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第5話 片鱗をみた男
しおりを挟む「次に、飛び抜けた身体能力が欲しいわけだな!」
超人的な身体能力。女の子にキャーキャー言われるために必要な能力。だよね?だよな。
平凡な身体能力しか持っていなかった俺は、高校のサッカー部でも活躍したことなどなかった。もちろん、女の子にキャーキャー言われたこともない。言われてみたい。この欲望、叶えなければ!
「身体能力と一緒に、サッカーの才能も欲しいわけだな!頼むんだな!幼女ちゃん!」
「幼女じゃないってば!年上なの!」
ふと思った、こいつは何歳なのだろう。見たところロリちゃんにしか見えないが、さっきから年上だのなんだの言ってるし、天使だし、1000000歳くらい行ってんのかなあ
「じゃあいくよ、ほぃぽぃー」
いつも思う、なんなんだその掛け声は。いるのか?呪文が何かの類なの?ダサいからやめた方がいいよ。・・・うん、やめないで、なんか可愛いから
「・・・あー。おわった?」
「うんおわった」
毎度まいど実感わかねぇなぁおい!
「わかるだろ?俺の言いたいこと」
「信じたんじゃなかったの?」
ほっぺたを膨らませながら ずいっと顔を寄せてくる。
間近で見ると、いや遠くからもだけど ホントに君って
「可愛いよね(ボソッ」
「ふえっ!?か、可愛い・・・?」
「ん?あ、あれ。俺さっき心の声漏れてた?」
「思いっきり漏れてた!この変態!!」
ぺしっ!とみかんを投げられた。まずいな、心の声が抑えられなくなってきている。気をつけないとそろそろ神様が俺を逮捕しに来るかもしれない。そうなったら神様に申し出よう。この幼女を俺にくださいと、私ってほんと馬鹿。
「やっぱり実際にこの力を体験してみないと、なんと言うか、ね?」
「あなたってほんとわがままだ!」
「頼む!出来るんだろ?天使なんだからさあ」
「まぁ、できるけど」
幼女はおもむろに立ち上がり、俺の横に座った。
!?
お、女の子座り・・・っ!だと・・・っ!!
チラリと見える綺麗な太もも!幼女特有の上目遣い!最高じゃあ!!!
「なーにかんがえてるの?」
「え?い、いや。何でもねぇよ」
いかんいかん。純粋無垢な幼女に男の醜い欲望を悟られるわけにはいかない。こう見えても私は紳士なのだ。そうなのだ、嘘なのだ。
「はい、じゃーわたしの目をじぃーっとみて?」
「お、おう!」
じぃー・・・
体感にして数10秒。可愛い、ヤバいキスしたらこの子どんな反応するんだろう。ぐへ、ぐへへへへぇ
なんて思いながら見つめていた。
見つめていたはずだ。なのに、なん・・・だと!?
気づいたら俺は、青空の下。人工芝の上。かっこいいユニフォームに身を包み、足元にはサッカーボール。目前には迫るディフェンダーの怖い顔!
さっきまで幼女とこたつで楽しくおしゃべりしていたはずの俺は、なんということでしょう。突然サッカーの試合に参加していたのでした。ちゃんちゃん♪
いや、ちゃんちゃんじゃねえよ!なんだこれ!どこだここ!!ま、まさかこれが・・・
天使の力だとでも、いうのか・・・っ!!!
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