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▽3
朝くらい、自分の力で起床したかったが、無理だった。
布団の中で起きたくない、とむにゃむにゃやっていると、いつものように抱え上げられ、食卓に座らされる。
「塔を見に行くんだろう。準備をしないと、見て回る時間が減る」
「ふぁい…………」
考え事をして寝付けなかった、だなんて、言えばまた怒られること請け合いだ。気取られないよう、いつもより気合いを入れて食事を取った。
朝食の片付けを終えると、いつの間にか増えていた服を着せられ、ローブを被せられる。俺自身は魔術師と名乗れるほど魔術が上手くはないが、魔術師が纏うローブは丈夫で、汚れても目立たない鼠色が気に入っていた。
レグルスも肌の出ない服装とブーツ、そして腰に帯刀していた。鞄の他に、背にも弓と矢筒を背負っている。
「イオは馬に乗れるか?」
「ああ。訓練された馬なら、ある程度は」
「良かった。今日は二人乗りの鞍を用意した。負荷軽減の魔術が掛かっているし、イオの重さなら問題ないだろう」
確かに、大人二人、というのは、それこそ妖精に片足突っ込むような馬でなければ重労働だろう。
鞍の魔術を確認し、念のため魔力を込めて調整する。リギア家お抱えの魔術師の技だろうか、無駄のない生真面目な術式だった。
主人が馬を宥めている間に、鐙を履き、鞍へと腰掛ける。穏やかな性格のようで、俺が乗っても動揺する様子はない。
「この馬、大層な修羅場を潜っているんじゃないか」
「ああ。監視者として赴任する前は、前線ではないが、戦場にいたんだ。その時に会った馬で、功績を盾に譲り受けた」
「……監視者を辞めたら。また、戦場に戻るのか?」
俺の表情があんまりだったのだろうか、レグルスは黙って鞍に跨がった。俺を抱え込むように、手綱を握る。
「大きな怪我をして、領主様から、行き過ぎだと怒られた。目に見える範囲で働くよう厳命されている、これからは隠居生活だ」
レグルスはそう言うと、馬の様子を確認し、脚を動かす。馬体が歩みを始める。急ぐ予定でもないためか、移動はゆっくりとしたものだ。
心地のいい揺れを感じながら、周囲を眺める。視界が高い。自分が別物にでもなったみたいだ。
三重の壁に設けられた扉は、馬が近づくと動作音と共に扉を開く。俺が近づいてもこうはならず、おそらく、レグルスと俺を識別する仕組みが存在している。
跳ね橋に近付くと、レグルスは指を立て、特定の動きをした。カシャン、と何かが動いた音がして、橋桁が動き始める。
堀を跨ぐように橋が架かり、扉が開いた。
「これ、俺が覚えたら逃走できるんじゃないか?」
「特定の人でないと無理だ」
「へえ。やっぱり、扉も含め、人を識別する仕組みがあるのか」
俺がそう言うと、あからさまに背後で迂闊なことを言った、というような空気になる。
「脱走したりしないから、安心してくれよ」
「まあ。うん、その辺りは信用……しているんだがな……、職務上、な」
「はは。余計なこと漏らしたよなぁ。魔術師なんかは、こういうところから情報を拾って、装置の技術を探るんだ。注意しておけよ」
あぁ、と返事をする声にも覇気がない。
馬の蹄が橋桁を叩く音を聞きながら、堀に満ちる水面を眺める。
この堀の隅に湧水場所があり、堀を経由して川となって下流へと流れる。堀、と呼ぶには美しい水面は、陽光を反射して白く光る。
のんびりと眺め、馬に揺られた。
しばらく馬を歩かせ、振り返ると、深い森の中でも塔は隠れることなく存在を主張している。
「うちの塔と壁、森の中でも目立つな。人が近づいたりしないのか?」
「近づいたりはしないだろう。立ち入った者は帰ってこない、という噂になっているからな」
