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第4章
謝罪(3)
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拓人がみんなの居る部屋に戻ると、カイトが真っ先に口を開いた。
「どうや? 仲直り……できたか?」
「かえってダメになったよ……俺、もうあいつと今まで通り仲良くできる自信ねぇ」
拓人は心配そうに聞くカイトに申し訳ない気持ちで答えた。
「ミカちゃん……拓人に何か言うたんか?」
カイトは拓人の両肩に手を添えて聞いた。
拓人はカイトの様子に驚きつつも、顔を背けて何も答えなかった。
「拓人は……ミカちゃんに何言うたんや?」
やはり拓人は何も答えない。
「ミカちゃんは今、どこに居るんや?」
「……廊下の突き当たりのスタッフルーム」
カイトの手が緩む。
「俺、ちょっとミカちゃんと話してくるわ! みんな遅なったら先帰っとってな!」
カイトは部屋を飛び出して行った。
「なんだ……? あいつ……」
拓人がカイトの様子を不思議そうに眺めていると、ハルキに酒の入ったグラスを差し出される。
「よかったらゆっくり話聞かせてよ。カイトのことは放っておけばいいからさ」
拓人は差し出された酒を飲み、先程のミカとのやり取りをゆっくりと話し出した。
ハルキたちは真剣に拓人の話を聞いてくれた。
──いつからこんなに人に悩みを相談するようになったんだろう。
話しながら、そんなことを拓人は考えていた。
「結局、事の発端は俺にあったみたいだな……」
拓人は寂しげに笑うと、グラスに映った自分の姿を見つめた。
結局──。
拓人のことが好きで嫉妬したミカが、桃華を襲い、偶然傍にいたジュンが桃華を守ろうとして犠牲になった
そして、桃華は傷ついた──。
拓人は今までミカの気持ちに全く気づいていなかった訳ではなかった。
しかし、やっぱりお互いに友達だと思っていた拓人は、ミカが自分に気があるのかなと感じるようなことがあっても、特別気に留めることはなかった。
今までだってミカの拓人への気持ちを、それとなく周囲の人から伝えられていたことを思い出す。
一番新しい記憶では、ヒロがそんなことを言ってたっけ?
『俺、絶対ミカちゃん拓人に気あると思うけど、拓人はそんな気ないんか?』
『ねぇよ』
ふとそんな会話が頭に蘇る。
──今までたくさん気づく機会はあった。
ちゃんとミカの気持ちに気づいてやっていれば、もっと早くミカの気持ちと向き合っていれば、今回の悲しい事件は回避できたのではないか──。
それだけに、拓人は悔しさでいっぱいだった。
悔しさに耐え切れず、拓人の瞳から大粒の滴がグラスに落ちた。
ハルキはそれを見逃してはくれなかった。
「拓人、泣いてるの?」
拓人は力無く
「泣いてねぇよ」
と返す。
「強がるなよ。拓人だって辛かっただろ?」
ハルキが両腕で拓人をそっと包み込むと、酔っているせいもあってなのか、拓人の涙は止まらなかった。
ハルキもヒロもシンジも拓人が落ち着くまで、傍で優しく見守っていてくれた。
「ハルキ……もう大丈夫だから……ありがとう」
そう言って、拓人はハルキから身を離した。
「いいよ、あまり思い詰めるなよ」
「そうだよ、あまり気にしてメソメソしてると、また桃華ちゃん悩ませちゃうぞ?」
ヒロもハルキの言葉に続けて言った。
「神は乗り越えられる試練しか与えない、とはよく言うしな。頑張れよ」
シンジも口を開く。
「そうだな……みんなありがとな」
みんなの優しさが、拓人の胸にしみた。
あの事件は決して忘れてはならない──。
でも、いつまでも後ろを向いている訳にはいかない──。
桃華を前に導いたように、拓人自身も強くならなければ──。
乗り越えなければ──。
拓人は心の中で固く誓った。
「どうや? 仲直り……できたか?」
「かえってダメになったよ……俺、もうあいつと今まで通り仲良くできる自信ねぇ」
拓人は心配そうに聞くカイトに申し訳ない気持ちで答えた。
「ミカちゃん……拓人に何か言うたんか?」
カイトは拓人の両肩に手を添えて聞いた。
拓人はカイトの様子に驚きつつも、顔を背けて何も答えなかった。
「拓人は……ミカちゃんに何言うたんや?」
やはり拓人は何も答えない。
「ミカちゃんは今、どこに居るんや?」
「……廊下の突き当たりのスタッフルーム」
カイトの手が緩む。
「俺、ちょっとミカちゃんと話してくるわ! みんな遅なったら先帰っとってな!」
カイトは部屋を飛び出して行った。
「なんだ……? あいつ……」
拓人がカイトの様子を不思議そうに眺めていると、ハルキに酒の入ったグラスを差し出される。
「よかったらゆっくり話聞かせてよ。カイトのことは放っておけばいいからさ」
拓人は差し出された酒を飲み、先程のミカとのやり取りをゆっくりと話し出した。
ハルキたちは真剣に拓人の話を聞いてくれた。
──いつからこんなに人に悩みを相談するようになったんだろう。
話しながら、そんなことを拓人は考えていた。
「結局、事の発端は俺にあったみたいだな……」
拓人は寂しげに笑うと、グラスに映った自分の姿を見つめた。
結局──。
拓人のことが好きで嫉妬したミカが、桃華を襲い、偶然傍にいたジュンが桃華を守ろうとして犠牲になった
そして、桃華は傷ついた──。
拓人は今までミカの気持ちに全く気づいていなかった訳ではなかった。
しかし、やっぱりお互いに友達だと思っていた拓人は、ミカが自分に気があるのかなと感じるようなことがあっても、特別気に留めることはなかった。
今までだってミカの拓人への気持ちを、それとなく周囲の人から伝えられていたことを思い出す。
一番新しい記憶では、ヒロがそんなことを言ってたっけ?
『俺、絶対ミカちゃん拓人に気あると思うけど、拓人はそんな気ないんか?』
『ねぇよ』
ふとそんな会話が頭に蘇る。
──今までたくさん気づく機会はあった。
ちゃんとミカの気持ちに気づいてやっていれば、もっと早くミカの気持ちと向き合っていれば、今回の悲しい事件は回避できたのではないか──。
それだけに、拓人は悔しさでいっぱいだった。
悔しさに耐え切れず、拓人の瞳から大粒の滴がグラスに落ちた。
ハルキはそれを見逃してはくれなかった。
「拓人、泣いてるの?」
拓人は力無く
「泣いてねぇよ」
と返す。
「強がるなよ。拓人だって辛かっただろ?」
ハルキが両腕で拓人をそっと包み込むと、酔っているせいもあってなのか、拓人の涙は止まらなかった。
ハルキもヒロもシンジも拓人が落ち着くまで、傍で優しく見守っていてくれた。
「ハルキ……もう大丈夫だから……ありがとう」
そう言って、拓人はハルキから身を離した。
「いいよ、あまり思い詰めるなよ」
「そうだよ、あまり気にしてメソメソしてると、また桃華ちゃん悩ませちゃうぞ?」
ヒロもハルキの言葉に続けて言った。
「神は乗り越えられる試練しか与えない、とはよく言うしな。頑張れよ」
シンジも口を開く。
「そうだな……みんなありがとな」
みんなの優しさが、拓人の胸にしみた。
あの事件は決して忘れてはならない──。
でも、いつまでも後ろを向いている訳にはいかない──。
桃華を前に導いたように、拓人自身も強くならなければ──。
乗り越えなければ──。
拓人は心の中で固く誓った。
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