32 / 32
32、バッドエンドのその先
「――お兄様! 早く!」
「待て、イザベル。走ったら転ぶ!」
幼い娘が駆け出すのを叱る親のようにフェリクスが注意する。
純白の花嫁衣装の裾をつまんで走っていたイザベルが立ち止まって、拗ねたように言い返した。
「もう、お兄様。結婚式でも変わらないんだから」
「お前だって私の妻になったというのにまだお兄様と呼んでいる」
「だってお兄様はお兄様だもの。……でも、これからは人前では旦那様、フェリクス、って呼ぶわ」
イザベルは甘えるように兄の腕に絡みつき、背伸びして耳元で甘く告げる。
「それで二人きりの時はお兄様って、呼ばせて?」
二人きりの時というと、やはり閨事を想像してしまうのか、あの生真面目な――大勢の女性に言い寄られても無表情で対応して妹一筋だったフェリクスが、瞬時に顔を赤くしたので感心する。
「お前はどうしてそういうことを……」
「だめ?」
「いや、だめではないが……」
「ふふ。ではそうしますね」
放っておけばいつまでも二人の世界に浸っていそうなので、そろそろ邪魔させてもらおう。
「あー、お二人とも。式はまだ途中ですから」
兄妹はそろってこちらを見た。
「あら、シャルル。いたの」
「先ほどからずっといましたが……」
「覗き見とは無粋だな」
「声をかけるタイミングを窺っていたんです!」
二人がイチャイチャして入る隙がなかったのだ。
「それはごめんなさい」
「しかし愛を誓い合った二人が盛り上がるのは普通じゃないか?」
「それはそうですけれど……いえ、もういいですから、ほら、早く庭の方へ行ってください。みなさんお待ちですから」
二人が挙げた式場はイザベルと自分が初めて会った教会である。てっきり大聖堂で挙げると思っていたが、そこまで派手にしたくないとのことで決めたらしい。
「その前に、シャルル。これ、あなたが受け取って」
イザベルは手にしていた花束をシャルルに渡してくる。
「僕がですか?」
普通は空へ放り投げて参列者の誰かが受け取る。受け取った者が未婚の場合は次に結婚する者だと言われたりしている。
「僕は確かに未婚ですが、ご覧の通り聖職者ですし」
「別に結婚は禁じられていないのでしょう? それに、幸せを分け与えるという意味でもあなたに受け取ってほしいのよ。あなたには、いろいろと助けられたしね」
「イザベル様……」
シャルルが困ったようにフェリクスの方を見れば、受け取ってやれと言うように頷かれた。
「私も、きみには感謝している」
何だか照れ臭い気持ちになったものの、シャルルは素直に受け取ることにした。
(まぁ、いいか。僕も頑張ったといえば、頑張ったからな)
自分の本来の役目はヒロインであるマリオンのサポート役だった。
学院の購買部や教会の聖職者、今回は出てこなかったがパン屋の臨時アルバイトなどに扮し、マリオンがハッピーエンドを迎えられるようキャラを攻略するためのヒントや助言を与えるのだ。
サポート役ゆえ、他の人間には理解できないようなこと――この世界の成り立ちも知っており、正しく理解していた。他のキャラとは少々異なるキャラであるが、すべてヒロインが幸せになるために作られた設定と人格である。
……ただ、今回のヒロインはかなり優秀なのか、自分を頼らずあっさりと攻略キャラの一人と結ばれてしまった。
相手は幼い頃から付き合いのある大工のジョエルである。
彼のルートは特殊で、すべての攻略キャラを網羅したあとでストーリーが解放される。隠し攻略キャラである。彼のルートでは他のキャラたちはほぼ出てこない。悪役のイザベルもだ。
(僕が接触する前にイザベルが自分の未来に関することを夢見ていたのはよくわからないけれど……恐らく、フェリクスの想いが強すぎたからかな)
レーモンを愛する――自分以外の男を愛する人格になるな、というフェリクスの強い気持ちが、イザベルというキャラに衝撃を与えた。あちらの世界で言うならば、バグが生じた。
(そして僕が彼女に触れたことで、記憶がより鮮明に蘇った)
それで、イザベルはここが乙女ゲームの世界であることを思い出した。自分がフェリクス以外の男を愛して破滅することを知って……到底受け入れられないと、本来の人格を維持するため行動を起こした。
だがこの世界は歪みを直そうとして、イザベルがだめならばとレーモンの人格を操ることにした。
もしイザベルがあのままレーモンに冷たく接し続けていたら、彼の心はただ憎悪に染まり、イザベルをもっとあっさり葬っていただろう。