「俺がいるからか?」
「…………そうだ」
レグルスは誤魔化す言葉を考えてみたようだが、思い当たらなかったらしく、素直に肯定した。
俺が数年おとなしくしている間に、人が語る俺は、怪物のように育ってしまっているようだ。伝承はこうやって、形作られていくのかもしれない。
僅かに整った獣道を、馬は器用に歩いていく。途中で休憩を挟みつつ、目的地である白亜の塔へと向かった。
到着したのは昼頃だ。急がなかったとはいえ、往復で一日掛かりである。
「綺麗な塔だなぁ……」
星見台のあるうちの塔は黒が基調であり、要塞のような面構えをしている。対してこちらの『白亜の塔』は優美で、森の中にひっそりと頭を覗かせていた。
館に併設された厩舎に連れてきた馬を繋ぎ、新鮮な水と積んできた牧草を与える。馬が休息を取り始めたのを確認して、俺たちは塔へと歩みを進めた。
塔と、向かって右手にある館は空中廊で繋がれており、行き来ができる造りだ。こんなに近いと、塔が崩れた際には館も巻き込んで崩れかねない。
館と反対側、向かって左手側には崖だ。地肌が現れており、擁壁などで保護されてもいなかった。
塔と崖の間には、他よりも低い建物が一つある。
塔が崖側に倒れてくれるならいい、とも言えない。塔は高く、倒れれば左手側にある建物を押し潰して崖まで届く。
崖を破壊して落石などが起きれば、逆側にある館にまで被害が広がる恐れがあった。
「こんなとこ、よく建てたな」
崖の位置と、館と塔が隣接している事を指摘する。彼も頷き返した。
「交易路から立ち寄りやすい立地なんだ。だが、確かにもっと崖から離すべきだったな」
「崖と塔の間にある建物はなんだ? あの建物が一番危なく見える」
「舞踏場……主に舞踏会を行う時に使う会場だ」
俺の眉が寄ったのが分かったのか、レグルスは肩を竦める。
「イオも、舞踏場が危ない、って言いたいんだろう?」
「塔が倒れて、舞踏場を押し潰して、死人、というのが一番ありえそうな話だ」
「私もそう思った。塔を見に行くか」
嫌な方向に意見が合った。
塔に辿り着くと、レグルスが取り出した鍵で、内部へ続く扉を開ける。キイ、と手入れされていない蝶番の音が響くと、埃っぽいにおいが漂う。
内部は何も無く、屋上の展望台へと続く螺旋階段が存在しているだけだった。
「上がってもいいか?」
「ああ。少し移動に時間が掛かるが」
きょろきょろと周囲を見渡すが、妖精の気配がしない。新しい建物ではあるが、木材はこの周辺の木々を使用したはずだ。
それなら、きっと住処としていた妖精が移り住んでいる筈なのだが。
「どうした?」
「いや。ここ、妖精たちがいないなあ……って」
「いるものなのか?」
「これだけ大きな建物なら、いると思ったんだけどな。いたほうが、建物と永く付き合える」
探すことは諦め、二人して階段を登った。
確かに展望台までは遠すぎる。登って外を眺めるには向かず、権力の誇示だとか、外観の美しさのために建てたものでは、と邪推する。
俺がぜいぜい言い始めると、レグルスは背を押してくれた。休憩を挟みつつ、展望台まで登り切る。
展望台は白い石で出来た床が円状に広がっており、太陽の光を反射して眩しく映る。
「ああ……! しんどかった……!」
外界を隔てる柵に掴まり、しゃがみ込む。しばらく歩きたくもない。
レグルスは平然とした様子で柵に手を置くと、外を眺めた。
「近くの町が見える。崖側の展望はあまり良くないな」
「だよなあ。あの崖、頭のとこ木が生えてなくて見栄えが良くない」
俺は、舞踏場を見下ろした。館とは屋根の色が違っている。外観の雰囲気も、館と見比べるとずいぶん違っていた。
「館の方が落ち着いた造りっていうか。全然、違うんだな」
