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第2話 転生女騎士
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私はラヴィーネ。
ラヴィーネ・フォン・エルステッド。
前世の名前は高坂花音。
目覚めたとき、私は貴族の家の娘だった。
由緒正しい家系。軍人を多く輩出した名門のエルステッド家。
厳格な父、誇り高い母。
幼い頃から剣と魔法と竜騎術を叩き込まれ、礼儀作法を仕込まれ、感情を抑えることを教えられた。
自分が転生したと気づくのに時間はかからなかった。
戸惑いはあった。
前世の記憶が鮮明であるほど、この世界の現実が遠く感じた。
何度これが夢かと疑い、父や母、そして何より――日之出大翔が、いないことに私は絶望した。
あの、かったるいが口癖で、何でも横着して、でも誰よりも優しくて、私のことを真っ直ぐ見てくれた彼が――いない。
それが、何よりも苦しかった。
「高坂、またかよ……」
「うるさい。提出期限は守るのが当然でしょ。何度言えばわかるの?」
教室の空気がピリつく。
昼休み、クラス委員長の高坂花音は、またもや遅れて提出されたプリントを巡って、男子生徒に説教していた。
彼女は真面目で、責任感が強く、何事にも妥協を許さない性格だった。教師からの信頼も厚く、クラス委員長としてクラスをまとめる役割を担っていたが、その厳しさゆえに、クラスメートからは「堅物」「ウザい」「空気読めない」と陰で言われることも少なくなかった。
そして、彼女が最も苦手としていたのが日之出大翔という男子生徒だった。
「ったく、かったるいなぁ……」
彼はいつもそう言って、何事にもやる気を見せない。宿題はギリギリ、掃除はサボり気味、体育は手を抜き、授業中もよく居眠りしていた。
だが、彼はなぜかクラスの人気者だった。誰にでも気さくに話しかけ、冗談を飛ばし、空気を和ませる。彼の周りにはいつも笑顔があった。
花音はそんな彼が許せなかった。
真面目にやっている自分が疎まれ、いい加減な彼が好かれる。
理不尽だと思った。
だが、そんなある日、彼女が教室を不在にしていた時、彼女がいないのをいいことに教室では彼女の話題が持ち上がっていた。
「高坂ってさ、マジでウザくね?」
「偉そうだし、説教ばっかで疲れるわ」
「大翔もよく我慢してるよな。あんなに絡まれてさ」
笑い声が広がる。
その場にいた大翔は、机に肘をついたまま、ぼんやりと窓の外を見ていた。
だが次の瞬間、彼は立ち上がった。
「……お前らさ、それ本人の前で言えんの?」
教室が静まり返る。
「高坂は、確かに説教ばっかでウザいかもしれない。でもな、あいつは誰よりも真剣に、クラスのこと考えてる。誰かがサボっても、誰かが困ってても、見て見ぬふりなんて絶対しない。面倒でも、嫌われても、ちゃんと向き合ってくれる。それって、すげぇことだと思うんだよ」
彼の声は静かに、だが教室全体に響いていた。
「俺は、高坂に何度も説教されてる。ウザいって思ったこともある。でもな、俺はあいつのこと、尊敬してる。あいつの真っ直ぐさに、何度も感心した。だから、俺はあいつが好きだ。説教されても、怒られても、俺はあいつのことが好きなんだよ」
その瞬間、教室の空気が変わった。
誰もが言葉を失い、ただ彼の言葉に耳を傾けていた。
「だから、陰でコソコソ言ってる暇があるなら、少しでも高坂みたいに、誰かのために動いてみろよ。それができる奴が、本当にカッコいいんじゃねぇの?」
そして、彼は最後にこう言った。
「俺は、高坂のことをちゃんと見てる。誰が何と言おうと、俺はあいつを信じてる。 それだけは、誰にも譲らねぇ」
その言葉に、誰も何も言えなかった。
ちょうどそのとき、花音は保健室から戻ってきていた。
教室の扉の前で、彼の言葉をすべて聞いてしまった。
「……って、あれ? いま、俺……好きって言ったか? ……いや、ち、ちが、人間的にということであってだなぁあ! あ、ああ~、もうかったり~なぁ、もう! と、とにかく、小学生じゃねーんだから、影でゴチャゴチャやめろよな!」
胸が、ぎゅっと締めつけられるような感覚。彼女はその場に立ち尽くし、何も言えなかった。
その日から、彼を見る目が変わった。
かったるそうに髪をかき上げる仕草。面倒くさそうにプリントを出す手。説教されても、どこか楽しそうに笑う顔。
全部が、愛おしく思えてしまった。
彼は、誰よりも自由で、誰よりも優しかった。
そして、誰よりも彼女のことを見てくれていた。
その日、花音は初めて「恋」を知った。