(しかし彼がイザベルを好きになったことで、自分のものにしたい、他の男のものになるならばいっそ殺してしまおう……そんな考えに染まった)
それはまるでバッドエンドを迎えた時のフェリクスのようで……シャルルは内心とても興味深く思った。こんなことイザベルたちに知られれば、白い目で見られそうだが。
(だがレーモンがあれくらいの暴走で留まったのは――ゲームヒロインのマリオンが作ったパンを口にしたからだろうか)
ゲームではイベント――ちょっとしたミニゲームをこなすと、HPが減少する。その際、マリオンが作ったパンを食べるといくらか回復するのだ。
あと後半マリオンに心を開いたレーモンの台詞に、きみのパンを食べると心が優しくなる……と言っていた。もしかすると、抑止力になったのかもしれない。
(ゲームでは、マリオンがイザベルにパンを渡しても、彼女は頑なに受け取らなかった)
恋敵から受け取ったものを誰が食べるものか、という心情はまぁ納得がいく。
ただ前世を思い出したイザベルは偏見なくマリオンのパンを食し、レーモンにも分け与えていた。
(それでもこの世界はイザベルを許さなかったわけだけど……)
イザベルは抗いきれず、レーモンのもとへ行こうとして……フェリクスの激しい嫉妬心と深い愛で元の人格を取り戻した。
(そして最後にハッピーエンドを掴み取ったのは彼女の向こう見ずの行動力だ)
まさか自身の髪をレーモンに切らせるとは……ヒロインにも匹敵するほどの強運と決断力だった。
やはり女性の悪役にしてはキャラ性が強かったので、悪から善に方向性を変えてやれば思わぬ威力で突き抜けてくれた。
(なんにせよ)
「お二人が無事に結ばれたのは、互いを強く思いやり、どんな時でも一途に想い続けたからです。――ご結婚、本当におめでとうございます。どうぞお幸せに」
月並みの言葉であるが、心からそう思う。
どうかこちらが呆れるほど幸せになってほしい。
(物語はやっぱりハッピーエンドの方が好ましい)
彼らのいくつものバッドエンドを知っているだけに余計に。
「ありがとう、シャルル。あなたも早くみんなところに行って、食事を楽しみましょう。今日のために特別なケーキを作ってもらったの。あと、パンもあるわ」
「なるほど。だから、走っていたのか」
「だって、本当に美味しいんだもの。ね、だから早く行きましょう。アランたちに全部食べられてしまうわ」
イザベルはもう待てないとばかりにフェリクスの手を引き、彼もやれやれといった顔をしつつ妹に美味しいものを食べさせてやりたいと走り始めた。
そんな彼にシャルルは一つ提案した。
「フェリクス様。イザベル様を抱えて上げた方がよろしいのでは?」
「なるほど。その方が早いか」
心得たとばかりにフェリクスがイザベルを抱き上げた。イザベルの驚いた、嬉しそうな悲鳴に、シャルルも笑みを零すのだった。
「待て、イザベル。走ったら転ぶ!」
幼い娘が駆け出すのを叱る親のようにフェリクスが注意する。
純白の花嫁衣装の裾をつまんで走っていたイザベルが立ち止まって、拗ねたように言い返した。
「もう、お兄様。結婚式でも変わらないんだから」
「お前だって私の妻になったというのにまだお兄様と呼んでいる」
「だってお兄様はお兄様だもの。……でも、これからは人前では旦那様、フェリクス、って呼ぶわ」
イザベルは甘えるように兄の腕に絡みつき、背伸びして耳元で甘く告げる。
「それで二人きりの時はお兄様って、呼ばせて?」
二人きりの時というと、やはり閨事を想像してしまうのか、あの生真面目な――大勢の女性に言い寄られても無表情で対応して妹一筋だったフェリクスが、瞬時に顔を赤くしたので感心する。
「お前はどうしてそういうことを……」
「だめ?」
「いや、だめではないが……」
「ふふ。ではそうしますね」
放っておけばいつまでも二人の世界に浸っていそうなので、そろそろ邪魔させてもらおう。
「あー、お二人とも。式はまだ途中ですから」
兄妹はそろってこちらを見た。
「あら、シャルル。いたの」
「先ほどからずっといましたが……」
「覗き見とは無粋だな」
「声をかけるタイミングを窺っていたんです!」
二人がイチャイチャして入る隙がなかったのだ。
「それはごめんなさい」
「しかし愛を誓い合った二人が盛り上がるのは普通じゃないか?」