「そうだな。建築時期は館の方が先で、その後……というか、ここ最近、舞踏場を建てたらしい」
「塔と館は、建てた時期が近い?」
「同時期だ。舞踏場の需要が出来て、後から建て増した形になる」
ふぅん、と座り込んだまま、二つの建物を見比べる。館、塔への魔力の流れは、まあ普通だ。大きな建物を建てればそう流れる、という『うねり』をしている。
ただ、あの舞踏場側は明らかに変だ。魔力が滞留して、どこにも行けない。周囲の自然から力が流れないし、溜まった力も流れ出ていかない。
「この塔はおかしくない。妖精たちがいないのは気になるが、まあ、ある話だ。館も同じ。だけど、あの舞踏場、明らかに変だな」
「変?」
「魔力の流れ。館と塔は川なら、あの舞踏場は溜池だ」
「淀みやすい、のか。……舞踏場の鍵も預かっている、入ってみよう」
すぐに階段へ向かおうとしたレグルスの裾を引く。
へらり、と笑いつつ、眉を下げた。
「……体力が少ないもんで。休ませてくれ」
「気が利かなくて、すまない。じゃあ、ここで昼食にしよう」
彼は提げていた鞄から、蓋付きの小籠を取り出す。水筒から蓋に、飲み物が注がれた。
籠にはパンに切り込みを入れ、色とりどりの具材を挟んだものと、果物が詰めてある。つい、手を合わせてしまった。
「綺麗。そんで、美味そう!」
「良かった。イオを連れ回すことになったから、少しでも体力を取り戻して貰わないとな」
一番好きな具材が詰まった品が取り分けられ、小皿に移される。干し肉を軽く炙ったものに味付けされた一品だった。
「俺の食の好み。完全に把握してるよな」
「当然だ。そうでもしないと、食べなかったから」
「……どう謝ったら許されるんだろ」
「もう少し太ってくれたら、あの時の苦労もすべて忘れる」
「これでも、ふっくらしたんだけどな」
服を捲りあげて腹を見せると、レグルスは慌てたように服を掴んで下ろした。
ぱちぱちと瞬きをして、浮かべていた手を下ろす。
「別に。外だけどいいだろ、レグルスしか見てないんだし」
「私が見ているんだから駄目だ……!」
ふい、と顔を逸らしてしまった男に、頬を脹らませながらパンを頬張る。
彼の努力の結果、健康的になった所を見せたかったのに。美味しいはずの料理を、美味しい、と手放しに褒めることもできない。
お互い、普段よりも静かに昼食は終わった。
「じゃあ、今度こそ行くぞ」
「降りるのも怠いな……」
ぶつぶつと文句を言いつつ、レグルスの後に続く。
登りは後ろ、下りは先。俺は彼にとって守るべき存在らしい。不幸ばかりしか読めない不出来な星読師だというのに、彼は、そんな俺でさえ守ってくれる。
最後の一段を降りると、カツン、と踵が鳴った。
「舞踏場の鍵、ってことは、普段は施錠されている?」
「勿論だ。この敷地内の建物はすべて、鍵を領主様の屋敷で保管している」
「じゃあ、塔が倒れる仕掛けをするとしたら、外からになるのか」
塔に鍵を掛け、舞踏場の建物へと向かう。
然程歩くことなく辿り着くと、レグルスが鍵を使った。あまり開かれる場所でもないようで、錠の動きは滑らかではない。
大きな扉を開くと、やはり埃っぽいにおいがする。
「広いな……! でも、人の出入りは無さそうだ」
円形の高い天井は白く、側面には窓がいくつも設けられている。側面には美しい図柄が描かれ、今は何もない床は気圧されるほど広い。
人の出入りが少ない所為か、床には埃が積もっている。俺は一歩、床に足を着け、離した。
くっきりと靴跡が残る。
「この建物に魔力が滞っている、のは、元々の造りの所為か?」
「だと思う。隣も崖で、魔力が出ていく余地が少ないしな。建てた後、人為的な何かによって、って訳じゃなさそうだ」
