おぶわれ騎士令嬢と野生騎人~夢をあきらめて結婚しろと言われたので、溺愛してくる野生児のツガイになった

アニッキーブラッザー

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第15話 決着の後

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「な、なんじゃとぉ? その青年を騎獣にして騎士を目指すとぉ?!」

「い、いえいえいえいえ……何を考えているのです、ミス・ブリランテ……」

 
 オレのことについて真っすぐ迷いなく校長と担任のフラットに宣言するカノン。
 そして二人は予想通り頭を抱えた。

「私は真面目です。校則では学校保有の騎獣もしくは、自身が所有する騎獣を持ち込むことも許されるとのこと! オレは私の騎獣として登録したいと思います!」

 それに対してカノンの取った行動は開き直ることだった。
 騎獣の定義で「人間はダメ」と記載されていないという一点でゴリ押しする。

「いやいや、しかし……言葉もよく話せない、素性も分からない者をこの学校内に置くわけには……」
「私が面倒を見ます! オレに関することの責任の全てを一切私が持ちます! 部屋は私の部屋に――――」
「女子寮じゃろ! ダメに決まってるじゃろ! 他の生徒や保護者の耳に入ったら――――」
「オレは私の騎獣だから問題ありません!」
「ならんならん!」

 問題あるに決まっていた。そもそも女子寮に素性もよく分からない、会話も満足にできない男を由緒正しい王国魔法学園の敷地内に、ましてや女子寮に入れるというのも前代未聞に加え、さらには人間を騎獣とするなど、ありえない。
 だからこそ、カノンがどう言おうと校長が頷くわけが無かった。

「だいたい、オレがいいって言ってくれてるのに、何で人間が騎獣じゃ駄目なんですが! タカラとゴルドにも勝ったのに!」

 だが、カノンもくらいつく。校則や騎士の規定に騎獣の種族に制限が設けられていないのだから、オレは認められると退かない。
 すると……

「ガウガウ、ゴウガウガウ」

 状況分からぬオレはマイペースにゴルドに歩み寄って吼えた。

「ガウッ!? グルウウ? ガウガオウ!」
「ワオン、バウ、バババウ!」
「ファオン!」

 驚いた様子を見せるゴルド。ゴルドも何かをオレに吠え、互いに意思疎通していた。

「え? オレ、ゴルドと会話できるの!? 他の獣の言葉も分かるの?」
「え、そ、それは本当かい!?」
「……なんじゃと?」

 何と、獣語でコミュニケーションするオレとゴルドの様子に驚くカノンたち。
 すると……

「バウバウ、ガオウン、ワウワウ」
「バオン? ガウガウ、ワオン」
「グル、ガウル……」

 意思疎通できている、と思われるオレとゴルドを眺めていたら、唐突にオレがタカラに振り返り……

「ゴルド、タカラ、ニジューマルスキ」
「え……」
「タカラ、ゴルド、スキ。カノン、ニジューマルスキ」
「……?」
「ゴルド、サミシイ」
「……ッ!?」

 最低限の単語ではあるが、それでも皆が衝撃を受けた。
 本当に会話できているのか? と。
 ただ、何よりも、タカラ自身が……
 
「ゴルドが……寂しい……か。そう言えば確かに……最近は、授業と餌の時間以外は……」

 思い当たることがあったようで、狼狽えた表情でゴルドを見る。
 
「そうだ……最近、カノンの進級の問題もあったし、僕も最近はカノンのことばかり……ゴルド……」
「くぅ~ん……」
「……そうか……そうだな……ゴルド……」

 切なそうに鳴くゴルドに胸を揺さぶられ、

「そうだな。僕がもっとしっかりしていれば……君にそんな顔をさせることなく、何よりもカノンと彼にも負けることは無かった……ごめんな」

 タカラは微笑みながらゴルドの頭を優しく撫で、そして抱きしめた。


「信じられん。獣の言葉が分かるとは……知能の高い騎獣は儂らの言葉を理解するが、ワシらは彼らの言葉を分からぬからな……」

 
 校長も他の生徒たちも驚く中、カノンは苦笑した。
 そもそもオレは母であるフェンリルは人の言葉をしゃべれるのに、獣語で話をしていたのだ。
 確かにこういうことができても不思議ではなかった。
 すると……

「へ~、すごーい……そうだ! ピィ――――ッ!」

 その場に居た女生徒の一人が何かを思いついたかのように指笛を鳴らした。
 すると、校舎の裏から大きな翼を羽ばたかせた鳥獣グリフォンが向かってきたのだ。


「クアアアアアッ!」

「よしよし。ねぇ、オレくん! この子は私の騎獣なんだけど、この子と会話できる? まず、この子の名前はなーんだ?」


 どうやら、オレを試そうとしているようだ。とはいえ、一気に言われたオレは首を傾げると……

「ガオガ、ウォウウォウ」
「ガウヲ?」

 ゴルドが急にオレに話しかける。すると、オレは……

「ナマエ?」
「っ!? そう、名前! え、っていうか今……ゴルドが通訳したの?」

 まさか、ゴルドが獣語でオレに人語を通訳するという奇妙な光景が起こった。
 その様子に一同が呆気に取られる中、オレはグリフォンに向かい……

「ガルル、ガウォウウォウ」
「ッ!? クア、コココオ、クケー」

 と、グリフォンも俺に話しかけられて驚いた様子で言葉を返している様子。
 そしてオレは……


「ナマエ……『ツクネー』……」

「うそっ!? せ、正解! え、カノンちゃん、教えてないよね?」

「お、教えてない教えてない!」

 
 ちゃんと正解した。その瞬間、周囲からどよめきに似た歓声が上がる。
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