それは、誰にも言えない秘密。彼に説教するたび、心の奥で微笑んでしまう自分。彼がふざけるたび、少しだけ嬉しくなる自分。
彼女は、彼に恋をした。
誰よりも不器用で、誰よりもまっすぐな彼に。
だから、彼が告白を受け入れてくれたときは、花音は天にも昇るような――――
懐かしいわ。だけれど、それももう前世の話となってしまった。
大翔が居ない世界に絶望するも、誰にも打ち明けられない、誰にも理解してもらえないよう話。
全てに絶望してしまったこともある。
しかしそれでも、現実を受け入れて私はラヴィーネとして生きていくしかなかった。
この世界は戦争の只中にあり、私の家は軍事貴族として前線に立つ運命だった。
私には才能があった。剣も魔法も、誰よりも早く習得した。
戦術も、統率も、誰よりも冷静に判断できた。
だから、私はすぐに頭角を現した。
若くして騎士団に入り、戦場で名を上げた。
「鉄の女」、「天才女竜騎士」、色々と呼ばれるようになった。
感情を見せない。
命令に従い、任務を遂行し、敵を斬る。
説教魔で、厳しく、妥協を許さない。
前世の花音と、何も変わらない。
ただ、もっと冷たく、もっと孤独になった。
それでも、容姿が運よく優れていたようで、遠目から憧れられ、多くの貴族や騎士たちから縁談を持ちかけられた。
貴族の家柄もあり、政略結婚の話も何度もあった。
部下に厳しく接しても、みな私に反抗せず従順だった。
でも、私は誰にも心を開けなかった。
誰も、私の本当の姿を知らない。
誰も、私の弱さを見ようとしない。
誰も、私が前世でどれほど恋をしたか、どれほど泣いていたか、知らない。
大翔だけが、私を知っていた。
説教ばかりしていた私を、うるさいと言いながらも、ちゃんと見てくれていた。
私のことを「カノ」と呼んでくれた。
その名前を呼ばれた瞬間、私の心がどれだけ満たされたか。
でも、彼はいない。
この世界にはいない。
もう二度と会えない。
そして私は、戦った。
この世界で生きるために。
この世界の正義のために。
敵を斬ることにも、慣れてしまった。
最初は震えていた手も、今では迷いなく剣を振るう。
命を奪うことに、感情を挟まなくなった。
それが、この世界で生きるということだから。
でも――
夜、誰もいない部屋で、ふと「カノ」と呼ばれた記憶が蘇ると、胸が痛む。
私は、ラヴィーネ。
帝国の騎士。鉄の女。
でも、心の奥底には、まだ「高坂花音」がいる。
そして、彼のことを――
日之出大翔のことを、忘れられない。
ラヴィーネ・フォン・エルステッド。
前世の名前は高坂花音。
目覚めたとき、私は貴族の家の娘だった。
由緒正しい家系。軍人を多く輩出した名門のエルステッド家。
厳格な父、誇り高い母。
幼い頃から剣と魔法と竜騎術を叩き込まれ、礼儀作法を仕込まれ、感情を抑えることを教えられた。
自分が転生したと気づくのに時間はかからなかった。
戸惑いはあった。
前世の記憶が鮮明であるほど、この世界の現実が遠く感じた。
何度これが夢かと疑い、父や母、そして何より――日之出大翔が、いないことに私は絶望した。
あの、かったるいが口癖で、何でも横着して、でも誰よりも優しくて、私のことを真っ直ぐ見てくれた彼が――いない。
それが、何よりも苦しかった。
「高坂、またかよ……」
「うるさい。提出期限は守るのが当然でしょ。何度言えばわかるの?」
教室の空気がピリつく。
昼休み、クラス委員長の高坂花音は、またもや遅れて提出されたプリントを巡って、男子生徒に説教していた。
彼女は真面目で、責任感が強く、何事にも妥協を許さない性格だった。教師からの信頼も厚く、クラス委員長としてクラスをまとめる役割を担っていたが、その厳しさゆえに、クラスメートからは「堅物」「ウザい」「空気読めない」と陰で言われることも少なくなかった。
そして、彼女が最も苦手としていたのが日之出大翔という男子生徒だった。
「ったく、かったるいなぁ……」
彼はいつもそう言って、何事にもやる気を見せない。宿題はギリギリ、掃除はサボり気味、体育は手を抜き、授業中もよく居眠りしていた。
だが、彼はなぜかクラスの人気者だった。誰にでも気さくに話しかけ、冗談を飛ばし、空気を和ませる。彼の周りにはいつも笑顔があった。
花音はそんな彼が許せなかった。
真面目にやっている自分が疎まれ、いい加減な彼が好かれる。
理不尽だと思った。
だが、そんなある日、彼女が教室を不在にしていた時、彼女がいないのをいいことに教室では彼女の話題が持ち上がっていた。
「高坂ってさ、マジでウザくね?」
「偉そうだし、説教ばっかで疲れるわ」
「大翔もよく我慢してるよな。あんなに絡まれてさ」
笑い声が広がる。
