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12.その言葉にウソはないな?
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司さんと晴れて付き合いはじめてから五ヶ月が経った。
暑い夏を越えて、過ごしやすい季節である秋が今年もやってきた。
お昼休憩を取りに事務室に入ったところ、私の姿を見るなり、先に休憩に入っていた小梅ちゃんが嬉しそうにこちらに来た。
「高倉さん、受かったって聞きましたよ! おめでとうございます!」
「ありがとう。これも、本当に小梅ちゃんの協力もあってだよ」
司さんに勧められていた登録販売者の資格試験を先月受けたのだけど、ちょうど昨日合格発表があったのだ。
受けると決めてから、人生で一番真面目に勉強したといっていいくらいコツコツと勉強を続けた私は、見事受かったのだ。
きっと受かってる気がすると、司さんは、早々と私のサイズの登録販売者の制服である丈の短い白衣を本部から取り寄せていた。
あまりに気の早い司さんを見ていると、もしこれで落ちてたら……と不安にもなった。
さっそく真新しい憧れの白衣を着て仕事をしているものの、慣れなくて白衣に着られているみたいだ。
「一番は高倉さんの頑張りですよ。本当におめでとうございます」
おめでとうと何回も言ってくれる小梅ちゃんに、何だか少し恥ずかしくなる。
「お疲れさまです」
そうしている間に、司さんが事務室に入ってきた。
「本当、高倉さんはよく頑張ってたもんな」
「て、店長……」
勤務中は、当然だけど、名前ではなくて今まで通りの呼び方で呼ばれている。
司さんのことを本郷店長って呼ぶことも、私のことを高倉さんって呼ぶ司さんも好きだ。
「そんなお前に、朗報だ。正式には来週辞令がおりると思うが、来月からお前は花町駅前店の次長に昇格だ」
「えぇえっ!?」
突然言い渡された異動・昇格辞令に、目の玉が飛び出しそうになる。
「高倉さんが、次長ですか!? おめでとうございます!」
小梅ちゃんは目をキラキラさせてそう言ってくれるけれど……。
「ままま待ってください! 私に次長だなんて、勤まるわけないじゃないですか!」
うちの会社では、正式な辞令がおりる前はまだ仮であって、確定ではない。
確定してしまう前に、なんとか阻止しなければならない。
「何言ってんだよ。勤まるかどうかは、やってみないとわからないだろ?」
「そ、そうですけど、でも……」
「大丈夫だ。お前は一人じゃない。店舗は異動しても、何か困ったことがあったら、向こうの店舗で聞きづらければ、こっちに連絡してくれていいから」
「本郷店長……」
「まぁ、いつもいつもは困るがな。俺も次長も坂口さんも、お前が困ってるときに助けようとしてくれる人はちゃんといるから。新しい環境で不安もあるだろうけれど、頑張ってみてほしい。きっとそこで身に付いたことも、お前が生きていく上で無駄にはならないからよ」
私をとことん励ましたあと、司さんは店長机の上に置いてあったPOPの束を手に取って、売り場の方へと出ていった。
「……か、かっこいい……っ!」
二人残された事務室で、小梅ちゃんは、うっとりとした瞳で司さんの出ていったドアを見つめていた。
「本当にうらやましいです。本郷店長みたいな素敵な彼氏、私もほしいです」
私と司さんの関係を知ってるのは、この店舗では小梅ちゃんだけだ。
本当は同じ職場内の恋愛だから黙ってるつもりだったんだけど、敏感な小梅ちゃんには、私と司さんのほんの些細な変化で気づかれてしまったんだ。
「小梅ちゃんなら、きっと素敵な人が現れるよ」
あとは、他店舗だけど、実は紗枝子さんも知っている。
紗枝子さんに知られたのは、最近のことだ。
司さんとデートしているところを見られたんだ。
紗枝子さんは、私が以前、司さんの隣で梨緒の姿をしていた女子だとは幸いにも気づいていないようだ。