あれ? と違和感を覚えた。ぼそり、ぼそりと何かが鳴っている。
レグルスの口元に、背伸びをして手を添えた。彼は意図に気づいたのか、押し黙る。
『……… ─── ………』
やっぱり、妖精の声が鳴っている。塔にはいないのに、こちらには居るのだ。
「ここ、妖精がいる。けど、人と会話するのに慣れてないな。言葉が聞き取れない」
「それは……。聞いた方がいいのか?」
「人が気づいていない、魔力の流れを説明してくれたりするんだ。それに、語りかけてきてる、ってことは、伝えたいことがあるんだろうし」
腕組みをして、どうしたものか、と悩む。しばらく考えてみたが、よい方法が思い付かなかった。
塔の妖精たちは人慣れしている。人の波を真似、伝わりやすい言葉の波を知っている。この舞踏場は人の出入りが少なく、会話を学ぶことも難しいだろう。
「取りあえず、中、見てみるか。話が伝わらなくても、言いたいことが分かるかもしれない」
それからレグルスと二人で建物内を見て回ったが、何かを見つけることはできなかった。帰りの時間を考えると、館を見て回る時間は残らない。
また翌日に、と課題を先送りすることに決めた。
舞踏場を出て、厩舎に馬を迎えに行く。すると、馬が三頭に増えていた。
「あれ?」
遠目からその様子を見た俺が首を傾げると、レグルスは近くに停まっている馬車を指差す。
「あれは、ミネラヴァ……様の馬車だな」
「その言い方……、領主の娘か? 舞踏会で婚約発表をする」
「名前、知らなかったのか?」
「当たり前だろ。リギア家だって最近覚えた」
レグルスの裾を掴み、歩みを止める。
「隠れた方がいいか?」
「いや、領主様から許可は得ている。後ろ暗い事もないが、一応、挨拶だけはして帰ろうと思うんだが」
「そうだよな。……ええと、俺は馬の近くで待とうか」
「…………ミネラヴァ様は目に見えないものを信じやすいところがある、その方が、良いかもしれないな」
領主の娘は、俺の事を、不幸を呼ぶ、と信じているらしい。更に会う気が失せた。
俺は馬に歩み寄ると、その体を撫でる。馬は行きの疲れが取れたのか、軽く足踏みをしていた。
じゃあ、と別れる算段を立てたところで、背後から声が掛かる。
「レグルス!? …………貴方も調査に?」
館から、ドレス姿の女性が出てきたところだった。
春を先取りしたような色味の服に、長い赤毛を綺麗に巻き、編み上げている。まだ成人したばかりだろう、可愛らしい顔には幼さが残っていた。
あれ、と何か引っかかるものがあったのだが、俺の頭はそれを見つけられはしなかった。
「はい、ミネラヴァ様。先日、……あまり良くない、星読みの結果が出てしまい……そのような事が起こらぬように、と」
ちらり、ちらりと俺を窺いつつ発せられる言葉に、気にするな、というようにこっそり手を振った。
良くない結果、不幸な結果を読んだ、のは間違いない。
「助かるわ。わたくしも、何か分からないか、と塔を見に来たの」
おそらく、俺たちとは入れ違いに塔に入ったようだった。
彼女の瞳が、俺を捉える。一瞬でおおきな瞳が細められ、睨め付けられた、ような気さえした。
「けれど、何もなかったわ。きっと、この塔の事ではないのでしょう。レグルスも、あまり根を詰めすぎないようにね」
「分かりました。領主様と相談の上、開かれる舞踏会に影響が無いようにいたします」
「ありがとう。……何だか、今日はいつもと違って────」
「では、失礼します」
失礼なのはこっちだ、と言いたくなるほど、ばっさりとレグルスは言葉を切り、一礼して踵を返した。
話が終わると、ミネラヴァの瞳はじっとりと俺を捉える。あまり良い感情が向けられているようには思えず、逃げるように馬に跨がった。