「それはそうですけれど……いえ、もういいですから、ほら、早く庭の方へ行ってください。みなさんお待ちですから」
二人が挙げた式場はイザベルと自分が初めて会った教会である。てっきり大聖堂で挙げると思っていたが、そこまで派手にしたくないとのことで決めたらしい。
「その前に、シャルル。これ、あなたが受け取って」
イザベルは手にしていた花束をシャルルに渡してくる。
「僕がですか?」
普通は空へ放り投げて参列者の誰かが受け取る。受け取った者が未婚の場合は次に結婚する者だと言われたりしている。
「僕は確かに未婚ですが、ご覧の通り聖職者ですし」
「別に結婚は禁じられていないのでしょう? それに、幸せを分け与えるという意味でもあなたに受け取ってほしいのよ。あなたには、いろいろと助けられたしね」
「イザベル様……」
シャルルが困ったようにフェリクスの方を見れば、受け取ってやれと言うように頷かれた。
「私も、きみには感謝している」
何だか照れ臭い気持ちになったものの、シャルルは素直に受け取ることにした。
(まぁ、いいか。僕も頑張ったといえば、頑張ったからな)
自分の本来の役目はヒロインであるマリオンのサポート役だった。
学院の購買部や教会の聖職者、今回は出てこなかったがパン屋の臨時アルバイトなどに扮し、マリオンがハッピーエンドを迎えられるようキャラを攻略するためのヒントや助言を与えるのだ。
サポート役ゆえ、他の人間には理解できないようなこと――この世界の成り立ちも知っており、正しく理解していた。他のキャラとは少々異なるキャラであるが、すべてヒロインが幸せになるために作られた設定と人格である。
……ただ、今回のヒロインはかなり優秀なのか、自分を頼らずあっさりと攻略キャラの一人と結ばれてしまった。
相手は幼い頃から付き合いのある大工のジョエルである。
彼のルートは特殊で、すべての攻略キャラを網羅したあとでストーリーが解放される。隠し攻略キャラである。彼のルートでは他のキャラたちはほぼ出てこない。悪役のイザベルもだ。
(僕が接触する前にイザベルが自分の未来に関することを夢見ていたのはよくわからないけれど……恐らく、フェリクスの想いが強すぎたからかな)
レーモンを愛する――自分以外の男を愛する人格になるな、というフェリクスの強い気持ちが、イザベルというキャラに衝撃を与えた。あちらの世界で言うならば、バグが生じた。
(そして僕が彼女に触れたことで、記憶がより鮮明に蘇った)
それで、イザベルはここが乙女ゲームの世界であることを思い出した。自分がフェリクス以外の男を愛して破滅することを知って……到底受け入れられないと、本来の人格を維持するため行動を起こした。
だがこの世界は歪みを直そうとして、イザベルがだめならばとレーモンの人格を操ることにした。
もしイザベルがあのままレーモンに冷たく接し続けていたら、彼の心はただ憎悪に染まり、イザベルをもっとあっさり葬っていただろう。
(しかし彼がイザベルを好きになったことで、自分のものにしたい、他の男のものになるならばいっそ殺してしまおう……そんな考えに染まった)
それはまるでバッドエンドを迎えた時のフェリクスのようで……シャルルは内心とても興味深く思った。こんなことイザベルたちに知られれば、白い目で見られそうだが。
(だがレーモンがあれくらいの暴走で留まったのは――ゲームヒロインのマリオンが作ったパンを口にしたからだろうか)
ゲームではイベント――ちょっとしたミニゲームをこなすと、HPが減少する。その際、マリオンが作ったパンを食べるといくらか回復するのだ。
あと後半マリオンに心を開いたレーモンの台詞に、きみのパンを食べると心が優しくなる……と言っていた。もしかすると、抑止力になったのかもしれない。
(ゲームでは、マリオンがイザベルにパンを渡しても、彼女は頑なに受け取らなかった)
恋敵から受け取ったものを誰が食べるものか、という心情はまぁ納得がいく。
ただ前世を思い出したイザベルは偏見なくマリオンのパンを食し、レーモンにも分け与えていた。
(それでもこの世界はイザベルを許さなかったわけだけど……)
イザベルは抗いきれず、レーモンのもとへ行こうとして……フェリクスの激しい嫉妬心と深い愛で元の人格を取り戻した。
(そして最後にハッピーエンドを掴み取ったのは彼女の向こう見ずの行動力だ)
まさか自身の髪をレーモンに切らせるとは……ヒロインにも匹敵するほどの強運と決断力だった。