今は新しい恋を見つけたらしい紗枝子さんは、私と司さんのことを応援してくれた。
暑い夏を越えて、過ごしやすい季節である秋が今年もやってきた。
お昼休憩を取りに事務室に入ったところ、私の姿を見るなり、先に休憩に入っていた小梅ちゃんが嬉しそうにこちらに来た。
「高倉さん、受かったって聞きましたよ! おめでとうございます!」
「ありがとう。これも、本当に小梅ちゃんの協力もあってだよ」
司さんに勧められていた登録販売者の資格試験を先月受けたのだけど、ちょうど昨日合格発表があったのだ。
受けると決めてから、人生で一番真面目に勉強したといっていいくらいコツコツと勉強を続けた私は、見事受かったのだ。
きっと受かってる気がすると、司さんは、早々と私のサイズの登録販売者の制服である丈の短い白衣を本部から取り寄せていた。
あまりに気の早い司さんを見ていると、もしこれで落ちてたら……と不安にもなった。
さっそく真新しい憧れの白衣を着て仕事をしているものの、慣れなくて白衣に着られているみたいだ。
「一番は高倉さんの頑張りですよ。本当におめでとうございます」
おめでとうと何回も言ってくれる小梅ちゃんに、何だか少し恥ずかしくなる。
「お疲れさまです」
そうしている間に、司さんが事務室に入ってきた。
「本当、高倉さんはよく頑張ってたもんな」
「て、店長……」
勤務中は、当然だけど、名前ではなくて今まで通りの呼び方で呼ばれている。
司さんのことを本郷店長って呼ぶことも、私のことを高倉さんって呼ぶ司さんも好きだ。
「そんなお前に、朗報だ。正式には来週辞令がおりると思うが、来月からお前は花町駅前店の次長に昇格だ」
「えぇえっ!?」
突然言い渡された異動・昇格辞令に、目の玉が飛び出しそうになる。
「高倉さんが、次長ですか!? おめでとうございます!」
小梅ちゃんは目をキラキラさせてそう言ってくれるけれど……。
「ままま待ってください! 私に次長だなんて、勤まるわけないじゃないですか!」
うちの会社では、正式な辞令がおりる前はまだ仮であって、確定ではない。
確定してしまう前に、なんとか阻止しなければならない。
「何言ってんだよ。勤まるかどうかは、やってみないとわからないだろ?」
「そ、そうですけど、でも……」
「大丈夫だ。お前は一人じゃない。店舗は異動しても、何か困ったことがあったら、向こうの店舗で聞きづらければ、こっちに連絡してくれていいから」
「本郷店長……」
「まぁ、いつもいつもは困るがな。俺も次長も坂口さんも、お前が困ってるときに助けようとしてくれる人はちゃんといるから。新しい環境で不安もあるだろうけれど、頑張ってみてほしい。きっとそこで身に付いたことも、お前が生きていく上で無駄にはならないからよ」
私をとことん励ましたあと、司さんは店長机の上に置いてあったPOPの束を手に取って、売り場の方へと出ていった。
「……か、かっこいい……っ!」
二人残された事務室で、小梅ちゃんは、うっとりとした瞳で司さんの出ていったドアを見つめていた。
「本当にうらやましいです。本郷店長みたいな素敵な彼氏、私もほしいです」
私と司さんの関係を知ってるのは、この店舗では小梅ちゃんだけだ。
本当は同じ職場内の恋愛だから黙ってるつもりだったんだけど、敏感な小梅ちゃんには、私と司さんのほんの些細な変化で気づかれてしまったんだ。
「小梅ちゃんなら、きっと素敵な人が現れるよ」
あとは、他店舗だけど、実は紗枝子さんも知っている。
紗枝子さんに知られたのは、最近のことだ。
司さんとデートしているところを見られたんだ。
紗枝子さんは、私が以前、司さんの隣で梨緒の姿をしていた女子だとは幸いにも気づいていないようだ。
今は新しい恋を見つけたらしい紗枝子さんは、私と司さんのことを応援してくれた。
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