聖女と団長とその暮らし

meeero

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崩壊と創造

そして夜が明ける*1

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その日は、夕焼けがとても美しかった。

赤々と燃え上がり、まるで全てを赤に染めようとしているようで、小さな子供は恐怖しただろう。

大国であるモーバンリッシュ国の首都の外れには、国教であるアルテス教の聖教会ーー古くから有る教会で、まるで神殿の様な厳かな雰囲気ある為、聖殿と呼ばれるーーが建っており、そこはアルテス教にとっての聖地と云われアルテス教が抱える数多く居る聖女の最高位、正聖女が暮らしている所だ。

モーバンリッシュ国は豊かで平和な王族が治める国であったが、大戦と呼ばれた争いが80年前にはあった。

平和ではあったが彼の大戦が終結したあとから、じわじわとアルテス教の教皇が統治者として相応しいのではないのか?と、一部の貴族から声が上がり始め不穏な陰りが政界をとりまいており、緊迫しているのも事実。

モーバンリッシュ国騎士団の騎士団長を務めるグレンリオ・ヴァルツの、その彫刻を思わせる顔には緊張が見えた

「あれ、隊長珍しくブルーですね!」

グレンリオの乗る馬車ーー軍事馬車であるーーに、同席していた補佐官のハインリヒ・マルコリーニが空気を読まずに声を張り上げた。


「なあ…ハインリヒ…頼むから、静かにしてくれ…」

「ええっっ!隊長、どうしちゃったんすか?これに乗る前はあんなーに澄ました顔の奥にギラつく目をしていたってのに!!」

グレンリオのため息が止まらない

確かに、陰湿な、けして穏やかとは言えない空気が教会と王家と確執が間にはあったが、ほんの少し前までは均衡を保っていた。
が発覚したのがほんの数ヶ月前。

教会に頭を悩ませていた王がついに断罪せよ、と英断されてからの日々は、グレンリオにとって、次々と発覚するアルテス教の悪事に腸が煮えくり返るおもいだった。

そう確かに、あんなに数時間前までついにここまで来た、と意気込んではいたのだが…

「なんだか、嫌な予感がするんだ」

「…………あーあ、最悪っすねぇ」

グレンリオの呟きにハインリヒが今度はため息をついた

グレイ団長の嫌な予感って当たるんだよなぁ、とハインリヒが溢した時だった。

「失礼いたします!目的地でありますアルテス教聖教会が先頭部隊から目視で確認が取れました!」

馬車の外からの伝令者の声にびくついたハインリヒは窓を開けながら答えた

「あーもう!びっくりしたぁ!もうそんな時間かい?」

「失礼致しました!まだ予定時刻より先ではありますが、確認が取れたおりにご報告致しました方が良いかと思われる事態がございまして参りました。」

「うっわ…言ったそばから、」

やはり、とも思ったが、ヒクついたグレンリオの口許を見たハインリヒは聞きたくは無かったが、諦めて伝令に顔を向け促した

「……それで?」

「はい、確認出来ました聖殿から僅かではありますが、煙がたちこめております!」


グレンリオと、ハインリヒは最悪だ、
と顔を見合わせたのだった。














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