聖女と団長とその暮らし

meeero

文字の大きさ
3 / 8
崩壊と創造

そして夜が明ける*2

しおりを挟む


グレンリオは伝令を聞いた後、直ちにつかねばまずいことになりそうだ、と直感的に指示を出し、馬車から降り自身の愛馬達と共にハインリヒと数名の隊員と聖殿まで駆けた


見えたのは白く上がる煙だった。



森の中にある上に今は乾期な為、火を放つなんて最悪だが起こってしまったものは仕方がない。
グレンリオは深く考えるのを辞めた。

「あっちゃあー…これって、燃えてますかね?団長…?」

ハインリヒが馬車から飛び出だす前とはうって変わって、困った顔をしながら尋ねてきた。

「……まあ、まだ煙が白いから火を付けたばかりだろうな」

「あらら、グレイ団長考えるの辞めちゃって…」


ハインリヒが白けた様に言ってきたが、ハインリヒもグレンリオ同様落ち着いてきていた。

「まあ、どうせ嫌な予感がしていたんだ。お前も言っていたんだし、予感があたったってだけだ。やはり不吉な事は口に出さない方が良いな。」

「そう言って、毎回口にしてますけどねー。」

「………」

毎回、なんて心外だったが、確かにここぞと言うときはグレンリオの勘が外れたことは無かった。

自身をこき使うご老体2人のお陰で勘が鋭くなったのは事実だったので黙るしかない

「まあ、今回は急な調査だったし時間が限られてたから漏れてていても不思議はないっすけどね!ハイヤー!」

愛馬の鞭を打つハインリヒが言うのは最もである。

今回の件が王の耳に届いたのは、ある貴族からの密告からであったからだ。

貴族と教会に蔓延る罪が露見したのはその者のお陰だが、調べるほどに王家に害を与えている貴族達との癒着が浮き彫りになるが、決定的証拠が出なく、それでも大々的に捕縛出来なかったが、数名の貴族はすでに別の罪で捉えてある。

しかし政治にも騎士団にも貴族はごまんと居る。
そんななかで情報統制していても、何処で何が漏れたか、なんて国教であるからこそわかり得ない。

確かな事は、今現在、白い煙から灰色に変わり始めた聖殿の中に、被害者と加害者、そして証拠がある。と言うことだ。

「煙が上がったと言うことは、そう言う事だろうがな……!」

グレンリオは吼えた。
信頼出来る部隊数隊ではあるが、それでも大所帯で進行しいては直ぐに露見して当たり前だが、それでも……

「ハインリヒ補佐官!今より聖殿内に突入するが、フェイルズとジェッズと共に中の被害を確認の上、後方より来る部隊と合流!その後の指揮をとれ!」

「承知しました!」

ハインリヒは、この隠れ脳筋め…と思ったが、
こらえて高らかに返事を返した

「私はそのまま、残りの3人と聖殿のてっぺんを叩いてくる!エドガー!ガーラン!シュスコ!行くぞ!!」

「「「はい!」」」

聖殿内から慌ただしく叫ぶ声が、徐々に、だがはっきりと聞こえていたグレンリオの怒りを再燃させていたのだ。

「フェイルズ!馬を頼む!ジェッズ!外に居る人間に状況を確認!」

「マルコリーニ補佐官直ぐに戻りますので、置いていかないで下さいよ!」

ハインリヒよりお調子者で良き飲み仲間のフェイルズが走り去った


先頭切ってドアを蹴破り中に入って行ったグレンリオを送り出したハインリヒは我慢出来ずに小さく呟くのだ

「ほんっっとに、グレイは澄ましてる癖に容量越えると脳筋だ……」









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる

若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ! 数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。 跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。 両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。 ――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう! エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。 彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。 ――結婚の約束、しただろう? 昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。 (わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?) 記憶がない。記憶にない。 姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない! 都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。 若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。 後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。 (そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?) ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。 エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。 だから。 この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し? 弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに? ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。

処理中です...