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第18章
第2話(2)
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「おまえにもしなにかあったら、どうしようって。優悟さんみたいにいなくなっちゃったらって、すごく怖くなって、どうしてもそれだけは耐えられないって思って……」
肩口がふたたび湿っていくのを感じながら、群司は躰を引き寄せて頭を撫でた。
「だから俺を眠らせて、自分ひとりだけで乗りこむことにしたの?」
「絶対、喪いたくなかったから」
「そっか。琉生さんも俺のこと、すごく大事に思ってくれてたんだね」
「大事。すごく好き」
鼻声で答えるのが可愛くて、額にもう一度キスを落とした。
「琉生さんがそこまで俺のこと想っててくれたってわかって嬉しい。でもね、琉生さん、俺も琉生さんのこと大切に思ってるってことは忘れないで? 琉生さんが俺のこと想ってくれたように、俺だって琉生さんのことは守りたいし、絶対に喪いたくない人なんだから」
「……わかった」
「俺のためにももう無茶はしないって約束できる? 琉生さんがフェリス飲まされたんじゃないかって思ったとき、本当に生きた心地がしなかった」
「もうしない。約束する」
頷く如月の頭を、群司は掻き抱いた。
「ほんとにごめんね、泣かせちゃって。大事にするって言いながら脅すみたいな真似して、ひどいよね。俺ももうこんな乱暴なこと、絶対しないから」
肩口に顔をうずめたまま、如月はもう一度うんと頷く。そんな如月の様子に、思わず苦笑が零れた。
「俺、自分がこんなに嫉妬深い人間だったなんて知らなかった」
言った途端に、如月は不思議そうに群司の顔を見上げた。
「嫉妬?」
「そう。琉生さんが無茶なことをしたお仕置きって言ったけど、ちょっとだけヤキモチもあったかなって」
言ったあとで、枕もとの革ベルトをチラリと見やった。
「琉生さん、恋人になった途端にメチャクチャ可愛いとこいっぱい見せてくれるから、まえの彼氏にもそうだったのかな、とか、その人はこういうプレイを好むタイプだったのかな、とかね」
群司の言わんとしていることを理解した途端、如月の頬が真っ赤に染まった。
「ちっ、違うっ。だれともそんなことしてないっ」
「え? でもこれって、麻薬取締官の仕事道具ってわけじゃないですよね?」
「そんなわけ、ないっ」
普通、自宅に常備しているものではないので、群司のほうが面食らった。
肩口がふたたび湿っていくのを感じながら、群司は躰を引き寄せて頭を撫でた。
「だから俺を眠らせて、自分ひとりだけで乗りこむことにしたの?」
「絶対、喪いたくなかったから」
「そっか。琉生さんも俺のこと、すごく大事に思ってくれてたんだね」
「大事。すごく好き」
鼻声で答えるのが可愛くて、額にもう一度キスを落とした。
「琉生さんがそこまで俺のこと想っててくれたってわかって嬉しい。でもね、琉生さん、俺も琉生さんのこと大切に思ってるってことは忘れないで? 琉生さんが俺のこと想ってくれたように、俺だって琉生さんのことは守りたいし、絶対に喪いたくない人なんだから」
「……わかった」
「俺のためにももう無茶はしないって約束できる? 琉生さんがフェリス飲まされたんじゃないかって思ったとき、本当に生きた心地がしなかった」
「もうしない。約束する」
頷く如月の頭を、群司は掻き抱いた。
「ほんとにごめんね、泣かせちゃって。大事にするって言いながら脅すみたいな真似して、ひどいよね。俺ももうこんな乱暴なこと、絶対しないから」
肩口に顔をうずめたまま、如月はもう一度うんと頷く。そんな如月の様子に、思わず苦笑が零れた。
「俺、自分がこんなに嫉妬深い人間だったなんて知らなかった」
言った途端に、如月は不思議そうに群司の顔を見上げた。
「嫉妬?」
「そう。琉生さんが無茶なことをしたお仕置きって言ったけど、ちょっとだけヤキモチもあったかなって」
言ったあとで、枕もとの革ベルトをチラリと見やった。
「琉生さん、恋人になった途端にメチャクチャ可愛いとこいっぱい見せてくれるから、まえの彼氏にもそうだったのかな、とか、その人はこういうプレイを好むタイプだったのかな、とかね」
群司の言わんとしていることを理解した途端、如月の頬が真っ赤に染まった。
「ちっ、違うっ。だれともそんなことしてないっ」
「え? でもこれって、麻薬取締官の仕事道具ってわけじゃないですよね?」
「そんなわけ、ないっ」
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