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11.もう俺の前から逃がさない。
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「じゃあ、こうしない? 私と私の姿をした奈緒の二人で、本郷さんに会いに行くのよ。で、本郷さんがどっちが奈緒か当てられたら、話を聞く。どう?」
「……え?」
「つまり奈緒は、本郷さんは本当の自分を見てくれてるわけじゃないと思ってるんでしょ!? 二人同時に現れたとき、本郷さんが迷うことなく今まで会っていた方がどちらか選ぶことができたのなら、それだけでも本郷さんは奈緒の内面をちゃんと見ていてくれたってことになると思うけど」
梨緒は、真剣な表情でそう伝えてくれる。
「……そうかな?」
「そうだよ。だって、見た目は隠してたんだからどうしようもないけど、どんなに見た目を変えたところで、中身は奈緒だったんだから」
「……そういうもんかな」
「そういうもんだって!」
梨緒が言うには、私はそれほど演技がうまい訳じゃないから、どんなに見繕ったところで、中身は私のままだったでしょ? とのこと。
そうはっきり言われてしまうと少し複雑な気持ちにもなるけれど、確かにそうかもしれない。
いくら梨緒の性格や雰囲気を知り尽くしていても、それらはどんなに頑張っても、私には真似できないのだから。
梨緒の勢いに押されたのもあるけれど、結局梨緒の提案通りの方法で本郷店長と会うことに決めた私は、さっきのメールの返信画面を開く。
『わかりました。私からもお願いがあります。本当の私を見つけてください』
詳しいことは書かなかった。
あれだけ本郷店長に酷いことをしておいて、偉そうに“本当の私を当てられたら話を聞きます”なんて書けるほど、私は無神経ではないから。
『わかった』
だけど、メールを送ってから数分もしないうちに届いた返信に、全身がドクンと強く跳ねた。
「メールの文面じゃ、本郷さんがどのくらい奈緒のことを見抜いてる自信があるのかわからないけど、結構本郷さんも強気よね~」
「……そうかな」
「私にはそう見えるけど? じゃあ、また日時が決まったら教えてね。私のシフトはそこに貼ってあるから」
そう言って、梨緒はリビングのカレンダーの下に貼り付けられた紙を指した。
「基本、最近は仕事以外は暇だから。しばらく合コンの予定も入ってないし」
「合コンって……。本当に梨緒は……。彼氏がいるっていうのに、よくやるね。もう私は梨緒の代わりに参加したりはしないからね」
「あ、啓くんとは別れたから」
呆れ半分で言った言葉に、あっさりとそう返された。
「え、別れた!? 何で!?」
「だって、この前の本郷さんの元カノに絡まれてから、あいつ、私のこと疑り深い目で見るようになったのよ? あんな奴、こっちから願い下げよ」
フンと少しイラついた口調の梨緒。
「なんか、ごめんね……」
でもそれって、私がズルズルと梨緒の姿で本郷店長と会ってしまっていたから起こったことだよね……?
そうじゃなかったら、今も梨緒は変わらずあの彼氏と仲良くやっていたかも知れないのに……。
「いいよいいよ。奈緒は気にしないで。下手に結婚する前にあんな奴だってわかってラッキーだったし」
「そう……?」
そうは言われても、なんだか申し訳なくなってくる。
そんな感じで、本郷店長と再び会う話は進められていくことになった。
「……え?」
「つまり奈緒は、本郷さんは本当の自分を見てくれてるわけじゃないと思ってるんでしょ!? 二人同時に現れたとき、本郷さんが迷うことなく今まで会っていた方がどちらか選ぶことができたのなら、それだけでも本郷さんは奈緒の内面をちゃんと見ていてくれたってことになると思うけど」
梨緒は、真剣な表情でそう伝えてくれる。
「……そうかな?」
「そうだよ。だって、見た目は隠してたんだからどうしようもないけど、どんなに見た目を変えたところで、中身は奈緒だったんだから」
「……そういうもんかな」
「そういうもんだって!」
梨緒が言うには、私はそれほど演技がうまい訳じゃないから、どんなに見繕ったところで、中身は私のままだったでしょ? とのこと。
そうはっきり言われてしまうと少し複雑な気持ちにもなるけれど、確かにそうかもしれない。
いくら梨緒の性格や雰囲気を知り尽くしていても、それらはどんなに頑張っても、私には真似できないのだから。
梨緒の勢いに押されたのもあるけれど、結局梨緒の提案通りの方法で本郷店長と会うことに決めた私は、さっきのメールの返信画面を開く。
『わかりました。私からもお願いがあります。本当の私を見つけてください』
詳しいことは書かなかった。
あれだけ本郷店長に酷いことをしておいて、偉そうに“本当の私を当てられたら話を聞きます”なんて書けるほど、私は無神経ではないから。
『わかった』
だけど、メールを送ってから数分もしないうちに届いた返信に、全身がドクンと強く跳ねた。
「メールの文面じゃ、本郷さんがどのくらい奈緒のことを見抜いてる自信があるのかわからないけど、結構本郷さんも強気よね~」
「……そうかな」
「私にはそう見えるけど? じゃあ、また日時が決まったら教えてね。私のシフトはそこに貼ってあるから」
そう言って、梨緒はリビングのカレンダーの下に貼り付けられた紙を指した。
「基本、最近は仕事以外は暇だから。しばらく合コンの予定も入ってないし」
「合コンって……。本当に梨緒は……。彼氏がいるっていうのに、よくやるね。もう私は梨緒の代わりに参加したりはしないからね」
「あ、啓くんとは別れたから」
呆れ半分で言った言葉に、あっさりとそう返された。
「え、別れた!? 何で!?」
「だって、この前の本郷さんの元カノに絡まれてから、あいつ、私のこと疑り深い目で見るようになったのよ? あんな奴、こっちから願い下げよ」
フンと少しイラついた口調の梨緒。
「なんか、ごめんね……」
でもそれって、私がズルズルと梨緒の姿で本郷店長と会ってしまっていたから起こったことだよね……?
そうじゃなかったら、今も梨緒は変わらずあの彼氏と仲良くやっていたかも知れないのに……。
「いいよいいよ。奈緒は気にしないで。下手に結婚する前にあんな奴だってわかってラッキーだったし」
「そう……?」
そうは言われても、なんだか申し訳なくなってくる。
そんな感じで、本郷店長と再び会う話は進められていくことになった。
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