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第24話○最後の日
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引き継ぎは色々大変だったが、なんとか無事に終わった。
退職に向けて書類整理や机周辺の後片付けに追われていたら、あっという間に出勤最終日になってしまった。
辞める日の朝にも所長から散々嫌みを言われた。
「お前に子育てが出来るわけがない。子供が子供を育てるようなものだ。お前は本当に……」
(前は優しかったのに最後の最後まで……私っていつもこう……どんなに頑張っても最悪な終わり方しかできないんだろうな……)
その場に彼もいたが、どうせ最後の最後まで無視され続けるんだろうと思っていたその時……
「……いや……春香は大丈夫だよ。親父にあんだけ怒鳴られても辞めなかったんだから」
私はまさか庇ってもらえると思っていなかったので、驚いたのと嬉しいので泣いていた。
(もう泣かないと決めていたのに……)
お昼頃、他の職員が訪問などで出かけたため休憩中二人きりになった。
(庇ってくれてありがとう……)
そう言いたかったが、言った瞬間また泣き出して止まらなくなってしまいそうで言葉が出なかった。
私は、この間見た写真のことも聞いてみたかった。
(なんで消したって言ってた寝顔の写真がとってあるの?)
言葉が喉まで出かかって、やめた。
せっかく庇ってくれた彼に聞くことではないと思ったからだ。
その代わりに……
「このクマちゃん貰っていいかな?」
私のせいで彼が嫌われ者にならないように、机の上のクマを指差して私は言った。
「誰かに何か聞かれたら……捨てたって言うんだよ?」
「え?……なんて?」
「…………今度はちゃんと……捨てたって言うんだよ?」
(今度は?)……なぜそんなことを言ったのか自分でも分からない。
ただクマを握り締めた時……
彼女の瑠美ちゃんから「職場の人とお揃いのものを、なんでずっと持っているの? 外して捨ててよ!」と言われ、仕方なく職場に置くことにした彼の姿が見えた気がした。
退職に向けて書類整理や机周辺の後片付けに追われていたら、あっという間に出勤最終日になってしまった。
辞める日の朝にも所長から散々嫌みを言われた。
「お前に子育てが出来るわけがない。子供が子供を育てるようなものだ。お前は本当に……」
(前は優しかったのに最後の最後まで……私っていつもこう……どんなに頑張っても最悪な終わり方しかできないんだろうな……)
その場に彼もいたが、どうせ最後の最後まで無視され続けるんだろうと思っていたその時……
「……いや……春香は大丈夫だよ。親父にあんだけ怒鳴られても辞めなかったんだから」
私はまさか庇ってもらえると思っていなかったので、驚いたのと嬉しいので泣いていた。
(もう泣かないと決めていたのに……)
お昼頃、他の職員が訪問などで出かけたため休憩中二人きりになった。
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そう言いたかったが、言った瞬間また泣き出して止まらなくなってしまいそうで言葉が出なかった。
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言葉が喉まで出かかって、やめた。
せっかく庇ってくれた彼に聞くことではないと思ったからだ。
その代わりに……
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「誰かに何か聞かれたら……捨てたって言うんだよ?」
「え?……なんて?」
「…………今度はちゃんと……捨てたって言うんだよ?」
(今度は?)……なぜそんなことを言ったのか自分でも分からない。
ただクマを握り締めた時……
彼女の瑠美ちゃんから「職場の人とお揃いのものを、なんでずっと持っているの? 外して捨ててよ!」と言われ、仕方なく職場に置くことにした彼の姿が見えた気がした。
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