朝くらい、自分の力で起床したかったが、無理だった。
布団の中で起きたくない、とむにゃむにゃやっていると、いつものように抱え上げられ、食卓に座らされる。
「塔を見に行くんだろう。準備をしないと、見て回る時間が減る」
「ふぁい…………」
考え事をして寝付けなかった、だなんて、言えばまた怒られること請け合いだ。気取られないよう、いつもより気合いを入れて食事を取った。
朝食の片付けを終えると、いつの間にか増えていた服を着せられ、ローブを被せられる。俺自身は魔術師と名乗れるほど魔術が上手くはないが、魔術師が纏うローブは丈夫で、汚れても目立たない鼠色が気に入っていた。
レグルスも肌の出ない服装とブーツ、そして腰に帯刀していた。鞄の他に、背にも弓と矢筒を背負っている。
「イオは馬に乗れるか?」
「ああ。訓練された馬なら、ある程度は」
「良かった。今日は二人乗りの鞍を用意した。負荷軽減の魔術が掛かっているし、イオの重さなら問題ないだろう」
確かに、大人二人、というのは、それこそ妖精に片足突っ込むような馬でなければ重労働だろう。
鞍の魔術を確認し、念のため魔力を込めて調整する。リギア家お抱えの魔術師の技だろうか、無駄のない生真面目な術式だった。
主人が馬を宥めている間に、鐙を履き、鞍へと腰掛ける。穏やかな性格のようで、俺が乗っても動揺する様子はない。
「この馬、大層な修羅場を潜っているんじゃないか」
「ああ。監視者として赴任する前は、前線ではないが、戦場にいたんだ。その時に会った馬で、功績を盾に譲り受けた」
「……監視者を辞めたら。また、戦場に戻るのか?」
俺の表情があんまりだったのだろうか、レグルスは黙って鞍に跨がった。俺を抱え込むように、手綱を握る。
「大きな怪我をして、領主様から、行き過ぎだと怒られた。目に見える範囲で働くよう厳命されている、これからは隠居生活だ」
レグルスはそう言うと、馬の様子を確認し、脚を動かす。馬体が歩みを始める。急ぐ予定でもないためか、移動はゆっくりとしたものだ。
心地のいい揺れを感じながら、周囲を眺める。視界が高い。自分が別物にでもなったみたいだ。
三重の壁に設けられた扉は、馬が近づくと動作音と共に扉を開く。俺が近づいてもこうはならず、おそらく、レグルスと俺を識別する仕組みが存在している。
跳ね橋に近付くと、レグルスは指を立て、特定の動きをした。カシャン、と何かが動いた音がして、橋桁が動き始める。
堀を跨ぐように橋が架かり、扉が開いた。
「これ、俺が覚えたら逃走できるんじゃないか?」
「特定の人でないと無理だ」
「へえ。やっぱり、扉も含め、人を識別する仕組みがあるのか」
俺がそう言うと、あからさまに背後で迂闊なことを言った、というような空気になる。
「脱走したりしないから、安心してくれよ」
「まあ。うん、その辺りは信用……しているんだがな……、職務上、な」
「はは。余計なこと漏らしたよなぁ。魔術師なんかは、こういうところから情報を拾って、装置の技術を探るんだ。注意しておけよ」
あぁ、と返事をする声にも覇気がない。
馬の蹄が橋桁を叩く音を聞きながら、堀に満ちる水面を眺める。
この堀の隅に湧水場所があり、堀を経由して川となって下流へと流れる。堀、と呼ぶには美しい水面は、陽光を反射して白く光る。
のんびりと眺め、馬に揺られた。
しばらく馬を歩かせ、振り返ると、深い森の中でも塔は隠れることなく存在を主張している。
「うちの塔と壁、森の中でも目立つな。人が近づいたりしないのか?」
「近づいたりはしないだろう。立ち入った者は帰ってこない、という噂になっているからな」
「俺がいるからか?」
「…………そうだ」
