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第1章
04 貧民街のメル
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とりあえず聞き込みをしようと外へ出た俺だったが、そこで気になる人影を発見した。
「おい待て、お前!」
「放してよ!おい! 放せって!」
どうやら揉めているようで、男が女の子の腕を掴んでいるようだった。
パーカーみたいな服を着た女の子は、無理やり頭のフードを剥がされ素顔を露わにする。
……うわぁあの子、めちゃ好みだわ。
黒髪ショートヘアの中性的な見た目をした女の子は、俺の昔からの好みと完全に合致していた。
恐らくあの男、痴漢かナンパに失敗して逆ギレしたというところだろう。
よし、ここはひとつ。
「まぁまぁその辺にしときなよ、君。その子嫌がってるじゃないか」
といい、腕を掴む手を引っ張りあげた。
やだ、俺超紳士……!
明日から超勇者ならぬ超紳士って名乗ろうかしら。
女の子は力の弱まった手を振りほどき、ものすごい速さで走り去って行った。
お礼を言われて、フラグ立ってラブコメ!的な展開を期待してたんだがな。
「ちょ、待ちやがれ!」と、後を追っかける男。
俺もついて行ってはみたが、もうあの女の子の姿はなかった。
苦々しい顔をする男……よく見ると、超勇者グリードだった。
「グリードさんでもナンパに失敗するんですね(笑)」
「おいお前、なぜ邪魔をした」
「え、なぜって──」
「──大泥棒レヴィを捕まえるチャンスだったんだぞ!」
「え、それマジ、うぎゃ! 痛い痛い痛い!」
こ、こいつコメカミぐりぐりしやがった……。
「いつつ……えーと、ナンパに失敗したのではなく? 今のがあの大泥棒レヴィなの? うそだ~(笑)」
「俺がナンパなんてするか。クソ庶民、お前は死ね」
そう言って、グリードはレヴィの行ったであろう方向へ走り去っていった。
人に向かって死ねとはなんて失礼な勇者なんだ。
それにしてもグリードの奴、なんでこんなことやってるんだろう?同じクエストを受けてたのか?
あのレベルなら引く手あまただろうに。
まぁ経験値1000倍スキルはもうないけどな。
つーか、スキルがなくなってることに気づいているのかどうかも怪しかったが。
まぁいっか、それより俺も大泥棒探さないと。グリードに先を越されてしまうのだけは嫌だ。
「あ、あのー」
……ん?
後ろからの声に振り向く。
そこには貧相な格好をした小さな女の子が立っていた。
しかし、目はまん丸でとても可愛らしい。
「ん?」
「レヴィお姉ちゃんを助けてくれてありがとう!」
「え? あぁ、どういたしまして……?」
いや、助けたくて助けたわけじゃないけど。
「私はメル。お兄さんは?」
「隼人、凪 隼人だよ」
とりあえず、名乗り返した。
「で、お姉ちゃんって、レヴィはメルのお姉さんなの?」
「ううん、違うよ。でもね、レヴィお姉ちゃんはいっつも私達に食べ物をくれるんだぁ! それにねそれにね、いつもメルと遊んでくれるんだよ!」
「私達?」
「うん、私の住んでる貧民街の人達だよ、ついてきて! 案内したげる!」
「あ、うん。ありがとう」
大泥棒レヴィにも何か訳がありそうだ。
だが、そんなことは関係ない。泥棒は泥棒だ。
この子や、貧民街の人達には悪いが、彼女は俺の資金源になってもらおう。
これで15万ゴールドは俺の物だ!
「おい待て、お前!」
「放してよ!おい! 放せって!」
どうやら揉めているようで、男が女の子の腕を掴んでいるようだった。
パーカーみたいな服を着た女の子は、無理やり頭のフードを剥がされ素顔を露わにする。
……うわぁあの子、めちゃ好みだわ。
黒髪ショートヘアの中性的な見た目をした女の子は、俺の昔からの好みと完全に合致していた。
恐らくあの男、痴漢かナンパに失敗して逆ギレしたというところだろう。
よし、ここはひとつ。
「まぁまぁその辺にしときなよ、君。その子嫌がってるじゃないか」
といい、腕を掴む手を引っ張りあげた。
やだ、俺超紳士……!
明日から超勇者ならぬ超紳士って名乗ろうかしら。
女の子は力の弱まった手を振りほどき、ものすごい速さで走り去って行った。
お礼を言われて、フラグ立ってラブコメ!的な展開を期待してたんだがな。
「ちょ、待ちやがれ!」と、後を追っかける男。
俺もついて行ってはみたが、もうあの女の子の姿はなかった。
苦々しい顔をする男……よく見ると、超勇者グリードだった。
「グリードさんでもナンパに失敗するんですね(笑)」
「おいお前、なぜ邪魔をした」
「え、なぜって──」
「──大泥棒レヴィを捕まえるチャンスだったんだぞ!」
「え、それマジ、うぎゃ! 痛い痛い痛い!」
こ、こいつコメカミぐりぐりしやがった……。
「いつつ……えーと、ナンパに失敗したのではなく? 今のがあの大泥棒レヴィなの? うそだ~(笑)」
「俺がナンパなんてするか。クソ庶民、お前は死ね」
そう言って、グリードはレヴィの行ったであろう方向へ走り去っていった。
人に向かって死ねとはなんて失礼な勇者なんだ。
それにしてもグリードの奴、なんでこんなことやってるんだろう?同じクエストを受けてたのか?
あのレベルなら引く手あまただろうに。
まぁ経験値1000倍スキルはもうないけどな。
つーか、スキルがなくなってることに気づいているのかどうかも怪しかったが。
まぁいっか、それより俺も大泥棒探さないと。グリードに先を越されてしまうのだけは嫌だ。
「あ、あのー」
……ん?
後ろからの声に振り向く。
そこには貧相な格好をした小さな女の子が立っていた。
しかし、目はまん丸でとても可愛らしい。
「ん?」
「レヴィお姉ちゃんを助けてくれてありがとう!」
「え? あぁ、どういたしまして……?」
いや、助けたくて助けたわけじゃないけど。
「私はメル。お兄さんは?」
「隼人、凪 隼人だよ」
とりあえず、名乗り返した。
「で、お姉ちゃんって、レヴィはメルのお姉さんなの?」
「ううん、違うよ。でもね、レヴィお姉ちゃんはいっつも私達に食べ物をくれるんだぁ! それにねそれにね、いつもメルと遊んでくれるんだよ!」
「私達?」
「うん、私の住んでる貧民街の人達だよ、ついてきて! 案内したげる!」
「あ、うん。ありがとう」
大泥棒レヴィにも何か訳がありそうだ。
だが、そんなことは関係ない。泥棒は泥棒だ。
この子や、貧民街の人達には悪いが、彼女は俺の資金源になってもらおう。
これで15万ゴールドは俺の物だ!
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