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第5章
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「……なんでまたここなんだよ……」
相変わらずBARに入るのに抵抗がある拓人は、不機嫌そうにしていると
「しゃーないやろ! ここが1番安心してみんなで話せる店やんか!」
とカイトに背中を押されてしまった。
仕方なくBARに入り、いつもの部屋に通され、注文の品が届くとメンバー達は口を開いた。
「で? 今日はデートだったんだろ? その感じだと何か進展があったんだろ?」
ヒロがニヤニヤしながら拓人の左手の指輪を見た。
「まぁ……それなりに」
「今日は最後問題起きちゃったけど、楽しめた?」
隣でハルキが心配そうな表情を浮かべる。
「ああ、まぁ……」
口々にされる質問があまりに大したことないものばかりだったので、てっきり責められるんだろうなと感じていた拓人は少し拍子抜けした。
「でさぁ! 桃華ちゃん家に上げて何してたんだよ!」
ヒロが楽しそうに身を乗り出た。
「俺の部屋で普通に話して、ギターで弾き語りして桃華の好きな曲歌った」
誘導尋問に答えるかのように拓人は話す。
「本当にそれだけ!? 桃華ちゃんとえっちなことしてたんじゃねぇの!?」
「俺もそこ知りたいわ! 教えてくれてもええんちゃうか!?」
カイトもヒロに便乗した。
「……おまえらが期待してるようなことはしてねぇよ」
「マジで? 嘘は良くないで? ここだけの秘密にしといたるから言うてみぃ」
カイトが拓人に詰め寄る。
「本当にしてないんだって。確かにそういう雰囲気になって、お互い興奮して、そのまま抱いてしまいそうになったけどさ……俺には出来なかった。っていうか出来ねぇよ……」
拓人は切ない声を出す。
「何やそれ?」
「桃華の身体のこと考えたら出来ねぇよ……。俺が抱くことで桃華の身体の負担になるかもしれねぇし……それに万が一桃華に何かあったら、俺責任とれねぇよ……」
「拓人、おまえ……」
カイトは拓人を覗き込み申し訳なさそうにした。
「本当に大切にしてるんだね、桃華ちゃんのこと」
ハルキがカイトの言葉を補うように言う。
「当たり前だろ? 何かあってからじゃ遅いんだ。本当に好きなんだ……1日でも1分でも1秒でも長く桃華に傍に居て欲しいんだ……」
NEVER専用の宴会室は切ない沈黙に包まれた。
カイトがその沈黙を破るかのように、バチンと大きな音を立てて思いっきり拓人の背中を叩いた。
「何て顔してんねんっ!」
拓人は驚いてカイトの顔を見る。
「そんだけ桃華ちゃんのこと大切にしとるなら、隠し撮りされるようなことすんなや!」
拓人は返す言葉が無くうつむいた。
「……本当に、今日のことは悪かった……」
「おまえが本当に謝るべき相手は俺らちゃう! 桃華ちゃんや! NEVERにもTAKUにも度を越したファンもおる。桃華ちゃんの存在がその子らに知れた時、桃華ちゃんが何かしらの危険とかにさらされたら困るやろ? ちゃうんか?」
「……そうだな。俺がうかつだった……」
拓人の心は悔しさでいっぱいだった。
「今回はこの程度にしといてやるが、次やったらこんなんや済まさへんで?」
カイトは拓人に脅すように言うと、拓人の頭をポンポンと軽く叩き、立ち上がって自分の席に戻った。
「俺も……そう感じるよ。以前、有名人と付き合ってた恋人が、熱狂的なファンに嫉妬されて嫌がらせされたことがあるって聞いたことあるし」
ハルキは心配そうな声色で話した。
「万が一何かあったらその時は守ってやれ!」
シンジもハルキの言葉に続けた。
「ただし、仕事には穴あけへんこと!」
少し離れたところでカイトが叫んだ。
「おぅ! 当たり前だ!」
拓人はみんなに向かって親指を立ててみせた。
──それから数日後に発売だった週刊誌に例の拓人の写真は載せられた。
雑誌の内容はこうだ。
『緊急速報! 大人気バンドNEVERのボーカルTAKUに恋人か!?』
今月4日、大人気バンドNEVERのボーカルTAKU(21)が自宅から大切そうに女性をお姫様抱っこして出てくる姿を撮影した写真が、ネットの掲示板に投稿されていることが明らかになった。
TAKUは現在、自宅に一人暮らしと我々記者団は聞いていることから、この女性はTAKUの恋人である可能性が強いと見ている。
TAKUの事務所もTAKU本人もこの写真について一切応じず、真相は定かではない。
──事務所の圧力もあり、この写真に関して取り上げられたのはこの雑誌の他には一部のメディアのみで、特別大々的に取り上げられることはなく、拓人たちは一先ずホッとした。