やはり女性の悪役にしてはキャラ性が強かったので、悪から善に方向性を変えてやれば思わぬ威力で突き抜けてくれた。
(なんにせよ)
「お二人が無事に結ばれたのは、互いを強く思いやり、どんな時でも一途に想い続けたからです。――ご結婚、本当におめでとうございます。どうぞお幸せに」
月並みの言葉であるが、心からそう思う。
どうかこちらが呆れるほど幸せになってほしい。
(物語はやっぱりハッピーエンドの方が好ましい)
彼らのいくつものバッドエンドを知っているだけに余計に。
「ありがとう、シャルル。あなたも早くみんなところに行って、食事を楽しみましょう。今日のために特別なケーキを作ってもらったの。あと、パンもあるわ」
「なるほど。だから、走っていたのか」
「だって、本当に美味しいんだもの。ね、だから早く行きましょう。アランたちに全部食べられてしまうわ」
イザベルはもう待てないとばかりにフェリクスの手を引き、彼もやれやれといった顔をしつつ妹に美味しいものを食べさせてやりたいと走り始めた。
そんな彼にシャルルは一つ提案した。
「フェリクス様。イザベル様を抱えて上げた方がよろしいのでは?」
「なるほど。その方が早いか」
心得たとばかりにフェリクスがイザベルを抱き上げた。イザベルの驚いた、嬉しそうな悲鳴に、シャルルも笑みを零すのだった。
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました
恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」
交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。
でも、彼は悲しむどころか、見たこともない
暗い瞳で私を追い詰めた。
「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」
私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、
隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
【本編完結】初恋のその先で、私は母になる
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
第19回恋愛小説大賞にて、奨励賞を受賞いたしました。読者の皆様のおかげです!本当ありがとうございます。
王宮で12年働き、気づけば28歳。
恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。
優しく守ろうとする彼。
けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。
揺れる想いの中で、彼女が選んだのは――
自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。
これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。
※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
「俺にしがみつくのはやめろ」と言われて恋が覚めたので、しがみつかずにリリースします。相容れないとほざくあなたは、今、私に捨てられましたわ
西野歌夏
恋愛
前世でフラれた記憶を思いだしたフローラ・ガトバンは、18歳の伯爵令嬢だ。今まさにデジャブのように同じ光景を見ていた。
エイトレンスのアルベルト王太子にまつわるストーリーです。
※の付いたタイトルは、あからさまな性的表現を含みます。苦手な方はお気をつけていただければと思います。
2025.5.29 完結いたしました。
逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子
もちもちほっぺ
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。
(その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!)
期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?