堕天使 ~地獄に行かずに異世界に来た~

粗品はカラシ

文字の大きさ
5 / 9

episode4 堕天使 村に向かう?

しおりを挟む
森を軽やかに歩くルシファーと、その姿を追う少女。

バシッ、ポイ、バシッ、ポイ、バシッ、ポイ
(邪魔な草だなぁ!俺の 美しい翼が傷つくじゃないかぁ!プンプン!)

 ルシファーは歩くのに邪魔な草木を伐採していた。

「ル、ルシファー さまは、優しいのですね。わたしの為に道を歩き易くしてくれて、ありがとうございます。」

少女は頬を赤くし上目遣いにお礼を述べた。

「んっ?お、おう、気にするで無い。そ、そうだ、おぬし名は何と申すのだ?」

ルシファーは思い掛けないお礼に、戸惑い話題をずらす事にした。

「はわわわ、名前を名乗らずに申し訳ありません。わたしの名前はリリアと申します。年齢はたぶん十歳です。」

リリア少女は名前を名乗って無い事にアタフタしてた。

「ふむ、リリアと申すのか?良い名前だ!それに、黒目、黒髪は凄く綺麗だ。」

「あ、ありがとうございます。ルシファーさまのその、青みがかった黒髪や漆黒の翼も凄く素敵です。」

「「フフフ、あははは」」

お互いに容姿を褒めあって、二人は照れ臭くなった。

「リリア、ちと聞きたいのじゃが、村までは遠いのか?」

「はい、少し遠いですが、歩いて行けない距離ではないです。わたしも早く帰って、この薬草を弟にあげたいのですが、森は魔物が出て危険なので.....。」

そう言うとリリアの顔が少し悲しそうになった。

「森が危険なのか?おっ!そうだ!リリアよ!ワシと約束契約せんか?」

「へっ?や、ですか?な、何のですか........?」

リリアは、ルシファーの突然の申し出に少し戸惑いながら、の内容を聞いた。

「なぁ~に、簡単な約束契約じゃ!ワシはリリアを危険から守るから、リリアはワシの城まで案内をするのじゃ!良い約束契約じゃろ?(ニヤリ)」

「ルシファーさま、わたしを魔物の危険から守ってくれるのですか?あ、ありがとうございます!わたしがお城まで案内いたします。」

ルシファーの目が怪しく赤く輝いた。

「そうか、そうか♪では、約束契約しよう。ゴホン、我が名はルシファー、アケロン地獄の王なり、リリアとの盟約により、数多の害悪を退けると宣誓する。【約束契約】」

ルシファーが約束契約と言い放つと魔法陣が現れ二人の左胸に吸い込まれた。

「はわわわ、光が胸にぶつかったぁぁぁ!?あ、あれ!?痛く....ない?あれれ?」

「フフフ、ワシの光が胸に当たったから痛くなると思ったのか?何とも無いじゃろ?これでワシとリリアの約束契約が結ばれたぞ。リリアよ、もう安心してワシを城まで案内せい!」

「ルシファーさま、あ、ありがとうございます。(グゥ~)はわわわ!?」

リリアは赤面しながらお礼を言った。その時、リリアのお腹がグゥ~っとなった。

「んっ?リリアよ、腹が減ってるのか?」

「は、はい、朝から森で薬草を探してから、何も食べてないです.....。あっ!あの木の上の赤い果物!あれが食べられれば、疲労回復にもなるし、お腹も膨れるのに.....。けど、わたしには木の上は高くて取れない.....。はぁ、弟や妹達に食べさせたかったなぁ....。」

心優しい少女リリアは自分の事よりも常に他人を優先する事が多い子だった。ゆえに自分もお腹が減ってるけど、村のお義母さんシスターや他の子達に食べさせたかったようだ。

(んんっ?あの果物が疲労回復になるのか?俺は何も食べなくても平気なはずだが、天界から落ちてから少し身体が怠いんだよなぁ!?まぁ、疲労回復になるなら、食べようかな!俺なら五個、いや!十個は食えるな!ちょっと採るかな!パチン)

ルシファーが指を鳴らすと木の上から真っ赤な果物が降ってきた。

「はわわわ!?あの果物は傷つくと痛むのが早いのです!あわわわ!」

(リリアは十歳なのに良く物事を知ってるなぁ!ホイ、ホイ)

ルシファーは指揮者の様に指を振ると果物が次々と消えていった。

「あわわわ!すごいです!ルシファーさま!(グゥ~)」

ルシファーは、羨ましいそうな顔をしているリリアに、自分だけが食べる事が出来なかった。

「ほれ、食べなさい!」そう言い、両手で持った果物を渡した。

シャク、シャク、「「あははは、おいしい(です)のう♪」」

(人?と一緒に食べる事が、こんなにも楽しい事だったとは!?新たな発見だ♪レヴィアタン嫉妬にも教えてあげようっと♪)

楽しそうに二人は食べながら森を歩いた。

「あっ!ルシファーさま、村が見えてきました。」

「うむ、あれがリリアが住む村かぁ!」

粗末な柵で囲われた村が見えてきた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。 「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

処理中です...