その場にいた大翔は、机に肘をついたまま、ぼんやりと窓の外を見ていた。
だが次の瞬間、彼は立ち上がった。
「……お前らさ、それ本人の前で言えんの?」
教室が静まり返る。
「高坂は、確かに説教ばっかでウザいかもしれない。でもな、あいつは誰よりも真剣に、クラスのこと考えてる。誰かがサボっても、誰かが困ってても、見て見ぬふりなんて絶対しない。面倒でも、嫌われても、ちゃんと向き合ってくれる。それって、すげぇことだと思うんだよ」
彼の声は静かに、だが教室全体に響いていた。
「俺は、高坂に何度も説教されてる。ウザいって思ったこともある。でもな、俺はあいつのこと、尊敬してる。あいつの真っ直ぐさに、何度も感心した。だから、俺はあいつが好きだ。説教されても、怒られても、俺はあいつのことが好きなんだよ」
その瞬間、教室の空気が変わった。
誰もが言葉を失い、ただ彼の言葉に耳を傾けていた。
「だから、陰でコソコソ言ってる暇があるなら、少しでも高坂みたいに、誰かのために動いてみろよ。それができる奴が、本当にカッコいいんじゃねぇの?」
そして、彼は最後にこう言った。
「俺は、高坂のことをちゃんと見てる。誰が何と言おうと、俺はあいつを信じてる。 それだけは、誰にも譲らねぇ」
その言葉に、誰も何も言えなかった。
ちょうどそのとき、花音は保健室から戻ってきていた。
教室の扉の前で、彼の言葉をすべて聞いてしまった。
「……って、あれ? いま、俺……好きって言ったか? ……いや、ち、ちが、人間的にということであってだなぁあ! あ、ああ~、もうかったり~なぁ、もう! と、とにかく、小学生じゃねーんだから、影でゴチャゴチャやめろよな!」
胸が、ぎゅっと締めつけられるような感覚。彼女はその場に立ち尽くし、何も言えなかった。
その日から、彼を見る目が変わった。
かったるそうに髪をかき上げる仕草。面倒くさそうにプリントを出す手。説教されても、どこか楽しそうに笑う顔。
全部が、愛おしく思えてしまった。
彼は、誰よりも自由で、誰よりも優しかった。
そして、誰よりも彼女のことを見てくれていた。
その日、花音は初めて「恋」を知った。
それは、誰にも言えない秘密。彼に説教するたび、心の奥で微笑んでしまう自分。彼がふざけるたび、少しだけ嬉しくなる自分。
彼女は、彼に恋をした。
誰よりも不器用で、誰よりもまっすぐな彼に。
だから、彼が告白を受け入れてくれたときは、花音は天にも昇るような――――
懐かしいわ。だけれど、それももう前世の話となってしまった。
大翔が居ない世界に絶望するも、誰にも打ち明けられない、誰にも理解してもらえないよう話。
全てに絶望してしまったこともある。
しかしそれでも、現実を受け入れて私はラヴィーネとして生きていくしかなかった。
この世界は戦争の只中にあり、私の家は軍事貴族として前線に立つ運命だった。
私には才能があった。剣も魔法も、誰よりも早く習得した。
戦術も、統率も、誰よりも冷静に判断できた。
だから、私はすぐに頭角を現した。
若くして騎士団に入り、戦場で名を上げた。
「鉄の女」、「天才女竜騎士」、色々と呼ばれるようになった。
感情を見せない。
命令に従い、任務を遂行し、敵を斬る。
説教魔で、厳しく、妥協を許さない。
前世の花音と、何も変わらない。
ただ、もっと冷たく、もっと孤独になった。
それでも、容姿が運よく優れていたようで、遠目から憧れられ、多くの貴族や騎士たちから縁談を持ちかけられた。
貴族の家柄もあり、政略結婚の話も何度もあった。
部下に厳しく接しても、みな私に反抗せず従順だった。
でも、私は誰にも心を開けなかった。
誰も、私の本当の姿を知らない。
誰も、私の弱さを見ようとしない。
誰も、私が前世でどれほど恋をしたか、どれほど泣いていたか、知らない。
大翔だけが、私を知っていた。
説教ばかりしていた私を、うるさいと言いながらも、ちゃんと見てくれていた。
私のことを「カノ」と呼んでくれた。
その名前を呼ばれた瞬間、私の心がどれだけ満たされたか。
でも、彼はいない。
この世界にはいない。
もう二度と会えない。
そして私は、戦った。
この世界で生きるために。
この世界の正義のために。
敵を斬ることにも、慣れてしまった。
最初は震えていた手も、今では迷いなく剣を振るう。
命を奪うことに、感情を挟まなくなった。
それが、この世界で生きるということだから。
でも――
夜、誰もいない部屋で、ふと「カノ」と呼ばれた記憶が蘇ると、胸が痛む。
私は、ラヴィーネ。
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