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第9話 姫姉妹(1)
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「クローナ! 何をしていたのじゃぁ!」
「「「「姫様ぁぁぁぁあ!!!!」」」」
森の先から突如聞こえる大勢の声。
そして多くの武装した者たち。
「あっ、お姉様! 皆さんッ!!」
「お、お姉さん? あんたの?」
そんな彼らの姿を見て、クローナは手を振って応える。どうやら敵ではなく味方のようだ。
誰もがクローナの姿を見て安どの表情を浮かべている一方で、先頭の一人の女だけは鋭い目つきでクローナを見下ろす。
「すぐに戻れと言ったはずであろう。おぬしはどこで道草を食っていたのだ!」
「申し訳ありませんでした、お姉様! 本当はおしっこしたらすぐに帰るつもりだったのですが、ただのおしっこでは終わらなかったのです! あっ、別におしっこ以外のことをしていたというわけでは、いえいえ、違うことといえば違うことなのですが……」
「なんだ、小便だけでなく、う―――――」
「「「「姫様、そのようなこと大声で言ってはなりません!!」」」」
クローナに強い口調で語りかける、角の生えた長身の女。
白銀の長髪で、いつもニコニコしているクローナとは対照的に野性的な雰囲気漂いつつも、どこかクローナの面影を微かに感じる美形の女。
クローナが「かわいい」のなら、目の前の女は「美しく、カッコイイ」という言葉が当てはまった。
下半身は下着のような黒い鋼の鎧と、黒い鋼の胸当てとマントという露出の多い大胆な格好。
エンブレムが装飾された赤いマントを纏い、仰々しい角の生えた髑髏マークが施された槍を持っている。
「おぬしは自分の立場が分かっておるのか? このような場所において無断で単独行動……それは、おぬしに仕え、命を懸ける忠臣たちを裏切るような行為であるぞ?」
「は、はい……」
「とにかく、後で将軍たちに謝っておくのだ……ただ無事で何よりだ」
だが、厳しい口調とその鋭い瞳の奥には、姉として家族として、そして上に立つ者としてクローナに対する温かい思いやりのようなものをアークスも感じ取れた。
「す、すげーきれー……」
そんな女に見惚れ、同時に二人のやり取りにポカンとしていたアークスはハッとして……
「お、お姉さんなのか……」
「はい。私のたった一人の姉、『トワイライト』お姉さまです!」
「そ、そうか……お姉さんか……姉妹……ん? 兄弟……?」
別に姉がいることに驚くことはなかったが、少しクローナと性格が違い、更に流石に姉であるからかしっかりしている人物なのだろうと、アークスは印象を抱いた。
「「「「姫様ぁぁぁぁあ!!!!」」」」
森の先から突如聞こえる大勢の声。
そして多くの武装した者たち。
「あっ、お姉様! 皆さんッ!!」
「お、お姉さん? あんたの?」
そんな彼らの姿を見て、クローナは手を振って応える。どうやら敵ではなく味方のようだ。
誰もがクローナの姿を見て安どの表情を浮かべている一方で、先頭の一人の女だけは鋭い目つきでクローナを見下ろす。
「すぐに戻れと言ったはずであろう。おぬしはどこで道草を食っていたのだ!」
「申し訳ありませんでした、お姉様! 本当はおしっこしたらすぐに帰るつもりだったのですが、ただのおしっこでは終わらなかったのです! あっ、別におしっこ以外のことをしていたというわけでは、いえいえ、違うことといえば違うことなのですが……」
「なんだ、小便だけでなく、う―――――」
「「「「姫様、そのようなこと大声で言ってはなりません!!」」」」
クローナに強い口調で語りかける、角の生えた長身の女。
白銀の長髪で、いつもニコニコしているクローナとは対照的に野性的な雰囲気漂いつつも、どこかクローナの面影を微かに感じる美形の女。
クローナが「かわいい」のなら、目の前の女は「美しく、カッコイイ」という言葉が当てはまった。
下半身は下着のような黒い鋼の鎧と、黒い鋼の胸当てとマントという露出の多い大胆な格好。
エンブレムが装飾された赤いマントを纏い、仰々しい角の生えた髑髏マークが施された槍を持っている。
「おぬしは自分の立場が分かっておるのか? このような場所において無断で単独行動……それは、おぬしに仕え、命を懸ける忠臣たちを裏切るような行為であるぞ?」
「は、はい……」
「とにかく、後で将軍たちに謝っておくのだ……ただ無事で何よりだ」
だが、厳しい口調とその鋭い瞳の奥には、姉として家族として、そして上に立つ者としてクローナに対する温かい思いやりのようなものをアークスも感じ取れた。
「す、すげーきれー……」
そんな女に見惚れ、同時に二人のやり取りにポカンとしていたアークスはハッとして……
「お、お姉さんなのか……」
「はい。私のたった一人の姉、『トワイライト』お姉さまです!」
「そ、そうか……お姉さんか……姉妹……ん? 兄弟……?」
別に姉がいることに驚くことはなかったが、少しクローナと性格が違い、更に流石に姉であるからかしっかりしている人物なのだろうと、アークスは印象を抱いた。
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