レグルスは誤魔化す言葉を考えてみたようだが、思い当たらなかったらしく、素直に肯定した。
俺が数年おとなしくしている間に、人が語る俺は、怪物のように育ってしまっているようだ。伝承はこうやって、形作られていくのかもしれない。
僅かに整った獣道を、馬は器用に歩いていく。途中で休憩を挟みつつ、目的地である白亜の塔へと向かった。
到着したのは昼頃だ。急がなかったとはいえ、往復で一日掛かりである。
「綺麗な塔だなぁ……」
星見台のあるうちの塔は黒が基調であり、要塞のような面構えをしている。対してこちらの『白亜の塔』は優美で、森の中にひっそりと頭を覗かせていた。
館に併設された厩舎に連れてきた馬を繋ぎ、新鮮な水と積んできた牧草を与える。馬が休息を取り始めたのを確認して、俺たちは塔へと歩みを進めた。
塔と、向かって右手にある館は空中廊で繋がれており、行き来ができる造りだ。こんなに近いと、塔が崩れた際には館も巻き込んで崩れかねない。
館と反対側、向かって左手側には崖だ。地肌が現れており、擁壁などで保護されてもいなかった。
塔と崖の間には、他よりも低い建物が一つある。
塔が崖側に倒れてくれるならいい、とも言えない。塔は高く、倒れれば左手側にある建物を押し潰して崖まで届く。
崖を破壊して落石などが起きれば、逆側にある館にまで被害が広がる恐れがあった。
「こんなとこ、よく建てたな」
崖の位置と、館と塔が隣接している事を指摘する。彼も頷き返した。
「交易路から立ち寄りやすい立地なんだ。だが、確かにもっと崖から離すべきだったな」
「崖と塔の間にある建物はなんだ? あの建物が一番危なく見える」
「舞踏場……主に舞踏会を行う時に使う会場だ」
俺の眉が寄ったのが分かったのか、レグルスは肩を竦める。
「イオも、舞踏場が危ない、って言いたいんだろう?」
「塔が倒れて、舞踏場を押し潰して、死人、というのが一番ありえそうな話だ」
「私もそう思った。塔を見に行くか」
嫌な方向に意見が合った。
塔に辿り着くと、レグルスが取り出した鍵で、内部へ続く扉を開ける。キイ、と手入れされていない蝶番の音が響くと、埃っぽいにおいが漂う。
内部は何も無く、屋上の展望台へと続く螺旋階段が存在しているだけだった。
「上がってもいいか?」
「ああ。少し移動に時間が掛かるが」
きょろきょろと周囲を見渡すが、妖精の気配がしない。新しい建物ではあるが、木材はこの周辺の木々を使用したはずだ。
それなら、きっと住処としていた妖精が移り住んでいる筈なのだが。
「どうした?」
「いや。ここ、妖精たちがいないなあ……って」
「いるものなのか?」
「これだけ大きな建物なら、いると思ったんだけどな。いたほうが、建物と永く付き合える」
探すことは諦め、二人して階段を登った。
確かに展望台までは遠すぎる。登って外を眺めるには向かず、権力の誇示だとか、外観の美しさのために建てたものでは、と邪推する。
俺がぜいぜい言い始めると、レグルスは背を押してくれた。休憩を挟みつつ、展望台まで登り切る。
展望台は白い石で出来た床が円状に広がっており、太陽の光を反射して眩しく映る。
「ああ……! しんどかった……!」
外界を隔てる柵に掴まり、しゃがみ込む。しばらく歩きたくもない。
レグルスは平然とした様子で柵に手を置くと、外を眺めた。
「近くの町が見える。崖側の展望はあまり良くないな」
「だよなあ。あの崖、頭のとこ木が生えてなくて見栄えが良くない」
俺は、舞踏場を見下ろした。館とは屋根の色が違っている。外観の雰囲気も、館と見比べるとずいぶん違っていた。
「館の方が落ち着いた造りっていうか。全然、違うんだな」
「そうだな。建築時期は館の方が先で、その後……というか、ここ最近、舞踏場を建てたらしい」
