堕天使 ~地獄に行かずに異世界に来た~

粗品はカラシ

文字の大きさ
3 / 9

episode3 堕天使 お仕置きする?

しおりを挟む
「んっ?何を言っておる小娘?なぜ、ワシが何故?逃げないといけないのか?それより、下僕小鬼よ!ワシを城まで案内せい。」

ルシファーは、威厳に満ちた、地獄の王としての口調で下僕小鬼に命令したが、下僕小鬼はギャァギャァと威嚇するばかりだった。

「むむむ?何を言っておる下僕小鬼!ワシが分かる言葉で話せい!ワシが怒らない内に早よ、城に案内せい!」

相も変わらず下僕小鬼はギャァギャァと威嚇していた。

下僕小鬼よ!ワシを小馬鹿にするとは、良い度胸だ!誰が地獄の王なのか、思い出すまで少しお仕置きが必要みたいだな!」

そう言い放つとルシファーは、指をパチンと鳴らした。

「ギャァ、ギャァ、ギャ........(バン)」

今まで威嚇していた下僕小鬼達の頭が弾け飛んだ。

「ふん!下僕小鬼の分際でワシの命に背くとは、身の程を知れ!」

殲滅してしまったルシファーは、少しお仕置きするつもりだった事をすっかり忘れていた。が、やり切った良い顔をしていた。

「あ、ありがとうございます。た、たすかりました。」

先ほどまで怯えていた少女が、意を決してお礼を述べた。

「んっ?小娘、なぜ、礼など申す?オr...。ゴホン、ワシは小娘に何もしておらんぞ?」

素で話そうとしたが、すぐに改め、地獄の王の威厳に満ちた話し方をするルシファー

「いえいえ、かみさまのおかげでわたしは殺されずに済みました。」

「んっ?かみクソ親父?ワシはクソ親父ではないぞ!」

ルシファーは、クソ親父に間違われて、少し苛立ちながら少女を睨んだ。

「ひっ!か、かみさまで無いなら、て、てんしさまですか?」

少女は怯えながら訂正してきた。

「ふふふ!ワシは天使でもあるが、地獄の王でもあるんじゃ!(ドヤッ)」

「えっ!?は、はい!そ、それでぇ、てんしさま?おうさま?は、どうしてここn「ルシファーじゃ!」.......。はひ?」

「ワシの名はルシファーじゃ!特別にワシの名で呼ぶ事を許そう!」

「えええ!!!!そ、そんな恐れ多いです。てんしさまの名前を呼ぶn...「ワシの名はルシファーじゃ!(ギロッ)」...........。」

ルシファーは、威圧しながら少女に名前で呼ぶ様に窘めた。

「.......えっと、ルシファーさまは、どうして、こんな所に居るのですか?」

少女は、途中で会話を遮られたが、ルシファー様と言い直し、疑問をぶつけてみた。ルシファーが先ほど、下僕小鬼に命令していた事も少女は恐怖で聞こえていなかったらしい。

「ふむ、ワシは城まで帰りたいのじゃ。そうじゃ!少女よ、ワシを城まで案内せい!」

これは名案とばかりに少女に城までの案内を申し付けた。

「はひっ!?お、お城ですか?そ、それは、ガノン辺境伯様のお城ですか?そ、それとも、王様が居る王都のお城ですか?」

少女は、自分が知っている、お城を場所を聞いた。

「むむむ?辺境伯とは何ぞや?王都に王様?はてはて?王はワシじゃがのぅ?はっ!?少女や、ここはどこなのじゃ?」

「えっと、ここは、ガノン辺境伯領の西にあるレームの森です。」

(レームの森?はてさて?聞いた事がないぞ?俺が治めていたアケロン地獄には、レームの森なんて無かったはず.....。むむむ?考えても分からん!?まっ、いっか!ガノン?の所まで行けば、宰相レヴィアタン嫉妬が居るだろう!)

ルシファーは、暫らく考えたが考える事が面倒になり、ガノン辺境伯の所に居るだろう宰相レヴィアタン嫉妬に現在の事を聞くことにした。

「さて少女、出発するとしよう。早よ、ガノン?の所に案内せい。」

ルシファーは、早く城に帰って風呂に入りたいが為に少女を急かした。

「は、はい、すぐに!......。で、ですが、この薬草を届けに一度村まで帰りたいです。」

少女は涙目になりながら、不安そうにルシファーを見つめた。

「んっ?村が在るのか?(村に行けば風呂に入れるだろう。)よし!先に村に参ろう!」

ルシファーは、少し思案したが、風呂が入れるなら、どこでも良いと思い承諾したのだった。

「は、はい!あ、ありがとうございます♪ル、ルシファー.......さま♪」

パァっと笑顔になった少女を見てルシファーの心が軽くなり、軽やかに歩き出すルシファーと、その後ろをとてとてと追いかける少女。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。 「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

処理中です...