましいものだったらしい。今でもそれは変わらないとマスターは言ってたけど、ああいう光景を目にするとそれは本当だろうかと疑いたくなる。
 時代が立つにつれて、人々の考え方や価値観は変わるもの。だとすると、シブヤの彼らも正しいハロウィンであると考えているのかもしれない。
 ハロウィンの歴史すら全く知らない私に、どっちが正しいかなんてわからない。でも……今日みんなと過ごした一日は、とーっても楽しかったってことだけは言える。
 周りがどうだなんて関係ない。私は、マスターとクローラと一緒に笑えれば……それが本当に正しい過ごし方だと思ってるから。

 今日のこの幸せを、私は絶対に忘れない。
 
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