「塔と館は、建てた時期が近い?」
「同時期だ。舞踏場の需要が出来て、後から建て増した形になる」
ふぅん、と座り込んだまま、二つの建物を見比べる。館、塔への魔力の流れは、まあ普通だ。大きな建物を建てればそう流れる、という『うねり』をしている。
ただ、あの舞踏場側は明らかに変だ。魔力が滞留して、どこにも行けない。周囲の自然から力が流れないし、溜まった力も流れ出ていかない。
「この塔はおかしくない。妖精たちがいないのは気になるが、まあ、ある話だ。館も同じ。だけど、あの舞踏場、明らかに変だな」
「変?」
「魔力の流れ。館と塔は川なら、あの舞踏場は溜池だ」
「淀みやすい、のか。……舞踏場の鍵も預かっている、入ってみよう」
すぐに階段へ向かおうとしたレグルスの裾を引く。
へらり、と笑いつつ、眉を下げた。
「……体力が少ないもんで。休ませてくれ」
「気が利かなくて、すまない。じゃあ、ここで昼食にしよう」
彼は提げていた鞄から、蓋付きの小籠を取り出す。水筒から蓋に、飲み物が注がれた。
籠にはパンに切り込みを入れ、色とりどりの具材を挟んだものと、果物が詰めてある。つい、手を合わせてしまった。
「綺麗。そんで、美味そう!」
「良かった。イオを連れ回すことになったから、少しでも体力を取り戻して貰わないとな」
一番好きな具材が詰まった品が取り分けられ、小皿に移される。干し肉を軽く炙ったものに味付けされた一品だった。
「俺の食の好み。完全に把握してるよな」
「当然だ。そうでもしないと、食べなかったから」
「……どう謝ったら許されるんだろ」
「もう少し太ってくれたら、あの時の苦労もすべて忘れる」
「これでも、ふっくらしたんだけどな」
服を捲りあげて腹を見せると、レグルスは慌てたように服を掴んで下ろした。
ぱちぱちと瞬きをして、浮かべていた手を下ろす。
「別に。外だけどいいだろ、レグルスしか見てないんだし」
「私が見ているんだから駄目だ……!」
ふい、と顔を逸らしてしまった男に、頬を脹らませながらパンを頬張る。
彼の努力の結果、健康的になった所を見せたかったのに。美味しいはずの料理を、美味しい、と手放しに褒めることもできない。
お互い、普段よりも静かに昼食は終わった。
「じゃあ、今度こそ行くぞ」
「降りるのも怠いな……」
ぶつぶつと文句を言いつつ、レグルスの後に続く。
登りは後ろ、下りは先。俺は彼にとって守るべき存在らしい。不幸ばかりしか読めない不出来な星読師だというのに、彼は、そんな俺でさえ守ってくれる。
最後の一段を降りると、カツン、と踵が鳴った。
「舞踏場の鍵、ってことは、普段は施錠されている?」
「勿論だ。この敷地内の建物はすべて、鍵を領主様の屋敷で保管している」
「じゃあ、塔が倒れる仕掛けをするとしたら、外からになるのか」
塔に鍵を掛け、舞踏場の建物へと向かう。
然程歩くことなく辿り着くと、レグルスが鍵を使った。あまり開かれる場所でもないようで、錠の動きは滑らかではない。
大きな扉を開くと、やはり埃っぽいにおいがする。
「広いな……! でも、人の出入りは無さそうだ」
円形の高い天井は白く、側面には窓がいくつも設けられている。側面には美しい図柄が描かれ、今は何もない床は気圧されるほど広い。
人の出入りが少ない所為か、床には埃が積もっている。俺は一歩、床に足を着け、離した。
くっきりと靴跡が残る。
「この建物に魔力が滞っている、のは、元々の造りの所為か?」
「だと思う。隣も崖で、魔力が出ていく余地が少ないしな。建てた後、人為的な何かによって、って訳じゃなさそうだ」
あれ? と違和感を覚えた。ぼそり、ぼそりと何かが鳴っている。
レグルスの口元に、背伸びをして手を添えた。彼は意図に気づいたのか、押し黙る。
