私はどうすればいいのか誰か教えてほしい

アニッキーブラッザー

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――ええい、斬る! 貴様のような不埒者などたたっ斬ってやる!


 私はネートラレイル公国の第一王女であるトラレッタ王女に仕える騎士。
 王家に代々使える筆頭貴族で騎士の家系に生まれた私は、いつもトラレッタ王女に付き従い、共に育ち、勉学も遊びも常に一緒であった。
 幼い頃より姫様と共に過ごした私にとって、姫様には主君を越えて崇拝に近い感情を抱いている。
 この御方のためならば死ねる。
 この御方を生涯守り続ける。
 この御方を悲しませるものは斬る。
 この御方を害するものは世界であろうと私の敵である。
 たとえそれは、姫様がいつか想い人ができ、そして結ばれて王位を継いでも変わらぬこと。
 だからこそ、姫様に悪い影響を与えるもの、もっと言えば無垢で純粋な姫様を穢すような男など、断じて姫様に近づけてはならないのである。


――姫様、考え直してください! あのような男、いかに姫様を事故から救った恩人とはいえ、考えられませぬ


 そんなある日、お忍び旅行で隣国に赴いた際、落雷やら地震やら土砂崩れやらで我々の乗った馬車が事故にあってしまったところを、たまたま通りかかったその国の青年に我々は救われた。
 彼は崖に転落やいつ落石や土砂崩れが起きてもおかしくない危険な状況の中で、勇敢にも我が身を顧みずに迅速に動き、我々を助け、更には姫様と、更には崩れた馬車に挟まれて身動き取れなかった役立たずの私すらも引きずり出して救ってくれた。
 そのとき、この私に、お、お、おお姫様抱っこをするというあまりにも無礼なことをしたのだが、まぁ、私も動けなかったことと、命の恩人の厚意を無下にできなかったこともあって、私はされるがままであった。
 断じて初めて同年代に、ましてや男の子に女の子扱いされ、抱きかかえられてドキドキしたとか、もう少しその温もりを感じていたかったとかそういうことではない。

 ただ、問題なのはその後であった。

 なんと姫様が、その男に一目惚れしてしまったというのだ。
 いわゆる「吊り橋効果」というものらしい。
 しかも初恋である。


――あやつは一般家庭、すなわち庶民の子です。ネートラレイル公国の王位継承者である姫様とは天と地ほどの身分差があります

 
 初恋である姫様は思ったら一直線であった。私でも見たこともないほど恋に燃えて、陛下の反対などを押し切って、隣国に、しかもあの男が通う庶民の学校への留学を決められた。
 そして、再会したあの男は……我々を救ってくれた時の白馬の王子のようなイメージを台無しにするようなことばかりした。
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