しかし、このニュースが後々大事件を起こすということを、この時は誰も予測出来なかった。
相変わらずBARに入るのに抵抗がある拓人は、不機嫌そうにしていると
「しゃーないやろ! ここが1番安心してみんなで話せる店やんか!」
とカイトに背中を押されてしまった。
仕方なくBARに入り、いつもの部屋に通され、注文の品が届くとメンバー達は口を開いた。
「で? 今日はデートだったんだろ? その感じだと何か進展があったんだろ?」
ヒロがニヤニヤしながら拓人の左手の指輪を見た。
「まぁ……それなりに」
「今日は最後問題起きちゃったけど、楽しめた?」
隣でハルキが心配そうな表情を浮かべる。
「ああ、まぁ……」
口々にされる質問があまりに大したことないものばかりだったので、てっきり責められるんだろうなと感じていた拓人は少し拍子抜けした。
「でさぁ! 桃華ちゃん家に上げて何してたんだよ!」
ヒロが楽しそうに身を乗り出た。
「俺の部屋で普通に話して、ギターで弾き語りして桃華の好きな曲歌った」
誘導尋問に答えるかのように拓人は話す。
「本当にそれだけ!? 桃華ちゃんとえっちなことしてたんじゃねぇの!?」
「俺もそこ知りたいわ! 教えてくれてもええんちゃうか!?」
カイトもヒロに便乗した。
「……おまえらが期待してるようなことはしてねぇよ」
「マジで? 嘘は良くないで? ここだけの秘密にしといたるから言うてみぃ」
カイトが拓人に詰め寄る。
「本当にしてないんだって。確かにそういう雰囲気になって、お互い興奮して、そのまま抱いてしまいそうになったけどさ……俺には出来なかった。っていうか出来ねぇよ……」
拓人は切ない声を出す。
「何やそれ?」
「桃華の身体のこと考えたら出来ねぇよ……。俺が抱くことで桃華の身体の負担になるかもしれねぇし……それに万が一桃華に何かあったら、俺責任とれねぇよ……」
「拓人、おまえ……」
カイトは拓人を覗き込み申し訳なさそうにした。
「本当に大切にしてるんだね、桃華ちゃんのこと」
ハルキがカイトの言葉を補うように言う。
「当たり前だろ? 何かあってからじゃ遅いんだ。本当に好きなんだ……1日でも1分でも1秒でも長く桃華に傍に居て欲しいんだ……」
NEVER専用の宴会室は切ない沈黙に包まれた。
カイトがその沈黙を破るかのように、バチンと大きな音を立てて思いっきり拓人の背中を叩いた。
「何て顔してんねんっ!」
拓人は驚いてカイトの顔を見る。
「そんだけ桃華ちゃんのこと大切にしとるなら、隠し撮りされるようなことすんなや!」
拓人は返す言葉が無くうつむいた。
「……本当に、今日のことは悪かった……」
「おまえが本当に謝るべき相手は俺らちゃう! 桃華ちゃんや! NEVERにもTAKUにも度を越したファンもおる。桃華ちゃんの存在がその子らに知れた時、桃華ちゃんが何かしらの危険とかにさらされたら困るやろ? ちゃうんか?」
「……そうだな。俺がうかつだった……」
拓人の心は悔しさでいっぱいだった。
「今回はこの程度にしといてやるが、次やったらこんなんや済まさへんで?」
カイトは拓人に脅すように言うと、拓人の頭をポンポンと軽く叩き、立ち上がって自分の席に戻った。
「俺も……そう感じるよ。以前、有名人と付き合ってた恋人が、熱狂的なファンに嫉妬されて嫌がらせされたことがあるって聞いたことあるし」
ハルキは心配そうな声色で話した。
「万が一何かあったらその時は守ってやれ!」
シンジもハルキの言葉に続けた。
「ただし、仕事には穴あけへんこと!」
少し離れたところでカイトが叫んだ。
「おぅ! 当たり前だ!」
拓人はみんなに向かって親指を立ててみせた。
──それから数日後に発売だった週刊誌に例の拓人の写真は載せられた。
雑誌の内容はこうだ。
『緊急速報! 大人気バンドNEVERのボーカルTAKUに恋人か!?』
今月4日、大人気バンドNEVERのボーカルTAKU(21)が自宅から大切そうに女性をお姫様抱っこして出てくる姿を撮影した写真が、ネットの掲示板に投稿されていることが明らかになった。
TAKUは現在、自宅に一人暮らしと我々記者団は聞いていることから、この女性はTAKUの恋人である可能性が強いと見ている。
TAKUの事務所もTAKU本人もこの写真について一切応じず、真相は定かではない。
──事務所の圧力もあり、この写真に関して取り上げられたのはこの雑誌の他には一部のメディアのみで、特別大々的に取り上げられることはなく、拓人たちは一先ずホッとした。
しかし、このニュースが後々大事件を起こすということを、この時は誰も予測出来なかった。
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