『……… ─── ………』
やっぱり、妖精の声が鳴っている。塔にはいないのに、こちらには居るのだ。
「ここ、妖精がいる。けど、人と会話するのに慣れてないな。言葉が聞き取れない」
「それは……。聞いた方がいいのか?」
「人が気づいていない、魔力の流れを説明してくれたりするんだ。それに、語りかけてきてる、ってことは、伝えたいことがあるんだろうし」
腕組みをして、どうしたものか、と悩む。しばらく考えてみたが、よい方法が思い付かなかった。
塔の妖精たちは人慣れしている。人の波を真似、伝わりやすい言葉の波を知っている。この舞踏場は人の出入りが少なく、会話を学ぶことも難しいだろう。
「取りあえず、中、見てみるか。話が伝わらなくても、言いたいことが分かるかもしれない」
それからレグルスと二人で建物内を見て回ったが、何かを見つけることはできなかった。帰りの時間を考えると、館を見て回る時間は残らない。
また翌日に、と課題を先送りすることに決めた。
舞踏場を出て、厩舎に馬を迎えに行く。すると、馬が三頭に増えていた。
「あれ?」
遠目からその様子を見た俺が首を傾げると、レグルスは近くに停まっている馬車を指差す。
「あれは、ミネラヴァ……様の馬車だな」
「その言い方……、領主の娘か? 舞踏会で婚約発表をする」
「名前、知らなかったのか?」
「当たり前だろ。リギア家だって最近覚えた」
レグルスの裾を掴み、歩みを止める。
「隠れた方がいいか?」
「いや、領主様から許可は得ている。後ろ暗い事もないが、一応、挨拶だけはして帰ろうと思うんだが」
「そうだよな。……ええと、俺は馬の近くで待とうか」
「…………ミネラヴァ様は目に見えないものを信じやすいところがある、その方が、良いかもしれないな」
領主の娘は、俺の事を、不幸を呼ぶ、と信じているらしい。更に会う気が失せた。
俺は馬に歩み寄ると、その体を撫でる。馬は行きの疲れが取れたのか、軽く足踏みをしていた。
じゃあ、と別れる算段を立てたところで、背後から声が掛かる。
「レグルス!? …………貴方も調査に?」
館から、ドレス姿の女性が出てきたところだった。
春を先取りしたような色味の服に、長い赤毛を綺麗に巻き、編み上げている。まだ成人したばかりだろう、可愛らしい顔には幼さが残っていた。
あれ、と何か引っかかるものがあったのだが、俺の頭はそれを見つけられはしなかった。
「はい、ミネラヴァ様。先日、……あまり良くない、星読みの結果が出てしまい……そのような事が起こらぬように、と」
ちらり、ちらりと俺を窺いつつ発せられる言葉に、気にするな、というようにこっそり手を振った。
良くない結果、不幸な結果を読んだ、のは間違いない。
「助かるわ。わたくしも、何か分からないか、と塔を見に来たの」
おそらく、俺たちとは入れ違いに塔に入ったようだった。
彼女の瞳が、俺を捉える。一瞬でおおきな瞳が細められ、睨め付けられた、ような気さえした。
「けれど、何もなかったわ。きっと、この塔の事ではないのでしょう。レグルスも、あまり根を詰めすぎないようにね」
「分かりました。領主様と相談の上、開かれる舞踏会に影響が無いようにいたします」
「ありがとう。……何だか、今日はいつもと違って────」
「では、失礼します」
失礼なのはこっちだ、と言いたくなるほど、ばっさりとレグルスは言葉を切り、一礼して踵を返した。
話が終わると、ミネラヴァの瞳はじっとりと俺を捉える。あまり良い感情が向けられているようには思えず、逃げるように馬に跨がった。
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