178 / 192
エピローグ
第1話
しおりを挟む
「課長、先日の聴取のまとめ、ご確認お願いします」
「ああ、うん。ご苦労さま」
如月の提出した書類を受け取った上司は、にっこりとした。
「もうまとまったの? 相変わらず仕事が早いね」
言ったあとで、ところで、と切り出した。
「今日から入省する新人、ひとり君の係に入れるから、指導、よろしく頼むね」
「はい。あの、でも人定の詳細、まだいただいてないんですけど」
「うん。僕のところで止めてある。来てからのお楽しみってことで」
ますます満面の笑みで言われて、如月は首をかしげた。
「入省式終わったら顔出すと思うから、面倒見てあげてね」
「あ、はい……」
なおも腑に落ちない顔をしている如月に、彼の直属の上司である立花は意味深な表情を浮かべて含み笑いを漏らした。
そしてその一時間後。
入省式を無事終えて、配属部署にやってきた新規採用職員の姿を見るなり、如月は薄茶の双眸を見張って絶句した。
「本日付で厚生労働省麻薬取締部、フェリス特別捜査本部勤務を拝命いたしました秋川群司と申します。至らない点も多く、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、一日も早く仕事をおぼえられるよう精一杯精進して参りますので、よろしくご指導ください」
キビキビとした口調で言って、姿勢よく、四十五度の角度で頭を下げる。しばしポカンとその姿を見つめていた如月は、やがて表情を取り繕うと、仕事の顔に戻って小さく頷いた。
「フェリス特別捜査本部捜査第一課捜査三係係長、如月です。どうぞよろしく」
淡々とした様子で受け応える白皙の美貌を、群司はまぶしく見やった。課長席にいる立花が口の端を上げて群司に合図を送る。満足げなその様子に、群司はひそかに苦笑を閃かせた。
「ああ、うん。ご苦労さま」
如月の提出した書類を受け取った上司は、にっこりとした。
「もうまとまったの? 相変わらず仕事が早いね」
言ったあとで、ところで、と切り出した。
「今日から入省する新人、ひとり君の係に入れるから、指導、よろしく頼むね」
「はい。あの、でも人定の詳細、まだいただいてないんですけど」
「うん。僕のところで止めてある。来てからのお楽しみってことで」
ますます満面の笑みで言われて、如月は首をかしげた。
「入省式終わったら顔出すと思うから、面倒見てあげてね」
「あ、はい……」
なおも腑に落ちない顔をしている如月に、彼の直属の上司である立花は意味深な表情を浮かべて含み笑いを漏らした。
そしてその一時間後。
入省式を無事終えて、配属部署にやってきた新規採用職員の姿を見るなり、如月は薄茶の双眸を見張って絶句した。
「本日付で厚生労働省麻薬取締部、フェリス特別捜査本部勤務を拝命いたしました秋川群司と申します。至らない点も多く、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、一日も早く仕事をおぼえられるよう精一杯精進して参りますので、よろしくご指導ください」
キビキビとした口調で言って、姿勢よく、四十五度の角度で頭を下げる。しばしポカンとその姿を見つめていた如月は、やがて表情を取り繕うと、仕事の顔に戻って小さく頷いた。
「フェリス特別捜査本部捜査第一課捜査三係係長、如月です。どうぞよろしく」
淡々とした様子で受け応える白皙の美貌を、群司はまぶしく見やった。課長席にいる立花が口の端を上げて群司に合図を送る。満足げなその様子に、群司はひそかに苦笑を閃かせた。
0
あなたにおすすめの小説
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
我が為に生きるもの【BL】
いんげん
BL
大正ごろの日本に似た和国の話。
能力者の痣から蜜を吸わないと生きていけない僕は、幼馴染から蜜をもらって生きている。
しかし、兄のように慕っている人が海外から帰ってきて…僕たちの関係は変わりはじめ……。
守られ系、病弱主人公。可愛いが正義。
作品の都合上、主に喘いでるのは攻めです。絶頂してるのも攻めです。
無口で横暴だけど、誰よりも主人公に執着する能力者のヒーロー。
二人の兄のような存在で、主人公を愛するヤンデレ能力者。
駄目なおじさん能力者参戦しました。
かなり好き勝手書いているので、地雷が有る人には向かないです。
何でも許せる人向けです。
予告なしに性的表現が入ります。むしろ、ほぼ性的表現・・・。
ブライダル・ラプソディー
葉月凛
BL
ゲストハウス・メルマリーで披露宴の音響をしている相川奈津は、新人ながらも一生懸命仕事に取り組む25歳。ある日、密かに憧れる会場キャプテン成瀬真一とイケナイ関係を持ってしまう。
しかし彼の左手の薬指には、シルバーのリングが──
エブリスタにも投稿しています。
BL団地妻on vacation
夕凪
BL
BL団地妻第二弾。
団地妻の芦屋夫夫が団地を飛び出し、南の島でチョメチョメしてるお話です。
頭を空っぽにして薄目で読むぐらいがちょうどいいお話だと思います。
なんでも許せる人向けです。
晴れの日は嫌い。
うさぎのカメラ
BL
有名名門進学校に通う美少年一年生笹倉 叶が初めて興味を持ったのは、三年生の『杉原 俊』先輩でした。
叶はトラウマを隠し持っているが、杉原先輩はどうやら知っている様子で。
お互いを利用した関係が始まる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる