聖女と団長とその暮らし

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崩壊と創造

そして夜が明ける*2

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グレンリオは伝令を聞いた後、直ちにつかねばまずいことになりそうだ、と直感的に指示を出し、馬車から降り自身の愛馬達と共にハインリヒと数名の隊員と聖殿まで駆けた


見えたのは白く上がる煙だった。



森の中にある上に今は乾期な為、火を放つなんて最悪だが起こってしまったものは仕方がない。
グレンリオは深く考えるのを辞めた。

「あっちゃあー…これって、燃えてますかね?団長…?」

ハインリヒが馬車から飛び出だす前とはうって変わって、困った顔をしながら尋ねてきた。

「……まあ、まだ煙が白いから火を付けたばかりだろうな」

「あらら、グレイ団長考えるの辞めちゃって…」


ハインリヒが白けた様に言ってきたが、ハインリヒもグレンリオ同様落ち着いてきていた。

「まあ、どうせ嫌な予感がしていたんだ。お前も言っていたんだし、予感があたったってだけだ。やはり不吉な事は口に出さない方が良いな。」

「そう言って、毎回口にしてますけどねー。」

「………」

毎回、なんて心外だったが、確かにここぞと言うときはグレンリオの勘が外れたことは無かった。

自身をこき使うご老体2人のお陰で勘が鋭くなったのは事実だったので黙るしかない

「まあ、今回は急な調査だったし時間が限られてたから漏れてていても不思議はないっすけどね!ハイヤー!」

愛馬の鞭を打つハインリヒが言うのは最もである。

今回の件が王の耳に届いたのは、ある貴族からの密告からであったからだ。

貴族と教会に蔓延る罪が露見したのはその者のお陰だが、調べるほどに王家に害を与えている貴族達との癒着が浮き彫りになるが、決定的証拠が出なく、それでも大々的に捕縛出来なかったが、数名の貴族はすでに別の罪で捉えてある。

しかし政治にも騎士団にも貴族はごまんと居る。
そんななかで情報統制していても、何処で何が漏れたか、なんて国教であるからこそわかり得ない。

確かな事は、今現在、白い煙から灰色に変わり始めた聖殿の中に、被害者と加害者、そして証拠がある。と言うことだ。

「煙が上がったと言うことは、そう言う事だろうがな……!」

グレンリオは吼えた。
信頼出来る部隊数隊ではあるが、それでも大所帯で進行しいては直ぐに露見して当たり前だが、それでも……

「ハインリヒ補佐官!今より聖殿内に突入するが、フェイルズとジェッズと共に中の被害を確認の上、後方より来る部隊と合流!その後の指揮をとれ!」

「承知しました!」

ハインリヒは、この隠れ脳筋め…と思ったが、
こらえて高らかに返事を返した

「私はそのまま、残りの3人と聖殿のてっぺんを叩いてくる!エドガー!ガーラン!シュスコ!行くぞ!!」

「「「はい!」」」

聖殿内から慌ただしく叫ぶ声が、徐々に、だがはっきりと聞こえていたグレンリオの怒りを再燃させていたのだ。

「フェイルズ!馬を頼む!ジェッズ!外に居る人間に状況を確認!」

「マルコリーニ補佐官直ぐに戻りますので、置いていかないで下さいよ!」

ハインリヒよりお調子者で良き飲み仲間のフェイルズが走り去った


先頭切ってドアを蹴破り中に入って行ったグレンリオを送り出したハインリヒは我慢出来ずに小さく呟くのだ

「ほんっっとに、グレイは澄ましてる癖に容量越えると脳筋だ……」









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