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1.この姿で気に入られても困りますから……!
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「わーったよ。ったく、本郷はこういうとこ真面目っつーか、堅いんだよな。今日だって、人数合わせで呼んだだけなのに、いいとこ持ってくしさぁ」
山口さんは、面白くなさそうにため息を吐き出す。
「あん? こっちはせっかくの休日を潰してまでお前らの予定に付き合ってやったんだ。そんな風に言われる覚えはねぇよ」
「ケッ、何だよ。もう二度と誘わねぇし。オラ、菊地、行くぞ?」
山口さんは、捨て台詞のようにそう言うと、菊地さんを引き連れて、駅の方へと歩いて行ってしまった。
何だったの……?
気に入らない結果になったからもう誘ってやらないって、まるで拗ねた小学生みたい……。
「おい」
二人の去っていった方を呆然と見てると、頭上から本郷さんの低い声が降ってきた。
「は、はいぃっ……」
突然のことに、思わず身体が強ばってしまう。
助けてもらったのにこんな態度、失礼だったよね……。
「あ、す、すみません。さっきは、ありがとうございました」
ちらりと目だけ本郷さんの方へと向けると、偶然にも月明かりに照らされた本郷さんの瞳が私を捉えているのがわかった。
うぅう……。
何だか、本郷さんの視線が痛いよ……。
「いや。あんたが無事なら良かった」
だけど、本郷さんは特にこちらの態度を気にしているような素振りもなく、淡々とした様子だ。
「……あの話、嘘っぱちなんだろ?」
「……え?」
「さっき山口と菊地が言ってた、あんたがちょっと遊べる男探ししてるってやつ」
「……はい。すみません」
「やっぱり」
「何で、分かったんですか?」
今の私の見た目は、派手な雰囲気をまとった梨緒の姿だ。
双子だし、それなりにお互いのことをよくわかってるつもりだから、私には梨緒がそんなことをしないっていうのはわかる。
けれど梨緒のことを何も知らない人から見ると、本人には悪いけど、やっぱり遊んでると取られてもおかしくないような見た目をしていると思う。
「だって、あんた、処女っぽいから」
「へ……?」
相変わらず淡々と返された言葉。
だけど、その台詞の内容は思いもかけないもので、思わずすっとんきょうな声が出てしまった。
「あんた、男知らねぇだろ?」
その瞬間、グッと本郷さんに顔を近づけられて、突然のことにバクバクバクと心臓が騒ぎ立てる。
「あ、ああああの。そ、その……っ」
彼の急接近に、喉がつっかえたように言葉が出てこない。
身体中の熱が顔に集まったんじゃないかってくらい、顔が熱い。
きっと真っ赤になっているであろう顔を本郷さんの方へと向けて、口をパクパクとしていると、そんな私を見て本郷さんはぷっと吹き出すように笑った。
「なんだ? お前、おもしれぇ」
「え、お、おもしろい、ですか!? わ、私が……!?」
「あんた以外に誰がいんだよ」
おもしろい、なんて、初めて言われたかも……。
たいてい私を見て人は地味だとか、つまらないとか、言うのに。
特に派手で華やかな梨緒と並ぶと、それは顕著に際立っている。
その私が、おもしろい……?
「気に入った。お前を、俺の女にしてみせる」
「……っ!?」
オマエヲ、オレノオンナニシテミセル……!?
「え、えぇええっ!?」
「だから、反応遅すぎだろ。あー、腹いてぇ」
本郷さんは、クククとお腹を押さえて笑う。
絶対私のことからかってる……!
「む、無理です無理です無理です無理です! 絶対無理です!」
この姿で気に入られても困りますから……!
だって、今の私は梨緒の姿なのに……。
山口さんは、面白くなさそうにため息を吐き出す。
「あん? こっちはせっかくの休日を潰してまでお前らの予定に付き合ってやったんだ。そんな風に言われる覚えはねぇよ」
「ケッ、何だよ。もう二度と誘わねぇし。オラ、菊地、行くぞ?」
山口さんは、捨て台詞のようにそう言うと、菊地さんを引き連れて、駅の方へと歩いて行ってしまった。
何だったの……?
気に入らない結果になったからもう誘ってやらないって、まるで拗ねた小学生みたい……。
「おい」
二人の去っていった方を呆然と見てると、頭上から本郷さんの低い声が降ってきた。
「は、はいぃっ……」
突然のことに、思わず身体が強ばってしまう。
助けてもらったのにこんな態度、失礼だったよね……。
「あ、す、すみません。さっきは、ありがとうございました」
ちらりと目だけ本郷さんの方へと向けると、偶然にも月明かりに照らされた本郷さんの瞳が私を捉えているのがわかった。
うぅう……。
何だか、本郷さんの視線が痛いよ……。
「いや。あんたが無事なら良かった」
だけど、本郷さんは特にこちらの態度を気にしているような素振りもなく、淡々とした様子だ。
「……あの話、嘘っぱちなんだろ?」
「……え?」
「さっき山口と菊地が言ってた、あんたがちょっと遊べる男探ししてるってやつ」
「……はい。すみません」
「やっぱり」
「何で、分かったんですか?」
今の私の見た目は、派手な雰囲気をまとった梨緒の姿だ。
双子だし、それなりにお互いのことをよくわかってるつもりだから、私には梨緒がそんなことをしないっていうのはわかる。
けれど梨緒のことを何も知らない人から見ると、本人には悪いけど、やっぱり遊んでると取られてもおかしくないような見た目をしていると思う。
「だって、あんた、処女っぽいから」
「へ……?」
相変わらず淡々と返された言葉。
だけど、その台詞の内容は思いもかけないもので、思わずすっとんきょうな声が出てしまった。
「あんた、男知らねぇだろ?」
その瞬間、グッと本郷さんに顔を近づけられて、突然のことにバクバクバクと心臓が騒ぎ立てる。
「あ、ああああの。そ、その……っ」
彼の急接近に、喉がつっかえたように言葉が出てこない。
身体中の熱が顔に集まったんじゃないかってくらい、顔が熱い。
きっと真っ赤になっているであろう顔を本郷さんの方へと向けて、口をパクパクとしていると、そんな私を見て本郷さんはぷっと吹き出すように笑った。
「なんだ? お前、おもしれぇ」
「え、お、おもしろい、ですか!? わ、私が……!?」
「あんた以外に誰がいんだよ」
おもしろい、なんて、初めて言われたかも……。
たいてい私を見て人は地味だとか、つまらないとか、言うのに。
特に派手で華やかな梨緒と並ぶと、それは顕著に際立っている。
その私が、おもしろい……?
「気に入った。お前を、俺の女にしてみせる」
「……っ!?」
オマエヲ、オレノオンナニシテミセル……!?
「え、えぇええっ!?」
「だから、反応遅すぎだろ。あー、腹いてぇ」
本郷さんは、クククとお腹を押さえて笑う。
絶対私のことからかってる……!
「む、無理です無理です無理です無理です! 絶対無理です!」
この姿で気に入られても困りますから……!
だって、今の私は梨緒の姿なのに……。
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